第4研究室 創作に関するQ&A 118P | トップへ戻る |
静寂さんからの質問
 リアリティとご都合主義。
 
 こんばんは、静寂です。
 今回は題にあるように『リアリティ』と『ご都合主義』のどちらを優先すべきか、
 自分でわからなくなったのでみなさんの意見をお願いします。

 きっかけは、組んだ設定を試す感じで書いた短編を友人に読ませたことなのですが、
 最初の評価は「ご都合主義がすぎる。」とのことでした。
 前から少々、突っ込み癖のある(揚げ足取りとも言いますが)友人の言葉でしたが、
 確かに言われてみるとそんな感じがします。

 内容はありきたりな異世界召喚なんですが、最初から擁護してくれる人がいる(召喚者では無い)。
 異世界の言葉が日本語などでまさしくありがちな小説なのですが、
 たしかにご都合主義といえばご都合主義と感じました。

 そこで、友人の意見を取り入れ現実味を増したところ内容が、
 なぜか擁護者がいない→言語が違う→金無し宿無し職無し→生きるために窃盗
 →あっさり?捕まる→言語不明及び未知の道具(携帯だとか)の為、
 悪魔(魔女狩り時代の魔女ようなもの)に断定→拷問→両足破裂骨折・両手粉砕骨折
 →拷問中にてその都市が敵国に攻められ市内戦というところで、
 あまりにもライトノベルとかけ離れているということに気付きました。
 その上、主人公が助かる見込みもありません。
 結局ある程度のご都合主義は必要なんじゃないのかということに思いついたのですが、
 ご都合主義を多用すると世界観が崩れてしまいます。
 かといってリアリティを書くと意気込めば、
 性格からかライトノベルとはかけ離れた作品になってしまいます。

 前置き(?)が長くなりすぎましたが、
 『リアリティ』と『ご都合主義』が程よく作品に組み込むためにはどうしたらいいのでしょうか?
 アドバイスをお願いします。

 
● 答え ●

峰しずくさんの意見
 こんばんわ。
 ええっと、お役に立てるかどうかわかりませんが、持(自)論の展開をさせていただきますね。
 
 フィクションにおける「ご都合主義」と「リアリティ」というのは、
 僕は実は「同一のもの」と考えております。

 
 それは、こういうことです。
 自分のイメージした世界観を逐一説明していくという行為は、
 作品上ではご都合主義以外の何者でもありません。なにしろ、自分が作ったわけですからね。
 一方で、世界観を逐一説明しておかなければ、登場人物の行動ひとつとっても、
 「どうしてそこでそうなる(行動する/考える)のか」がわかりにくくなり、
 リアリティに欠けたものになってしまいます。

 そして、一般的にご都合主義と呼ばれるものは、読者がわからすれば、
 「どうしてそこでそういう展開になるんだよ。ちっともわからね〜。
 作者の都合で適当に動かしてるんじゃね〜よ」という類のものでしょう。

 となれば、方法はひとつ。世界観を作って作って作り上げる!
 
 これしかないと思います。
 実際の執筆においては、行動の動機や心理のあり方に、
 矛盾は無いかとか、説得力は十分か、展開していくストーリーをよ〜く検討して、
 過不足があればそれをきちんと直してやる、と言うことになると思います。
 「たったそれだけの理由で、そんな行動をとるのかよ」と、
 読者に感じさせたら、それはご都合主義。
 
 こんなシーンを書きたい、こういう描写で演出したい、と思ったら、
 それにふさわしい下地をきちんと作りましょう、と、こういうことだと思うのですが、いかがでしょうか?


