第4研究室 創作に関するQ&A 167P | トップへ戻る |
蔵神紫苑さんからの質問
 会話による説明シーンが単調になってしまう
 
 どうも、蔵神です。
 さて現在俺は説明部分、剣に宿る精霊の少女(ヒロイン)が主人公に自分の能力などについて、
 説明しているところを書いているのですが、
 書いているとなにやらセリフ部分がほとんどをしめてしまいました。
 こんなふうに↓

「ヒロインセリフ」
「主人公〃」
「ヒロイン〃」
「主人公〃」
 地の文1行
「ヒロインセリフ」
「主人公〃」
 地の文1行
「ヒロインセリフ」
「主人公〃」
「ヒロイン〃」
「主人公〃」
「ヒロインセリフ」
「主人公〃」
「ヒロイン〃」
 地の文1行

 会話の内容はネタバレのために伏せました。
 こんなふうにまるで声優の台本みたいな感じになっています。
 おまけに主人公とヒロインのセリフを交互に繰り返しているので単調さ大です。
 でもだからといっていろいろ地の文で主人公の心理描写を入れても悪くなるような感じがします。
 テンポが悪くなるような? 感じです。でもこのままだと……。
 皆さんご教授お願いします。


● 答え ●

Mayoさんの意見
 執筆速度低下中のマヨ、単に暇が無いだけw

 ギャルゲーとかだとわりと普通な、会話オンリーでの説明シーン。
 でも小説にすると辛いですよね。
 『空の境界/奈須きのこ著』も会話で説明するシーンが山ほどありますが、
 単調な描写は無く、面白く(かつわりと解りやすく)描かれているため、あまり苦ではなかったり。
 要は腕の見せどころ。
 説明シーンはマヨも下手です。

1・会話自体を面白くする
 →コメディ色をチラホラ加えることにより、読者に見捨てられないようにする。
 ただし筆が暴走すると横道に逸れすぎて無駄な量を喰うので注意。

2・会話と行動が別
 →言ってることとやってることに関連性が無い。
 やってることに興味を引かせることにより説明シーンを単調でなくす。
 
例)『灼眼のシャナ/高橋弥七郎著』一巻序盤で、
 『紅世』や『存在の力』などについての説明がヒロインから主人公に延々と語られるシーンがある。
 けどヒロインはメロンパンを買い食いしながら街を放浪中。
 それに主人公が着いて行ってる形。メロンパン、わりと関係ない。

3・いっそ全部地の文に
 →主人公がいちいち返事するから単調になるんだ。
 全部地の文にまとめてサッパリさせた方がスパッと読めていいかも? 
 文量もコンパクトにできて一石二鳥。

例文)
「なんにもわかってないのね。いい、よく聞いてなさいよ?」
 ぴっと立てた人差し指ごと少女を凝視する。彼女の解説を要約するとこうだ――
 この世には『顕界』『聖界』『神界』『魔界』『冥界』『異界』の六つの次元が存在する。
 俺たちのいるこの宇宙は『顕界』にあたる三次元世界で、
 ここの森羅万象は『聖界』を発祥地とする高度な精神生命体――
 俗に云う『カミサマ』って奴らに全て管理されてい(ゴメン中略)ということらしい。
 電波としか思えない言動なのだが、少女の瞳は真剣そのものだった。
 これは――出会ったが運命か――本気で鉄格子つきの病院を薦めるべきだろう。
「……なんで哀れむような視線を送ってくるわけ?」
「べつに。ただ昨今の若者たちの将来を危惧しているだけサ」

 いけない。例文を書くといつも余計な部分まで書いてしまう……。
 毎度毎度役に立てそうにないアドバイスを書き殴っていくマヨでした。


zukiさんの意見
 ども、zukiです。
 そんなに長い説明セリフは論外です。
 内容の緩急以前に、パッと見ただけで読み飛ばす人が出てくるでしょう。
 そういうときは、「嫌でも読ませる」という手もあります。

 剣の少女に能力を実戦中に説明させるんです。

 主人公は何とか敵の攻撃をかわしつつ、剣に言われた通りに機能を使っていく…な感じです。
 勢いと緊張感が十分にあれば、読者も説明を読んでくれますし、
 ただ単に説明されるよりは分かりやすいです。


