第4研究室 創作に関するQ&A 104P | トップへ戻る |
柳さんからの質問
 外見描写は最初に細かく描いた方が良い?
 
 こんにちは。まだ一つも作品を完結させたことのない柳といいます。

 つい最近、執筆途中の作品を友人に見せたところ、
 「キャラクターの最初の外見描写が大まかすぎてイメージが出来にくい」
 というような指摘を受けました。
 確かに最初の場面では「顔が整っている」とか「黒く細かい髪」とか、
 大まかな特徴しか書いていないです。
 僕の好きな諸先生(ちなみに神林長平先生や飛浩隆先生などです)も、
 やっぱり外見描写をほとんどしなかったり、しても小出しに書いていたりしています。
 しかし、最初の登場時にまとめて特徴を細かく書き出してしまった方が、
 イメージというのはしやすいものなのでしょうか?
 僕個人としては世界観の説明と同じで、少しうんざりしてしまうように思えるのですが。

 皆様のご意見をお聞かせ願えたら幸いです。


● 答え ●

 これは個人の好みの問題によるところが大きいかと思います。
 おっしゃるように作家さんの中に、外見描写を最初にさらっと流す程度にしている方もいれば、 
 非常に濃く描かれている方もいます。
 どちらが良いかは読み手の好みの問題であり、またケースバイケースで対応すべきことです。
 
 主人公やヒロインなどの重要人物であれば、具体的なイメージを持ってもらうために、
 登場時にあるていど詳しく外見を描写する必要があります。
 逆に、あまり重要でない脇役であれば、特徴だけ描いて流す程度、
 名も無き端役Aなら外見描写などなくてもかまわないでしょう。
 
 外見描写はその人物の重要度に比例して、濃くするか薄くするか決定すべきです。
  
 ただ、外見描写を最初にあまりにも濃く描きすぎるのは、世界観の説明と同様で、
 よほどうまい文章でないかぎり、ひかえるべきでしょう。
 外見描写はストーリーにとって、あまり重要な要素ではありません。
 あくまで、キャラクターの外見をイメージさせやすくすることが目的です。
 その目的から逸脱して、くどくどと描きすぎると、読者に愛想を尽かされることになります。
 この点は世界観の説明と同じですね。

 あくまで小説はストーリーがメインであって、
 キャラの外見設定などオマケ要素にすぎません。
 (キャラクターの外見・肉体的特徴がストーリーに関わってくる場合は例外)

 早くストーリーに入っていきたいのに、
 どうでも良いオマケ要素にページを費やされたらストレスを感じてしまいます。
 このためか外見描写は特徴を押さえるだけの簡素なモノにしている作家さんが多いです。
 年齢、性別、背格好、顔の美醜、特徴程度のものを大まかに押さえれば、
 それで問題ないと思います。
 また、外見描写をいっぺんに出し過ぎるとボリューム的に問題があると判断した場合は、
 小出しで描写を加えいくのが良いですね。
 キャラの特徴を繰り返し印象づけたい場合には、その都度、描写をすると良いです。
 

どてかぼちゃさんの意見
 こんばんわ。どてかぼちゃです。
 外見描写はまとめなくても大丈夫だと思います。
 そのかわり、特徴の描写は個性的に行う必要があります。
 「顔が整っている」「黒く細かい髪」(髪は細かいとは言いませんよね?)
 というのは、また特徴ではないのだと思います。
 このキャラは他と違うんだぞ、というオーラを出さないと、読者は読み分けができません。

 それから、外見描写をしない先生方は、それをしなくてもキャラを押し出せます。
 外見ではなく、行動や言動の描写で「他のヤツとは違うぞオーラ」を出しているわけです。


 こういうのはテクニックではないと思います。
 キャラクターの思入れの強さが反映されるものです。
 (うんざりされているという世界観も同じだと思います)
 
 まずはキャラクター(世界観)を徹底的に深く掘り下げる方がいいと思います。


犬麻呂さんの意見
 どうも、初めまして。
 私の意見を簡潔に言わせていただければ、
 
 キャラクターの外見が作品の内容や設定と密接に関わってくるのならば、
 詳細に描写すべきでしょうし、直接関係がないのならそれほど詳しく書く必要はないと思います。


 小説にとって最も重要な要素はストーリーと設定です。
 ストーリーや設定と直接関係がないのに登場人物の外見をやたらと細かく描写されたところで、
 かえって読者はわずらわしく感じます。
 「キャラクターの最初の外見描写が大まかすぎてイメージが出来にくい」
 というあなたのご友人の指摘は、単に描写云々の問題というより、
 作品のストーリーや設定と描写がマッチしていないか、
 あるいはその人の好みの問題だと思います。


すいかさんの意見
 私は大まかで構わないと思います。
 いきなりキャラの登場時に長々と外見の描写をされても嫌気がさすだけです。
 かといって全くしないというのは極端だと思いますので、やはり小出しにした方がいいでしょう。

 私個人のやり方としては、まず最初に全体的な雰囲気
 (「硬質な雰囲気を纏った〜」「女神のような〜」など)と、
 その人物を特徴付ける部分を書き、それ以外は必要に応じて描写していきます。

 あと、外見の特徴は他の描写と組み合わせて書くとさりげなくて良いと思います。
 「風が彼女の長い髪を揺らす〜」とか「すらりと長い腕が銃を掴み〜」という風に。
 余談ですが、ライトノベルは良くも悪くもイラストにかなり依存しています。
 一般に出回っている殆どのライトノベルにはイラストがあり
 、読者はそのイラストから既にキャラクターのイメージを読み取っている場合が多いです。
 ですが私たちアマチュアが書く場合、投稿するにしろHPに載せるにしろ、
 知り合いに絵描きでもいない限り、イラストがつく可能性はあまりありません。
 その分、外見描写には気を使わないと読者を混乱させてしまうかもしれません。

