不器用な天使の取扱説明書/ラノベレビュー

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[ 著者名 ] 黒木サトキ
[ ジャンル ] 恋愛・ラブコメ
[ 出版社 ] HJ文庫
[ 発売日 ] 2015/10/30

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解説

高校入学を機にオタクをやめ、楽しい一般人ライフを目指す峰本信哉だったが、教室の隅でひたすら漫画を描いていたクラスメイト目崎凛が起こした騒動をきっかけに凛に元オタを見破られてしまう。その後元オタをネタに凛の漫画を手伝う羽目になったり、騒動解決以来クラス委員の沢渡千佳に頼られたり。過去と現在の狭間に揺れる信哉の決断は?

第9回HJ文庫大賞受賞作、満を持していよいよ刊行!

ボウカさんの書評

創作に挫折した主人公が、ヒロインである目崎凜の才能に悩ませられながらも共に行動していくというラブコメ。

主人公は凜の持つ才能を目の当たりにするのですが、凜の絵には問題があり、その問題のインパクトがとても強かった。表紙を一枚捲ると、凜が自分のスケッチブックを主人公に見せる場面のイラストが書かれていまするのですが、そのスケッチブックにはモザイク処理がされているのです。

読み進めてみると、その理由に納得しました。

扉絵にモザイク! 新しい!

内容については、主人公が漫画化志望の目崎凜や絵本作家志望の沢渡千佳と関わりながら、次第に創作の世界に足を踏み入れていくという割と普通のラブコメです。

しかし、この作品の素晴らしいところは、挫折した主人公の心理描写です。ラノベ作家を目指す身としては、いちいち心当たりがあって共感せずにはいられません。

お気に入りのキャラはいますか?どんなところが好きですか?

主人公の信哉です。才能ある面々を押しのけて、断トツで彼です。創作活動を続けてはいたものの、才能の壁にぶち当たり挫折をしてしまった彼が、凜を始めとした才能のある人間と関わっていくことになります。

そうすることで、自分の凡庸さを恨み、才能に嫉妬し、苦しみ続けていくことになるのですが、ラノベ作家を目指す自分としては心を締め付けられる思いでした。心情に共感する部分が多すぎます。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

信哉がまだあまり活躍できていない点です。

信哉は、今作でスタート地点に立ったばかりなので、クリエイターとしての彼の姿がまだほとんど見られていません。しょっちゅう挫折してしまう自分としては、彼には是非頑張ってもらいたいです。

あとがきを読むと、作者は続きを出す気でいるようですので、期待しています。クリエイター信哉頑張れ!

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ラノベ書評

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