闇の守り人/ラノベレビュー・シルヴィさん

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[ 著者名 ] 上橋菜穂子
[ ジャンル ] 異世界FT
[ 出版社 ] 偕成社
[ 発売日 ] 1999/1/28

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シルヴィさんの書評

「守り人」シリーズの第二作。
一言で言えば、物語の内容は「バルサが過去を清算するために故郷へ赴く」ことに尽きる。

本作も「いつもの上橋作品」であり、国に暮す人々の生活や神話、心理はもちろんだが、美味しそうに描かれている食べ物やお菓子も外せない。
こういった細部をも疎かにせず大事に描くのが上橋作品の特色といってもよい。

読んでいて意外だったのは、牧童や山の王国の民、ルイシャ(青光石)の正体。

以下ネタバレ

牧童は人間ではなかった。
山の王国の民も牧童と同様だが、あの世界に住む者たちであった。
ルイシャについては忘れかけていることもあり詳しくは書かないが、正体の発想は実に美しく神話的であった。

以上ネタバレ

お気に入りのキャラはいますか?

主人公のバルサ。
振り返りたくもない過去と向き合うことは現実でも辛いところだと思うが、彼女は紆余曲折を経てそれを乗り越えた。
乱暴な言い方ながら、「本当に、本当によくがんばった」と労ってやりたい。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

強いて言えば、内省的な要素が強いところ。
「久しぶりの故郷でのワクワクと驚きの冒険」を期待する人は「あれ?」と思うかもしれない。
実際私もそうだったが、読後しばらくして「それでこそ本作である」と思うようになり、それほど悪く考えることはなかった。

守り人シリーズ電子版 2.闇の守り人

ラノベ書評

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