第4研究室 創作に関するQ&A 90P | トップへ戻る |
まことさんからの質問  
 テーマとは?

 
 こんにちは。まことと申します。
 小説を書き始めて数年ですが、最近行き詰まりを感じています。
 つい最近このサイトを知って、小説にはテーマが必要だと知りました。
 そして、自分でテーマについていろいろ考えてみたのですが、どうもよく解りません。
 自分が書こうとしている小説のテーマが何なのか?
 テーマをつけたいのですがよくわからないんです。
 ネタがあって、そのネタでこれから書きたい小説もあるんですが、
 その作品にテーマをつけたいんですけど、どうやってつけるものなのか解らないんです。
 そもそも、本を読んで、この本のテーマは何なのかと言われても、よく解りません。
 そのあたりのことを教えてください。
 それと、テーマというものには、具体的にどういったものがあるのかも、教えてください。


● 答え ●

猫の盛りさんの意見
 通りすがりの野良猫です。
 オイラなりの答えを残します。

 実は、オイラはテーマなんか考えずに書いてます(汗

 以前、別の投稿サイトで「このお話のテーマは○○でしょうか?」とか批評されることが何度かあり、
 そういわれてみて、そんな気もするなぁ〜とか想ってしまう主体性のないダメな猫です。
 中には「テーマのない話なんて、クズだ!」とか怖いことを仰る方もおられるようですが、
 オイラが以前書いてきた作品では、そのようなご意見は幸いにもありませんでした。

 無理やりテーマをこじつければ「エンタメ」になるんでしょうか?
 オイラは読み手を如何に飽きさせずに楽しませるかに注力している気がします。


 ま、こういうダメな奴もいると言うことは、さておき。
 テーマですね。
 
 要は、その作品で作者が何を描き、
 何を読み手に伝えたいのかというようなものであるとオイラは理解しています。


 どれほど困難な状況でも、どれほど立場が変わっても、
 むしろ、敵対すべき立場になっても「不変の友情」を描きたいとか言う場合は、
 作品中では当然、どのように友情が結ばれていったかを描き、
 主人公達にそれを試すような様々な出来事が訪れたりする訳です。

 まことさんはどんな話が書きたいですが? ストーリーではなく、もっと概念的な描きたいもの。

 それがテーマなのではないかと猫は思ったりしています。
 でも、そういうの考えながらストーリー練ったことないんですよねぇ。
 狭い猫の額の奥のオイラの脳みそでは、あまり複雑な思考とか無理なんですよねぇ。むう。

 オイラ的には、そんな感じで。
 ではでは。


みつきさんの意見
 まことさま、はじめまして。
 テーマについてですが、テーマとはつまり、『作品における主題』のことですね。
 
 その作品で、作者が一番書きたいこと、書いて読者に伝えたいことはなんなのか、ということです。
 ですから、極論すればどんなことでもテーマになり得るのではないでしょうか。

  
 たとえば、『可愛い女の子と冴えない男の子の恋愛』というのだって、
 それが一番書き伝えたいことであるならば、ちゃんとしたテーマになります。
 『悪とはこの世界の必然であり、それが倒されるのもまた必然である』
 というのが一番書き伝えたいことであるのならば、それだってやっぱりテーマになり得ます。
 『猫耳少女の普通でない生涯』というものだって、 
 作者がそれを本当に、誠心誠意、精魂込めて書ききりたいのだ、
 そして読者にこの猫耳少女の一生を体感し、感動してもらいたいのだ、
 と強く思っているのならば、それもやっぱり立派なテーマになるものなんですよね。

 とにかく、小説という、たくさんの言葉を使う表現方法で、
 自分が一番書き表したいと思うことは何なのか。
 読者に伝えたいと思うことは、一体何であるのか。
 それをじっくり、突き詰めて考えていけば、
 自分なりのテーマというものが段々見えてくるのではないでしょうか。


>そもそも、本を読んで、この本のテーマは何なのかと言われても、よく解りません。

 私も、他の人が書いた小説のテーマなんて、よく分かりません。
 おぼろげながらに、『こういうことが書きたかったのかな?』と、
 ちょっとだけ思えるくらいがほとんどです。

