ラノベ研シェアワールド企画12

戦乙女と石の守り手感想の返信の返信です。 (No.46572への返信 / 1階層) – ねね

酔っ払った勢いのまま、感想書いてしまってました・・・><。

>「霊取り豚」のエピソードを読んで、
>「ミラが予想以上の万能キャラになってるw」と笑わせてもらいました。

書き上がって読み返して、ミラえもんにしてしまったことを実は密かに反省しました。笑

[No.46594] 2014/10/18(Sat) 01:50:57
Re: 石の巨人と風の魔王 (No.46592への返信 / 2階層) – 東湖

> 勝手に、東湖さんの『ヴァルキリーレディと火炎放射器先輩』の続きを書きました。
・あんたは、天才か!?w
またまた、見事に持ってイキおったw
もう、そろそろ終わったかな、と思ったんですが、再燃したw

> だって、ブン投げられたら、ブン投げ返すしかないじゃないでしょ!
・これは、もしかしてぶん投げかえせという要望なのかw
・右の頬を殴られたら、左の頬を殴り返せって婆っちゃが言ってたし…よし。

・次回!
『火炎放射器先輩と悟りの境地!』
あらすじ
『第一次BOZE戦争後、火炎放射器先輩は己の無力さを噛みしめ、火炎の秘密を解き明かすため、宿敵であるBOZEの寺院《拝火殿》を訪れる。
「GYA-TE-GYA-TE-HARA-GYA-TE」
BOZEたちの《DOKYOU:読経》流れるなか、立ちはだかる《SO-HEI:僧兵》たちの魂切杖をくぐり抜けた先輩は《HONDEN:本殿》において水の中に封印された、伝説の火炎放射器《ZOROASTER-Mk2》と邂逅を果たす。
《木火土金水》の五行を統べる火(カ)と水(ミ)の境で、火炎放射器先輩は内なるカミの声を聞く。
陰と陽が交錯し、虚と実が相まみえるとき、相生は相克となって火炎放射器先輩に新たなる力を与える』

予定は未定!
書けないかもしれないので、先に謝っとく。ごみん。

[No.46595] 2014/10/18(Sat) 02:16:44
Re: 【改稿】秘密の魔研戦隊ゴースト・ファイターズの感想です。 (No.46583への返信 / 2階層) – ねね

サイラスさん、こんにちは!

目からウロコでした。
そっか・・・、そっちが正解だった~。orz
>書いていている、俺って、変態?

さすがです!ラッキースケベ師匠って呼んでもいいですか?(´▽`*)

サイラスさんの聖女のハサミのシーンで、なるほど!こういう風にラッキースケベって使うんだ勉強になるなと思っていたんですけど、その真髄を見た気が。 笑

せっかくなので、そういうのもりもり盛り込んだサイラスさんのお話、ぜひ読みたいです。

わたしも、正しい使い手目指します!
いつも細かいコメントありがとうございます!
自分では気づけないご指摘、めちゃくちゃ、助かります。

サイラスさんの次のお話も楽しみに待ってます♪

[No.46600] 2014/10/18(Sat) 11:28:27
二人が倒れたら、地獄に変わった……-魔法研究所最大の危機- (No.46572への返信 / 1階層) – サイラス

どうも、サイラスです。何とか間に合った問題作、投下します。

ー始ー

とある世界の某所にある『魔法研究所』。
今、ここは最大の危機に瀕していた。
「やばい、間に合わねぇー!う、うわぁぁぁぁ!!」
「誰か!手を貸してくれ!!」
各研究室が爆発し、それに伴う負傷者が続出。負傷者の救出や治療で、研究所の各所が混乱していた。
また、別のところでは
「お、おい、メシ……まだかぁー」
「ヒャハッハハー!これは俺のもんだ!!」
「うるさい、汚い手で触るな!!これは、俺のだ!!」
昨日まで、研鑽し合っていた仲間が、道具や食料の取り合いをし、魔法を使った戦闘にまで発展し、周りでは、敗者が横たわり、各々、自分が欲しいものを、呪詛のようにつぶやいていた。
このように、研究所内は、傷つくもの者、奪い合う者。それに耐えきれず発狂する者が入り乱れ、地獄そのものと化していた。その原因は、魔蟲でも、魔法阻害粒子でも、BOZEの襲来でもなかった。

