第4研究室 創作に関するQ&A 214P | トップへ戻る |
嶋さんからの質問
 犯罪に使える知識を小説で書いてもOK?
 
 こんばんは。

 人を殺しても罪にならない方法とか、C4爆薬の作り方とか、
 建物への侵入方法とかその手の書籍や、webページで色々と知りました。
 私はクライム物を書いているもんで、こういう犯罪に関係する情報は大いに助かります。
 とは言っても、自分の知的好奇心を満たすという目的もあったのですが……

 そこで本題です。
 こういった知識を得て、ストーリーに組み込んでいくうちに思ったのですが、
 現実に利用できるような犯罪関係の知識を小説に書いても大丈夫でしょうか?

 現実に利用できる、と言っても高度な技術や専門的な知識が必要なものばかりなのですが。


● 答え ●

jogtyさんの意見
 やめたほうがいいです。
 結構コンゲーム(詐欺師小説とでも思ってください)を読みますが、

 手法はかなりリアリティを持って描きつつ、おそらく実際に試みたら失敗するように書いています。

 リアリティとリアルは別物、というのはいまさら嶋さんに言うほどのことではありませんが、
 どこかに嘘を仕込んで、リアリティはあっても現実に利用できないようにしたほうがいいと思います。
 なぜか知りませんが、小説に書いてあることを事実と信じてしまう読者というのもいますし。
 活字のトリックという奴でしょうか。


桜風さんの意見
 桜風です、こんばんは。

 以前、「ミステリーを書く(描く)人は、必ず失敗するトリックを書く(描く)」
 と言うのを聞いたことがあります。


 あと、あまり詳しくはないのですが、実際に殺人に使えるトリックを広めてしまうと、
 殺人幇助(字、合ってます?)に問われるんじゃないでしょうか。


スナドリさんの意見

 スナドリです。
 自分としては構わないと思います。
 
 しかしそれが現実で使えるものであっていいのかと問われると、
 やはりどこかで嘘をついておくべきでしょう。


 一般人はその犯罪の雰囲気を味わうだけで満足しますけど、
 中には実際にやってみたいという危険な人がいます(ほんとに稀)。
 その危険人物までに現実の知識を分け与えてしまうかもしれませんので。

 実際自分のとある友人が、ネットで見たピッキング道具を実際に作って、
 自分のロッカーの南京錠を8秒でものの見事に開けてくれました。
 そのときは笑ってましたが、犯罪とまで呼べないとはいえ結構恐ろしかったです。
 ピッキングを例に挙げるなら、どんな風に手を動かすかまでなら大丈夫でしょうが、
 その棒の先端がどのようになっていて、
 どういう仕組みで開けているのかを書いたらまずいでしょう。テレビもそこはモザイクですし。

 リアルな情報に頼らなくても、文章でいくらでもリアリティを見せればいいのです。
 そこが物書きの醍醐味でしょう。
 でもリアリティを求めるなら、実際に文としては書かない知識が必要になります。
 
 知っているなら知っているだけ有利です。でも、それを全部書く必要はありません。
 すべてを埋め込まず、文で魅せる。

 
 知らないから適当に書くより、知っているけどあえて嘘を書くほうがリアリティは断然違います。
 個人の意見ですけど、つかえる「ような」なら大丈夫だと思います。以上スナドリでした。

 余談:そういえば最近、当て逃げした警察官を捕まえるとアルコール反応が。
 飲酒運転で当て逃げか、と問い詰めると、
 「確かに当て逃げはしたけどその時は酔ってはいない。酒は当て逃げした後自宅で飲んだ」
 と答えたそうで。これもある意味、法律に関係する人が示した、罪にならない方法ですよね。


黒尻尾の駄猫さんの意見

 通りすがりの野良猫です。
 オイラなりの答えを残します。

 ――彼女は支払いを済まそうとバッグに手を入れた。
 その瞬間、一気にバッグから火柱が上がり彼女の胸から上を包んだ。
 最初の炎自体は瞬時に消えたが運悪く、彼女の髪や服に引火し、
 彼女は火だるまになりながら倒れ、今、意識不明の重体となっている。
 彼女を焼いた炎。それは意外にも小麦粉が創り出したのだと判明した――

 てな、文を書いたとします(駄文だ;;)。
 で、バッグの中に仕込まれた小麦粉火炎弾の作り方を詳細に作中に描いたとします。

 小麦粉は粉塵爆発を起こしますし、実際に料理の最中にこぼして引火して、
 大炎上とか言う事故は結構な数で起きています。
(この情報自体は消防関連や科学番組で何度もあつかった話しではある)

 モノは小麦粉、発火装置やらなんやら入れても千円でおつりが出る。
 場合によってはその千円でダースも作れてしまうかも知れない。
 しかも軽く、持ち運びも楽で、鞄に入れられても全然気が着かない。

 で、熱心な読者さんが作中の通りに作ろうとして誤って着火させて大やけど。

「作家のモラルはどうなっているのでしょうか?」
「情報は何でも公開すればいいと言うものではないので、十分に考慮するべきですよね」

 とか、訳知り顔のニュースのコメンテーターに言われたりして、
 挙げ句、出版物は出版者側の判断で自主発禁、回収。

 そんなような作家ストーリーを、お求めですか?

 或いは「ネット公開予定だし、削除しちゃえば大丈夫」とかは、
 嶋さんに限っては、こちらのサイトに訪れる方々に限っては、考えてはいないですよね?