 というか、テーマが読者にはっきりと伝わってしまうくらいに
 小説の前面に押し出されている作品というのは、はっきり言って陳腐なんですよね(^^;。
 
 ストレートに『こうなんだ!』と、簡単に一言で言ってしまえるくらいのものならば、
 長々と何万語も使って小説を書く必要はないというか。
 

 作者としてテーマを明確に持っていたとしても、
 それが読者に簡単にあっさり伝わってしまうようでは、
 それは小説としてはちょっといただけないな、と私なんかは思うわけです。

 と、それではこのへんで。失礼致します。


どてかぼちゃさんの意見
 こんにちは、まことさん。
 どてかぼちゃと申します。

 わたしは「愛」がテーマですね。
 こう書くとものすごい恥ずかしい!
 小説には人が登場します。人と人が関わり合って、なにかが変わる。
 こういうストーリーは多いですよね。
 それぞれのシチュエーションがあるけれど、人と人が関わることには変わりはありません。
 親子愛、兄弟愛、人が相手を思う気持ちが「愛」かな?なんて考えています。
 だから、ひとまず「愛」をテーマに据えておこうかな、と思っています。
 むろん、それ以外にもテーマはあると思いますが、いまのわたしには閣だけで手一杯です。

 それから、テーマとは作品にあるものなのかな? と思うのです。
 むしろ、書いているわたし達こそがテーマを持っているのではないでしょうか?

 書いている人間の考え方や想いを、小説を通して人に伝える。
 それが作家の仕事ではないでしょうか。


 すみません。偉ぶっちゃいましたね。失礼します。


猫の盛りさんの意見
 通りすがりの野良猫です。
 ふらふらアテもなく、戻ってまいりました。


> はっきり言って陳腐なんですよね(^^;。

 そうかもしれませんね。でも、陳腐=つまらない でも無いかななぁ、とか、猫は思うのです。

 もしかしたら三桁近く見ている好きなアニメ映画があります。ルパン三世の「カリオストロの城」です
 テーマは「”心”を盗む」。主人公は大泥棒。
 ルパンの映画の一作目は「盗まれた自分自身を盗み返す」で、
 二作目となるこの映画では何を盗むのか期待が大きかった作品です。
 いまどき大泥棒! しかも予告状を出して盗みに入る大怪盗。

 彼は相棒と一緒にある小国に潜入し、お姫様に出会い、閉じ込められた彼女を命がけで助けます。
「私の獲物は高ぁ〜い塔の天辺に隠された宝物。どうぞこの泥棒めに盗まれてやってください」
 大泥棒は少女にそういいますが、彼女を囲う存在は冷酷で恐るべき存在。
 大泥棒に何もせずに帰る様に言います。
「あ〜あぁ、なんという事だ。その娘は悪い魔法使いの力は信じるに、
 泥棒の力を信じようとはしなかった。
 その娘が信じてくれたなら、泥棒は空を飛ぶ事だって、湖の水を飲み干す事だって出来るのに!」

 その後、色々あって少女は大泥棒を信じる訳ですが、彼はその信頼にこたえて空を駆け、
 湖の水を引かせ(湖の下から古代ローマの町が出てくる)、少女を救い出して去っていきます。
 で、最後にそんな大泥棒を見送る少女に、彼を追う警部が「まんまと、盗みおって!」と登場します。
「いいえ、あの方は何も盗らず、私を助けてくださったのです」
 と少女が言うと。
「いいや、奴はとんでもないものを盗んでいきました!」
 否定する警部の言葉に少女が不安そうにすると、
「あなたの心です!」
 とはっきりと作品のテーマを口にします。茶目っ気たっぷりのウィンク付きで。
 警部は駆けつけた部下の車に飛び乗ると「地の果てまで追うんだ!」と言って去ってきます。

 どの角度から見ても陳腐なお話です。
 それは間違えなく、設定も登場人物も変で、一癖二癖ではすまない個性の持ち主ばかり。

 でも、オイラは大好き。
 ま、どうでもいいですね。すみません。
 ではでは。


しゃんテンさんの意見
 こんにちは。しゃんテンと申します。初めまして。
 他のどなたかも書いておられたかもしれませんが、GOOの辞書によると
 「創作や議論の根本的意図・題目・中心課題など。主題」と有ります。

