第4研究室 創作に関するQ&A 256P | トップへ戻る |
蒼光さんからの質問
 高校生の主人公に敵を殺させるのをどう許容させるか
 
 自分が今考えている話では、主人公は高校生で、
 色々あって殺し合いも厭わない非日常と隣り合わせの生活を送ることになります。
 まぁ、これだけ聞くと最近のラノベのテンプレートみたいな話ですが。

 さて、そこで聞きたいことがあります。
 敵として登場する存在は、いわゆる『異世界人』という存在を考えていますが、
 主人公や我々と同じ人間です。

 そこで聞きたいのは、「主人公に敵を殺させるのをどう許容させるか」です。
 おそらくこの手の問題に関しては、深く悩んだかどうかはともかく、
 考えたことがある人は多いと思います。
 先日までたかが一介の高校生だった男が、
 簡単に人を殺してしまっては、どうにも問題があるでしょう。
 別に設定上は、不良というわけでもないのです。

 別に必ず殺させなければならない理由は無いので、多少痛めつけて追い返すのもいいでしょうが……
 毎回それではキリが無いですし、大勢に襲われればいくら何でも対処のしようも無し。
 敵が完全な怪物というならば、問題無しとは言いませんが、少しは理由付けもしやすいのですがね。

 ちなみに彼が戦う理由は、ヒロイン(彼女も戦います)を護ること以外にはありません。
 武器はナイフ、または他の刃物を予定しています。
 最初は彼には戦わせず、ヒロインの完全なサポート要員とすることも考えましたが……
 それだと主人公としての位置づけがどうしても薄くなってしまうようでして。できれば戦わせたい。

 主人公に敵を殺させるための、何らかの理由付け。または殺させずに対処する方法。
 さらにもしくは、それ以外に戦いを続けさせる方法など、何かアドバイスを頂ければと思います。


● 答え ●

鳥ノ木さんからの意見
 平成のウルトラマンは敵を倒しますと、その敵は粒子になって消えてしまいます。
 『殺す』を『やっつける』に変えた訳です。


 ……で、そんな感じに異世界に帰るとかの設定にしたらOKでは?

 実際にはこっちに存在してはいけない異世界人なんだし、
 ダメージを与えることにより、こっちに来る為に使ってた装置にエラーを起こさせて無理に帰すとか。
 首を吹っ飛ばさなきゃ死なないとか。
 核が有る限り生き続けるとか。
 実は存在しない存在だから、殺した方がその人の為になる。だから仕方なく殺してる。

 ……適当に並べてみましたがどうでしょうか?


クロウドさんからの意見
 シーンを思い付き、そこに至る動機付けからキャラ作りを始めるクロウドです。以後見知りおきを。

 ある意味、物語を左右する重要なポイントですので、
 苦しんで、考えに考え抜いて生み出すべきでしょう。
 ……けれども、いくかヒントを。

1・自分が戦わないとヒロインが死んでしまう。
 蒼光さんが少し書いてましたが、最初はサポート役に引きずりだされ、
 そこで傷だらけになっても戦うヒロインにいろんな感情を持って、
 結果(事故的に)主人公が敵を殺してしまうのです。
 それを繰り返す内に『主人公が戦わないとヒロインが特攻してしまう』という動機を得る。

2・主人公が血の味を覚えてしてしまう。
 人間、某の暴力性は秘めています。
 故に高尚な理念を持つ武道を嗜む者でも半可通が生まれしてしまう、とは師の受け売りですが、
 一度喧嘩に勝ってしまったために喧嘩屋になった半端者は結構います。

3・殺すと特典がある。
 ある意味一番下品なものですが。

 これらをばらしてシナリオフックにするも良し、誰かこう考えるなら、
 もっと突飛に外してみようとするも良しです。

 では、創作がんばって下さいね。


蒼さんからの意見
 どうも、蒼です。名前が似ていますね(笑
 ・・・え? どうでもいい?
 ・・・そりゃそうか。まぁ気にせず。

 とりあえず2つに分けてアドバイスしてみようと思います。

その1。あくまで「不殺」で通す場合
 この方法をとる場合は、蒼光さんも考えているように追い返す、が楽と言えば楽です。
 しかし、やはりそれではキリがないのもまた事実。

 そこでこの方法をとる場合に薦めるのは、ズバリ気絶させること。

 不殺を通すのであれば、一応コレが読者から観て自然と言えば自然です。
 ただ、コレを使えば、主人公は否応なく「甘ちゃん」という称号がつくのは覚悟してください。
 ほかにも、うまく人質をとって敵を説得する、等も考えれますが……
 この場合、交渉術に長けていると言う設定が必要になるでしょう。

