キャラクターとは読者と人間関係を作るためにいる

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キャラクターの本質とは「読者と人間関係を作る」ことにあると言えます。

美少女キャラに恋して、「俺の嫁!」と叫ぶのはまさにこれです。二次元キャラとの間に恋愛関係を作っているのです。笑い話に思えるかも知れませんが、二次元美少女は、オタクにとって現実の女性の代替手段として誕生し、発展してきた歴史があります。

『スクールガールストライカーズ』(発表・iOS版:2014年4月10日)というスマフォアプリ・ゲームでは、パートナーに設定した美少女が、ゲームを起動するたびに、「待ってたんだよ!」と、満面の笑みでお出迎えしてくれます。ぶっちゃけ、とてもうれしいです!

これはユーザーと美少女キャラとの間に擬似的な人間関係を作って、ゲームを何度も起動してもらうというメーカーの戦略です。

犬は、人間を一緒に暮らす仲間だと思って、自分で勝手に決めた群れの序列に従って、人間への態度を決めるそうです。お母さんが一番えらいので、お母さんには絶対服従で甘える。お父さんは最下層の序列なので、言うことを聞かったり、吠えて威嚇したりします。

これと同じで、人間も人間以外のキャラクターに対して感情移入し、関係を作ったと錯覚するのです。関係と言っても、ゲームでも無い限り、相手からのリアクションはありませんが、それでも彼らを生きた存在と認識して、彼らとの居心地の良い関係を継続したいと願います。

ストーリーを通して、キャラクターが生きて存在しているような実感を得ると、「あーこいつら、いいなぁ。こいつらと別れたくないな」という気持ちになります。ラノベや漫画のキャラは、一冊読み通せば、その場から消えてしまいます。もっと彼らとの関係を継続させたければ、

続刊の発売を待って買うしかありません!

これは会って楽しい友人、好きな人にまた会いたい、という気持ちと、ほとんどイコールの気持ちです。

以前、ライトノベル編集者さんが、キャラクターを作るコツとして、以下の様なことを言っていました

あえて主人公を嫌なやつにするケースもあるが、ラノベの主人公は基本、読者に好かれる必要がある。
主人公が壁を乗り越えた時に「ケッ」と思われてはならない。
一緒に達成感を感じて貰う必要があるのだ。

主人公は、読者を肯定し、読者に好かれる人間でなけれならない。主人公が困難を乗り越えた時、一緒に喜んでもらう必要がある。ということです。
これは主人公と読者の間に良好な人間関係が築かれた状態と言えるでしょう。
その活躍をずっと見ていたい、応援したいという気持ちは、いわばアイドルに対するおっかけのようなものです。

逆に、ライトノベルの主人公がメイン度読者であるオタクを否定したり、バカにしたりすれば、そんな嫌な奴とは関係を持ちたくないので、売れなくなるのです。ラノベの主人公やヒロインが、非リア充だったり、オタクだったり、ゲーム廃人だったりするのは、メイン読者(の趣味)を肯定し、彼らに好いてもらうためなのです。

キャラクターを作るためのコツやテクニックは、たくさんありますが、その本質とは、キャラクターと読者との間に良好な人間関係を築き、また会ってもらいたいと思ってもらえるように工夫することです。

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