キャラに好印象を持ってもらうための情報量の調節法とは?/新人賞下読みが解説

2015/07/04(土曜日) 14:27:13の質問

あまくさです。いつもお世話になっております。

以前このサイトの長編の間に投稿した作品について、「メイン・ヒロインの第一印象が悪い」という指摘が多く集まったことがありました。
作品の概要を簡単に書きますと、

ジャンルは学園を舞台とした異能バトルもの。ヒロインはメインとサブの二人いて、能力者は悪役のグループとサブ・ヒロインです。主人公は普通の男子高校生ですが、能力者のサブ・ヒロインの助力を得ながら、悪役に拉致されたメイン・ヒロインを救い出すという内容でした。

ストーリー性重視でコメディではありませんが、語り口はコミカル寄り。自分では「字で書くマンガ」と言っていました。
主人公とヒロインの関係性は、サブ・ヒロイン(能力者)から主人公への片想い、主人公からメイン・ヒロインへの片想いですが、ラストでは主人公とメイン・ヒロインは両想いになります。
他に若干設定がありますが、ヒロイン二人についてはこんな感じでした。

次に「メイン・ヒロインの第一印象が悪い」という件ですが。
メイン・ヒロインは正義感が強くまっすぐな性格なのですが、少し不器用なところがあってイイ子ぶった言動をとらないので、誤解を受けやすいということにしました。実は目立たない場所で他人の力になってやるような一面もあります。

で。
やっと本題です。

小説の冒頭にメイン・ヒロインが悪役のグループに狙われるシーンがあるのですが、周囲の同級生たちがグループを怖がって、見て見ぬふりをするんですね。するとヒロインは、

「みんな、見損なったよっ! 私だったら友達がこんな目にあってたら、ぜったい黙ってないよっ」

と叫んで、悪役の手を振り切り教室から走り出ていきます。

書き手の意図としては、このヒロインは自分なら助けると本気で思ってるんですね。

しかし、このセリフはかなり印象が悪いという指摘が、感想の中に複数ありました。ストーリーが先に進めば彼女の性格の良さもだんだん分かるようには書いたつもりなのですが、そうにしても第一印象が悪すぎるのは良くないと。
頂いた感想は13くらいだったのですが、このヒロインへの評価は、肯定1、許容1、否定4、他は特に言及なし。そんなくらいだったように記憶しています。

言及なし派で作品全体への評価は好意的だった方に、「メイン・ヒロインについてはどう思いましたか?」と質問したところ、その人も「冒頭のセリフは、あまり良いとは思わない」という感じでした。
ちなみに肯定派の人の意見は「可愛いだけのヒロインには食傷しているので、こういう気性の強い感じの女性はいいと思う」というようなものだったと思います。

とは言うものの、多くの方が異句同音に難色を示したということは無視できないので、それ以降の作品では序盤での主人公とヒロインの描き方には注意するようにしています。

しかし、今でもときどき、「あれはあれで良かったんじゃないのかな?」と思うことがあります。

複数のダメ出しがあったわけですから、何かしら問題点があったのは間違いないのだと思います。それが額面通り、ヒロインの性格が悪く見えすぎるからなのか、それとも私がいまだに気づいていない別の問題点があるのか、どう思われるでしょうか?

一般論として、ラノベのメインヒロインはもっと素直に可愛らしいと感じさせるべきなのか、多少のクセはあっても構わないのか? ということについてもお伺いしたいと思います。

●下読みジジさんの回答

流れがわからないので予想になってしまうのですが、そのメインヒロインが「そのようなことを言うキャラである」ことが読者に提示しきれていなかったのではないでしょうか。

それゆえにまわりを否定する言動が読者にとって唐突に見えてしまった可能性がありますね。
また、私個人としてはヒロインの行動によらず、セリフですべてを説明してしまっているのは気になるところです。
これらが重なると、長ゼリフは陳腐に見えてしまいがちです。

