ラノベのプロットの書き方

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あらすじは10行以内にまとめる

短くまとめることで、物語のポイントや山場を可視化させることができます。

設定やプロットはどんどん追加するのではなく、余計なものをどんどん削ぎ落として、おもしろい部分だけを残す、というやり方で作るのが良いです。

贅肉を削ぎ落として、本当に大事な骨格を浮き彫りにするイメージです。すると、自分が本当に書きたいものが見えてきて、ストーリーが具体的になります。

あらすじが長くなってしまうのは、どのような道筋をたどって、クライマックスにたどり着くのか、作者の中で本当に書きたいものが固まっていないためです。これを固めるためにもB5コピー用紙の10行以内にまとめるという制約が有効になります。

また、主人公はいかにこの窮地を脱するか!? などといった煽り文句で終わらせず、結末までに具体的に書きましょう。ラストと、そこに至るまでに必要な通過点を決めておかないと、ストーリーが空中分解する原因になります。

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主要キャラの5行プロフィール

重要な登場人物3~4人の設定をB5コピー用紙の5行以内に書きます。

凡庸な性格にはせず、中二病なのに美少女、ひきこもりゲーム廃人だったのに世界征服に乗り出す、劣等生なのに超天才など、有り得ないギャップのある極端な要素を持っている方がキャラが立ちます。

キャラクターはいくつも考えて、ツマラナイ人間はリストラしてください。血液型や髪型といった設定は必要ありません。

アイドルのプロデューサーになったつもりで、どうすればこのキャラをみんなに愛してもらえるか? かわいく見せられるか? 強烈な印象を残せるか? と考えましょう。

読者が喜ぶ内容か?

ラノベは10~20代のオタクをメインターゲットにしたものです。
なろう小説は30~40代のオタクがメインターゲットです。

彼らが読んで楽しいものであるか?
彼らになんらかのメリット(得)を提供する内容であるかチェックしましょう。
特になろう小説においては、いかに読者の承認欲求を満たすかで人気が決まります。

ラノベは文学作品ではなく、エンターテイメント消費のためのものです。ラノベ作家は偉い作家先生ではなく、オタクコンテンツ製作者です。

自分が書きたい話より、読者が読んで楽しいかどうかに意識を向けてください。間違っても読者が喜ばないような内容にしてはいけません。

独自性。ありがちなネタを「他人とは角度を変えて描く」

 いつも榊一郎氏を引き合いに出してしまうのですが、氏の『アウトブレイク・カンパニー』(講談社ラノベ文庫・2011年12月2日刊行)は、支倉凍砂氏の『狼と香辛料』が切り開いたファンタジー+商売という図式に「オタク」を混ぜ込み、しかも普通ならこちらの世界での商品として扱われるだろうファンタジー世界の住人を「客」とし、オタク文化を売り込むという角度の変えっぷりを実現しています。

ここで大事なのは、独自性とは「ただ斬新なもの」ではないということです。
「すでに存在する要素」に「今までなかった要素」を少し加え、読者に理解しやすい演出をしたものこそが独自性だと考えてください。

以上は、ライトノベル新人賞の下読みをされているジジさんの言葉です。

オリジナリティとは斬新さや新奇さではなく、ありがちなネタを「他人とは角度を変えて描く」ことです。

例えば、古い作品ですが、ヤマグチノボルの『ゼロの使い魔』(2004年6月刊行)は、魔法使いと使い魔という、ファンタジー小説に元々あったネタを、人間の少年を魔法使いの美少女の使い魔にさせてしまいラブコメのギミックとして活用した点が斬新でした。

ありきたりなネタをラブコメに応用し、契約の儀式として美少女にキスされる、一緒に暮らすなど、10代のオタクが喜ぶ作品に昇華させました。

一行で表せる明確なコンセプトがあるか?

『ありがちなネタを「他人とは角度を変えて描く」』ことは、非常に高度なので実現するのは難しいかも知れません。

その場合でも、この作品のテーマは何か? 一言で言うとどこがおもしろいのか? 明確に言えるようにしておきましょう。

どこがおもしろいの? といういじわるな質問に対する答えは電撃文庫では一行コンセプトと言われてるようです。

例えば、電撃文庫の『はたらく魔王さま!』(2011年2月刊行)は、「世界征服寸前まで行った魔王が勇者に敗れて現代日本にやってきて、ファーストフード店で働きながら生計を立てる」という、これを聞くだけで笑ってしまうような明確なコンセプト、売りがあります。

おもしろい作品とは、必ずここがおもしろい! と一言で言えるような明確なコンセプトを持っているのです。

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