第4研究室 創作に関するQ&A 173P | トップへ戻る |
キョーコさんからの質問
 設定の開示は大筋に関係ある範囲に留めるべきか
 
 こんにちは。最近、文体含める「雰囲気作り」に凝っているキョーコです。
 タイトルどおりなのですが、物語を進める上での「設定の開示」は、
 大筋のストーリーに直接関係のある範囲に留めるべきでしょうか?
 キャラクターの設定、舞台の設定など、プロット段階でとにかく作りこんで、
 厚みを作れとは何処でも言われていることですが、
 せっかく作った設定を「裏設定」のままに留めておくのはもったいないのかな、と思ったのです。

 というのも、クラブ活動の一環として何とか連載を終えた長編がありまして、
 先輩から「面白かったよ」とほめていただいたのですが。
「実はこうこうこういう設定があって、それにちなんだ小ネタ番外ストーリー考えてたんですけど、
 大筋に関係ないので削っちゃいました」
 と言ったら
「なんでその小ネタ入れないの!」
 と怒られました。

 先輩曰く「大筋に関係のない細々としたネタをちりばめるべし」とのこと。
 けれど、件の小ネタはメインキャラクターが過去(子供時代)にニアミスしていたと言う内容で、
 商業作品でいえば「グッズを買ってくれたファンに、
 サービスとして開示する裏設定」みたいなものでした。
 
 うっかりと入れて大筋に戻れず、話が冗長になってしまうのを恐れて廃棄したネタなのですが、
 先輩は
「キャラに重きを置く小説は、多少ストーリーが破綻しても裏ネタ、萌ネタを入れたほうが良い」
 と言いました。たしかに、せっかく作った設定を使わずにおくのはもったいない気もします。
 皆さんはどう思いますか? 大筋のストーリーのために設定を裏に回すか、
 それともウケそうなネタのために大筋を損なう危険を冒すか。
 書き手としてではなく読み手として、どちらのほうがいいと思いますか?


● 答え ●

渡部さんの意見
 どうも、設定は作り込む派の渡部です。
 ど素人の個人的な意見ですが、お役に立てれば幸いです。

 私が読み手ならば、そのような設定は気付かない程度の伏線に回してほしいと思います。
 それが回収すべきものでも、そうでないものにしてもですね。
 もし読者が伏線に気付けば、それは深みのある作品になるでしょう。
 気付かなくても、その程度の複線として書いているので、
 ストーリー本筋に影響を与えることもない……と思います。
 それこそ、「作品全体に散りばめれば」いいのではないでしょうか。
 気付かない程度にです。

 以下は、要望にない書き手としての答えです。関係ないので、読み飛ばしても構いません。
 私も設定は作り込む方なので、作った設定は表に出したいと常々思っています。
 ええ、全部出したいですよ、本当は。
 ですが、如何せん読者は設定を読みに来ている訳ではありません。
 物語(ストーリー)を読みに来ています。

 よって書き手としては、
 本筋にあまり関係のない設定は表に出す必要はないのではないかと思います。


 関係のないことまで書いてすみません。
 そんな自分を戒めつつ、これで失礼します。


日路さんの意見
 こんばんは、日路です。

 読み手としては、そういうおいしいネタは是非とも大筋に絡めてほしいです。
 メインキャラのニアミスが後々の伏線になるとか、キャラの性格づけに関わってくるとか、
 ネタをうまく生かすと一粒で二度おいしくなりますから。
 書き手として言うなら、そうした小ネタは伏線の隠蔽に活用できて便利だと思いますよ。
 読み手にはキャラ萌え用エピソードと思わせておいて、
 実はとんでもない伏線だった……というように。
 
 キャラに重きを置く小説は、「いかにストーリーを破綻させずに裏ネタ萌えネタを詰め込むか」
 が書き手の腕の見せ所だと思います。


 と、ここまで書いておいて言うのもなんですが。
 「せっかく作った設定を使わずにおくのはもったいない」
 という考え方はやめた方が良いですよ。
 
 設定とは大量に作って湯水のごとく捨てるものです。
 
 ちなみに私は、「(設定は)10作って1出すんですか?」と聞いたら
 「10作って0出すんだ」と怒られたことがあります。


Notoさんの意見
 どうも初めましてキョーコさん。アマチュア軽小説家Notoと申します。
 拙いながらですが、僕も力になれればと思って書き込ませてもらいます。
 しかし、あくまでこれは僕の考えと言うことを頭に入れておいてください。
 はい、では読み手としてはどうか。