ですので。
セリフは一部だけ使用し(「見損なったよっ!」でも「私だったら――!」でもどこでもよいのですが)、悪役の手を振り切って駆け出していく。それを見ていたまわりの人間はわけがわからず首を傾げる。主人公だけがその意図に気づく/主人公もわけがわからず、後を追ってなにかしらヒロインの言動を補完するエピソードを挟む……という「段階」を踏ませると、このあたりは大幅に印象が変わるかと。

書き手の意図としては、このヒロインは自分なら助けると本気で思ってるんですね。

このあたりを程良く表現するためにも、これは創作よりも制作の方法論になりますが、「どのくらいの情報をユーザーに“与えない”ことでキャラやストーリーを映えさせるか?」ということを考えてみるのも一手です。

一般論として、ラノベのメインヒロインはもっと素直に可愛らしいと感じさせるべきなのか、多少のクセはあっても構わないのか? ということについてもお伺いしたいと思います。

クセはあってかまいません。
ただ、マイナスイメージを先行させるのであれば、情報量の調整と、けしてそれだけではないキャラだと読者に期待させる設定なり伏線なりを序盤で見せておくのが重要かと思います。

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コメント

  1. GM91 より:

    新参者にて、元作品と感想を知らないままの発言となり恐縮ですが
    情報量がどうこうということよりも、襲われた本人が

    「みんな、見損なったよっ! 私だったら友達がこんな目にあってたら、ぜったい黙ってないよっ」

    という発言をすることに共感できない、ということなのではないでしょうか。
    襲われた人が別にいて、あとからやって来たヒロインが、黙殺した連中をなじる、というセリフならばわかりますけれど。

    ※もし何か勘違いしていたら申し訳ありません。

    • あまくさ より:

      そうですね。
      投稿当時、そういうご指摘を複数の方から頂いたということです。

      • GM91 より:

        なるほど。
        私思うに、この箇所については「開示する情報量とタイミング」という問題ではない気がします。
        例えば、序盤で印象サイアクなのに、なにかのきっかけであれっ?結構いいやつじゃん的展開てたくさんありますよね。

        この作品でヒロインの印象がわるい原因は
        「私だったら」
        この一言が余計なんだと思います。
        これがあるがために「自分勝手ないい子ちゃん」に見えるんじゃないでしょうか。

        単に
        「みんなひどいよ!」
        とだけ言わせれば、少なくとも嫌な感じはしないです。

        推測ですが、作者さん的には、
        「みんなの事を信じていたのに裏切られた」というイメージで描こうとされているのに
        「もし私ならばこうしたはずだ」という方法論の押し付けに見えてしまっている、そういうことなんじゃないでしょうか。

  2. あまくさ より:

    コメントありがとうございます。

    >「みんなの事を信じていたのに裏切られた」というイメージで描こうとされているのに
    >「もし私ならばこうしたはずだ」という方法論の押し付けに見えてしまっている、そういうことなんじゃないでしょうか。

    書き手の意図としては、どちらかと言うと、

    >「もし私ならばこうしたはずだ」という方法論の押し付け

    の方が真意に近かったように思います。ちょっと独善的なところのある娘なんです。
    一応彼女なりの正義感はあるので、親切だと思ったら押しつけてでもやってしまうタイプ。しかし、良く言えば自分をしっかり持っているということでもあるので、バトル要素のあるストーリーの中では、そういう性格の方がピンチには強いんじゃないかという気もします。

    作品を投稿したのは3年くらい前なのですが、あの頃の自分をふりかえると、ラノベをつかみきっていないところもあったように思います。
    その後投稿した作品では、主人公とヒロインについては序盤で好感度を損なわないように工夫はしています。3年前の作品以降はヒロインが魅力的だという感想も何度か頂いたことがあるので、まあまあ何とかなっているのかな? とは。