「片桐君、ベットで寝ることがこんないいものとは、思いもしませんでした……」
「そうですね。カーネルさん……」
とある病室のベット。老紳士と青年が大の字に寝転がり、バカンスを楽しむかのように、呟いた。
純研究派の片桐広人。食堂派のカーネル=ブライトン。ここ最近の、魔蟲の襲撃をはじめとする一連の騒動による過労で、運び込まれ、ここで療養していた。
「ここ最近、走馬灯が見えるほど忙しかったなぁー。次から次へと、作れ!直せ!と依頼が、飛び込んできましたからね。」
「そうですね。魔蟲討伐や捜索隊の食事の準備や周辺地域への炊き出し、まったく、もう妻や孫達のところに召されるかと思うくらい多忙でしたから……」
そういい、広人とカーネルはため息をつきながら、外の騒ぎを聞いていた。そう、今回の地獄の門が開らかれた原因は、この二人が倒れたことにあった。この二人が、過労で倒れたため、二人が担当する業務が滞ってしまい、その結果、研究所は、混乱を通り越して、ハルマゲドンが起きてしまったのであった。
「それにしても、何をやっているのでしょう……純研究派。片桐君、一人倒れただけ、魔法道具の製造や修理が滞るとは、いったい、どんな研究していたのですかね?」
カーネルのボヤきに、僕とキイス達を除いて、『ヲタク』ですから、と広人が苦笑いで、答えつつ、
「これを機に、他の技術や知識に触れて勉強してくれて、少しでも変わってくれればいいです。さすがにそこまで、馬鹿じゃないですから……」
と言い終わった途端、病室の壁が揺れる。
『また、何か壊したんかい!』
と広人は心の中で、ツッコみとため息をした。
純研究派は、元々は、魔法道具の専門家を育成する派閥だ。しかし、広人が、『ヲタク』というほど、自分の興味や関心以外の知識を持ち合わせていない魔術師が多いのが、今の純研究派であり、広人のような道具全般に通じる魔術師がいなくなった途端、魔法道具の製造や修理といった研究所の必須業務ができなくなるという問題が噴出してしまったのである。そのために、今、研究所や、魔法道具の破損や暴走に混乱を収拾できず、混乱を加速させたのだった。
「恥ずかしいですよ。若造数人にオンブに抱っこの派閥って……」
「それをいったら、うちの派閥も似たようなもんですよ……」
そう愚痴る広人に同調するかのように、今度は、カーネルがため息を漏らした。
「最近、私や数人の料理人が担当でないと、誰も食堂に寄り付かなくなりましたから」
「厨房が、実験室と化していますもんね」
「『魔薬派』と呼ばれても、何とも思わない輩が多くて、嘆かわしいですよ。まったく!」
カーネルが怒りを覚えるほど、食堂派は、『魔法薬』至上主義者の独壇場と化していた。うまく新しい魔法薬ができれば、莫大な金と名誉が手に入る、そのため、食堂派内で、魔法薬の製造が流行し、『丹』も今では、魔法薬と同義と化し、それの製造に没頭する食堂派を一部では、『魔薬派』と呼び、蔑視していた。
「そのためですかねぇー、最近、食堂の料理は不味いし、当番もサボる、挙句に、研究者の風上に置けない輩まで出てきてしまった。」
「無断で、料理に『丹』を混入させて、人体実験を行う……そんなのわかったら、誰も、食堂で、飯なんか食べたくありませんもん。」
広人が言うように、手っ取り早く結果が知りたい輩は、研究所の許可なく、人体実験を行なおうとする。その方法が、自分が料理当番の日に、『丹』を混入させ、摂取させるという方法だった。そんな一部の身勝手が、原因で、集団中毒や爆発事故が後を絶たず、食堂派の料理に対する信頼を地に落としたのだった。
「そうでなかったら、カーネルさんが倒れるほど、業務が集中しないし、あなたの評判に、「セーフティー」なんてつきませんもんね。」
「料理とは、食材と技術と想いの、三味一体。その想いを捨てたから、今日のような騒ぎが起きてしまい、魔薬派は収拾できていないでいる。自業自得です!!」
とカーネルが吐き捨てるように、窓の外を見つめた。そこでは、調理されていない食材を、魔導士達が取り合い、そのままかじっている姿が繰り広げられた。まるで、餓鬼道の世界だ。もし、食堂派がまともだったら、皆、食堂派の作る食事を口にしているなのに
「けど、そういう私も何もできなかった……こうなることを防ぐことも、正すことも。」
外の光景を涙を流しながら、震えているカーネル。その姿は、自分が知っている偉大な職人ではなく、己の無力さに苦しむ自分とどこか同じだと、広人は感じてもいた。
「だったら、今日は、のんびりしましょう。カーネルさん。」
といい、広人は蒲団をかぶりなおした。
「片桐君!?」
「カーネルさん、外の光景を何とかしたいっすよね。なら、まずは、ここを出られるように、体力を戻さないと……」
広人の、行動や言葉の真意を測りかねているのか、布団の塊になった、広人を黙って見続けた。
「休むのも、職人としての義務ですよ。フラフラの腕で、ヘボい仕事をしちゃ、魔薬派やヲタクと変わりませんよ」
「片桐君……」
「だから、今日は、休みましょ?明日、英雄になれるように……」
といい、広人は、そのまま眠ってしまった。相変わらず、言葉が下手だなと、思いつつ、カーネルは、表情が緩まっていた。広人のいうように、自分は、食堂派の職人だ。焦って、休むという仕事を放棄していている自分を嗤うとともに、それを、気づき、正してくれた目の前の青年の成長に、喜びを感じていた。
「そうですね。私も柄にもなく焦りすぎましたね。」
といい、カーネルも布団をかぶり直し、少し眠ることにした。きちんと休んで、この事態を収拾を図る。それを一秒でも早く、早めるためにも……