 まず誤解を解いておいたいのですが、「小ネタ」と「設定」は別物であります。

 ここではどうやら「設定」ではなく「小ネタ」を入れるかどうかということを聞いているようなので、
 そういう方針で答えていきたいと思います。
 個人的には「小ネタ」を読んでみたい作品と読んでみたくない作品とに分かれると思います。
 それは作品のジャンル、雰囲気などでです。

 例えば僕はコミカルな作品だったりすると、
 番外編のようなものを作ってもらって読んでみたいなどとも思います。
 しかし、例えば重い作品、シリアスな作品などは、「謎」というのも重要な要素の一つなんですね。
 この場合、どんな過去があるんだろう? とか、なぜこんな場所に? など、
 読み手が考える想像の過程も楽しみの一つなわけです。あくまで僕の場合はですけど。
 このように、僕は読み手としては考えます。

 では、この後は質問と全く関係ない書き手としてお答えしたいと思います。(おい)
 まず僕の尊敬するエンターテイメントの方には、士郎正宗様や榊一郎様、熊倉裕一様、
 吉田直様など、様々な方がいますが……基本的に設定の開示が全体に対してとても少ないです。
 というより作品の作り込みが凄いんですね。そして余計なことは作品に出さない。
 だからこそ、開示が全体の一割になったりするわけです。
 正直、僕は書き手としてはそういうやり方が深いと思います。
 深いということが良いわけではなく、ただ僕がそんな感想を抱いているだけですが。
 書き手にも色々な種類の方がいるため、正しいとは普通言えないのですが、
 僕が目標としているのはそんな作品を書く(描く)方々です。

 それでは。執筆のほう、頑張ってください。応援しています。


ぺーさんの意見
 読み手としてですね。

 ジャンルによっても違います。例えば、歴史物やSFなどのファンは詳細な歴史考証や、
 細部の設定を歓迎する傾向にあると言われています。


 蘊蓄を好むわけです。
 MSの詳細な設定に生唾を垂らしているガンダムファンを見たことありますよね?
 ミステリなどのファンも、蘊蓄好きの傾向があると思います。
 これらのジャンルを書きたいなら、
 サービスの意味も込めて設定を書きまくってもいいのでは無いでしょうか?

 キャラクター同士がニアミスしていた……というのは正直、
 おっさんにはどういうことか良くわかりません。
 伏線になっているのならわかるのですが、全く大筋に関係ないのに、
 なぜそのような設定があるのかすらちょっとわからないので……

 どっちかと言うと、設定というより、ボツエピソードのような気がするのですが、
 エピソードを考えていたというより、設定上のキャラ同士の相関関係が、
 そうなっているということなんでしょうか?
 実は昔からの知り合いだった、ということなのかな? 
 それでしたら普通は出すことに意味がある、というか出さざる終えないと思うのですが。

 せっかくなので、書き手としても
 「小説はどこまで高く飛べるかであり、着地の綺麗さは重要では無い」
 とおっしゃる方がよくおられます。
 おっさんには萌えとかは今一つ、わからんのですが、
 「多少ストーリーが破綻しても……」というのは、
 もしかしたら同じような意見を今風な表現と感覚を持って語っているのかも知れません。

 ただ、自分は全くそうは思わないのですが。むしろオチがすべてと思っております。
 最後に心に残るのはクライマックスだと思っているからです。
 ですから、話がぶれそうなら容赦なくエピソードを削ります。


 「終わりよければ、全てよし」by シェークスピア
 ですね。


脂さんの意見
> 先輩は「キャラに重きを置く小説は、多少ストーリーが破綻しても裏ネタ、
 萌ネタを入れたほうが良い」と言いました。


 うわっ、極論だなあ^^;
 まあ事実かもしれませんねえ。
 しかし、それはギャグモノに限ると思いますよ。

 えーと。
 『キャラに関する小ネタ(サブストーリー)をいれるべきかどうか』
 という話だと思います。
 設定とサブストーリーは違うと思いますよ。

 コメディ以上のシリアスだとして考えるなら。
 うーん、私なんかはライトノベルはキャラ小説と言われますが、
 キャラクターは希薄だと感じています。
 人間味が希薄なんですね。
 アニメキャラを書いているだけの、アニメ原作小説というべきか。
 もちろんそれが悪いというわけではありませんよ。
 ただ、アニメキャラを念頭にキャラを想像して書くと、人間味は失われがちということだけ。
 ギャグ小説ならいいんです。
 チャップリンなんか考えるとわかると思います。