 なお、リアリティを書くと意気込めばラノベからかけ離れた作品になってしまう、
 というのは少し違うと思うんですよ。

 リアルとリアリティとは全く別のものですから。
 
 小説やマンガの流れるような台詞は、どう考えたってリアルではありません。
 普通は、「えっとお」と考え込んだり、あっちこっち台詞が詰まったり、
 同じことを何度も繰り返してしゃべっていたり、はっと気がついたら矛盾していたり、
 などというのが現実の会話です。
 しかし、そんなものを小説やマンガでやると、作品として成立しなくなってしまいます。

 それともうひとつは、作品の奥の深さや主張や面白さといったものも大切だと思います。
 これらがきちんとしていれば、ご都合主義を凌駕します。


 ご都合主義といえば、あの「美味しんぼ」なんて、その最たるものだと思いませんか?
 一介の新聞記者でしかない主人公の山岡が食を通じて、様々な人間関係や、
 時には政治問題までも解決してしまうんですから。
 そんなん、さすがに有り得ない! と思うわけです。
 あるいは、「金田一少年の事件簿」などもそうでしょう。
 一般の高校生がああも次から次へと事件に巻きこまれるなど、これも「ありえん」の世界です。

 というわけで、ご都合主義をとことん追求していけば、それはもうご都合主義ではなく、
 立派な作品として成立するんですよ、つーことで。


魏延さんの意見
 擁護者がいる程度は大丈夫だと思うのですが……。
 むしろわけわからんことを話し、わけわからんものを所持しているというだけの主人公を、
 魔女狩りのごとく捕らえて拷問に走るというのもそれはそれで……
 問題は擁護者の存在ではなく、擁護者が擁護者となる経緯だと思うのですが。
 擁護者が存在するだけがご都合主義、といわれるのは辛いです。

 ではリアリティを出すためには擁護者を消すのではなく、
 もっともらしい理由をつけた上で、かくまってもらえばいいんです。


 言語の問題は確かに難関ですが、ひらがなだけは分かったり、漢字だけは不思議と通じたり、
 とするだけでも結構面白い空間になると思いますよ。


魏延さんの意見
 リアリティとご都合主義……。

 理屈と伏線次第でご都合主義も立派なリアリティに変わります。

 例えば、主人公がラスボス戦までの短期間に上級魔術を覚えて倒す、はご都合主義です。
 しかしここに主人公がそうせざるを得なかった理由、
 もしくは上級魔術を習得したことでもたらされた弊害を描けば、立派に通用します。
 誰もご都合主義だなんて感じないし、その点でもあからさまな批判にはあわないでしょう。

 波乱万丈な小説の転やオチというものは基本的にご都合主義で、
 リアリティのかけらもないものが多いです。
 
 しかしそれはあくまでも起承転結の起と転と結を見た限りの話。
 承でどれだけ捻るか、どれだけ経過の様子をかけるか。
 脱ご都合主義もそれ次第だと愚生は思います。



んぼさんの意見
 眠れん! んぼです。
 小説よりも絵描いてる方が楽しい今日この頃。

 とりあえず、そのご友人に、何処がご都合主義に思えたのかを、
 全部ピックアップしてもらってはどうでしょうか。

 
 説明のあった「擁護者」に関して言うならば、それだけではご都合主義でしかありません。
 でも異分子である主人公を受け入れるキャラは、話を進めるためには無くてはならない存在です。
 必要性があるのだから、存在させるべきです。
 そういう考え方に基けば、解決は簡単。

 メインキャラに主人公を何の疑いも無く受け入れるキャラと(ご都合主義)、
 怪しい奴として警戒しまくるキャラ(リアル志向)両方を入れておくのです。


 で、ストーリーとしては主人公が世界に排除されていく方向で固め、
 「擁護役」のキャラが、世界が主人公に干渉してくるのを緩和する役目を担わせる。
 というのはどうでしょうか?
 結局、何が言いたいかというと。

 「リアリティ」「ご都合主義」どちらにも傾きすぎてはダメ。
 バランスが重要だと思います。

 あえてどちらを優先するか答えるなら、「ご都合主義」ですね。
 それで話が面白くなるなら結構じゃないですか。
 リアルなだけで、なーんも面白くない話なんか、読みたくありませんもの。


九龍さんの意見
 こんばんわ、九龍です。
 ご都合主義でいいと思いますよ。

 ご都合主義でもリアルに感じることができれば文句はでにくいです。
 擁護者がいる理由、言葉が通じる理由を作ればいいかと。


 その上で「言葉が同じなので最初は異世界だと気付かない」とか
 「言葉は通じるが文字は違うので看板が読めなくて道に迷う」などのエピソードをつくれば、
 ご都合主義には見えなくなります。(演出に見えると思います)


脂さんの意見
 うーん、文章だけよんでいると「ご都合主義」というより、
 「ありきたり」の方が重要だったりしませんか?

