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越智さんからの投稿・世界設定を利用する
▲目次に戻る初めまして、越智と申します。 自分が知るユーモアの作り方として、SFやファンタジー等に限定されますが、 「世界設定を利用する」というものがあります。 川上稔さんの作品は重厚な世界観が持ち味ですが、それを用いたギャグも多数あります。 二つの作品から一つずつ例を揚げます。 『終わりのクロニクル』より「名前の意味が力を持つ」空間での戦闘中に。 長いので地の文を幾つか省いています。 なお、ネタバレシーンですので気にする方は避けてください。 ちなみに「ボルドマン」は直訳すると「禿男」です。 佐山は目の前にあるボルドマンの頭を掴んだ。 彼の視線を受け止めるのは、森の中からこちらに近づきつつあった影三つ。 「さて国語の勉強と行こう。名前は、物体だけにつくものかね?」 問いと同時、敵が身を沈めて疾走の準備に入った。応じるように響くのは新庄の声だ。 「――ち、違う! 物理現象や、架空の理論なんかにも付くよ! 名前ってのは!」 直後。森の中と外から、お、という声が響き、足音が連なった。 それを迎え撃つ形になる佐山は、しかし口元に笑みを浮かべる。 「その通りだ、新庄君。2nd−Gは己につける名前にこだわり、他を見失った。 ゆえに、こういう発想は出来まい――」 迎撃として、佐山はボルドマンの頭を敵の方に突き出した。 「――必殺技の名は、その技を具現化する!」 叫んだ。大きな声で響くように、 「禿男・ハゲフラッシュ!」 轟音とともにボルドマンが光を放った。光りは球体というより、半ばボルドマンの顔面形状をとって拡大。 瞬く間に半径二百メートルの光爆となった。 シリアスな場面ぶち壊しですが、そんなことがどうでも良くなる破壊力をハゲは秘めていました。 馬鹿笑いし過ぎて腹を痛めたシーンの一つです。 応用編と言えそうなものもあります。 『境界線上のホライゾン』より 歴史のやり直しを行っている世界での歴史の授業から 去年は失敗した。二年次では世界史をローマから、極東史を奈良時代から始めるのだが、 ローマと平安で盛り上がり過ぎて後半が駆け足になった。 ……だってそのあたり、面白いしいー。 ローマ建国に至る経緯など、カエサル関連で細かく行き過ぎた。カエサルは暗殺の際に 「ブルータス、またお前か!」という歴史に残る台詞を残し、それが元で要人の暗殺などは "引退"で保障されることになったのだが、そこらへんの説明を濃くしていくと、 ……三年は進路決定があるからマズイですよねー……。 知らない人の為に説明すると、ローマ皇帝カエサルは暗殺の際に 「ブルータス、お前もか!」という台詞を放ったことで有名です。 つまり「歴史のやり直し」という設定を利用した歴史ネタのパロディという訳です。 このように世界設定は独自のユーモアを捻り出す源にもなり得ます。 簡単ではありませんが、試してみるのも一興かと。 |
ライラさんからの投稿・価値観をずらす
▲目次に戻るこんな私でよければ少しでも手伝いになれれば。 ひとつの方法として価値観をずらす(?)方法があります。 例えば、少年ジャンプの漫画『銀魂』での一場面です。 (銀魂二百二十九訓「全ての大人たちは全ての子どものインストラクター」より引用) 新八と神楽は自分たちの無力さ痛感し、銀時の下で修行をしたいと教えを乞いました。 しかし、銀時は面倒くさがりなので、自分ではやろうとはしません。 そこで、 「それとも何お前ら斬新でかつ絵的に修行方法とか考えてんの? 何も考えてねーだろ。どうせフワッと修行やりたいとか言っているだけなんだろ」 「考えてるモン。私ちゃんと考えてアルヨ」 「なんだ、じゃあ言ってみろよ」 そこで神楽は自分より体格の大きな熊を前にしている絵を描きます。 「アレ…あのく…熊に……」 「戦いを挑んで野生の勘でも身につけますか。古りーんだよ。そんなことやり尽くされてんだよ」 しかし、神楽は、 「足を持ってもらって腹筋とかするアル」 熊に足を持ってもらっている絵を描きます。 「熊を有効に使えェェェェ!! どんな熊の使い方してんだ。 無題使いもいいところだ!!熊を活かせよ!!!!」 仰天した新八がすかさず突っ込みを入れます。 次に神楽は、自分が熊の足を押さえ熊の腹筋を手伝っている絵を描きました。 「どんな活かし方をしてんだァァ!!なんで熊の修行になってんだよ! こんなもん、その辺のスポーツジムのインストラクターでも充分だろ!! もっと違う……」 しかし、新八は絶句。 神楽は 髪の毛を短く刈り上げたインストラクターが熊の足を押さえている絵を描きます。 「なんでだァアアァ!! これ最早お前何もしてねーだろ! 山から帰ってきてるし!」 「かなり斬新アル」 「斬新すぎるだろ! 修行してねーもん! 何もしてねーもん!」 結局は二人共、銀時の修行を諦めたんですけどね(笑) このように、熊と言ったら戦って修行するという価値観を連想ゲーム的にずらすのです。 ずらし過ぎて、本来の主旨から外してしまい、ツッコませるのです。 この話には続きがあって、さらにおもしろい落ちが用意されています。 最後には銀時はインストラクターを修行を手伝う人ではなく、 物として扱うように価値観をずらしました。見事。 このような方法もあると覚えておくのはいいのではないでしょうか。 |
累華さんからの投稿・アメリカンギャグ
私は受験生なのですが、この間、英語の文章を読んでいたらとても面白いギャグを発見しましたので、 良かったらご参考にと思い、こうしてメール致しました。 出典は「旺文社」の「新・英語長文速読10分間テスト24 基礎版」です。 ↓以下、本文(※日本語訳です) ある時、ロシア人技師、キューバ人兵士、アメリカ人ビジネスマンとアメリカ人弁護士が、 列車で一緒に座り合わせた。 四人はお互いに面識はなかったが、話を始め、 数分後にはロシア人が彼のスーツケースから一本のウォッカといくつかの小さなグラスを取り出した。 彼はそれをみんなに勧めた。彼らは平和のために乾杯した。 すると、誰もが驚いたことに、 そのロシア人はまだウォッカがほとんど残っている瓶を窓から投げ捨てたのである。 「どうしてそんなことをするんだ」 とアメリカ人の弁護士は尋ねた。 「私達の国にはウォッカなんてたくさんある。たくさんあって飲みきれないほどだ」 とロシア人は平然と答えた。 キューバ人は葉巻のいっぱい入った箱を取り出し、みんなに勧めた。四人がそれを吸い始めた。 するとその時、キューバ人はその箱を取り上げ、窓から捨てた。あのロシア人さえも驚いた。 「どうしてそんなことをするんだ。上等のキューバ葉巻じゃないか」 と彼は言った。 「こんなもの、キューバにはたくさんある。飽き飽きしてるよ」 とキューバ人は答えた。 アメリカ人ビジネスマンはしばらく考えた。 それから立ち上がって、アメリカ人弁護士を窓から放り投げた。 面白い話だと私は思いましたが、いかがでしょうか。皆様の参考になったら、と思います。 < |
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