第4研究室 創作に関するQ&A 224P | トップへ戻る |
蔵神紫苑さんからの質問 2007年
 子供っぽい主人公(人物)は嫌われる傾向にある?
 
 どうもお久しぶりです、5日後に自動車免許の合宿に行く蔵神です。まあそんなことは置いといて、

 質問内容はタイトルどおりです。
 俺は今に至るまで様々な小説やゲームのレビューを見てきた(つもり)なんですが、
 どうもタイトルどおり、子供っぽい主人公はあまり読者によく思われてないようなんです。
 具体的にどういう子供っぽさかというと↓

・世界観:魔物が存在する、剣と魔法のファンタジー世界
 「いくら相手が魔物だからって殺してもいいなわけないだろ」と言うような甘ちゃん主人公(少年)。
 とにかくこれ↑に関しては頑固で自分の考えは曲げない。

・世界観:仮想現実世界の日本
 背丈が中学生並で性格もとにかく熱血漢の高校生の少年。

 元ネタがなんなのかは念のため(?)伏せさせてもらいました。
 ↑の二つの人物が登場する作品のレビューには、
 「主人公がガキです」というようなどうにも芳しくないような評価がされていました。
 ちなみに現在俺が執筆中の小説の主人公も

・甘いもの(菓子類)などが大好き
・「むやみやたらと殺したくない」などとよく言う甘ちゃん。
・純粋な傾向にあり、人の言う事をすぐ信じてしまう
・なにより言動がガキ。 例;「うっし、はりきって行ってみよ〜」

 とガキっぽさ全開です。
 そこで最初の質問、なぜ子供っぽい主人公は嫌われる傾向にあるのでしょうか?
 いえ、別に『「これこれだから嫌われる」というのが出たらそこを変える』というような事はしません。
 ただなぜこういう傾向にあるのか知りたいのです。
 質問内容がわかりにくいかもしれませんがみなさんよろしくお願いします。


● 答え ●

三毛招きさんからの意見
 子供っぽい主人公には現実が見えていない傾向があるからだと思います。
 
 決断の出来ないへタレ、あるいは迷うことで自分を良く見せようとしている
 偽善者に見えるのではないでしょうか?


 やるやらないではなくやらざるをえない、やらなくてはならない時にやるべきことをやらないのは
 義務を放棄していることなのだと思いますし。
 
 つまり「純粋」ではなく「純粋に自分を見せようとしている」
 ようにみえてしまうのが原因かと思います。



日向葵さんからの意見
 そういった主人公だから嫌われる傾向にあるわけではないと思います。
 私もレビューはよく見て回っていますが、
 子供っぽい主人公が嫌われていると感じたことはありませんでした。

 むしろ私は逆に、子供っぽい主人公は好かれる傾向にあると感じていたのですが……。
 人によっていろいろな見え方があるんですね(笑)



匿名希望さんからの意見
 どうも、匿名希望です。
 私的には、子どもっぽい主人公が嫌われてるのではないんじゃないか、って思いますね。
 元ネタがわからないので上手くは突っ込めませんけど。
 
 ただの甘ちゃんだから嫌われてるんじゃないでしょうか。

 魔物を殺したくない、という、魔物は殺すものだという世界すら否定する意志があるなら、
 口や小手先の行動でなく、ある意味で卑怯なまで、ある意味では冷徹なまでにならないと、
 目の前の出来事しか解決出来ません。
 
 子どもっぽいというよりは、現実を知らず、現実に本気で立ち向かう意志もない、
 甘い正義感や理想を抱いているガキではないでしょうか。
 乱暴な言葉を使いましたが、私的には子どもは嫌いではないですが、
 そういう、口先と少しの行動だけで満足出来るガキは嫌い、
 というのが私的に嫌いな子どもっぽさですかね。

 がむしゃらな努力だけで報われる程、世界は優しくない、報われる方が嘘くさい、ですかね。
 まあ、報われてほしい、と願うことは多いですけどね。
 色々と私見が混じっているので、悪影響は受けないでください。
 それでは、失礼しました。


