第4研究室 創作に関するQ&A 185P | トップへ戻る |
S2Jさんからの質問
 執筆中に別のアイディアが浮かんだときは?
 
 初めまして、S2Jです。
 ライトノベルを読み始めてまだ1年と経っていない未熟者ですが質問させていただきます。
 自分もライトノベルを読んでこのような小説を書きたいと思い日々執筆活動をしているのですが、
 1つのものを書いている途中に別のストーリーのアイディアが浮かんできてしまうことがあります。
 その場合浮かんできたストーリーのほうが魅力的に感じてしまい、
 執筆中のものがとたんにつまらなく感じてしまい書き続けるモチベーションが下がってしまうのです。
 そしてそのことの繰り返しで書きたくなるものがファンタジー→コメディー→学園ものと、
 ころころ変わってきてしまいます。
 このままでは1作も書き上げることが出来ないのかと不安になってしまいます。
 皆さんはそのような経験をしたことはないでしょうか?
 何かよい解決法があるものなのでしょうか?
 皆様の意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。


● 答え ●

 現在書いている話に飽きてしまって、未完のまま別の作品を執筆、
 それもそのうち飽きてしまって、さらに別の作品を……
 というパターンは、趣味で小説を書いている人に非常に良くある事だと思います。

 なにを隠そう、私自身もそんな感じで、執筆中の作品に魅力が感じられなくなり、
 未完の小説を書き散らしてきました。
 この原因を分析してみると……

1・ストーリーを具体的に考えないまま、
  アイディアをひらめいた段階で見切り発車してしまった。

2・いつ終わるかもわからない長編に挑戦し、
  執筆時間が長くなるにつれて、続けるのが苦痛になってしまった。


 以上の2つがあると思います。

 S2Jさんは、質問から判断するに、
 おそらく長編に挑戦されているのでしょう。

 私は初心者の段階では、原稿用紙80枚以下の短編に挑戦し、
 原稿用紙300枚を超えるような長編に挑戦するのは、
 短編がコンスタントに作れるようになってからの方が良いと考えています。

 短編小説でしたら、最初から最後までストーリーを考えるのはそんなに難しくありません。
 また、執筆時間も長くならないため、飽きる前に作品を完成させることができます。

 短編の作成を通して、ストーリーの構成力や、執筆のペース配分、
 作品を完成させた自信と経験を得た後に長編に挑戦するのです。
 そうすれば、未完のまま作品を投げ出してしまうことがなくなるでしょう。


 長編小説は、いわば道のりの長いマラソンです。
 ある程度の距離を走る訓練をしておかないと途中でへばってしまいます。

 また次から次にアイディアが湧いてきて目移りしてしまうというのであれば、
 もしかすると、長編小説より短編小説を書くのに向いているのかもしれません。


ういさんの意見
 たぶん、執筆中のものがつまらなくなるというのは言い訳であって、
 プロットも何も準備せず、勢いだけで書き始めた結果、
 途中で失速して筆が止まってしまっただけでしょう。
 でも何か書きたい訳ですから、また別のストーリーをプロットも何も準備せず、勢いだけで書く。
 そして当然のように失速する。ただそれを繰り返しているだけです。

 これは初心者によくみられるというか、必ずみられる現象です。
 つまりプロットも何も準備せずに勢いだけで書き始めると、
 それは最後まで続かないということです。
 多少の例外はあるでしょうけど、しかし大半の初心者は最後まで書くことはできません。
 断言してもいいです。

 解決法は、いきなり本文を書かないで、プロットから始めること。
 そしてプロットの段階で練りに練りこむことです。
 それをせずにノリと勢いだけで書くことは、結果として時間の無駄になるだけだと私は思います。

 最後まで書けなくても、それは後で何かの役に立つから、
 思いつくまま新しいものをどんどん書けばいい、なんて言う人もいますが、
 私の経験則からすれば、そんなのは遠回りです。
 作家になりたいという夢は持ちつつも、ぜんぜん作品を完成させられない人の典型です。

