第4研究室 創作に関するQ&A 160P | トップへ戻る |
コメヤ コメさんからの質問
 山場を盛りあげる方法
 
 皆様、初めまして。鍛錬投稿室でお読みいただいた方、こんばんわ。
 コメヤ コメと申します。

 質問の内容はタイトルの通り、『山場を盛りあげる方法』です。
 私は現在、長編を執筆中なのですが、山場が上手く盛り上がっているような気がしないのです。
 自分自身、相当に悩んでいます。
(具体的に申しますと、現代ファンタジーを執筆中なのです。
 その中で、全体の山場とは別に各章ごとに山場を準備しているのですが、
 盛り上がりに欠ける気がしてならないのです)。

 皆さんは、長編、短編かまわず、山場の部分ではどういった点に注意されているのでしょうか。
 よろしくお願いします。


● 答え ●

ぺーさんの意見
 はじめまして。
 構成の面から語ってみます。
 ストーリーに盛り上がりが足りないからといって、
 「息もつかせぬ展開を」
 と戦闘シーンやアクションシーンを増やすと失敗することが多いです。

 理由は単純。話の流れが止まるからです。

 読者は話の続きが知りたいんです。あまりに戦闘シーンが続くと
 「もういいから早く話進めろよ」「いつまでやってんの。展開遅すぎ」
 となってしまい、逆に盛り下がってしまうんですね。

 ならば山場とは何か? 
 山場とは主人公の心理的な緊張度が最高値に達している場面のことです。

 
 心理的って所が重要です。
 つまり、ただの戦闘シーンではなく心理的葛藤を含むものならOKなんです。
 また、山場は、多くの場合、主人公がある決断をせまられるシーンとなります。
 いわば葛藤の決着ですね。

 例えば、ボーイミーツガール式のラブストーリー(ハッピーエンド)ですと
起…出会い
承…関係の発展
転…関係の危機
決…関係の修復&確立
 と、構成は殆ど決まっています。
 最初の山場は出会いのシーンでしょう。ある出会いにより、
 この先どうするか決断を迫られる。生活は一変します。緊張度が高まるわけですね。

 二つ目は関係が劇的に深まるシーン。
 例えばキスシーンでしょうか? 決断を迫られ、緊張度が高まる。

 三つ目は関係が崩れるシーン
 関係の危機を乗り越えるために決断を迫られ、
 なんとしても関係を崩したくない主人公の緊張度が高まるわけです。
 ここから最後までが一番盛り上がる所。話のテンポを上げます。

 四つ目は関係が修復するシーン
 何か(仕事や名誉の場合とかライバルの女性とか)よりヒロインを選ぶという決断。
 逆にヒロインが主人公を選ぶ場合もありますね。
 その場合は、選ばれるための何かを決断し、ヒロインに気持ち示すことになります。

 起承転結それぞれの最後に山場を置き、同時にその山場を次の展開の起点とします。
 こうすると起承転結が一続きになり、話に勢いが増すのでグイグイ引き込まれてしまうわけです。

 山場作りのキーワードは心理的緊張、決断(葛藤の決着)だと思います。


H・Mさんの意見
 どうも、初めまして。
 バトルものの作品書いたらラスボスとの戦闘が、
 一番盛り上がらないと言われたH・Mという者です。

 これは気をつけているというか、自分もこれから先気をつけていかなければならない事なのですが、
 表現が単調にならないようにしなければなりません。


 自分の書いたものは、あまりにも説明的過ぎて盛り上がらないといった指摘を受けましたので……
 戦闘中の描写だけに限るなら、速さを出すために一文を短めにしたり、
 それでいて周囲の地形の状況やキャラクターの心理なども所々に入れていく、
 というのが大切だと思います。

 後は、いろんな言葉を覚えてなるべくたくさんの表現を使う事ですかね……
 自分はそんなに語学力ないですけれども……

 戦闘以外の部分につきましては自分もよく分からない状態ですので、その辺は何も言えません。
 ということで、もしかしたら知りたい事を述べていないかもしれませんが、
 これが作者様の手助けになれば幸いです。
 それでは、このあたりで失礼します。


松本理或さんの意見
 どうも松本です。

 どうすれば盛り上がるのか。それは誰しもが頭を悩ませる問題であり、
 作品の種類によってそのアプローチの仕方は様々です。
 今回は現代ファンタジーと言うことで、
 勝手に戦闘場面に山場が来ると想定して話させていただきます。
 と言いましても僕自身長編を書いたことは無いので、
 もしかしたら素人考えかもしれませんのでご了承を。

 まず、小説と言えどもリズムは存在します。
 話の進展が後半に進み速くなれば読者はリズムが速くなったと感じるのではないでしょうか。
 そうなれば自然と山場を意識して読んでくれると思います。
 また、そうするためにはそれまでの話の進め方をできるだけ、
 ゆっくりとしてメリハリを効かせることが重要だと思います。

 技法的にリズムを速くするためには、やはり一文の長さを短くする事だと思います。
 速さ、を表現するには読むスピードを上げることによって展開を早める事だと思います。
 山場がよく分からない単語の連続だったり、
 難解な語句ばかりを用いた表現で占められていると、
 そこにきて読むのが遅くなりリズムが乱れてしまいます。

 つまりリズムだ、と断定できないのが残念ですが一意見としてここに書かせてください。


脂さんの意見
 山場。うーん。起承転結の転、というところでしょうか。
 起承転結というのは、一つのストーリーの中で、
 最も大きな「メリハリ」を作るための考え方だと思います。