 ご都合主義というものは極論すれば召還されるという設定自体がご都合主義といえます。
 なので、その都合のいい展開をどう書くかによると思いますよ。
 メリハリを利かすとか伏線をはるとか。

 あと設定のリアリティという意味ではその基本となる召還ができることによって、
 その小説世界は現実とどう違っているかの思考実験をして、
 どういう世界ができあがっているかを考えるとか。

 読者の頭の基本は現実の世界なわけです。
 それを元にしていじくり倒すのが設定を考えるときの楽しいところです。
 そういう意味では現実の世界についての知識なども必要になりますね。


猫の盛りさんの意見
 通りすがりの野良猫です。
 オイラなりの答えを残します。

 まず、ご友人の意見を取り入れた後の展開ですが、
 ストーリーがなくなっているように見受けられます。
 強いて言えば、異世界から拷問を受けさせる為に召還されたと言う事になるのでしょうか?
 しかも、責め殺される。
 オイラの知る「ご都合主義」と何か大きな格差があるように思われました。

 小説にはストーリーがあるものとオイラは思います。
(ナンセンスやシュールを追求するストーリーのない作品も存在しますが……)
 ストーリーを進める上で、展開上、無意味に長くなる部分や、
 次の場面への展開が難しくなる状況は意外に多くあるものだとオイラは思うのです。

 現実の話として、例えば、付近で殺人事件とかが起きたとして、
 どうやら犯人は外国人で逃げ回っていると言う怖い話を聞いたとします。
 そんなときに、外国人が英語以外で話しかけてきたとして、
 いきなり大声で助けを呼ぶ人はたぶんいないと思います。
 でも、たいていは先入観もあるし、知らない言葉で話しかけられたら、
 日本人の多くは曖昧に笑いながら、
 言葉がわからない旨をアピールして足早に遠ざかってしまうでしょう。
 中には、そのまま交番に駆け込んで、
 「怪しい外国人がいる!」とか言う人も居るかも知れませんが、ごく少数派です。
 そして中には、一生懸命、その外国人が何を伝えたいのか話を聞いて、
 適切に道案内したり、彼の言いたい事を周囲の人に代わりに聴いてくれたりする人も、
 いるかもしれません(静寂 様はどのタイプですか?)。

 コレが物語なら、この外国人が周囲と会話できないために困り果てる様子を、
 延々書くわけにはいきませんし、書いてても面白くはないでしょう。
 なので、テキトーにはしょりたい訳ですが、
 そこでいきなり10代の癖に世界40ヶ国語くらい話せる主人公が偶然通りかかると、
 展開は早くて良いのですが、これはあまりに都合が良すぎる展開――ご都合主義となるわけです。

 普通に外国人に話しかけられて、しかもかなり必死で、
 どうにも困り果ててる様子なので、仕方なく、知ってる英単語を並べて、 
 相手も片言の英語でなんとかかんとかやり取りをして、
 どうやら道を尋ねたいがメモをなくしたらしいとわかる。
 メモがない上、知らない土地の地名や番地はわからない外国人と、
 お互い片言の英語でやり取りをする。
 これは見捨てたほうが正解だが、相手は何時間も立ち尽くして困り果ててる様子。
 ここで逃げると後味が悪い。仕方がないとあきらめて、まずはヒントを探ろうと会話を再開する。

 上記の展開だと、多少リアルですが、埒があきそうにありません。
 そこで巡回中のお巡りさんを登場させるとか、
 整理能力の高い友人(喋った単語を筆記して、組み替えて要点を推測してくれたりする)を
 通りかからせるとか、展開に次の動きとなる都合のいい登場人物がほしくなります。

 これもご都合主義ではありますが、この程度では読者は、そんなに違和感を覚えません。
 無論、それらの登場人物が、
 やっぱり40ヶ国語くらい喋れたりする帰国子女とかだと無意味ですがw

 これは異世界に飛んだ主人公でも同じではないでしょうか?