 プロットを作製し、それを書くと決めたら、それ以外のものは書かず、
 最後まであきらめないで絶対に完結させる。それこそが作家への近道だと思って下さい。


鏡面世界さんの意見
 はじめまして、鏡面世界です。
 僕はまだ2年目の素人です。

> 1つのものを書いている途中に別のストーリーのアイディアが浮かんできてしまうことがあります。

 ということですが、僕もあります。

 解決方法として、まずそれをどうしても書きたいなら先に書いてしまうことです。

 で、その間に途中まで書き進めていたもののアイデアを溜めていくのです。
 もちろん、他の新しい作品のアイデアでもいいのです。
 書くのがつまらなくなったら、それはいい作品にはなりませんからね。


んぼさんの意見
 うい氏のご意見とほとんどというか、全く同じですが……。
 「書きたい」だけで書いていると、そうなると思います。
 ぱっと思い付き、いきなり書き始めては、恐らくいつまで経っても何も出来上がりません。
 試しに、今のまま一年くらい続けてみてください。
 絶対に飽きますから。

 小説に限らず、物を作るには順序というものが存在します。
 漠然とした行き先だけで車を発進させ、道に迷い、
 ふと見かけた看板が気になって行き先を変更し……いったい何処へ行こうとしているのか。
 何故そこへ行きたいのか、行った先で何か(観光や用事)をするために、
 「そこへ行く」と決めるのが普通なのに、
 恐らく質問者さまは「そこへ行くこと」そのものが目的になっているのだと思います。
(この喩え、解らないだろうなぁ……OTL)

 ジブリ映画「耳をすませば」の台詞。
 「書きたいだけじゃだめなんだ」。
 物を作る人にとって、非常に意味深い台詞です。



ぺーさんの意見
 あります。ありますとも。日常茶飯事です。
 新しい方が魅力的に見える。自分もそうです。てか、誰でもそうでしょう。
 ですが、落着いて下さい。

 これって典型的な「文化祭は準備期間の方が楽しい」って奴です。

 これを小説に言い換えれば
 「小説は構想段階の方が楽しい」になるでしょう。
 なんせ好きなように夢想出来るんですから。

 対して、執筆段階に入るとそうは問屋が卸しません。
 プロットを練って、それによって進めるわけですから自由は効きません。

 白紙を一文字一文字埋めていく作業。当然生みの苦しみも味わいます。

 付き合うのがツラクなってくる、そんなときに、
 若くて好きにさせてくれる都合のいい女が現われればそりゃあ、浮気してみたくなるもの。
 ですが、ここでもう一度、自分の大好きだった恋人とのことを思い出して見るのです。
 彼女の魅力を思い出すのです。
 一緒にいろんなことを乗り越えてきた仲です。つらいこと。楽しいこと。
 いろんなことがあったなぁ……。遠い目。
 コイツを本当に裏切っていいのだろうか。そうやって、浮気を思いとどまるわけですよ。

 書き始めた時、確かにおもしろいと思って書き始めた作品なら、最後まで書き上げてあげて下さい。
 そのあなたの「おもしろい」を完成させてあげるのです。
 書き上げてあげなければ、あなたの「おもしろい」が
 世の人の目に止まることは絶対にないのですよ。


Azifさんの意見
 何でそうなるのか、見通し無いからです。
 詳細は既に自分が語るよりも詳しく語られてるので省略します。
 で、解決法ですが。
 
 気分転換と割り切って書く、ですね。
 
 別に、コメディだからといって学園ものだからといって、
 ファンタジーとしてネタを使えないわけじゃないです。
 だから、もしものときのネタ備蓄用として書き留めておくわけです。
 まあ、100のネタを出して、使うのは2か3だけですが。
 ちなみに自分はこう言う事をするので、
 短編一作書き上げるのに2〜3ヶ月当たり前に使いますね。