魏延さんからの意見
 ガキッぽさが魅力として書かれてなければ、見ている側としては興ざめしてしまいます。
 筋が通ってないとどんな大言壮語も幼稚に見られてしまうのではないでしょうか。

 蔵神さんの四つの条件は、そのまま受け取れば、魅力のないガキキャラに入ります。
 しかし一ひねりしてはどうでしょう。
 「殺したくない」けど「戦わねばならぬ」時、
 殺そうか殺さまいかとクヨクヨしているようではただのガキです。
 
 「殺さない」のが信条なら「殺さなくても勝つ」戦いを展開させれば
 「ただのガキではない」「かっこいい」と読者に思わせることができるでしょう。


 主人公がガキ臭くて読めたもんじゃない、と思われるのは、
 キャラの個性が伝え切れてないからだと思います。


 主人公は小説(とくにライトノベル)のキモですから、
 作者が悪い意味でガキっぽいと思ったら、即考え直した方がいいと思います。


Azifさんからの意見
 子供っぽいことが嫌われるわけでは有りません。
 ただ、現実を見ていない、見ない、理解しない、幸運だけで渡っていくうえに
 自己責任を取る事も反省をすることも無い主人公が嫌われるのです。

 現実を見て、失敗して、傷ついて、それでも貫くようならば、
 描写をしっかり出来ていれば好意的に受け入れられます。



Anthemさんからの意見
 これは個人的な考えですが、子供っぽいキャラが好かれないのは、
 大抵の場合人生経験の短さゆえに「葛藤」について深く掘り下げられないからだと思います。
 

 子供キャラには他にない魅力や特色がありますけど、少し間違えれば、
 見ていて痛々しいキャラになってしまいます、そこが嫌われる要因の一つではないかと。
 ところで、蔵神紫苑さんの質問は多分、「子供っぽい少年」と「子供っぽい大人」
 両方についての質問として取ってもいいですか?(違ってたらすいません)
 
 「子供っぽい少年」については上で述べた理由です(個人的に)
 「子供っぽい大人」の場合は、読み手からすれば
 「こいついい年して大人の判断が出来てないな」、という侮蔑が少なからずあるからかと。
 
 「子供っぽい大人」については、
 自分はその手の作品で有名な物を読んでないので良く分かりません。
 「子供っぽい少年」については、もし蔵神紫苑さんの書く少年が小学生くらいの年齢ならば、
 宮部みゆき著「ブレイブ・ストーリー」を読んでみるのも良いと思います。
 
 映画化されるくらい有名な本ですからもう読まれているかもしれませんが、
 この本の語り手は殆ど少年なので、参考になればいいと思います。


ゴン太郎さんからの意見
 子どもっぽい主人公といえば「蒼月 潮」しか考えられません。ゴン太郎です。
 なんにせよ、潮は最高にかっこいいです。永遠の憧れです。

 子どもっぽいのは別にいいんですが、口ばっかりで行動しないやつは嫌いですね。

 というか、今の時代のマンガとか小説とか見ると、熱いやつは居なくて、
 かわりに現実的で、ただひたすら鬱傾向に走るやつが多いですよね? たぶん(2007年3月)。

 まぁ、今の子どもたちはそういったヒーローっぽくない主人公がすきなんじゃないんですか? 
 だから子どもっぽい、というか自分たちには決して出来ないようなことをやってみせる、
 熱い主人公を見ると、「はっ!? こんなの出来るわけねぇじゃん。架空すぎて面白くねぇ」
 とか妙に冷めた視点でものを見ちゃうから、評価が芳しくないと思います。
 まぁ、なんというか子どもっぽいのが嫌われるのは「そういう時代だから」というしかありませんね。
 もしくは、自分とは違いすぎて、まぶしすぎるとか。


じゃがさきさんからの意見
 そのガキっぽい主人公が、すらすらと上手くいっちゃうからじゃないですかねえ。

 皆様が言われる通り、ガキっぽいのは大抵現実が見えていないことが多いです。
 ましてや現在は現実的なものが流行っていますから。

 ところで、一躍有名になった(?)『涼宮ハルヒ』なんかは現実が見えていないと思いませんか?
 宇宙人や未来人、はたまた超能力者などがいることを信じて、ひたすらに突き進んでます。
 まあガキっぽいです。