しかし、その時間は、5分も与えられなかった。

「み、ミラ!!しっかりしろぉぉー!!」
その悲鳴に、二人は目を覚ました。
「えっ!?」
「ミラさんが……」
二人は、通路に視線をやる。すると、キイスが寄り添うように、ミラの横たわるストレッチャーの後を追っていた。
「大丈夫だよ、キイス……それより、起きたら、き……」
「遺言めいたこと、いうんじゃねー!!」
ストレッチャーが通り過ぎた途端、二人は、嫌な予感を感じていた。

「モーナ様、しっかり!!モーナ様ぁぁぁー!!ベレルを独りにしないでください!!モーナさまぁぁぁー!!」
今度は、小さい女の子が、泣きながら、すっかり禿げあがっている中年の男性の横たわったストレッチャーの後を追う。
「モーナさん!!」
「管理官……」
カーネルがそう呟い他途端、部屋の温度が、下がったように感じた。

「じゅ、ジュリアぁぁ!!」
「泣くなよ……それに、あたしの名前は、ゴンザブ……」
「お前は、女だ!!頼むから、おネエに堕ちるなぁぁぁ!!」
やけに、むさ苦しくなったジュリアを乗っけたトレッチャーに、女物の服を着たコウ=サトーが、付き添っていた。
ストレッチャーが通り過ぎると、二人の背筋は震えていた。それに耐えきれなくなった二人は、示し合わせたかのように、ベットから起き上がり、ふらふらとした足取りで、病室を出ようとした。
「カーネルさん、休んでいる場合じゃないすっね」
「ええ、物流(ミラ)、魔法管理(求愛の管理官(モーナ))、外界との窓口(ジュリア)の業務の中心者が、倒れてしまった以上、この騒ぎ、我々が、収めないと……」
「まったく、ここまでお粗末な組織なんて、ギャクですよ。まったく……」
と愚痴る二人は、病室を出入り口に差し掛かった。その二人を、本来なら、静止させなきゃいけない、医術士や看護術士が、敬礼をし、見送っていた。

こうして見送られた二人の職人(マイスター)は、雄叫びを挙げながら、自分達の業務を片付けていき、なんとかハルマゲドンは阻止することに成功し、そのまま集中治療室に運ばれた。この時、二人を運ぶストレッチャーを、皆、敬礼しながら、見送ったという。

この事件以降、魔法研究所の危機管理リストには、こう記載されるようになった。

「我が、研究所の最大の敵、何万匹の魔蟲の襲来や禁書の紛失よりも、恐ろしいものがある。それは、日常業務が滞ることである。」

ー終ー

業務が滞った時の、ドタバタ劇と、この研究所の急所と思えることを書こうと思い、書きましたが、いつの間にか、純研究派、および食堂派の悪口になってしまいました。申し訳ございませんでした。
また、求愛の管理官を、今回は、ジジさんが、仮で読んでいた。「モーナー」に切り替えてみしたので、悪しからず。

謝辞

雷さんへ

ミラとキイス、チョイ役ながら、お借りしました。なお、ミラは、あの騒動の途中、無事に退院しましたので、ご心配なく……

たなかさんへ

ベレルをお借りしました。なんか、求愛の管理官が、運ばれても、一人だと、ちょっとネタにしづらいので……

どあのぶさんへ

BOZEを名前だけ借りました。ギャクは、ないです。はい。

ねねさんへ

ジュリアとコウを借りました。ジュリアが野郎と化したため、入れるのやめようかと思ったのですが……彼女(彼?)が窓口的な役割を持っていたため、入れてみました。ジュリアが女に戻ったか、オネエに堕ちたかは、想像にお任せします。

以上です。では。

[No.46605] 2014/10/18(Sat) 15:47:54
Re: 二人が倒れたら、地獄に変わった……-魔法研究所最大の危機- (No.46605への返信 / 2階層) – ねね

サイラスさん

こんばんわ!

