第4研究室 創作に関するQ&A 114P | トップへ戻る |
木村さんからの質問
 漢字検定とは語彙増加に有効なのか?
 
 初めまして、木村と申します
 以後よろしくお願いします

 さて、聞きたいことは題名の通りなのですが……
 私はそもそもの語彙が少なく(しかも小説に興味を持ったのは高校の時と大分遅いです)、
 どうにかして語彙を増やしたいと思い、漢字検定に挑戦しています。
 現在準二級まで習得していますが、果たして漢字検定は語彙増加に有効といえるのでしょうか。

 みなさまの意見を聞きたいです。よろしくお願いします。


● 答え ●

魏延さんの意見
 愚生も準二級もってます。二週間後二級挑戦です(ドウデモイイ

 やるのとやらないのとでは大きく違うと思います。
 しかし、語彙取得をそれだけでまかなうのは無理です。
 一級まで取りにいくのならまだしも、
 準二、二級程度で満足していては全然足りません。

 愚生もようやくやり始めたのですが、

 広辞苑や辞書(特に類語辞典)を読み漁る、新聞を読む、本を読む。
 これに限ると思いますよ。

 特に新聞はオススメです。
 情報を取得でき、社会問題にも詳しくなって、かつ語彙も増えると言う一石三鳥。
 新聞の文は単調ですが、よくまとまっていて、悪文も全くありませんから非常に勉強になります。
 社説や書評、ひいては一般の記事でも意外と高度な単語、熟語がちりばめられています。
 さらに毎日届くのですから、このトレーニングも毎日続けられるのです。
 もう新聞サマサマですw
 ……本題からそれたことで盛り上がっちゃいました。
 
 まとめると、漢検とそれに対する勉強は有効だけれども、
 それだけで満足してはいけない、ということです。

 
 偉そうにすみませんでした。それでは。


如月透さんの意見
 こんばんわ、はじめまして、如月です。

 あー、語彙を増やすのに漢字を勉強するのはよいと思いますが。
 ……別に漢字検定を取る必要はありませんね。
 まぁ、目標点として検定を取ってるならいいですが、
 何級取ったから語彙が増えた、ということには直結いたしません。
 
 あくまで目標値にしか過ぎません。
 ゲームのキャタクタじゃないんだから、レベルアップで攻撃力が上がったりしません。


 それに、漢字検定ってのは日常漢字を主に出題してませんでしたっけ? 虎魚とか。
 それなら別に勉強する必要もないのではないでしょうか? 
 PCという環境があれば、漢字変換が出来ますし、漢字がわからなかったら調べればいい。
 我々小説家が語彙、と読んでいるのは主に日常じゃ使用しません。
 蒼い夕靄、なんて日常じゃ言いません。阿鼻叫喚なんて日常じゃ言えません。

 それに、目的がよくわかりません。語彙を増やしたいから漢字検定をとる。
 しかし漢字検定をとるには語彙を増やす必要があるので、語彙の勉強をしている。
 本末転倒、検定取る前に目的は果たしています。

 結論としては、語彙を増やすために漢字検定は直接的影響力を持たない。
 が、学業や仕事がスムーズに進むためには有利になる場合もある。といったところでしょうか。

 では、漢字検定がんばってくださいw 再見。


しきさんの意見
 こんにちは、木村知景さん。
 わたくし、しきがご質問にお答えします。

 さて、漢字検定が語彙増加に有効かと申す質問でありますが。
 わたくしは漢字検定2級を所持しております。
 そんなわたくしが断言します。

 ほとんど役に立たないといっていいでしょう。

 というのは、漢字検定で問われるものは概略すれば「読み」「書き」「熟語」「部首」です。
 「部首」については語彙力に直結する材料とはいえないので、ここでは論外とさせていただきます。
 さて、ここで考えたいのはそれが小説において役に立つ語彙力になるということですが。
 まったく語彙力にはなりません。
 
 例えば、まず「読み」「書き」が完璧にできたとしましょう。
 さて、そこで問題なのですが木村知景さんは、
 その読める漢字と書ける漢字に意味を明確に知っているでしょうか?
 また知っていたとして、それが小説を書くにあたってすぐに使えるでしょうか?
 「読み」と「書き」は漢字が頭の中にあるとき、ただ読めるだけ書けるだけでありますので、
 それは小説を書くにあたって全く役に立ちません。
 「熟語」も同じでありまして、漢字検定で要求されることは「熟語」を作ることであって、
 熟語を使うことではありません。そして熟語の意味も問われるものではありません。

 よって私は、漢字検定は語彙力を増すのに役に立つものとはいえないと思います。

 それどころか、一級に近づくに従って、
 普段使っている言葉を難しい漢字にしなさいという問題も出てきて、
 (たとえば くれなずむを漢字で書きなさい『暮れ泥む』 かじかむを漢字で書きなさい 『悴む』)
 これはもはや語彙を増やす目的から逸脱してしまいます。