んぼさんの意見
 ・そこまで手間取るような設定説明を一気にさせるのは如何なものか。
  説明に手間取るということは、即ち理解に手間取るということである。

・地の文を挟みながら、どうして尚も主人公とヒロインを交互に喋らせるのか。
 ヒロインの台詞後、地の文を挟んで再びヒロインに喋らせてもいいはずである。

・会話文を入れればテンポが良くなるわけではなく、
 地の文を入れればテンポが悪くなるわけでもない。その辺りを誤解していないか。


 会話が多すぎとかそういう以前に、以上が気になりました。
 そしてその見直しだけでも、かなりの改善が期待出来るはずです。


ぺーさんの意見
 会話が続くシーン、地の文が続くシーン、これらのシーンがリズムを単調にするのではありません。
 むしろ作中のアクセントとなり、リズムを良くしてくれたりします。

 そればかり、単調である。というのが一番の悪癖です。

 バランス良く、を考えすぎ、セリフ→地の文→セリフ→地の文
 と一定のリズムで書き続ける方がおられますが、
 実はこのような書き方はあまりリズムがよくありません。
 「枝を見て、幹を見ず」というやつでしょうか。
 読者は読み進めるうちに、そのリズムに飽きてしまうのです。

 そこで、たまに会話が続くシーンなどを入れる。
 そうすると、ぐっと読みやすくなったりします。
 (何枚も続くとさすがに問題がありますが、蔵神紫苑さんの場合、一枚未満です)

 第二に説明の仕方。
 「語るな。見せろ」
 です。


 百聞は一見にしかずです。
 能力を口で語るより、実際に戦闘で見せた方が読者は一目で理解できるし、
 おもしろく読めるのです。


籠浦さんの意見
 こん……にちはか今の時間は? 
 お初にお目にかかります、カゴウラです。適当に呼んでください。
 さて本題に。

 ちょっと会話が多すぎかな、と感じます。
 ボクもよくあるのですが……うーん。
 そういうのは状況(シーン)で説明するっていう手があります。

 主人公&ヒロインセリフの間にも地の分が入るそうですが、もう少し増やしてみては? 
 そしてその部分に動きを加えてみてはいかがでしょう? 
 「こんな感じ」みたいなセリフの後にその能力を見せる、とか――
 あとお茶を飲むとか頭掻くとか欠伸噛み殺したりとか(待

 まとめ……になるのか↓

 地の文の状況で説明するのが一番でしょうね。
 あと主人公&ヒロインのセリフを極力減らしてみる。&地の文を増やす。
 ……分かりにくい&浅薄な答えでごめんなさい; 自分ではこれが精一杯でしたorz
 ではではっ。


渡部さんの意見
 どうも、人との会話が苦手な渡部です。
 ど素人の個人的な意見ですが、お役に立てれば幸いです。

 すでにお気づきのようですが、これでは単調だと思います。
 もう少し地の文を織り交ぜた方がいいと思います。
 彼女はくすりと笑い、ですとか。
 俺は頭上にはてなマークを浮かべながらも、ですとか。
 とにかく、台詞が連続しすぎないように行動描写を展開させるといいのではないでしょうか。

 ではどうするのか。
 一つは、キャラ達の行動を展開描写し、地の文の行数を水増しするほう方法です。
 もっとも、これでは余計な文まで紛れ込む危険がありますが。
 もう一つは、台詞を要約する方法を用いることです。


「ちょっと長くなるかもしれないけど、聞いてね」
 彼女はそう言って言の葉を紡ぐ。
 確かに長かったが、簡潔にまとめると(以下略)

 上の例はMayoさんと一緒ですが……一応です。
 さらに一つ。後の展開に任せて、シーンを省く方法です。
 よく、長ったらしい説明を地の文(二行から三行程度)で省き、
「まぁ、一緒にいればわかるよ」
 などと説明者に言わせつつ、後の展開(この場合戦闘ですか?)で説明を加える手法ですね。
 都合主義になりやすいというデメリットも孕んでいますが、使い勝手はいいと思います。

 むぅ、私の愚鈍な脳ではこれが限界のようです。
 はたしてお役に立てたのかどうか……。
 そんな自分を戒めつつ、これで失礼します。


雷さんの意見
 これぐらい、どうってことないと思うんですけどね。
 雷です。

 会話が続くからって、かならずしもそれで文章が単調になるとは思えません。

 ヒロインの能力がどのようなものなのか、まず主人公に推測させたり、
 主人公の推測で正しい部分、間違っている部分をヒロインが指摘していったり、
 一度で説明を理解できない主人公に、ヒロインがもう一度要点だけ説明してやったり、
 主人公が聞いた説明を噛み砕いた上で、ヒロインにその内容を確認していったり、
 ヒロインがこれから説明しようとしている事柄を、主人公が先回りして尋ねたり、
 興味を深めた主人公が、ヒロインにもっと詳しい説明をするように頼んだり……。