みなさんの設定を上手くいれこみつつの、裏事情に、
あ~こういうのもありだ~と嫉妬。 ( – ゛-) ジッー

構成下手過ぎて、みなさんの設定を上手く組み込めないので、
そういうのができる方は、羨ましいです。
それから、すごく申し訳ない気がしたので、ちょびっとジュリアをサイラスさんの続きな感じで軌道修正してみます。。。

「うっ……今にも死にそう……もう駄目っ!でも、治療ついでに体を女に作り変えてくれたら、なんとか生き伸びれるかも!更についでにナイスバディーの激カワ仕様だったら、一瞬で全開間違いないです!」
オネェ色全開でクネクネしながらジュリアは訴える。
「なにバカなこと言ってんの。そんな場合じゃないでしょう?」
呆れたように女医が言う。
「外界との調整のスペシャリストのわたしがいなくなったら、どーなるかわかってんのか(゚Д゚)ゴルァ!」
一瞬素となったジュリアがドスを利かすも、そんなことで怯む女医ではなかった。
「こっちもね、超激務なの。今はそんな場合じゃないわけ」
「ううっ……わたし、心は、女の子なんです。こんな体でこれ以上生きるのはもう辛いんです。わたしの心も助けて下さい、先生……」
脅しが通じないとわかると、サッサと泣き落としに方向転換するジュリア。
知りたくないことまで知ってしまったコウには全部わかっていた……。
そんな見え透いた泣き落としが通じるはずが……
「わかったわ!わたしもまだまだね。あなたの心が救えなくちゃ体を救ったって意味がないわよね」
瞳をうるませながら、女医は、ぎゅうっとクマ男ジュリアの手を握りしめた。
「ウチに全部まかせんしゃーい!」
「ファッ!?」

すみません、なんかほんとすみません……。orz
でもこれで身も心も女の子になって、めでたし、めでたしです!(えっ

[No.46611] 2014/10/18(Sat) 23:37:03
中庭とアイニッキの研究室 (No.46572への返信 / 1階層) – まーぶる

アイニッキは、この季節が嫌いだった。
「はあ、上下派の連中が酒盛りする時期になっちゃったなあ。ミラ帰ってきたらしいし、キイスの所に行ってみるか」
そう呟くと彼女は自分の研究室を出た。

「出て行ったな。さあ、お前らさっさと準備するぜ。ヒャッハー!」
「赤さんに続け!」
「ウイエーーーイ!」
赤鮫率いる上下派のメンバーが中庭に荷物を運び込む。
「せっかく中庭に面した場所に研究室持ってんのに、アイニッキ」
上下派といるのはミラだった。
「アイツとお知り合いで?」
赤鮫が尋ねる。
「ええ、面白いマジックアイテム仕入れてないか、よく聞きに来るもん」
ミラは中庭と研究室を隔てるドアを開けて、中に入って行った。アイニッキがいたら文句を言って追い払われるので、こんな方法を選んだのだ。
「お、良いね。準備進んでんじゃん」
現れたのは食堂派の女。
「バッチリですぜ、ノエルの姉さん」
「よしよし。お、これはワームドラゴンの肉じゃない。さすがミラ、こんな高級肉用意するなんて」
ノエルは腕程もあるナイフとフォークをかち鳴らした。
「お水汲んで来たし、バーベキュー始めますか」
バケツを持ったミラが研究室から出て来た。

「ヒャッハー! 飲むぜ、食うぜ、騒ぐぜ野郎共!」
「じゃんじゃん焼くわよ!」
「ノエル、キイスの分取っておいてよ」
「分かってるって、ミラ」
「タレは?」
「そこの箱」
上下派の一人がビンを取り出す。ややピンクがかったクリーム色のタレが入っていた。一口舐めてみる。
「なんだあ、このタレ。全然美味くねえ」
「アンタ、それ高級食材使ってんだけど」
ノエルが睨む。
「活きの良い人の脳みそって、なかなか手に入らないんだから」
ノエルを除く全員が吐いた。
「うげ」
「テンション、マジ下がる」
上下派のモヒカンが力無く垂れる。
「ああ、もう! 普通のタレもあるから、それ使えば良いでしょ。せっかく、人を操る丹の実験ができると思ったのに」
「ノエル、何か言った?」
「いや?」
声が少し上擦る。
「ば、場所代えてやり直そう! ね、ねっ! ほら上下派のみんなも」
そして、彼らはどこかに消えた。

しばらくして部屋の主が戻る。
「ミラいなかったな。マジックアイテム仕入れてないか聞きたかったのに」
アイニッキが研究室の窓を開ける。
「臭っ!」

そんな彼女が真相を知る事は無かった。

[No.46612] 2014/10/19(Sun) 00:07:28
冥府の料理人ノエルのひそかな愉しみ2 (No.46572への返信 / 1階層) – あまくさ