 その世界にもいろんな人がいて、唐突な出来事に打ちのめされる主人公に対して、
 中には救いの手を差し伸べる人も居るのではないでしょうか?
 
 ただ、その過程をどの程度省くか、どの程度有利な展開に持っていくのかで、
 ご都合主義の強弱が変わり、読み手に違和感を与えシラケさせてしまう事も、
 逆に読み手に何の違和感も与えずに先を読む楽しみを提供できる事もあると思うのです。

 物語の構造とは単純に書いてしまえば「目標->障害->達成」を繰り返す事です。
 物語り全体でも、その端々のエピソードでもコレの繰り返しで出来ていると思います。
 
 いきなり「障害」が消えたり、最初から「障害」がないような状態が、
 ひどいご都合主義と感じてしまうのではないでしょうか?


 オイラは、そう思います。
 ではでは。


零壱さんの意見
 こんばんわ、零壱と書いてゼロワンです。

 私に言えることは『ご都合にも理由あり』です。

 何の脈もなく急に正義の味方が助けてくれる、みたいなのはダメですが、
 例えば主人公をどうしても必要とする(理由はいろいろですが)ために、
 誰かが助けに入るとか。
 あと、そこまでひどい世界観なら、おそらく反乱分子ってのがありますから、
 そこらへんを絡ませるとか。
 ちなみに、リアルというのは以外に都合よくできてるもんです。
 物語が破綻しないように、しっかりとしたご都合をつくることをオススメします。
 (……意味わからないかも?)


煉さんの意見
 こんばんは。煉です。

 僕としては、書き直したプロットはリアリティではなく、ただの悪趣味に見えます。
 物語である以上、基本は創作物。極端に言ってしまえば偽物であり、作り物です。
 『リアル風に見せる』必要性はあっても、『リアルその物』である必要性は全く無いと思います。
 例えばガンダムや星界シリーズ、銀英伝等はリアルなようで、
 これっぽっちも現実に則していません。
 ミノフスキー粒子なんて存在しないし、条約一つで核を撃てない世界も有り得ないし、
 二次元宇宙も存在しません。
 銀英伝に至っては兵器類の科学的講釈からしてほぼ存在していません。
 けれど、この三作品相手に『リアリティが足りない』等と言ってのける輩がどれほど居るでしょうか?
 恐らくは、過ぎた科学万能主義者か、
 病的な該当作品嫌いが高じているだけの人が殆どのはずです。

 物語にご都合主義。私は結構な事だと思います。
 肝心なのは、ご都合主義を取り入れる事で面白くなるかつまらなくなるか。
 読んだ人間がそれで満足するのか、しないのか。
 書いた自分が納得出来るのか、出来ないのか。そんな所だと思います。

 言語云々に関しては、言語を相手の脳に焼き付けてしまう
 魔法なり能力なりアイテムなりを登場させるか、
 思い切って『この世界の標準語は日本語とほぼ同じだ!』とか
 『何故かこの世界では言語が通じる!』とか言い切ってしまえば良いのではないでしょうか?
 無論、言葉が通じる理由を考えておくのは大事ですが、なければ無いで、
 その内にとでも思っておけば良いと思います。
 擁護者だって、居ないなら適当な理由をつけて作ってしまえば良いのです。