    今は私なりに色々考えながら書いてはいますが、3年前のヒロインも一般小説なら書きようによっては通用するんじゃないかと思ったりもするんですね。印象が良くないと言っても、別に悪いことをするわけではないですし。男から見て可愛げがないというだけなんじゃないかとも。

    まあ、そんな想いもあり、ジジさんのスレでヒロインについて話題になっていたので、お考えを聞いてみようかという気持ちになったということでした。

    普段の物腰はやわらかく、人当たりは悪くはないのですが。何となく打ち解けない雰囲気のある女の子。しょっちゅうというわけではないけれど、たまに独りよがりな正義感を押しつけるようなところがある。可愛い子ぶるのはキライ。人目につかないところで黙って誰かを助けていることもあるのだけれど、あまり理解はされない。
    そんな女の子です。
    ラノベのメインヒロインにはあまり向かないのだろうなとは今では思っていますが、でも、こういうキャラに一たび好感を持たせることができれば、けっこう強力かもしれないという気も。

    最初の印象が悪く、だんだん好感度が上がっていくキャラとしては、まどマギの佐倉杏子が思い浮かびます。ただ、あのパターンは脇役だからすんなりいくんですね。
    主人公・メインヒロインの場合は、序盤で印象が悪いと先を読んでもらえない可能性が高いので、やはり厳しいかもしれません。

    そんなことも含め、再度皆様のご意見を伺ってみようかなと。そんな感じです。

  3. GM91 より:

    >独善的なところのある娘

    なるほど。
    であればなおのこと、情報量の加減というよりは元々の性格設定の練りこみの問題なんじゃないかな、という気がします。
    提示されているシーンだと、融通の聞かない優等生でイイ子ちゃんで「自分も優しくするからあなたも私に優しくして」って言ってるような「甘え」を感じるのではないでしょうか。
    もし、ご提示の作品で、後半になれば読み手の印象が良くなると言えるのであれば、確かにそのキャラの「いいところ」を先に出せばいいのかもしれませんけど、元々の設定に魅力を感じなければどうしようもない、と思うわけです。

    要するに、その独善的なところが魅力に映るかどうかってことですよね。
    よくあるパターンだと、
    ・お節介焼きのおねーさん、人の話を聞いていない。
    ・姉御肌、独裁者キャラだが、手下思いで熱血
    ・自分、不器用なので・・・てな感じで、無愛想で誤解されやすい
    ・他人に厳しく、自分にはもっと厳しく、言い訳無用、覚悟完了てな感じ
    とか

    まどマギは詳しくないのですが、主役/脇役って制約は特にないかな、と思っています。

  4. あまくさ より:

    再度ご意見をいただき、ありがとうございます。

    >元々の設定に魅力を感じなければどうしようもない、

    はい。それはその通りだと思います。
    投稿作に頂いた感想では、作品を通しての意見としてはヒロインの印象が悪いというものはなく、否定意見は[「冒頭の第一印象の悪さ」のみに集中していました。
    一応、以下に肯定否定の両論を引用してみます。(「穂風」がヒロイン、「直樹」が主人公の名前です)

    (肯定1)
    主人公とヒロイン、サブヒロインの魅力に飲み込まれちゃいましたね。

    (肯定2)
    穂風、あぁなるほど。作者様が僕の作品のヒロインを評価して頂いた意味がわかりました。序盤の直樹をツンケンとあしらうシーンは個人的にはよかったです。ピピッと来ました。

    (否定)
    ……「あたしのことはいいから、みんなは傷つけないで!」というヒロインは数多く見てきましたが、自分から「危険をかえりみずにあたしを助けろ」というヒロインは初めて見ました。前後の風紀委員とのやりとりも含めて、誰も彼女を助けようとしないのにも納得です。斬新かつ個性的だとは思いましたが、初っ端から穂風さんの株が大暴落で、この先の展開にも一抹の不安を覚えました。