 で、ですね。根本的意図、主題…というと何か、私なりに考えますに、
 この小説のアッピールポイント、セールスポイントはどこか?
 作者は読者に何を一番伝えたいか?
 何処を一番見てもらいたいか?
 ……ということだと思います。

 もっといえば、読者にどの部分でどんな顔をしてほしいか? 
 ということとも関係してくると思います。


 「……すればいい」とか「……が良い」「……は素晴らしい」「……とは……である」
 といった哲学的・政治的・倫理的な難しいメッセージや主張である必要は必ずしもないと思います。

 たとえば、怪談であれば、「怖さ」がテーマで良いと思います。
 ギャグ小説であれば「楽しさ」「笑い」がテーマで良いと思います。
 アクション小説であれば「アクションの凄まじさ」「緊張感」でもいいと思います。
 ミステリ小説であれば「謎めいた感じ」であったり「謎が解ける爽快感」であったり、
 「サスペンス」であったり……
 小説の中で、「登場人物の感情の動き」に共感してほしいとおもったなら、
 その感情の動きがテーマでも良いのではないでしょうか?

 もちろん、どういった「怖さ」なのか「楽しさ」なのか「緊張感」なのか「感情の動き」なのか…
 については詳しく考える必要があるかもしれないと思います。
 しかし、テーマが必ずしも難しいこと、複雑であることである必要はないと思います。
 あくまで私的な定義ですけれども。


みつきさんの意見
 猫の盛りさま、こんにちは
 確かに、あのルパン三世「カリオストロの城」はそのものズバリな感じですが、
 陳腐でも、つまらなくもないですよね。
 とても嬉し恥ずかし面白い作品だと私も思います(笑)。

 テーマを読者に伝える方法として、『ストレート』という手法を選び、
 それを見事に使いこなしているという、とても素晴らしい良作ですよね。


 猫の盛りさんのご意見、とても参考になりました。


アトベさんの意見
 どうもです。なんとなくカキコしてみます。
 さて、テーマですが自分としては2種類に分かれるのではないかなと思います。

 1.作者が描くテーマ
 2.読者が描くテーマ

■1.作者が描くテーマ
 そのまま書き手である人たちが本に託すテーマです。
 それは伝えたいシーンであり本全体の内容であり、いろいろだと思います。

 小説においてテーマとは後付にできるものだと自分は考えています。

 初めに描きたいシーン(人物含む)があり、
 それをもっとも映える形にするにはどうしたらいいのか、
 試行錯誤の末できあがるものなのではないのでしょうか。
 
 例えば、ジブリの映画”魔女の宅急便”みたいにデッキブラシで、
 空を飛ぶシーンが描きたいと考えたとします。
 まあ、ここで必要なのは魔女ですよね。それにデッキブラシがいりますよね。
 それから飛行船が欲しいかな。それからそれから……とまあ想像を膨らませていきます。
 物語のテーマができるのはこの後くらいになります。(おそらく)
 それは「感動」であったり、「奇跡」であったりいろいろでしょう。
 書き手が考えるテーマというのはそういうものではないのでしょうか。


■2.読者が描くテーマ
 字の如く、読んでくださった方が想い描いてくれるテーマです。
 内容は十人十色、いろいろな方がいろいろな解釈で物語りにテーマをつけてくれます。
 書き手とはまた違った観点ですので新鮮な味わいがあります。
 まあ、こちらは関係ありませんので割愛します。


■まとめ
 一番大切なことは書いた小説が自分にとって面白いものであり、
 なこかつ読んでくれる読者が愉しんでくれるものであるということです。

 
 自己満足もいいですが、それだけだと報われませんからね。
 優先順位は

 1.自分にとって面白いもの
 2.読んでくれる読者が楽しんでくれるもの


 です。これを突き詰めていけばテーマは自然と生まれてきます。
 テーマを考えるよりも、どうやって自分の好きなシーンを映えさせるか。
 ここに重点を置くのが大事なことではないのでしょうか。

 そんな拙い意見です。
 ご参考になれば幸いです。(間違ってたらゴメンナサイ)