 このように緩急をつけてあげれば、会話も単調にならずにすむのではないでしょうか。

 もちろん、地文を随所に挟んで人物の動きや仕草、表情を描くのも大事でしょう。
 ちなみに僕は、会話のときに地文で心理を描写することはあまりしません。
 登場人物に首を傾げさせたり、目を細めさせたり、眉をしかめさせたりすることで、
 間接的に心理を表現するのが僕の常套手段です。

 あと、他の方々がおっしゃっているように、地文でまとめて説明するという手段もあります。
 非常に有効な手段だとは思いますけど、
 あまりだらだらと長い説明は読み飛ばされる危険性もあるでしょう。
 ですけど、短く要点をまとめられる自信があるのでしたら、
 むしろこちらの方法をとったほうがいいのかもしれませんね。

 結局は蔵神さんのさじ加減なんですけど(笑)。
 少しでも参考にしていただければ幸いです。
 うん。「簡潔に答えようキャンペーン」やめちまおう。


彩珠さんの意見
 私は長い台詞を論外だとは思いませんし、台詞がある程度連続するのもまた、
 論外であるとは露ほどにも思いません。
 何故なら、多くの作家、それも有名で実力があるとされている作家ほど、
 長い台詞・台詞の掛け合いを多用するからです。
 有名なところで言うと京極夏彦先生や、西尾維新先生がそうであると言えましょう。
 両者、ライトノベル作家ですよね?

 では、なぜここであなたが台詞続きになる場面に不安を持っているのか解釈してみます。

 きっとあなたは登場人物が生の声を喋っているのではなく、
 ただ物語を進めるためだけの必要な情報を喋らせているが故に、
 そのうち「これはもしかしたら、無駄な会話ではないのか?」
 と読者に感づかれることを恐れているからなのでしょう。

 無駄な会話自体はそれだけで人物の深みを出すには丁度良いのですが、
 作者のボキャブラリーが貧困ならば同様にキャラクターの語彙も貧困になりがちで、
 形式上語尾や一人称などでキャラクタを記号化していたとしても、
 あるときあるキャラクタとあるキャラクタが同じ人物に見えてしまうこともしばしばあるでしょう。
 
 そしてその時、読者は物語の背後に存在する「作者」の姿を視てしまい、
 「萎え」を体感することでしょう。
 これが一回でも起これば、その作品は駄作認定されるやもしれません。
 しかし、時として作者は読者にとって不快感を与えない存在になることは可能ではないですか?
 
 愉快痛快キチガイな思想を持った人間の吐く台詞は、
 傍観者から見て最上級のエンターテイメントとなりはしないでしょうか。
 
 ウソを吐き続ける占い師や、腰を振り続ける同性愛者や落下傘で皇居に降り立つ武勇伝は、
 その存在感だけで観覧者を沸かせているではないですか。
 我々に必要なのは、嗤われものになるだけの「覚悟」ではないのか、とたまに思ったりはします。
 作品を褒められる、ということは作者を褒められることと同義で、
 そこで「真面目にやってるんだから笑うな!」と言ってはいけないものなのではないかと思います。
 何を言ってるのか自分でも良く分かりませんが、よーするに、
 底の深さと懐の広さを作者であるあなたが持てば、
 長台詞・台詞続きは武器になる、ということです。 
 具体的ではない? ごめんなさい。私はプロ作家ではないので……


脂さんの意見
 あーこれは投稿室でもこういうのよくありますねー。
 私は戯曲書いていたのですが、逆にこういう書き方しないといけないのですね。
 例えばそういうセリフの間に動作や表情のト書きをいれすぎると、
 役者の演技の幅が狭まってしまうからなんですね。
 なので、私は小説だと逆に動作や表情をいれすぎるきらいがあります。
 なのである程度ご質問の例のように会話をぽんぽん言わせ、
 ポイントで動作や表情などを入れるようにしてますね。