    そして、読者である私と同様にクラスメイトたちが「あの言い方はひどい」と思っている中、なぜか盲目的に穂風に傾倒している主人公。作中での主人公の常識が自分の常識と一切合致しなかったので、まだ最序盤にもかかわらず、読み進めるのがきつくなってきました。
    (引用、終わり)

    拙作の中で性格設定の練り込みがちゃんとできていたかどうかについては、私からは何とも言えません。
    しかし、そこができていないという事だと話にならないので、一応できていたと仮定しますね。
    で、こういうクセのあるキャラクターの人間性を読者に伝えるためにはある程度尺を使ってエピソードを積み重ねる必要があるのではないでしょうか? したがって情報開示の順序や匙加減も重要なのは間違いないような気がします。

    >よくあるパターンだと、
    >・お節介焼きのおねーさん、人の話を聞いていない。
    >・姉御肌、独裁者キャラだが、手下思いで熱血
    >・自分、不器用なので・・・てな感じで、無愛想で誤解されやすい
    >・他人に厳しく、自分にはもっと厳しく、言い訳無用、覚悟完了てな感じ
    とか

    例えば2番目のパターンを描くにしても、「姉御肌、独裁者キャラ」要素と「手下思いで熱血」要素を伝えるためには、それぞれを表現するエピソードが必要になりませんか?

    >主役/脇役って制約は特にないかな、と思っています。

    主役・ヒロインの場合は特別と考える理由は以下です。

    (1)ラノベの場合、主役・ヒロインは1ページ目に必ず登場させる方針で書いています。1ページ目に登場する主要キャラの印象が悪いと先を読んでもらえないリスクがあります。その後の展開に好感度を上げる工夫を盛り込んでいても、それを読んでもらえないようでは無意味です。

    (2)脇役の場合は、主役・ヒロインよりも読者の「期待度」が低いと思われますので、初登場時の悪印象が作品そのものへの悪印象にはつながりにくいのではないかと考えています。

    なお、「悪印象→好感度アップ」というパターンを仕込む目的は、要するにギャップ萌え狙いかと。
    鼻つまみの不良が、こっそり捨て犬にエサをやっていると泣かせるというアレです。

  5. GM91 より:

    後先になってすみませんが、大事なことなので初めに申し上げますが、私は
    「情報開示の順序や匙加減も重要」
    この考え自体は同意です。

    この考え方そのものを否定しているつもりは全くないのです。
    ただ、題材として挙げられた、御作に寄せられた批評の主原因は、この話(順序)ではなく設定もしくは描写にあるのではないか、という意図です。その点はご理解ください。

    で、引用いただいた(否定)のコメントなんですが、ポイントは序盤だから云々ではなくて

    >自分から「危険をかえりみずにあたしを助けろ」というヒロインは初めて見ました。

    ここですよね。
    ようするに、この言動に読者が引いたのであって、情報後出しでも先出しでも結果は変わらないんじゃないかと。
    あるいは、後の方でこの部分をうまく打ち消す描写があるのであれば、それも合わせて提示いただけるとより核心に迫った意見が言えるかも知れません。
    題材とご質問の趣旨がまだちょっと乖離しているような気がします。

    質問者さんの聞きたいことはそこじゃねえ、と思われるかもしれませんので以下は余談ですけど、

    私は、主人公や準主人公が人間的にダメダメでも別にかまわないと思うんです。
    ただ、ダメダメな登場人物を「それってダメよね」とジャッジする存在がないといけない。
    漫才でいうツッコミ役であったり、一番ベタなのは天の声とか。