峰しずくさんの意見
 こんにちは。
 われわれは小説を書いているのであり、論文を書いているわけではありません。
 論文なら、「降水量と交通渋滞における交通事故との相関関係」みたいなテーマが必要でしょう。
 いや、そんなテーマはいらんか?
 つまり、○○は●●である、というような結論とでもいいましょうか。

 しかし、小説の場合はどうでしょうか?
 「愛」でも「青春」でも「老後」でも「平和」でもなんでもいいです。
 それはおそらく、その作家が作品をつむぐさいに、
 常に根底にながれるその作者ならではのムードというか雰囲気というか、
 そういうものであると思います。

 つきつめていえば、その作者らしさ、とでもいうのでしょうか。

 なので、まずはテーマにとらわれずに、
 書きたいことを書きたいように書いて見られては、と思います。
 書き終わった後で、「そうか、俺はこんなことが言いたかったんだ」と気づくことだってありますよ。


あんごさんの意見
 こんにちわ。大変興味深い話題でしたので、少しばかり意見を。
 まず、「テーマが必要」というのは、
 文学研究なんかにちょっと携わってしまった人などが持ちやすい意見だと思います。
 猫の盛さんのように「強いて言うならエンタメ、飽きさせないこと」というのは、
 小説としては全く正道です。
 どれほど高尚で、全10巻を読みきったころには
 間違いなく人生の変わっている素晴らしい小説であっても、
 はじめの10ページで飽きていてはどうしょうもないからです。
 
 みつきさんのいうように、「作者の一番書きたいこと」というのが、
 私としましては、最も解答に近いのだと思います。


 そういう意味では、日常ちょっと思いついたネタを書いただけの文章でも
 「そのネタをこそ、俺は書きたかったんだ!」ということになるわけでして、
 テーマがない、と批判している人のほうが勘違いしていることになります。
 
 なので、第3の意見、おそらく「テーマがない」と批判している人たちの言い分としましては、
 テーマとは「読んだあとに残ったもの」だと思います。


 読んでいる間は面白い小説でも、読み終わったあとに
 「なんかイマイチだった」というものもあれば、読んでいる間はあまり面白くなかったはずなのに、
 読み終わったあとに「なんか感動した」というものもあります。
 この、「なんか感動した」を生み出すのがテーマであって、それは一般的にヘヴィなものです。
 あばよ、お前は生きろ……自爆!(この場合、男のかっこよさがテーマ?)であったり、
 俺は努力したよ! お前の倍、10倍努力したよ! なのになんでお前なんだよ!
 ……それは、才能がないからだよ。(この場合、天才と努力家の葛藤とかそんなもの)など、
 上記は私の覚えている「なんか感動した」シーンですが、
 俗にこういうものを「名作」あるいは「傑作」と言います。
 この文章を読んでいる方ならおそらく、
 「傑作を書こうとするな!」という研究室の言葉を読んでいるかと思います。
 テーマを伝えたい……と力めば力むほど、陳腐になってゆくのも事実です。
 この場合、どうしょもないです。ダメな陳腐になります。
 
 もう、俺の心臓を取り出して、どくどく脈打つ俺の思いを伝えたいんだあああああ、
 というほど煮詰まっているテーマ(書きたいこと)を、力まずに伝える。
 笑顔でさらり、と伝えられていないと名作とはなかなか言えません。

 
 だから、文章練習という意味では、「テーマがない」という意見のほうが的外れといえます。
 しかし、「小説」として読むのなら、読後に何もないというのは、
 読む側としては不満な場合が多いのです。
 「女の子のかわいさ」をテーマにするにしても、読んで「かわいいいいいいい」と思えず、
 「会話文が続いているだけだ」と理解されると、「テーマがない」と言われます。
 これ、「なんかつまらなかった」という意味だと思ったほうがいいと思います。
 面白いはずの小ネタも、面白く伝わらなかったということですから。
 ちょいと乱文長文になりすぎました。多少でも参考になれば、幸いです。


三毛招きさんの意見
 私は、テーマとは『その作者が何を考えて書いたか』だと思っています。
 笑えるギャグ小説を書いたのならば『笑えること』がテーマでしょうし、
 哀しい話を書いたのならば『泣かせること』がテーマになるでしょう。
 テーマとは必ずしも『〜ということを伝えたい』ということに限らないと思います。

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