 地の文で入れられるのは心理だけではないですよ。一番簡単なのは動作ですね。
 動作も簡単なものでいいんですよ。
 「眼をそらす」「眉間に皺を寄せる」「口角を上げる」「腰に手をあてる」etc
 役者の勉強をした方ならわかると思いますが、
 こうした細かい動作を付け加えることでキャラの心理を演技として理解できたりするんですね。
 会話だけだと心理がつながらないように思えても、あるセリフの間に間を入れたり、
 ちょっとした動作をいれたりすることで心理が流れるようになるというか。
 まあ初心者はこれを舞台上という緊張ゆえやりすぎてしまうので落ち着かなさがばれてしまう、
 ということもありますが^^;

 とりあえず、アニメみたいなシーンで考えるのではなく、
 自分がその役を演じていたら、と考えるとわかりやすいかもしれませんね。
 特に、誰かの長ゼリがあるときなど、
 他のキャラの立場に立って演技しているということを想像すれば、
 セリフの間手持ち無沙汰になったり、
 ずっと反応しないままでいるという不自然さも感じると思いますよ。
 まあ舞台役者もこの点は考え物なところですが^^;

 演出的視点と役者的視点といいますか。

 こういうところは、アニメキャラを念頭にキャラをつくると、疎かになりがちなところだと思います。
 アニメキャラはリアル人間より情報が少ないから、ですかねえ。
 細かい表情の機微などは、表そうとしないと表せられないですし。
 逆にそういうところをきっちり書いて評価されたりしますねえ。
 文化庁の賞をとった「かみちゅ」などはそうだと思います。
 かみちゅのキャラの動作・表情の表現はリアリズムなんですね。
 萌えキャラとリアリズムとの融合というかリアリズム回帰というか。
 そもそもリアリズムというのは具象→抽象の具象寄り、ということではなく、
 抽象化したものを具象の方向に向けることである、ということを改めて思い出されました。

 どこかでも書きましたが、
 私はライトノベルは出版されているレベルでも人物像が希薄だと感じています。
 こういうところが理由なのかな、と思いました。
 たぶん、書いている作者が、キャラを頭の中で作りあげるとき、
 アニメキャラやマンガキャラを念頭にしているからだと思うんですね。

 アニメやマンガキャラはリアル人間を抽象化したものですね。
 そういったものを念頭にキャラ作りをすると、抽象化したものを抽象化するわけになるので、
 人間味というか、奥深さ、そういったものは失われがちなのですね。


 多分、蔵神さんは、リアル人間と、頭の中で浮かんでいる、抽象化されたアニメ的シーンの間、
 いわば具象と抽象の間が想像できない、といった状況なのではないかと思います。
 これは、受け取り手だと簡単に想像できるものですが、
 書き手になると想像しにくくなるということがあると思います。
 抽象から具象を想像するのは簡単だけど、具象を抽象化することは本来難しいことなのですね。
 抽象を抽象化となると非常に難しくなるのだと思います。

 なので、役者をやれとはいいませんが、
 やはり人間観察というのは非常に重要なレッスンだと思う今日このごろです。


柊さんの意見
 よくあるパターンです。
 僕も昔は結構、台詞が単調になってしまいがちでした;;

 僕の意見、いや僕が台詞が単調になってしまわないようにやっている方法としては。

「ヒロイン台詞(ある程度、区切れるところまで一気に説明する)」
 地の文を二行ほど。
(主人公の台詞を言葉には出さずに、地の文一行にする。あとは、ヒロインの描写を一行ほど。)

「ヒロイン台詞(だいたい説明が終わるところまで)」
「主人公台詞(相槌程度に)」

 地の文を一行ほど。

「ヒロイン台詞(最後に締めくくるように)」
 地の文を二行ほど(最初の地の文と同じく、主人公の台詞とヒロインの描写)。
「主人公台詞」


 ……とか、こんな感じですかね?
 前後の文の雰囲気とかがよく分からないので、これで役に立つかは分かりませんが。
 実際に、台詞を入れてみたのも。


「そうね、精霊の持つ能力――わたしの能力っていうのは(以下略)」
 へえ、精霊っていうのはそんな能力を持っているのか。
 妙に感心する僕をよそに、彼女はなおも続けた。
「それで、(略)って感じなの」
「ふーん。そうなんだ」
 一通り説明し終えると、彼女は一つ息を吐いてから、
「つまりは、(略/すごく簡潔に)ってことよ!」
 締めくくるように、簡潔に言った。
 要は、彼女は(略/彼女の能力など)できるってわけだ。
「でも、そうすると(以下略)」


 ……みたいな感じですかね?
 これこそ、入る台詞とか雰囲気が分からないので、まったくお役に立てないと思いますが;;
 少しでも、お役に立てれば幸いです。
 以上、柊でした。

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