    登場人物はダメ子だけど、作者はそれをちゃんとわかって書いているよ
    って思わせないと、「書き手に対する不安」が生じてしまうのです。

    >「姉御肌、独裁者キャラ」要素と「手下思いで熱血」要素を伝えるためには、それぞれを表現するエピソードが必要

    これは全くその通りです。

    >主要キャラの印象が悪いと先を読んでもらえないリスク

    そういうリスクは当然あると思いますけど、キャラの印象ではなくて「作者」の印象だと思うのです。
    序盤で登場人物のダメなとこをさらしても、それをすかさず作中で「ダメ」なんだというトーンで描いていれば別に読者は引かないと思います。そのフォローが遅れると、作者は読み手から信用を失うのではないでしょうか。

    尾崎豊の15の夜って曲がありますよね。
    たとえば、
    ・俺はバイクかっぱらって夜の街を爆走するぜアウトローな俺カコイイ! 
    てトーンでお話を書いてしまうと「アホか」と一蹴されるでしょう。

    ・俺は何にもできなくて、どうしようもなく無力で、ただ抗うことしかできねえ。かといって行儀のいい大人におさまることにも耐えられねえ。無様なのはわかってるが、見しらぬ誰かのバイクに手を付けて、闇の中に走り出した、まやかしかもしれないけれどその瞬間だけは生きていることを実感できる。

    とかなんとか。
    いずれにせよ、主人公はまやかしの快楽を得るための手段すら自力で手に入れられないヘタレであることはかわりませんけれど、それを作品世界の神たる作者がどう否定あるいは肯定するかで、読者の「信用」は変わってくると思います。

  6. あまくさ より:

    気になっている点について、お時間を割いて詳しいご意見をご教示していただいていることに、とても感謝しています。もしよろしければ、いま少し意見交換させていただければ望外の喜びです。

    ただ、論点が少し噛み合っていない感じがしますので、私なりに整理してみます。

    >ただ、題材として挙げられた、御作に寄せられた批評の主原因は、この話(順序)ではなく設定もしくは描写にあるのではないか、という意図です。

    設定もしくは描写。
    「描写」に問題があって、少なくとも題材として挙げているセリフそのままでは使えないという点については、もとより納得しています。そして「開示の順序」という方向性を提案してくださったのは、私ではなくジジさんです。ジジさんからそういうご意見を頂いたので、順序の調整で何とかなる可能性もあるのかと考えはじめ、検討しているところということです。「順序」も広い意味での「描写のしかた」の範疇ですよね?

    それはそれとして、質問しているのは、

    (1)設定そのものには問題はないが、描写は修正する必要がある。
    (2)設定そのものに問題があり、描写をいじっても解決しない。
    (3)設定そのものにも多少の問題はあるが、描写の調整で解決可能な範疇と思われる。

    これのうちのどれだと思うか? ということです。

    >そういうリスクは当然あると思いますけど、キャラの印象ではなくて「作者」の印象だと思うのです。
    >序盤で登場人物のダメなとこをさらしても、それをすかさず作中で「ダメ」なんだというトーンで描いていれば別に読者は引かないと思います。そのフォローが遅れると、作者は読み手から信用を失うのではないでしょうか。

    はい。その通りだと思っています。
    しかしこれは、設定が悪いかどうかというより、まさに「開示する情報量とタイミング」の巧拙という話になっていませんか?

    >そのフォローが遅れると、

    ということですよね?

    GM91様は最初から、問題の所在は「開示する情報量とタイミング」よりも他にあると仰っていますから、私としては上記の(2)のご意見なのだろう判断しています。

    >もし、ご提示の作品で、後半になれば読み手の印象が良くなると言えるのであれば、確かにそのキャラの「いいところ」を先に出せばいいのかもしれませんけど、元々の設定に魅力を感じなければどうしようもない、と思うわけです。

    このご意見は、ほぼ(2)そのものですよね?
    そういう前提でここまで再質問させていただいているのですが、それでOKですか?