――呪食同源

じゅしょくどうげん、と読むらしい。
《ヘスティアの大厨房》の壁にかかげられた大きな額。そこに太く黒々とした線で書きなぐったような文字らしきものが、のじゃババとノエルを見下ろしている。なんでも異国の古い《象形文字》なのだと言う。
「今日は、何をつくっておるのじゃ?」
純白のコックコートをまとったノエルの背中に、のじゃババが声をかけた。
「筑前煮です」
「チクゼ……また、どこぞの古代料理か?」
軽やかな音を立てて具材をきざむノエルの背中を、のじゃババは目をほそめて見つめた。
「そうしている時だけは、昔のおぬしと変わらんの。ほんに楽しそうじゃ」
ノエルの趣味なのだ。古い文献を読みあさり、古(いにしえ)の料理を再現してみることは。
「知っておるか? 皆が《冥府の料理人》のおこもりを、どれほど怖れておるか」
「怖れている? 何をです?」
「食堂派の派閥長さまが、時折り、たった一人で大厨房にとじこもり熱心に何かを作っている。いったい何を企んでいるのか、もしや御法度中の御法度たる蠱毒の術でも用いているのではないか。そう囁きあって怯えているのじゃ」
「私が蠱毒を? バカな」
ノエルは一笑に付す。
蠱毒とは毒をもつ蛇や虫を同じ器に入れて殺し合いをさせ、生き残った一匹を用いて行う悪しき呪術であり、厳しく禁じられているのだ。
「仮に私がそのような術に手を染めるとしたら、噂など微塵も立てずにやりますよ」
「おぬしなら、さもあろうの」
のじゃババは知っていた。実は蠱毒はノエルが秘かに研究しているライフワークの一つであること。その成果のほんの一部が、例のアンポン丹に応用されていることを。
知っていたが、口にはしなかった。
食堂派の長の地位をノエルにゆずって以来、のじゃババは、つとめて彼女のやりかたに口出しをしないようにしてきた。
ノエルには才気があり、困難をのりこえる力を持っていると、のじゃババは見ている。多少危うい面もチラつかせるが、道を踏み外すことはない冷静さも備えているようだ。
「ノエルよ」
のじゃババは、若い愛弟子に語りかけた。
「おぬしに長の座をゆずったワシの目に狂いはなかった。このところのおぬしの働きは見事なものじゃ」
「……めずらしいですね。先代が褒めてくださるなんて」
ノエルは美しい眉を少しひそめて、疑り深そうにのじゃババを見つめた。
(こういうところも、この女子(おなご)らしいの)
ノエルは猜疑心が強く、人を信じようとしない。野心家で、気位が高く、容易に心を開くことがない。かなり高慢で、軽んじている相手には虫けらでも見るような視線を向けることもある。だから人望はなかった。
今だって、のじゃババは本心からノエルを称賛したつもりだったのに、素直に喜ばない彼女の態度にいくらか不愉快な気分になった。
(このワシでもムッとするくらいだから、他の者はなおさらじゃろうよ)
が、それも口に出さず、おだやかに語りかける。
「のう、ノエルよ」
「なんでしょうか?」
「そのなんとか煮やらオッパイプルプルを作っておる時のおぬしは、カワユイものなのじゃがな」
「オッパイ……ッ! 先代、ロッシュに何をふきこまれましたか?!」
冷静ぶったノエルの表情が、急にくずれた。いくぶん顔を赤らめてさえいる。
(ほほう。ツボにはまったようじゃな?)

――ノエルさん? なんかオッパイプルプルとかいう変な料理を嬉しそうにこさえてましたよ。
――オッパイ……なんじゃ、それは?

純研究派の生意気な少年との会話。そんな料理名があるかよと思ったが、何となく印象に残っていたのだ。
そして、ロッシュから聞いたと容易にわかる言葉に敏感に反応したノエルの態度が興味深かった。
あまり目にしたことのないような《冥府の料理人》の狼狽ぶりに、のじゃババは内心ほくそえむ思いだった。してやったりという感じだ。
「気になるかの? ロッシュのことが」
「だ、誰があんなクソの役にも立たない性悪ガキのことなんか! どうせあることないこと私の悪口を言いふらしているのでしょう?」
(ほっほお~~)
のじゃババは、もう一度、興味シンシンな気持ちでノエルの顔をしげしげと見つめた。
(こやつ、女子にしか興味がないのかと思っておったが、なかなかどうして)
そして、もう一つ。
のじゃババは、ノエルの口汚いののしりを聞いて、最近会った別のある娘のことを思い出した。

――ふん、お前らクソの役にも立たない生き物だなっ!