 起承転結と同様の語意で、序破急というのがあります。
 一般に、起承=序、転=破、結=急、と言われていますね。
 これはお能の言葉なんですが、序破急というのは、ストーリーだけではなく、
 演者の所作や、演目の順序などにもあてはめて使える言葉なんです。
 序破急の方が、メリハリという一般的なモノをさす言葉に近いという印象ですね。
 まあ、起承転結も、起の中でさらに起承転結をつける、などという論もありますし、
 一つのシーン内で起承転結を考えることも有効な場合がありますので、
 一概には言えないかもしれませんが。

 さて。
 メリハリというものを考えると、静動、有無、緩急などといったように、対比が重要となりますね。
 しかし、ただ対象物を並べるだけではメリハリとはならないと思います。

 そこで、重要になるのが、静と動の間、
 有と無の間、緩と急の間、これが重要になるのだと思います。
 いわゆる「間」と呼ばれるものですね。間がいい、間が悪い、というヤツです。


 現代では落語や漫才などの方が、この「間」という言葉を多く使われていますね。
 これについて述べた文章をサイト内にアップしていただいてますので、参考までに。
 http://www.raitonoveru.jp/howto/h03d.html#50

 で、この間というのは、序破急のどこに相当するかというと、序と破の間にあるものだと思います。
 これを起承転結にあてはめると、「承」にあたるのではないかと思います。

 また、起承転結を、厳密に定義わけして考えると、世に出ている作品の構成は、
 分量的に「承」の部分が多いことがわかります。
 例えば、ミステリなどを考えると、その基本構成として、
 謎解きが「転」であるので、想像がつきやすいと思います。
 誤解を恐れずわかりやすい言い方をするならば、「引っ張る」という言葉にもなるのでしょうかね^^;
 もちろん、引っ張りすぎもよくないと思いますが。

 序破急に話を戻しますと、序破急というのは呼吸に喩えられることが多いです。
 序が息を吸う、破が息を止める、急が息を吐く。
 (もちろん喩えですので、厳密に所作をこうしろというものではありません)
 こう考えると、人の肺活量には限界があるので、起承にあたる序が長すぎると苦しくなる、
 という考え方もできなくないですね^^;
 まあその辺と、「引っ張る」ことのバランスなんでしょうか。
 分量的に多くなりがちな、序を苦しくないように読者に読ませる、
 ということが重要になるのかもしれません。

 また、息を止めてる状態も長すぎると苦しくなりますが、大体転=破は分量的に短いですね。
 ここでは、息を止める理由も重要になりますね。
 人が息を止める理由、感情としては、驚きなどがありますか。
 なるほど、巷でよく言われる「息をつかせぬ展開」というのは、
 驚きの連続というイメージにも符号しますね。

 構造上長くなるのが仕方の無い起承=序をどうやってみせるか。
 これには様々な方法があるでしょう。
 ライトノベルということを考えたなら、キャラ主体ということで、キャラの魅力を出すことに使う、とか。
 大衆小説なら薀蓄などが書かれたりしますね^^;
 作者の言いたいことは、(小説では)結ではなくて承にある、
 という評論をどこかで読んだことがあります。

 うーん、なんか抽象的ですが、そんな感じでしょうか。
 具体的にいうならば。
 ファンタジーならば、承でその世界観の説明ということになりますかねえ。
 そしてここがつまらなくなりがちなところでもありますが。

 私なんかは、さっさと次の山場を持ってきますね。
 引っ張らないようにします。山場に山場を重ねていく、といいますか。
 ただこれだと大きな山場が力不足ということになりかねませんね。
 これは多分演劇やっていたので、ライブ感からそうしてしまうのかもしれません。
 無意識的に「息をつかせぬ展開」を求めているのかもしれませんねえ。

 まあ、そんな感じでしょうか。
 何かのお役に立てれば。


んぼさんの意見
 例えば楽曲、特に長い物になると、ダレる可能性が高いです。
 同じテーマが続けば、尚更です。
 歌物では、どうしても構造上そうなりがちなので、アレンジに変化を付けてやる必要があります。

 その一つが「ビルドアップ」と言われる方法で、
 一度目のサビより二度目のサビの方にアンサンブルを足してやる方法です。
 ですがバンドサウンドなどでは元から楽器の数など限られていますし、
 この方法では限界があります。
 他にもベロシティ(演奏する強さ)を上げるというのもありますが、
 オーケストレーションならともかく、ロックでこれは難しいです。

 そこで、例えば間奏などでアンサンブルをぐっと減らしたメロディを流して、
 次のサビとの対比を生むのです。
 長い前置きになりましたが、小説でもこれが言えます。

 即ち、山場よりもその前、盛り上げるまでをどう料理するか、が勝負の決め手になるのです。

 脂さんも仰っているように、実際山場で使える文量は限られています。
 実際の手法に関しては、状況や話に応じて様々ですので、一概には……。
 スタンダードな考え方としては、「山場で盛り上がるのとは逆のベクトルに、ひたすら凹ませる」
 というのがありますね。

・告白シーンが山場:これでもかとすれ違わせる。
・主人公の特殊能力が覚醒! が山場:気持ちばっかで戦闘力の無い主人公をこれでもかと(ry
・推理小説で、謎解きが山場:解けそうに無い謎をこれでもかと(ry

 ……まあ、ほどほどに。
 計画的にイベントを配置すれば、だいぶ思い通りに上げ下げ出来ると思いますよ。

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