    >あるいは、後の方でこの部分をうまく打ち消す描写があるのであれば、それも合わせて提示いただけるとより核心に迫った意見が言えるかも知れません。

    問題のセリフはネガティブな印象を持たれた分かりやすいサンプルだったので提示させて頂いたのですが、それの打消しはストーリーの流れの中で少しずつ行っていることなので、同じように端的に提示するのは難しいのです。極端に言えば「作品そのものを読んでください」という話になってしまいます。
    ヒロインの性格設定にどういう意図があったのかということについてはすでに説明していますが、それでは不十分でしょうか?
    もしお望みでしたら、ヒロインを描いた2番目のシーンをコピペしてお示しすることくらいなら可能ですが。

    なお、一番上の私とジジさんのやりとりは、創作相談掲示板の中でジジさんが立てられたスレの一部を管理人様が抜粋してここに転載したものです。

    お時間がありましたら、転載元の方も目を通していただければ幸いです。
    現在4ページ目にある『下読みですが需要がありましたら・夏 – ジジ』というスレの上から33行目、『性格にクセのあるヒロインの描き方について』です。

  7. GM91 より:

    度々すみません、意見交換については、こちらこそお願いいたします。
    お手間とらせて申し訳ありません。

    >開示の順序」という方向性を提案してくださったのは、私ではなくジジさんです。

    大丈夫です。それは理解しています。
    元々、コメントはどちらかというとジジさん宛のイメージだったのですが、趣旨としては発言者がどなたなのかはあまり重要ではないので、あまくささんともそのつもりで対話させていただければ、と思います。

    >「順序」も広い意味での「描写のしかた」の範疇ですよね?

    言いたかったこととは少しちがいますが、それはその通りです。
    混乱させて申し訳ありません。

    >(2)設定そのものに問題があり、描写をいじっても解決しない。

    端的に言えば、そう考えています。

    ただ、それは現在提示された情報(あまくささんのご説明含む)においての話であって、
    「順序」が有効手かどうか?という本来の議論についてまだ諦めたわけではありません。
    可能であれば、御作の追加情報を挙げてもらえればありがたいです。
    その結果、設定そのものは問題ないのでは、と思えば純粋に順序の話へと移行できるかもしれません。

    ※転載元、はこれから読んでみます。

  8. あまくさ より:

    >>(2)設定そのものに問題があり、描写をいじっても解決しない。

    >端的に言えば、そう考えています。

    そうだとすると、仮に冒頭シーンの問題のセリフを「皆、私のことはかまわないで逃げて!」と書き直してもダメだということだろうと思います。
    ジジさん宛のもの含め、私の最初の質問は、むしろこのヒロインの設定そのものに問題があるかどうかでした。問題のセリフをめぐる悪印象は置いて、一般論として「やや押しつけがましい。しかし正義感はある。不器用。正しいと思ったことは自分が苦しくても行おうとする。態度はつんつんしたところがあるが、根はやさしい」というヒロインは、ラノベでは受け入れられにくいかどうか? というのが本来の質問です。

    ここまで来るとやはり原文の一部をお見せするしかないのかなと思えますので、一部抜粋します。
    ヒロインが悪役の手を振り払って逃げ出した後、主人公が後を追い校外の街角で追いついたシーンです。