 オイラ的には、そんな感じです。

 ところで、小麦粉火炎弾の作り方知りたいですか?
 教えません。自己の責任で調べてください。
 ではでは。


豊影さんの意見
 ラノベではないですが。

 巻末などに「作中で用いたトリックは、敢えて言及しなかった理由により、
 実際には確実に失敗します。くれぐれも模倣などなさらないように」
 みたいな注意書きが書いてあるのを目にしたことがあります。


 自分が読んだのは「青の炎」(貴志祐介著)だったかな?
 他にも同じようなことが添えられている作品は山ほどあるでしょうけど。

 いざ出版するともなれば、編集のチェックなどでそういう配慮はなされるのでしょう。
 場合によっては、詳細すぎる描写を幾分ぼかすように指示されるのかもしれませんけど。
 執筆の段階ではそこまで気にしなくてもいいのではないかと。

 web上での公開にしても、小説がアウトなら、
 それ以前に嶋さんが情報を得たサイトやらの方がよっぽど危ない気がしますし(苦笑)
 とはいえ、やはりこちらでも上記のような断りを一言つけておいた方が無難なのかもしれません。


Azifさんの意見
 使って構わないと思いますが、
 良心として全て完全なものを組み込むのは止めておいた方が良いでしょう。
 C4の作り方なら、素材の一部や調合方法、起爆装置の作り方を書かない。
 等と言った気遣いはしておいた方がいいと思います。


あじととさんの意見
 どうも、あじとと、と申します。
 基本的には「それが面白いの?」という話ではないでしょうか。

 どんなに綿密でリアルな犯罪小説を書いたところで、
 それが必要な小道具として機能していなければ、
 兵器のスペックだけに拘る仮想戦記と同じくして、評価はあまり高くありません。


 青木雄二氏の裏金融、法律ネタも、新堂冬樹氏の裏社会ネタも、
 ある程度完成したストーリーに味付け程度にでてくるから、
 面白く感じるのでは無かろうか、と思います。

 次に、創作者の社会的責任、常識という問題があります。
 例えば有名な漫画「GTO」では窓にガムテープを貼って割るシーンが描かれていました。
 これが、家屋侵入の手口を青少年の間に普及させている、と問題視されたことがあります。
 そのほかにも、所謂全共闘〜日本赤軍が問題となった時代には、
 爆発物の製造方法を地下出版していた過激派が摘発されたこともありました。
 有害書籍と出版(表現)の自由に関する問題は、
 十数年に渡って議論されている問題です。ご自分で調べることをお勧めします。

 余談ですが、そういうアングラな情報で有名な書籍と言えば、
 アナーキストクックブックが挙げられます。
 私も一時期そういったものに興味を持ち、拙い知識で和訳したことがありますが、
 大して役立たなかったのを覚えています。
 そもそも、一般に流通した犯罪の手法にはオリジナリティーが無いわけで、
 創作物に登場させてもあまり面白くない、という気がしたからです。(生々しいですしね。)

 また、アングラな情報にはいわゆる穴があることも多いです。
 もちろん、恣意的に嘘が仕込まれている場合もあります。
 バナナの皮を燻すと麻薬と同じ効果があるというネタ、
 いわゆるバナナトリップなんかが有名ですね。

 やはり、こういった事情をふまえて、どう料理するか、
 が創作者としての腕の見せ所ではないか、と思います。


嶋さんの返信(質問者)
 ありがとうございました。

 なるほど。
 やっても構わないが、熱心な読者が本を机上に置き、
 部屋を出でて実際にやってしまう可能性も否定できないので、
 あくまで、使える”ような”程度ということ、いくつかの道具・材料を抜いたり、摩り替えたり、
 実際にやると失敗するようにさせることが分かりました。

 C4爆薬の使用目的は、対立しあう2大ギャング団がいる地域で一方のシマをC4爆薬で攻撃、
 しかるべき後に、報復に見せかけて残り一方のシマを攻撃して、
 抗争状態に持ち込ませるという策略にするつもりでした。
 しかし、もっと簡単に煽る方法があるでしょうし、
 わざわざC4を使う必要があるのか、模索してみます。


 パワーを振り回し、容赦なく叩きつける主人公が居てよくて、
 スマートに頭を使い抜いて犯罪を犯す主人公がいちゃいけない法はないと思っていました。
 私の考えが浅かったです。


jogtyさんの意見
 というか、コンゲーム小説は、登場人物の頭のよさが全てですよ。結構昔からあるジャンルです。
 コンゲームにおいて暴力を売りにするような主人公が出てきたら、
 その時点で全ての物語が崩壊しますから。
 嶋さん好みの知力型主人公がいるかどうか分かりませんが、
 というか、読んだことがあるのではないかと思いますが、読んだことがないのならお勧めします。

 ライトノベルですと、赤城毅の「紳士遊戯」と続編の「贋作遊戯」、
 一般ですと、楡周平の「フェイク」、真保裕一の「奪取」、
 石田衣良の波のうえの「魔術師」、J・アーチャーの「百万ドルを取り返せ」が、
 ぱっと思いつくというか、私が読んだコンゲームです。
 映画ですと、「スティンガー」とかありますね。
 「ソードフィッシュ」もコンゲームに入れていいのかな?


クリックさんの意見
 こんにちは

> C4爆薬の使用目的は、対立しあう2大ギャング団がいる地域で一方のシマをC4爆薬で攻撃、

 C4を使うのと、C4の作り方を詳しく書くのとは、別次元の話だと思います。
 C4の作り方を詳しく書かずに、それこそ作り方を一切書かなくても、
 C4を使用したストーリーを作ることに何ら問題は無いと考えます。

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