 ですが、内心では無意識に現実は見えているようです。
 いることを信じて、というかいて欲しいと思っていますが、
 彼女が感じる日常は激烈にそれを否定しています。

 つまり、ガキっぽくて現実が見えていない主人公に、
 現実の壁にぶち当たらせていかないとつまらない
  ↓
 主人公が映えない
  ↓
 主人公が駄目じゃんという結論に達するのではないでしょうか。

 思い切って、そのレビューした人に聞いてみたら面白いかもしれませんね。嘘です。


蒼さんからの意見
 どうも、最近学校の授業が難しいなぁとか感じてる蒼です。
 本題。

 やっぱり皆さんの言うように「現実が見えていないから」、というのが1番の要因だと思います。
 ただ、そういう点もうまく使えれば、
 十分作品として昇華させることは可能だと個人的には思いますよ。

 ちょっと本では良い例が思い浮かびませんが、
 ゲームで言わせてもらえば『テイルズ・オブ・ジ・アビス』のルークでしょうか。
 彼は貴族の温室育ちで外を世界をまともに知らないのに、
 ふとしたことで外の世界に飛ばされてしまいます。

 そこで自分を狙う軍人に会い戦闘になるのですが、
 ルークは自分を狙う相手に対しても「殺すこと無いだろ」と非常に甘い態度をとります。
 しかし、そのせいで仲間を傷つけてしまう。
 
 世界を知らない、つまり現実が見えていないことで仲間を傷つけてしまった彼ですが、
 様々な経験を得て「人を殺すこと」の意味、
 そして殺したことで今後自分はどうすれば良いのかを学びます。

 ・・・非常に分かりにくくなってしまいましたが、ようするに最初は甘くても、
 後にちゃんとそうしなければならない理由、
 そして意味をちゃんと読者にも納得させられる形で提示できれば良いのではないでしょうかね?


 では、よく意味の分からない文失礼しました。


Veilchenさんからの意見
 「ガキっぽい主人公」を「未熟」「経験不足」なキャラと勝手に解釈して考えてみます。

 そういったキャラが嫌われるとしたら、言動や思想に重みがないからではないでしょうか。

 例えば、蔵神さんが例に挙げられたファンタジー世界の主人公だったら、
 「魔物だからって殺してはいけない」という主張がどこから来ているかが問題なのでは。
 実際に魔物の脅威を受けたことがないのに、魔物への憐れみだけで言っているとしたら、
 魔物に襲われた人、親しい人を殺された人は主人公に対して反感をもつでしょうし、
 読者としても感情移入出来ないのではないでしょうか。
 大体、自分が助けた魔物が人を殺したらどうするつもりなのだか。

 反面、親を殺した相手に対しても不殺を貫ける主人公がいたとしたら、
 (是非はともかく)その選択の重さは読者に伝わるし、葛藤の描きようもあるでしょう。
 もう一つの例の高校生にしても、学生というのは責任も社会人に比べれば軽いですから……。
 熱血を貫いた際の代償もそう大きくはないはずなのに、と思われてしまうかもです。

 ……例にされた作品が分からないので、的外れかも知れないのですが。
 
 要は、何かに対して「熱」かったり、純粋な・高い「志」を持っていたとして、
 その主人公をそうさせる裏付けや動機が浅いと、嫌われかねないということでは。

 ただ、最初は本当に「ガキ」だったとしても、
 物語を通じて成長していけば、受け入れられると思います(少なくとも私は)。


 蔵神さんの主人公の主人公の場合だと、例えば、助けた相手に殺されかける、
 仲間の手を汚させてしまう、善意を利用されて騙される……
 などの経験を経て、尚ポリシーを貫けるか、変わるとしたらどう変わるか、
 あたりが描写のしがいがありそうです。と勝手に妄想させていただきました。

 長文失礼しました。何かの参考になれば幸いです。

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