    (引用、はじめ)
     穂風は、駅に近い商店街のはずれで、途方にくれたように佇んでいた。やみくもに学校を走り出たものの、その後どうしようというあてもなかったのだろう。
     駆け寄る直樹に気づき、
    「川島くん……」
     つぶやくように言った。
     直樹は彼女の前で膝に両手をついて、荒い息をはいた。ずっと走っていたため、すぐにはちゃんと話すことができなかった。
    「何しに来たの?」
    「え……?」
     顔をあげると、穂風の表情はひややかだった。眉間にかすかに縦じわがよっている。
    「何をしに来たのって聞いてるの」
     声音もどこかきつかった。
    「何って……」
     直樹は口ごもった。
    (さっきは誰も自分を助けないって怒ってたのに、どうしろって言うんだよ)
     つっこみたくなったが、その言葉はのみこんだ。
     彼女の言ってることがメチャクチャだろうと、とにかく今はお怒りをしずめなければどうにもならない。まず謝るんだ。
    「雨宮さん……。さっきは、ごめん」
     口ごもるような情けない声になった。
    「なにが?」
    「俺、勇気がなかった。雨宮さんがあいつらに言いがかりをつけられてるのに、見て見ぬふりして……」
    「それは川島くんだけじゃないわ。皆そうだったじゃない。先生だって、ふるえてるだけだった。あいつらの怖さを知ってるんだから、しょうがないと思う。それに、あの時あなたが勇気を出して立ち上がったとしても、何ができたの? 私を助けてくれることができたの?」
    「それは……」
    「ほらね。何にもできないじゃないの。今はあいつらがいないから、勇気とか偉そうに言ってるけど」
    (言いたい放題だなあ)
     しかしその通りでもあるので、返す言葉がなかった。
     直樹はうつむいて、押し黙った。膝が震えるのを感じた。奥歯をかみしめた。
    (ええい。何か言わなくちゃダメだ)
     いつもなら引っ込み思案で不器用な直樹だったが、この日はすでにけっこうなフライングをしでかして、ここまで飛び出してきた。今さら弱気になっていてもしかたがない。そう思うと少しだけ肚がすわってきた。
    「……雨宮さん」
     けんめいに声をしぼりだした。
    「何?」
     穂風は腕組みして、蔑むような視線を直樹に投げかけている。
    「ホントは今日、あいつらのことがなくても雨宮さんに言おうと思ってたことがあるんだ」
    「え……?」
     直樹の言葉が意外だったのだろう。少女の面ざしに、けげんそうな色がうかんだ。
    「風紀委員なんて、飛び入りだ。俺にとっては。あんなやつら、どうでもいいんだ。雨宮さん。俺……」
    (な……、何を言い出すんだ、俺?)
     おかしな話だが、直樹自身が自分の言葉に驚いていた。穂風があっけにとられるのも無理はなかった。
     しかし思い切って喋りはじめてみると、徐々に言葉がすらすら口をついて出るようになった。このままではいつまでたっても穂風に顔向けできない。そんな想いで必死だった。最悪の状況だったから言えたのだと思う。
     次の言葉を。
    「俺……、雨宮さんが好きだ。ずっと」
    「……」
     穂風の瞳が大きく見開らかれた。つかのま無言だった。
     ややあってから、その顔にありありと当惑の表情が浮かんだ。
    「な……何を言い出すのよ、こんな時に」
    「何度でも言うよ。君が好きだ」
    「お願い、黙って」
     穂風は目に見えて狼狽し、後ずさりしながら直樹の言葉をさえぎるように右の手のひらをまっすぐにのばした。
     少し顔を赤らめて、まわりを見まわしている。
    「聞こえちゃうじゃないの」
     そこは繁華街から少しはずれていたため、人通りはそう多くはなかった。それでも、いぶかしげに二人を見ている視線はちらほらあるようだった。
    「聞こえたっていい。かまやしない」
    「私が恥ずかしいの! 頭おかしいんじゃない? とにかく、もうやめて」
     穂風はそう言うと、直樹に背を向けて歩き始めた。向かった先は、駅の方ではなかった。他人に聞かれないところへ行こうとしているようだった。
     直樹はすぐに追いすがり、彼女と並んで歩きながらなおも言いつのった。
    「雨宮さん、俺さ」
     少女は無言で足を速める。
     直樹はもう諦めなかった。こうなったら、とことん食いついていくしかない。
    「君のどこが好きかだけ言わせて」
    「その話はもういいって言ってるでしょ。それに君っていうのも、気持ち悪いからやめて」
    「俺が好きなのはね、雨宮さんのすごく優しいところ。すごく不器用なところ」
    「……」
     少女はこたえなかったが、少し歩調をゆるめたようだった。
    「俺をまきこまないために、さっきから憎まれ口言ってるだろ?」
     しばらく無言で歩いてから、穂風は立ち止まった。
     直樹に背中を向けたまま、
    「……私がいいって言うまで、こっちを見ないで」
     そう言った。
    「わかった」
     直樹はうなずき、穂風に背を向けて立った。そして――
     ちょっと反則。そうは思ったが、ちらっと振り向いて穂風の様子を盗み見た。
     少女は、そっと目頭をぬぐっていた。
    「もういいわ」
     その声を聞いて向き直ると、穂風は電柱によりかかって少しうつむいていた。
    「買いかぶらないで。私がかわいくないのは性分よ」
     つぶやくように言って、顔をあげた。
    (引用、終わり)