 人間って確かに残酷ですけど、そう簡単に人間を殺そうとはしない物です。
 魔女狩りなんて集団心理と教会による利益目的の狂気の沙汰であって、
 現実主義的な『リアル』には含まれないと思います。
 もし魔女狩りでリアリティを追求するのなら、
 主人公を殺す事で得られる利益を考える必要があるはずです。
 戦争にしても、隙あらば襲い掛かろうとするような隣国があるのに、
 スパイかもしれない未知の人間にかまけてアッサリ攻め込まれるような国は、
 国家元首や軍部の器量が問われます。
 拷問するにしても、多くの場合『自白させる』と言う理由があるはずです。
 だとすれば、両手足を砕いてショック死させるような真似は中々しないはずです。
 全体的に、リアルの名を借りた残酷主義のように見えてしまいます。

 結論としてリアリティ、リアル風にする必要はあると思いますが、
 残酷趣味としてのリアリティを求めるのはお勧めできません。
 もしするのなら、とことんまでリサーチされた方が良いと思います。
 今ならネットって言う便利な物もありますし。
 リアルにするつもりが、どんどん荒唐無稽になってしまうのでは、本末転倒と言う物です。

 ……恐ろしく長くなってしまいました。それでは、そろそろ失礼いたします。


Jinroさんの意見
 はじめまして、Jinroと申します以後よろしく。
 さて多くの方が言われているように「リアルなこと」と「リアリティがあること」と言うのは、
 天と地ほども違いがあります。
 
 「リアリティがあること」と言うのは結局のところ、
 文章によって読者を説得できるかどうかだと思うのです


 どんな無茶な設定だろうと、ご都合主義だろうと。
 読者が「これならありうる、それならもっともだ」と自然に読めるのならば、
 それはその瞬間からご都合主義ではなくなるのです。

 例えば、スティーブン=キングの「ミザリー」と言う小説があります。
 これは監禁された人気作家が作品の狂信的な読者に、
 一度主人公の死で終わらせた作品の続きを書かされると言う内容なのですが。

 最初、作家はそもそも主人公の死がなかったと言う形で作品の続きを書きましたが、
 しかしこんな展開はズル(先に言ったことと違う)だと拷問を食らいます
 狂信的な読者が求めるのはご都合主義のハッピーエンド(デウス・エキス・マキナ)なのですが、
 先に書いた内容と相反する内容は認めない訳ですね。
 ――ご都合主義は一向に構わないが、
 しかし読者を納得させられないご都合主義など三流だと言うことです。

 結局、その作家は墓場の近くに住む老人が何かを引っ掻くような音を聞いたと言う件から、
 以前隣村であった早すぎた埋葬(仮死状態のまま棺桶にいれられてしまう)と言う事件へ繋ぎ、
 それを聞いた主人公の友人が一縷の可能性に掛けて墓を暴くと言う展開へと発展させます。

 そしてそれによって主人公の出生の謎の暴露へと展開し、
 (隣村の事件の人との血縁関係)そしてそれによってまた新しいドラマが
 始まる訳ですね。

 ですから擁護者がいるのならば彼、または彼女に相応の打算がああり、
 後にそれを暗示するエピソードを作って読者に説明すればそれはご都合主義ではなくなります。

 例えばそうですね、一般的な並行世界論を持ち出して言語の問題を解決しつつ、
 主人公が擁護者の友人(主人公の二重存在)にそっくりだったから声を掛けたとかでもいいし。
 あるいは、主人公が召喚された以上召喚の前例はあってもおかしくないわけで、
 例えばその前例の人が世界を救ったとか、奇跡を起こしたとか、
 そう言う伏線を付加しておけば「今度の稀人は我らに如何なる利益を!」
 のように言語が通じずとも主人公を擁護してくれる存在がわらわらと現れることでしょう。

 前者なら自分そっくりの相手との確執への布石になります。
 後者なら何も出来ない主人公を見限って、
 同じ勢いで離れていく人々の利己的さを表現するというのもありですし、
 そこから逆に主人公に残った者達との間で話が展開できます。