風で乱れたモヒカンを手櫛で整えながらうそぶいた娘の口調は、楽しげでさえあったのを思い出す。
その娘は、ミラでさえ手こずった巨大な魔蟲を、何と一瞬で葬りさってのけたのだ。

「何をニヤニヤなさっているのですか、先代?」
「ちっちっち」
いぶかしげに問いかけるノエルに、のじゃババは指を一本立てて左右にふってみせる。
「実はの、おぬしに性格のよく似た女子に先だって出会ったんじゃよ」
「私に似てる? 誰です、そいつは?」
「第七のヴァルキリー、ジェシクとかいいう小娘じゃ」
「第七のヴァルキリー? 上下派のはねっかえりバカ娘でしょう、それ? 話はきいてます。私に似てるって? バカバカしい。不愉快ですね」
ノエルはそれきりそっぽを向いて黙ってしまったが、のじゃババにとっては収穫の多い会話だった。いくぶん興奮気味に、思考をめぐらせる。
(今、気がついたわ。あの妙な小娘とノエルは似ているところがある。胸の奥にくすぶる不遜きわまる矜持、とでも言うかの? 使いようによって毒にも薬にもなる危険な心根を、この二人は持っておる)
それはまことに危うい夜叉の心ではあったが、この世界に禍々しい滅びの影がしのびよる今、なくてはならぬ力なのではないかと思いあたったのだ。
(《蟲の七日間》がふたたび迫っておる。二人の心が闇の力(ダークサイドフォース)に吸い寄せられることを阻止し、むしろ戦力として育て上げることじゃな。それこそが、ワシと聖女様の役割なのかもしれぬのう)
その時。

扉が開き、一人の少女がずかずかと入ってきた。
《冥府の料理人》ノエルの聖域たる《ヘスティアの大厨房》に気ままに足を踏み入れることのできる者が三人だけいるという。
そのうち二人は、のじゃババとロッシュ。
そして、もう一人は。

「ちょいと、腐れ料理人さんさぁっ。七番目のヴァルキリーのこと聞いた? ジェシクなんて胸クソ悪い名前のヤツがこの世に二人もいるだなんて、知らなかったわよ! けっ、ぺっ……あら、のじゃババ様もいらしたんですか?」

両手を腰にあて、両足を大きく開いてノエルにまくしたてたリナは、傍らののじゃババの姿に気づいて慌て顔になった。
*   *   *

今回は、たなか様ののじゃババ様をお借りしてみました。

このミニ企画もそろそろ潮時なのかなという気もしますが、ジェシクとリナが再会するキッカケだけは作ってやろうかと。一作目でけっこうひどい扱いをしてしまったキャラたちを、他の方が拾って育ててくださったようです。ちょっと不思議な感覚を経験させていただきました。

流れとしては、

『魔王になりたかった少年』(拙作)
『腐女と喪女と僕』(東湖様)
『ヴァルキリーレディと火炎放射器先輩』(東湖様)
『石の巨人と風の魔王』(雷様)
『冥府の料理人ノエルのひそかな愉しみ―または、管理官の秘密』(拙作)
本作

というシークエンスを意識して書きました。

[No.46614] 2014/10/19(Sun) 08:19:02
挨拶 (No.46612への返信 / 2階層) – まーぶる

まずは、雷さま、わをんさま、東湖さま、どあのぶさま、キャラをお借りしました。ありがとうございます。

あー、やっと自分らしいネタ書けた。すっきりした。皆さんのおかげです。ありがとうございます。

尚、火炎放射器で肉を焼くネタは、火事になる危険性があったので中止になりました。ありがとうございます。
使用した食材は、後でスタッフ全員でおいしく頂きました。中庭も綺麗に清掃した事をご報告いたします。
では、あらためて、出演者のみなさま、協力をいただいたみなさま、関係者さま、ありがとうございました。

[No.46617] 2014/10/19(Sun) 10:49:01
Re: 石の巨人と風の魔王 (No.46595への返信 / 3階層) – 雷

> > 勝手に、東湖さんの『ヴァルキリーレディと火炎放射器先輩』の続きを書きました。
> ・あんたは、天才か!?w
もっと誉め称えよ(←調子に乗るな・殴)

せっかくなので、自作の中で張っていた伏線も回収させていただきました。
ありがとうございました。

> ・次回!
> 『火炎放射器先輩と悟りの境地!』
> あらすじ
> 『第一次BOZE戦争後、火炎放射器先輩は己の無力さを噛みしめ、火炎の秘密を解き明かすため、宿敵であるBOZEの寺院《拝火殿》を訪れる。
> 「GYA-TE-GYA-TE-HARA-GYA-TE」
> BOZEたちの《DOKYOU:読経》流れるなか、立ちはだかる《SO-HEI:僧兵》たちの魂切杖をくぐり抜けた先輩は《HONDEN:本殿》において水の中に封印された、伝説の火炎放射器《ZOROASTER-Mk2》と邂逅を果たす。
> 《木火土金水》の五行を統べる火(カ)と水(ミ)の境で、火炎放射器先輩は内なるカミの声を聞く。
> 陰と陽が交錯し、虚と実が相まみえるとき、相生は相克となって火炎放射器先輩に新たなる力を与える』