 ということで。
 「設定」と「サブストーリー、サブシーン」の違いについて。
 設定というのは記号ですね。
 それら記号の上でキャラが会話したり動作したりします。シーンが作られるわけですね。
 この後者が、キャラ立ちといわれるものです。
 設定をいくら付け足しても、キャラ立ちにはならないのですね。

 それを踏まえて。
 また、作品を読んでいないのでなんとも言えませんが、ということ前提で。

>ニアミス
 うーん。仰る文章だけ読めば、それはストーリー本筋を補強する役割になりえませんか?
 ストーリーが破綻するというより補強されるエピソードのように思えますが。
 
 うーん、そもそもなぜ裏設定にしようと思ったのかがよくわかりませんねえ。
 例えば枚数制限などあったのでしょうか。
 起承転結でいえば、承というのが物語でもっとも長くなります。
 ここでサブストーリーを入れたりして読者を物語にひきずりこむわけですね。
 読者が物語に没入してくれるほど、転では思い切ったことができます。
 没入度が足りないと、転で「荒唐無稽だなあ」などという感覚を読者に想起させかねません。

 うーん、もったいないというより、なぜそれを裏設定と思ったのか、が問題ですねえ。
 そのネタを考え付いたときに
 、「これは裏設定だ」と自分で思い込んでしまったのではないでしょうか?
 それか、思いついた時点である程度書き上げていたとか。
 あ、連載か。

 うーん、連載途中で思いついたというなら、入れるのは難しいのかなあ。なんて私は思いますよ。
 まあ、連載ということなら章の間とかでそういう閑話休題的エピソード入れたりするのは、
 マンガとかでよくありそうですが。
 一本の作品としてならそのエピソードが物語にどのように作用するかどうか考えて、
 選択しなければならないとは思います。

 うーん。でもそんな番外的なエピソードなんてぽろぽろ思い浮かびません?
 そういう細切れシーンみたいなのはメモしてとっとくといいですよ。
 全然違う作品に無理矢理シーン設定だけ流用するとかできるかもしれません。
 というか、そういうゴミシーン没シーンを入れると話がうまくつながったりすることもあるのです。
 ゴミ箱発想転換術、と私は勝手に呼んでます(汗)


んぼさんの意見
> 先輩は「キャラに重きを置く小説は、多少ストーリーが破綻しても裏ネタ、
 萌ネタを入れたほうが良い」と言いました。


 自分はストーリーを重視する方ですので、
 「わざわざ必要の無い萌えネタなんかを入れるより、
 ストーリーをシェイプアップさせた方がいい」と思いますけどねぇ。
 つまり、質問者さまは「キャラ性重視」なのでしょうか。

 読み手としては、そもそも作者の脳内裏設定やら隠しエピソードやらを知りようがないわけで、
 自分が今読んだ作品が面白ければそれで良し、ですし、
 後で何らかの裏設定を知ったとしても、「なるほどー、面白いなぁ」で終わりです。
 別に「何でこの設定を作中で出さないんだよ!」とは思いません。
 だって結果的にはそれを知ってしまっているわけですし。

 なので、答えとしては「どうでもいい」になりますかw
 というか、どうであれ、そのままを受け止めるしかない、というのが正確なところですね。


峰しずくさんの意見
 こんにちは

 あらかじめ作った設定の全てを開示することは、むつかしいと思います。

 今回は、その作品が面白かったからこそ、先輩はそのように言ってくださったのだと思います。
 そして、その面白さは、そういった詳細な設定というベースによって支えられているわけですから、
 表に出ようと出まいと、無駄ではありません。
 むしろ出てしまったがために、物語が冗長になり、全てが無駄になってしまうかもしれないですよ。

