オリジナリティを生み出すための勉強方法/新人賞下読みが回答

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2015/10/02(Fri) 23:55:35 シエラさんの質問

こんばんは。はじめまして、ジジさん。
さっそくですが、ひとつ質問をさせていただければと思います。

1.設定にオリジナリティがあるか?
2.キャラが作者や物語の都合で不自然な動きをすることなく、生き生きと魅力的に描かれているか?
3.物語が起伏に富んでおり、伏線やその他のギミックを生かした目を引く内容になっているか?

ジジさんは選考の際に、上記の要素を重点的に見る、と仰いました。
これは新人賞の目的だけではなく、おもしろさという尺度においても重要な要素かと考えます。
となれば以上の要素を具体的にどういう手法、努力によって作品に取り入れていけるか、と思案するのは必然ですね。

本題となりますが、これらの要素を導入するにあたって、いくつか手がかりになる作品や、答えになる手法はありますか。
私は私なりに一定の手法でアプローチを仕掛けているのですが、せまい了見ではなく、もっと広いところからこれらの役に立つ方法を学びたいのです。

もちろん。そうした方法論は読む側ではなくて、書く側が必死になって思案することだ、という意見も理解できます。
その場合はくだらない質問だと流してくださると助かります。
どうぞよろしくお願いします。

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●下読みジジさんの回答

私が挙げた3要素、2と3については技術論になりますのでここでは置いておき、1のオリジナリティについてコメントをさせていただきます。

オリジナリティとは、シンプルに考えれば「着想」になります。
ここで重要なことは、着想をゼロから生み出す必要はないということですね。

アサウラ氏の『ファング・オブ・アンダードッグ(ダッシュエックス文庫)』は体に焼き印(陣)を入れることで超常の力を振るう陣士という設定を軸にしています。

これだけならよく見る異能ものなのですが、「主人公のアルクは陣士として三流」、「アルクは元剣士で、その反動で陣士となった」、「相棒であるユニは陣の力を封じる陣を持っている」という設定により、「アルクが戦闘力を発揮するためには、相棒に自分の陣を封じてもらい、剣士として戦うしかない」という実に皮肉な魅力をひねり出しています。

私がしつこく連呼する「ひねり」とは、既存のアイデアに工夫を加え、「こんな工夫があるのか」と読者に思わせるに足るネタにしあげることを指しています。

そして、よほどのことがないかぎり、現在売れている作品というものにはこの「ひねり」が存在するものです。

新しく資料作品を探す前に、お手元の本を、「ひねりを見つける」ことを目的にして読んでみてください。

この読みかたは、「キャラの書きかたを見る」、「物語の起伏と構造を解析する」に置き換えて使うこともできますので、ぜひお試しください。

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