どんだけ風呂敷を広げるんすか(笑)

[No.46619] 2014/10/19(Sun) 20:23:49
Re: 二人が倒れたら、地獄に変わった……-魔法研究所最大の危機- (No.46611への返信 / 3階層) – サイラス

> こんばんわ!

こんばんわ、サイラスです。

> みなさんの設定を上手くいれこみつつの、裏事情に、
> あ~こういうのもありだ~と嫉妬。 ( – ゛-) ジッー
>
> 構成下手過ぎて、みなさんの設定を上手く組み込めないので、
> そういうのができる方は、羨ましいです。

お褒めのお言葉、有難うございます。
ただ、改めて見直すと、純研究派(広人)から食堂派(カーネル)のどちらかに絞って、書いたほうが良かったと考えています。
そうすると、 仲間が事態の収拾に奮闘するシーンを描き、その仲間の危機に広人、カーネルが戻ってくるという熱い展開に持っていける。
また、今回の書き方だと、広人やカーネルが少々、高慢にも見えて、読み手によっては、不愉快な印象を与える為、それを緩和するという意味では、広人か、カーネルのどちらかに絞った書き方が良かったなというのが、あります。

> それから、すごく申し訳ない気がしたので、ちょびっとジュリアをサイラスさんの続きな感じで軌道修正してみます。。。

いいですけど、この方法での話の追加はルール上、問題ないですよね。ジジさん……

> 「うっ……今にも死にそう……もう駄目っ!でも、治療ついでに体を女に作り変えてくれたら、なんとか生き伸びれるかも!更についでにナイスバディーの激カワ仕様だったら、一瞬で全開間違いないです!」
>  オネェ色全開でクネクネしながらジュリアは訴える。
> 「なにバカなこと言ってんの。そんな場合じゃないでしょう?」
>  呆れたように女医が言う。
> 「外界との調整のスペシャリストのわたしがいなくなったら、どーなるかわかってんのか(゚Д゚)ゴルァ!」
>  一瞬素となったジュリアがドスを利かすも、そんなことで怯む女医ではなかった。
> 「こっちもね、超激務なの。今はそんな場合じゃないわけ」
> 「ううっ……わたし、心は、女の子なんです。こんな体でこれ以上生きるのはもう辛いんです。わたしの心も助けて下さい、先生……」
>  脅しが通じないとわかると、サッサと泣き落としに方向転換するジュリア。
>  知りたくないことまで知ってしまったコウには全部わかっていた……。
>  そんな見え透いた泣き落としが通じるはずが……
> 「わかったわ!わたしもまだまだね。あなたの心が救えなくちゃ体を救ったって意味がないわよね」
>  瞳をうるませながら、女医は、ぎゅうっとクマ男ジュリアの手を握りしめた。
> 「ウチに全部まかせんしゃーい!」
> 「ファッ!?」
>
>  すみません、なんかほんとすみません……。orz
>  でもこれで身も心も女の子になって、めでたし、めでたしです!(えっ

この展開だと、
①ジュリアから苦しみと解放すると称して、安楽死させ(られかけ)る。
②女体は、手に入ったが、魔法を使うと、ハチに扮したコスプレ、武器は、レイピアになっている。(手術は、黒タイツ、覆面のあれが請け負いました。)
③無事に女の体にめでたし、めでたし。

[No.46621] 2014/10/19(Sun) 21:51:17
Re: 二人が倒れたら、地獄に変わった……-魔法研究所最大の危機- (No.46621への返信 / 4階層) – ジジ

おつかれさまです。

> > それから、すごく申し訳ない気がしたので、ちょびっとジュリアをサイラスさんの続きな感じで軌道修正してみます。。。
>
>  いいですけど、この方法での話の追加はルール上、問題ないですよね。ジジさん……

ルール無用がルールですのでなんでもありです。
他人のキャラを勝手に殺しても、そのキャラがなぜか別作品で生き返っても、性格が変わっても性別が変わっても設定が歪んでも、すべてはルール内なのです。

[No.46622] 2014/10/19(Sun) 22:34:35
Re: へろりんさん作『永久凍庫の秘密』への感想です (No.46581への返信 / 2階層) – へろりん