 語彙を増やすことを目的として検定や資格を取るのでしたら、
 私は「日本語力測定試験」をお勧めします。


 この試験は与えられた問題に対して、どんな日本語を使うべきか。
 また、与えられた日本語をどのように解釈すべきか、ということを問題にしたものであります。

 語彙力というものは、ただ単に語彙があるというものではありません。
 語彙を特定の状況下で使えてこそ語彙力は評価されるべきものなのです。

 ですので、語彙増加を目的とするならば、この「日本語力測定試験」をお勧めします。
 たらたらと長文末筆でここまで読んでもらえてありがとうございます。
 木村知景さんにとって少しでも参考にしてもらえたら幸いです。


ピトフィーさんの意見
 どうも。ピトフィーです。
 語彙を増やすには? とのことですが、増やす方法は大体決まってきたようです。
 それ以上語ることは特にありません。
 なので少し趣向を変えまして、増やした語彙を使いこなすということについて、
 私なりの意見を述べさせていただきたいと思います。

 第二研究室の効果的な文章上達法のところでも挙げられた例を使ってみます。

●例1
 森の中に馬の走る音が響く。

●例2
 大地を叩く馬蹄の音が、森の静寂を破る。

 この二つの文章を比較して、うっぴーさんは『例2の方は、ちょっと高度』と述べていますが、
 どのあたりが高度なのでしょうか。

 文章が見せる絵が違いませんか?
 カメラの位置が違いませんか?

 少しわかりにくいなら、実際に二つの絵を思い浮かべてみてはどうでしょう。
 例1だと、こんな絵が浮かびます。
 カメラが静かな森の中を映している。
 ふとどこからか地面を叩く音が聞こえてくる。
 最初は小さく、だんだん大きく、こちらに近づいてくる。
 カメラは視点をその音に向けてみる。
 大地を駆ける馬は、カメラの前を一瞬で通り過ぎ、森の奥へ姿を消す。

 ここではカメラは最初から馬を見てはおらず、森を捉えています。
 馬は最後に一瞬だけカメラの前を通り過ぎ、視界から遠ざかっていきます。
 次に話をつなげるなら、馬の御者がいたいけな少女で、後を追う敵対者の姿を認めて、
 主人公が彼女を助けに行く、という話になるのではないでしょうか。

 では、次の例を見てみましょう。
 カメラは地面すれすれを速いスピードで動いている。
 同時にカメラは、規則的に響く音を捉えている。
 カメラの視界に一瞬馬の蹄が入り、すぐに出て行く。
 さえずる小鳥は、全力で走る馬に驚いて慌てて飛び立っていく。

 例2の場合ですと、最初から馬に焦点が当たっていて、周囲の様子も音として聞こえてきます。
 次の文で馬の御者に視点が合わさることも、容易に想像がつきます。
 ここでは、御者が物語の重要人物で、腕の中に抱えた赤子(後の主人公)を守るべく、
 追っ手から逃れている、というように話がつながるのではないか、と推測できます。

 カメラの視点をどこにあわせるか? 語彙は視点を固定する道具である。
 それに注意すれば、少ない語彙でも生き生きした物語を紡ぐことは可能である。
 というのが、私なりの考えです。

 カメラワークに注意しながら小説を読んでみてはいかがでしょうか?
 またテレビを見るときに、どのようにカメラが動いているかを注意して見てはいかがでしょうか?

 提案できることとしては、こんなところでしょうか。
 では。


フミツキマサヒトさんの意見
 こんにちは、漢字検定二級取得者のマサヒトです(イエィ)。
 さて、漢字検定が語彙増加に有効かどうか、ですが……
 えぇっとですね、効果が無くはないとは思いますが、それほど有効かどうかは疑問です。
 それよりも、色々な作品を読んでみるのはいかがでしょうか? ラノベじゃなくてもおっけぇです。
 新聞でも、社説でも、ネット小説でも、とにかく色々な文章を読んでみればいいと思います。
 僕もラノベに興味を持ったのは高校入学直前辺りでしたけども、
 熱心に買い始めるようになったのは一年前(三年後)くらいです。
 それほど遅いとは思いませんが……。

 ちなみに。
 漢字検定二級は(主観で)、準二級と比べていきなりレベルアップしたように感じました。
 もし準二級までほぼ勉強しないでラクショーで取れた方、
 ちゃんと勉強しておくことをオススメします。僕は舐めてかかった結果、落とされました。
 結局三回かけて取ることができましたとさ。とほほ。

 それでは木村知景さん、漢字検定二級がんばってください(エッ)!


峰しずくさんの意見
 こんにちは。
 明らかに有効だと思います。
 ただ、単純に漢字検定で上位の級を持っているというだけではダメでしょう。
 それを生かす工夫をしなくてはダメだと思うんです。

 それは例えば、勉強中に「お! これは!」と思うような単語や熟語があったとします。
 それをノートに控えておきます。必要に応じて、
 その言葉の意味や語源、類義語などもあわせて書いておくといいでしょう。
 そして、ことあるごとにそのノートをぺらぺらとめくっては、
 「よし、次はこの言葉を使ってやろう」とか、
 ひとつの言葉から色々な情景などをイメージしてみるとか……
 これは根っころがってできる作業ですよねえ。

 多分、英語と同じだと思うんですよ。
 語彙を知らないと会話ができない、思ったことを言葉にすることができません。
 しかし、語彙だけ豊富でも、それを日常の英会話に生かせなければ何の意味もありません。

 そういうことだと思います。

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