 それでは長文失礼しました。


猫の盛りさんの意見
 通りすがり野良猫です。
 オイラなりの答えを残します。
 おおおお!神林長平先生のファン仲間ですか!!
 嬉しいなぁ(涙

 は、おいておいて。
 敵は海賊シリーズでもアプロについては何かにつけて描写しています。
 この「何かにつけて」や「事あるごとに」は結構重要です。

 そうすることで、読み手に印象をアピールすることができるからです。

 ただ、毎回やるとくどくなります。やりすぎると台無しです。
 (そういう効果を狙っている場合は別です。
 お話の中でそのキャラを記号化したり複線に使うのも有効な方法ではあります)

 容姿を印象付けたいキャラクターの場合は一般的には登場の度や、
 何かアクションするたびに軽く触れるようにして細々描写をします。
 全キャラやってはいけません。毎回同じ表現でもくどくなります。この辺はバランスです。

 ともかく、神林ファンとしてお互いがんばりましょう!
 ではでは。


るるるさんの意見
 初めて書き込みます、るるると申します。

 柳さんは、初めて出会った人の何を見ますか?
 「顔が整っている」「黒く細かい髪」その他には?
 私の場合ですと、「服装」「雰囲気」「体格」などを見る……
 というよりも、自然にイメージとして入ってきます。

 ご友人は、言わばそのキャラクターに『初めて出会う』わけですから、
 そのことを念頭に置いて書いてみてはどうでしょう。

 (一人称で、描写する相手キャラが知人の場合はやりにくいかもしれませんが……)

 細かい特徴の説明に関しては、おっしゃる通り、小出しの方がスマートだと思います。
 ではでは、完成作品のないもの同士(笑)、お互い精進しましょう!


優奈さんの意見
 初めまして。
 私は外観描写はほとんどしません。
 したとしても、身長が高いとか低いとか、美人だとか、男か女くらいです;
 重要キャラや、見た目を強調したいキャラ(目つきが悪いとか)は、
 細こくした方がいいかもしれません。

 思い入れのあるキャラクターで、絶対にこういうふうなんだ! 
 ということがない限り、描写は最低限でいいでしょう。


 それに、キャラの描写がしっかりしていても、
 たいていは流し読みで「へえ、そうなんだ」程度でしょう。私はちゃんと想像などしません。
 それでは。


さくらいさんの意見
 解決済みかと思われる物に横レス失礼いたします。

 イラストが付くか付かないか。

 万が一付くことになった場合どうするか、というレベルになったら、
 一番良いのは絵師と簡単な打ち合わせが出来るようにしておく、くらいなんでしょうね。
 きちんとした絵の描ける方というのは、
 文章全体からキャラクターのイメージを浮かび上がらせるのが本当に上手です。
 本当に私はごてごてのアマチュアで申し訳ないですが、絵を描くのが生業の友人が居て、
 仕事の合間に挿絵やキャライメージを描き起こして貰ったことがあります。
 
 書き手の方で明確なイメージがあり、それを守ってキャラクターを動かしていれば、
 色彩情報をプラス提供するくらいでほとんど私のイメージに、
 ドンぴしゃな絵を描いてきてくれています。
 脳内読まれてるのかと思うほどに(苦笑)髪も長さの明確な記述はなくても、
 何故だかイメージに合致するんですが、この辺は絵描きさんとの相性もありますね、きっと。
 
 人によるとは思いますが、私は本を読んでいるときも文章を書いているときも、
 頭の中はかなりムービーです。
 表紙のイラストが誰なのか把握していなくても、
 後から文章を見て雰囲気から大体これはこいつなんだな、とは理解できます。
 自分の頭の中でキャラクターのビジュアルイメージがしっかりしているなら、
 自然と最後に到るまでにイメージは伝わるのではないかと思いますよ。
 自分の中でイメージがしっかりしていないなら、それはたいした問題として、
 捉えていらっしゃらないと言うことだと思いますので、
 好きにイメージして貰いたいから書きたくないんだよ、とでも言っておけばいいかと。
 
 どのみち、「涼やかな目元」とか色々並べた所で、
 人により浮かぶイメージには差異がありますので、
 話の流れを妨げない程度に印象づけていければ一番良いのではないかと思います。


 まとまりないまま失礼いたします。


エターナルさんの意見
 皆さんの意見が大体出揃ってるので、プラスになるかは解りませんが――。
 
 まず、ライトノベル云々でなくともメインの登場人物には細かく描写を書くのが良いと思います。
 
 まず、自分がプロ作家になって自分の作品に挿絵が付いたなどを想定していたら、
 実力が損なわれると思いますね。と言うより実力が身に付かず進歩しないかと。
 例え挿絵があったとしてもせいぜい一冊に10枚程度でしょうし、
 そのほとんどは主人公とヒロインでしょう。

 人物描写をするにあたっては、工夫して読者にこれは説明的だ、
 と思わせないようにするのが大切だと思います。


 主人公が初めてヒロインに出会うときは、大抵の場合は会話をするかと思います。
 いっぺんには描写をせずに、まずは抽象的に外観を説明し、会話を織り交ぜながらさらに細かく、
 特に主人公の返答の受け具合などと合わせて描写するといいかと。
 最後に主観的意見ですが、自分は描写の細かさによってその人物、
 (又は場所など)の重要度を判断します。
 精密に人物描写をしているのに3ページ後に死亡、なんて事はあり得ないです。
 それだと枚数稼ぎにしか見えないですからね(それを伏線にする、手もあるのでしょうが)
 長々と書いてすみませんです。では。

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