    風紀委員という言葉が出てきますが、これが悪役のグループです。校内の不良を排除するという名目で、過酷な支配を強いているという設定。

  9. GM91 より:

    引用ありがとうございます。
    個人的には

    >(さっきは誰も自分を助けないって怒ってたのに、

    とりあえず、「作品神のジャッジ」としては、主人公のこのセリフで十分だと思います。

    あとはまあ、「メインの登場人物へ序盤から感情移入できないとダメ教」の読者さんへ歩み寄るかどうかって話だと思うのですが、個人的には極端な話「最低最悪のダメ女に惚れちゃう主人公」でもいーじゃん、と思ってるので作品神の判定さえブレなければ私はそれでOKです。

    以下、あんまり参考にならないかもしれませんが、ご容赦ください。

    ==

    >そうだとすると、仮に冒頭シーンの問題のセリフを「皆、私のことはかまわないで逃げて!」と書き直してもダメだということだろうと思います。

    すんません、その論理展開がよくわかってないです。

    「皆、私のことはかまわないで逃げて!」
    と発言するような性格設定に直す、ということではなくて?
    それとも、あまくささんの設定としては、元々上記の発言をしてもおかしくない設定ということでしょうか。
    そのあたり、補足いただけると嬉しいです。

    一般論として「やや押しつけがましい。しかし正義感はある。不器用。正しいと思ったことは自分が苦しくても行おうとする。態度はつんつんしたところがあるが、根はやさしい」
    という性格であれば、
    特に受け入れられないことはないだろう、というのが私個人の考えです。
    ただ、当初引用された箇所ではそのようには見えない、ということだと思います。

    ここで「順序」の話に戻りますが、
    いわゆるギャップ萌えとか、問題児ヒロインの成長みたいな要素を書こうとすれば、序盤でマイナスイメージにするのは不可避だと思うんですよね。
    それで「読めない」てのもなんか違うかな、と。(発言者さんをしらないのでなんとも言えませんが)

    個人的嗜好で恐縮ですが、3月のライオンて漫画の義理姉さんが個人的に超絶ツボでして、この人も初見は印象サイアクです。
    けど、その分ギャップ萌え効果効きまくりなわけで。

  10. あまくさ より:

    >>そうだとすると、仮に冒頭シーンの問題のセリフを「皆、私のことはかまわないで逃げて!」と書き直してもダメだということだろうと思います。

    >すんません、その論理展開がよくわかってないです。

    単に、設定そのものが悪いならストーリーの最初から最後まで全部書き直す必要があり、冒頭の一つのセリフだけ修正しても改善できないのでは? という意味です。

    それと、投稿時の感想を含めて様々な意見をいただき、気がついたことが一つあります。それは、

    ヒロイン否定派 ― 読者とクラスメイト
    ヒロイン肯定派 ― 作者と主人公

    こういう構図になってしまうのはマズイということです。
    だから、読者と主人公の感情を一致させる必要があり、

    >(さっきは誰も自分を助けないって怒ってたのに、

    はそれを狙って入れた一文でした。そこは機能しているとしたら、取りあえずホッとします。