失敗作はマクガフィンのネタ力が弱い!/新人賞下読みが回答

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2015/10/10(土曜日)サイラスさんの質問

『物語の設定に不可欠な3要素とは?』の回答ありがとうございます。

>そこで、質問なのですが、設定って改めて何か

私の場合、「設定=ネタ」という表現をよく使います。

私は、「背景や仕掛け」という感じで、ネタというと、その作品「原点」とか「基本」というイメージでいました。そのためか、

そしてこの設定を分解すると、「シチュエーション(世界観の設定)」、「マクガフィン(物語を動かすエンジンとなるものの設定)」、「キャラクター(主人公やヒロインの個性を決定づける設定)」の3点に絞られるものと考えています。

マクガフィンとシチュエーションを合わせたものを「世界観」、そして、「キャラクター」の二元的に考えていて、それぞれ両輪のように協調して動くから、物語がスムーズに、読者を惹きつけつつ、進むという感覚がありました。
そのため、ジジさんのマクガフィンのことを書かれていたとき、どこ新鮮な気がしました。

この3点がきちんとそろっていないと、3点すべてが彩づきません。映像における赤、緑、青のようにです。
ですので、「このキャラならこのシチュエーション」から入るとすれば、かならずキャラやシチュエーションを生かすマクガフィンのことも考えてみてください。
アニメ映画『ラピュタ』は「勇気ある少年(キャラ)」が「空から降ってきた女の子と出逢う」物語ですが、「飛行石」というマクガフィンによってあれだけの冒険活劇を見せてくれています。

追加の質問なのですが、よく新人賞の作品で見かけるマクガフィンに関するミスってありますか?
文章の感じからすると、キャラとシチュエーションを回すだけのパワーがないという風に想像するのですが……

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●下読みジジさんの回答

マクガフィンとシチュエーションを合わせたものを「世界観」、そして、「キャラクター」の二元的に考えていて、それぞれ両輪のように協調して動くから、物語がスムーズに、読者を惹きつけつつ、進むという感覚がありました。

できれば、「シチュエーション(世界観の設定)」、「マクガフィン(物語を動かすエンジンとなるものの設定)」、「キャラクター(主人公やヒロインの個性を決定づける設定)」の3つを分けて考えるほうがよいかと思います。

「科学文明の中で密かに息づく魔法」とするより、「科学文明で成り立っている世界」(シチュエーション)と「密かに息づく魔法」(マクガフィン)で分けたほうが、それぞれの輪郭が明確になりますし、思いついたネタをそれぞれに盛りつけやすくなりますので。

ところで、追加の質問なのですが、よく新人賞の作品で見かけるマクガフィンに関するミスってありますか?

そうですね。失敗している応募作は、マクガフィンのネタ力が弱いもしくは存在しないことで、物語がぼやけてしまっているものです。

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