 出さないままになってしまったコネタは外伝にすればいいじゃないですか。
 コネタを出したがためにストーリーが破綻、なんてのは論外です。
 コネタを入れても、ストーリーを破綻なんかさせちゃいけません。
 ていうか、そこまで詳細設定をされている方が、
 コネタくらいでストーリーを破綻させちゃうとも思えないんですけどね。
 いずれにしても、それとこれとは別のお話。
 コネタを入れてもストーリー本論はちゃんと展開していくと言う前提で、
 用意したコネタを入れるのがよいか、ボツにしてしまうのが良いか、検討されるといいでしょう。

 僕としては、それぞれのキャラクターを深く知る要素となるのでしたら、
 コネタが入ってても悪くはないと思いますし、
 せっかく作ったんなら、なんとかして出してよ、とは思います。
 しかしそれが、過去にニアミスをしていたというだけのエピソードであれば、
 「それって、作者の自己満足?」って思ってしまいます。
 伏線であればいいんですけれどね。

 実は、自分でも「作者の自己満足」をしてしまったことがあります。
 で、どうしたかというと、さらにエピソードを追加することで、
 それが伏線となって後に回収できるような設定をあとから追加しちゃいました。
 なぜなら、「アソコの部分、結局、なんだったの?」といわれるだろうと後に感じたからです。


レディマンさんの意見
 どうもこんにちは、レディマンです。

 うーん、小ネタのために大筋が破綻してしまっては、
 もうすでにそれは小説ではない気がします。
 ネット小説とかでよく見ますけどね、そういうの。
 でも「え、このエピソードはいるのかい?」と私は思います。
 裏設定を見ても「へぇー」くらいしか反応しない人間なので、そう思うのかもしれませんね。
 正直、ストーリーのリズムやらテンポやらが悪くなるなら入れて欲しくないですね。

 では、レディマンでした。

 以下蛇足(汗)
 書き手としては、なるべく小ネタが大筋を邪魔しないように絡めようとしますね。
 どうしても無理だ、と思ったら削ります。


黒尻尾の駄猫さんの意見
 通りすがりの野良猫です。
 オイラなりの答えをお残します。
 
 描きたい物はキャラだったのでしょうか? それともストーリーだったのでしょうか?
 
 仮に視点が特定にキャラにあったとしても、キャラが作中で行動する事で発展する事象や、
 他のキャラ達との交流、対立等を描くならストーリーという形で流れているはずです。

 その場合、妙なエピソードの挿入は単に話のバランスを崩すだけに終わる場合も多く、
 入れない方が良いかも知れません。


 逆にある種の定型物を描いているなら……。
 例えばラブコメは、ドタバタ色々あって最後は元通りという一種のフォーマットがあるので、
 キャラを描く作品だと思うのです。
 こういう物の場合は逆に普段と違うエピソードとかは、
 良いスパイスになる事も多いので入れた方がいいかもしれません。

 こんな感じで、どうでしょうか?
 ではでは。


花菱 庵さんの意見
 初めまして、花菱と申します。

 読み手として、の意見ですね。

 私は小ネタや裏設定が大好きなたちです。
 イメージ作品なんかだと、サブリミナルな感じでカットに散りばめられて、
 スムーズに楽しめるのですが、
 テキスト作品ですとあまりやりすぎると面倒臭くなってくる人もいそうですね。
 全ての人の琴線に触れるようなネタも珍しいでしょうし、何ごとも過ぎたるは及ばざるがごとし、
 ということでしょうか。何かはっきりしない意見で恐縮ですけど……(汗)

> 大筋のストーリーのために設定を裏に回すか、
 それともウケそうなネタのために大筋を損なう危険を冒すか。
 
 いいえ、大筋を損なってはいけないと思いますよ。多分それは本末転倒です。
 
 すでにファンがついている作品などでは、
 それこそ商業作品のサービスなどにおいてはその限りではないでしょうけど。

 ご参考までに、著名な方(映画監督でしたっけ)の言葉に
 「作り手の苦労が伝わったらそれは失敗作だ。」というものがあります。


 設定を膨らませるのを一概に苦労とは言いませんが、
 読者にとってはそう映る場合もなきにしもあらず、ということを心にお留め置きください。
 最後まであいまいな言い回しで恐縮です……(汗汗)

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