但馬晴さんの意見
 アイディアはアイディアとして保存しておき、いま書いているものをしばらく進めてみましょう。

 アイディアを思いついたときは「これはいい!」と、
 いささかハイテンションになっている可能性もありますので、冷却期間を設けたほうがいいです。


jogtyさんの意見
 ども、ういさんのいう「例外」です。もとより作家志望ではありませんが、遠回りしまくってます。
 異端な小説を模索している邪道派です(注:常に異端な小説を書いてるわけじゃありません)。
 今執筆しているのは、私のジャンル適性を計る試験(というより習作)と異端な構成の二つです。

 私は実験をして確認したクチですが(自分で納得しないときがすまないタチ)、
 ういさんと同じく、プロットを書かないで一気に書こうとしていませんか? ということです。
 
 私自身が一気に勢いで小説を書くタイプですが、
 それでも書けるのは30枚以内で終わる小説だけですし、
 プロットに起こさないだけで頭にロードマップはできています。
 
 五里霧中のなかをいつまでも走っていられるほど人間は強くありません。
 まずは書きたい作品の全体像を把握してください。

 さて、私の経験則から言いますと、書き上げられないのは、
 上記の理由のほか、ネタの取り扱いが分かってないからだと思います。

 書いている作品がつまらなく思ってしまうのは、ネタの鮮度が落ちたからです。

 
人は誰しも、何かを思いついた瞬間は、熱狂しています。冷静な判断ができていません。
 私はその熱狂を大事にして一気に書きますが、その場合は、せいぜい2日3日で書くべきです。
 
 またそうした熱狂を元に書くのは、掌編かせいぜい30枚以内の短編のみです。
 それは熱いうちに使わなきゃいけない類のネタだからです。

 冷めてしまうと、自分自身がつまらなくなってネタでなくなります。
 
 逆に冷めないと使えないネタと言うのもあります。
 私の中では「シリーズ、長編向けのネタ」と読んでいます。
 これらは勢いで書くと、膨大になって途絶します。
 これらは設定、プロットを練りに練らないととても使えません。

 そのネタの見極め方は、ご自分で模索してください。
 私自身の見極め方はありますが、おそらく参考になりませんので。


FROGGERさんの意見
 こんにちは、私はFROGGERという者です。 実は、私もS2Jさんと同じようなタイプです。
 なんか色々なアイデアが湧いて来るけど、
 どれも統一性が無いので自分が好きなジャンルから始めるからです。 
 思い立ったが吉日、鉄は熱い内に打て、道はオレが通った後の事だ、という諺が大好きです。

 でも、ここで重要なのは、ラストをどうするか考えておくことと、
 ラストに至るまでの途中の目印も作っておくことです。


 執筆をドライブに例えてみます。
 車を運転している最中、「XX祭りを実施中。 本日限りの大イベント!」
 とかいう面白そうな看板(アイデア)とか見付けたら、
 普通はついふらふらっとそっちへ行くと思います……
 私だけでは無い筈だという方向で話を進めます。 
 
 問題はそこでXX祭りを堪能した後、元のドライブ(執筆)に戻れるかという事です。
 XX祭りは本日限りです、明日には忘れます。
 もしまだXX祭りが忘れられないというのなら、最初から作るしかありません。 
 それだけの覚悟があればいいのですが、私には無いのでお勧めしません。
 
 私ならむしろ、最初に執筆した作品の中にXX祭りを入れます。 

 私が子供の頃、線を引いて絵を描く遊びがあったのを思い出しました。 
 点を順番通りに線で結ぶと、絵が出来る訳です。
 私は絵を描くのは苦手ですが、絵が得意な方は確か「下絵」というのを書かれるそうです。
 その時は様々な線が引かれ、子供でもマシという位乱雑な絵になりますが、
 その絵は不必要な線を一つ一つ消す事で精錬され、
 やがて私達が大金を払ってでも買いたくなるような至宝になる訳です。
 その時、場違いなアクセサリーとか付けていても、それが光っている時の方が多いのは、
 下絵の段階で試行錯誤を繰り返し、それが必然になるレベルまで推敲(?)したからだと思います。

 質問の答えですが、「アイデアは一つの作品に纏めるか、アイデアノートに書いた後、
 とりあえず忘れるかして「今の作品」を完成させる」といいと思います。 


 それでは失礼します。 お互いに頑張りましょう!