 あるいは予定通り作中で戦争を書く気ならたった一人で、
 国を救う勇者として戦場へ送り出されると言う滑稽な展開に持っていったりできるでしょう。

 物語である以上それ須くご都合主義の塊です、
 それを手玉にとって躍らせることが出来るかが、作家の腕の見せ所だと。
 自分は、そう思います。


但馬晴さんの意見
 こんにちはです。

 ガンダムの場合、ミノフスキー粒子によって遠距離からのミサイルや砲撃を無効化し、
 MSによる有視界戦闘の必然性とリアリティをもたせたわけです。
 最近では、クォークやレプトンといった素粒子の発見で、
 ミノフスキー粒子の設定はあり得ない話ではないことになっていますが……

 身振り手振りで意思疎通をなんとかするうちに、その世界の言語を習得したのかもしれません。
 未知の道具を持つ主人公を神の使いだとあがめるかもしれません。
 そのおかげで庇護者が現れるかもしれません。
 敵が攻めてきて、なんとかしてくれと頼まれてピンチにたたされるかもしれません。

 ……ご都合主義かどうかだなんて、一概にはいえないものです……
 

Rさんの意見
 こんばんは。名前を変えようかと思っているRです。
 現実味を増した結果、主人公が拷問されて助かる見込みがなくなった、というのは凄いですね。

 さて言語の事ですが、言葉が通じない事によるトラブルが起きたという内容の話を、
 僕はあまり読んだ事がないです。あるにはあるのですが、大抵はご都合主義で書かれていました。

 「聖刻1092」という大長編を読んだ事のある方ならご存知かもしれませんが、
 この物語は広範囲に渡って舞台が移動します。
 主人公のフェンは、中原という国(?)に住んでいましたが、
 仲間たちと共に東方へと向かう事になります。
 この世界では東方、中原、西方という大別して3つの地域が登場し、
 それぞれ言葉が違うという設定でしたが、
 東方編になってからはフェンは東方語を喋っています。
 (仲間の一人・ガルンに習ったという事になっている)
 また、後の方では西方の言葉を話していますが、
 勝手に知識が浮かんでくるという設定になっています。

 どうでしょうか。これには設定も存在するのですが、一見すればご都合主義にしかなりません。
 しかも異世界ものでは全くと言っていいほど言語の違いは無視されます。

 ちなみに、

 主人公異世界へ→言葉が通じず困惑する→
 あても無く彷徨っていると、暴漢に襲われている人を見つけ、思わず助ける→
 助けられた人は礼を述べようとするが、言葉が通じない→
 意思の疎通を図るべく、主人公に魔法をかける→
 主人公、異世界の言葉が分かるようになる。

 という展開を考えてみました。何だかこれそのものがご都合主義万歳なノリですが、
 翻訳コンニャクほどでもないでしょう。
 意思の疎通が可能となる、何らかのきっかけを考えてみてはどうでしょうか。

 乱文で失礼しました。では。


くさかべくろのさんの意見
 こんにちは。
 横から失礼します。

 こうなったら、やっぱり「何故、言葉が通じるのか?」を考え出すしか無いですよ。
 言葉が通じるには二通り

 1 主人公と異世界が同じ言葉をしゃべっている
 2 主人公が何らかのスキルあるいは道具によって異世界の言語を理解し会話できる

 ですね。
 向こうが合わせるか、こっちがあわせるか……。
 あと、カタカナになってる外来語は日本語の一部ですので、特に問題ありません。
 頑張って何か考えてみましょう!!

 ……それはそうとして、
 言語が違う→金無し宿無し職無し→生きるために窃盗→あっさり掴まる
 っていう主人公はどうなんでしょう?
 物語って、個人的には場面場面が「でも」「ところが」「にもかかわらず」等々で、
 つながれたものだと思っています。
 言葉が違う「でも」何とか生活手段みつける。
 仕事も金も無くなった「にもかかわらず」人の道は踏み外さない。
 どうしようもなくなって盗みに入る「ところが」黙って捕まるようなタマじゃない。
 ぐらいな、殺しても死なないようなガッツが無いと主人公って務まらないんじゃないかな?

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