あまくささんへ

へろりんです。
返信が遅くなって申し訳ありません。
丁寧な感想ありがとうございます。
いただいた内容がシェアワールドとそれ以外のとがありましたので、
前半でシェアワールドについて、後半でそれ以外についてお返事します。

■シェアワールドについて

まずは楽しんでいただけたようでよかったです。
群を抜いていたとかそんなことないです。
皆さんそれぞれ個性的で面白いです。
楽しく読ませていただいています^^
あまくささんの作品だと『魔王になりたかった少年』が切なくて残酷でよかったです。

掌編の長さで作品を書いたのは、ホント久しぶりだったので四千字に収めるのに
苦労したのですがシェアワールドの設定に魅かれたのと、お世話になったジジ様に
ちょっと絡みたかったのとで書かせていただきました。
この設定って、最初の見本が割と軽いノリだったので、ライト感覚の作品が多い
ようですが、設定自体はホラーにも向いていると思います。

他の方の作品に絡んでないのは、実はストーリーを考えたのがスレが立った当日で
書き始めたのが翌日だったので、絡みようがなかったのです。
そんで、中々進まず一週間以上経ってから投稿したときには、皆さんの作品が投下
された後だったというわけです^^;

上下派のローテンションは、設定を見て真っ先に思いついたものです。
設定では上下派が一番マッド率が高いとありましたが、食堂派もナニゲに高いと
思います。
食を追及するあまり、カニバリズムに走るってお話を、シャルロッテさんに焦点を
当てて書こうかとも思っていたのですが、ちょっと時間がとれそうにないです^^;
本作でのシャルロッテの、食べちゃいたいわって台詞は、その伏線だったんですけど
ね。。。

本作の『永久凍庫』の設定は、自分でも割と気に入っています。
代金さえ支払えばなんでもかんでも冷凍保存してくれる倉庫って、色んなものが
預けてありそうです。
事件の匂いがしますね。

■それ以外について

拙作『二人目のヘレネ』『偽りの玲子』と本作が相似形であるというご指摘を受けて
あ、ホントだー。
『偽りの玲子』はラストが『二人目のヘレネ』と似過ぎてるなーという自覚はあった
のですが「勝気な女性に侮られる」って共通点があったとは!
自分では気がついていませんでした。
いやー、そういうシチュエーション好きなんですよね。それが思わず出ちゃった
みたいです。
舞台は三作品とも違いますが、描き方が似ちゃったみたいですね。
『勇者さまのお仕事』だけ違うっていうのは、一人称と三人称の違いもあるかも知れません。

趣きの違うストーリーというか、展開の異なるストーリーはいっぱいあります。
元々掌編で書いた十本を改稿して連作短編にまとめた長編があるのですが、いろいろと
忙しくて出しそびれています。
ダークファンタジーです。
そのうちに出すかも知れません。

『偽りの玲子』はあまくささんからいただいた感想でもありましたが、自分でも凝った
作品だと思います。
ただ、ラ研換算で五十ページの足かせがありましたので、好きに描けなかったという面も
あります。
現在、枚数の制限をとっぱらい、公募に向けて改稿中です。
それで忙しくてシェアワールド向けの作品が書く時間がないのです。
タイミングが悪い^^;

もし、冬企画があれば、違った趣きの作品を書くかも知れません。
ではでは。

[No.46623] 2014/10/19(Sun) 23:21:03
Re: 二人が倒れたら、地獄に変わった……-魔法研究所最大の危機- (No.46622への返信 / 5階層) – サイラス

> おつかれさまです。

おつかれさまです。

> ルール無用がルールですのでなんでもありです。
> 他人のキャラを勝手に殺しても、そのキャラがなぜか別作品で生き返っても、性格が変わっても性別が変わっても設定が歪んでも、すべてはルール内なのです。

了解です。
あと、これは、ちょっとした興味なんですが、このシェアワールド、皆の作品を見て、どのようなことを感じますか?

[No.46626] 2014/10/20(Mon) 20:54:16
Re: 二人が倒れたら、地獄に変わった……-魔法研究所最大の危機- (No.46626への返信 / 6階層) – ジジ

>  あと、これは、ちょっとした興味なんですが、このシェアワールド、皆の作品を見て、どのようなことを感じますか?
自分が用意したわずかなキーワードを元に、皆様が私では思いつかない展開やキャラクターを生みだし、いくつもの物語を紡いでいくのは本当におもしろいものです。
仕事でも似たようなことをやってはいるのですが、仕事にはない「楽しみ」の要素があるのは興味深いです。

もともとは掲示板で、参加者が同じ目線で交流できないか? 気軽に参加できて、物語づくりの練習を楽しくできないか? というところから考えた企画でしたので、この進展も興味深く感じています。

[No.46628] 2014/10/20(Mon) 21:29:52