日向 葵さんの意見
 はじめまして、こんにちわ、日向 葵です。

 そんなもん、日常茶飯事です(笑)
 連載中に別のお話のネタが突然思い浮かぶなんて、ごくごく普通のことだと思います。
 だってネタはいつどこから降ってくるかわからないんですから。

 私はそういう場合、思いついたネタを、プロットだけ書いてしまいます。
 どうしても気持ちが治まらない場合は、気になってる場面だけざっくり小説にしてしまいます。


(1話から順に書くのではなく、たとえばクライマックスだけ思いついたのなら、
 クライマックスだけざっくり書いてしまう)

 とりあえず書きたいところだけ書いてしまえば一旦気持ちが落ち着くので、
 連載中の小説のほうに気持ちを切り替えやすくなります。
 そうしたら連載小説のほうに戻って、それが完結したあとで、
 新しい小説のプロットを改めて見直します。

 鉄は熱いうちに打てとも言いますけど、私の場合は熱すぎると上手く形にならないこともあるので、
 とりあえずメモっておいて、ある程度落ち着いてから全話の構成考えることが多いです。
 まあ、時と場合と状況次第なんですけどね。逆に思いついた勢いのままで書くこともあるので(笑)


まいちんさんの意見
 はじめましてS2Jさん。まいちんです。

 「そんな酷な」と思うかもしれませんが、小説を書くのをいったん止めてみてはどうでしょうか。

 そうすると、多分魅力的なネタがいっぱい出てきて
 「あれも書きたい、これも書きたい」という状況になるかと思います。
 ですがそこでグッと我慢。
 思いついたネタはネタ帳に書き留めるだけで、決して小説に起こしてはいけません。

 そして「他は諦めてもいいがこれだけは何としてでも書き上げたい。書かずに死ねるか」
 と思えるストーリーができたときに、初めて書き始めるのです。
 その頃には書き上げる覚悟もできていますし、
 禁欲生活の後ですからペンも水を得た魚のようにいい勢いで進むのではないかと思いますヨ。

 以上、参考になれば幸いです。頑張ってくださいね。


峰しずくさんの意見
 こんにちは。

> ライトノベルを読み始めてまだ1年と経っていない未熟者ですが質問させていただきます。

 ということですから、年齢的にはまだまだお若いのではないでしょうか?
 もし、職業作家として生計を立てることを考えるにしても、何年先でしょうねえ。

 だったら、焦ることはないと思います。
 他に面白いアイディアが芽生えたら、それを書けばいいと思います。
 途中で放り投げられた作品が山となってもいいじゃないですか。それはあなたの財産です。
(捨てたりしちゃいけませんよ)

 きっと、いつか、「そういえば、書きかけのあの作品、続きを書いて完成させてみようかな」
 という気分になることもあるでしょう。
 そのときのあなたは、年齢的に現在よりも成長していて、
 テーマやモチーフが今とは違うものになっているかもしれませんが、
 それはそれで作品ですから良いのです。

 石にすがりついてでもひとつの作品をまずは仕上げるべし、という考え方もあります。
 どちらかというと、その方が近道だろうし、本人のためにもなると思います。
 
 けれど、方法論や方向性はひとつではありません。
 人それぞれ、合った方法というのもあります。


 まだまだその「合った方法」を探す時期であろうかと推察しますので、
 とりあえず「どんどん書きたいと思った作品にチャレンジしてください」とお返事させていただきます。

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