その2。同じ人間だろうと殺す場合
 読んだ感じ、どうやら主人公は普通の高校生のようですね。
 その場合であくまでも殺しを優先する場合、重要なのはそこに至るまでの過程になるでしょう。
 普通の高校生はもちろん人間相手に殺しなどしません。
 人によっては虫も殺せない人だっています。
 そんな高校生に殺しをさせる場合は、
 そこにいたるプロセスをしっかりページ数を裂いてでも伝えましょう。例えば。

1、敵が現れ、主人公を襲ってきた。
2、主人公、自己防衛で返り討ちで殺してしまう。
3、何事もないように今後の展開へ。


 というのと、

1、敵が現れ、主人公を襲ってきた。
2、主人公、返り討ちで殺してしまう。
3、主人公がその殺人に対する罪の恐ろしさで引きこもる。
4、ヒロインが適当なその行為に対する正当性を説いて、主人公を復活させる。
5、殺人という行為をしっかり理解したうえで今後の展開へ。


 ・・・前者と後者、高校生らしい反応はどちらでしょうか?
 おそらく後者でしょう。つまり、そういうことです。

 さて、では最後に殺人の理由付けについて。
 個人的に正当性を説く上で1番薦めるのは
「殺した人間のぶんも強く生きて、彼らの遺志を継ぎ、彼らの命の上に立って自分たちは生きている」
 というまるで王道RPGのような理由付けが、なんだかんだ言って1番無難だと思います。
 というか私の頭ではこれ以外思いつきません(笑

 では、何か後半の文はほとんどむちゃくちゃですがこの辺で。


ヘブンさんからの意見
 まず、前提として、「異世界人」というのは、極めて地球人に似た形態をした存在と受け止めます。

 なんだか、質問の印象からしたら、その主人公に敵役である異世界人を殺すのは無理な感じがします。
 いわゆる「一般的な良心を持つ、スラム街など治安の悪いところなど知らない日本的少年」
 の域を出ないので。
 
 なので、別に無理に殺す方向に持ってかなくてもいいのでは?

 敵をす理由(敵役を退場させる理由)が
 「毎回それではキリが無いですし、大勢に襲われればいくら何でも対処のしようも無し」
 というのは、作者の怠慢のような印象を受けます。
 むしろ、どこかの明治剣客のように「不殺」の一念を貫くために、
 知恵を巡らすキャラなどにした方がキャラが立つ気がするような……。

 まぁ、「作者が楽するためにキャラを殺すな」って言いたいわけです。
 「これはストーリー上、死なざるを得ないな」と思う展開以外キャラを殺していいもんじゃない。
 本来、絶対的な『死の概念』が薄っぺらくなるから(名もない雑魚敵は別として)。
 いいじゃないですか。前に命を助けた奴が今度は味方として登場するのは王道ですし、
 それを屈辱に思って再戦を挑んでくるのも面白い。

 とはいえ、これでは相談になってないので、「殺す気にさせること」前提で進めます。

1・主人公に敵を殺させるための、何らかの理由付け。
 何にせよ、「最初に命狙ってくる敵」が重要ですかね。
 人間、第一印象が大事とはよく言いますが、種族間でもそうじゃないですかね。
 つまり、最初に出会った敵の印象=種族全体の印象というわけで、
 最初の敵がどうしようもないゲスで、主人公の彼女が性的暴行受ける寸前までいったりしたら、
 殺す気になるのでは? しかし、これでは敵側が非常に薄っぺらく見えるので、
 自分なら上官と部下を登場させて、不出来な部下の失態という感じに仕立てるかな。

2・または殺させずに対処する方法。
 そういえば、相手は「異世界人」なんですよね?
 異世界ってことは元の世界とは全く違う環境というわけで……
 つまり、深海や宇宙空間といった生命維持に困難な環境と捉える。
 
 深海では潜水ロボなどで地質を調査しますし、
 宇宙空間なら人工衛星などが情報収集してますから、それに倣ってみては?
 つまり、『異世界から来ている異世界人は実は本体じゃない』ということにしてみるとか。
 彼ら本来の肉体は彼らの世界に置いてきていて、
 こちら側に来ているのは精神の入った借り物の肉体。
 殺されると肉体は破壊されるが、精神は自動的に元の世界に戻る。
 そうすれば、『殺害の忌避感』は緩和されるかと。
(書いてから気づきましたが、ブリーチの擬骸に似てた)

 あー、でもこれは説明してくれる誰かが必要ですし、結局、敵役を退場させることにはなりませんね。
 まぁ、『主人公に味方する勢力に説明させる』とか『敵自身が暴露する』とか
 『一度、借り物の肉体が破壊されると100年は用意できない』とか、いくらでもカバーできますが。

 やっぱり、個人的には「退場させるために殺す」ってのはちょっと……。


但馬晴さんからの意見
 おっしゃるとおり、実は主人公は異世界人の生み出した戦闘生体兵器だった! 
 という秘密などが無い限り、ごく普通の高校生がなんのためらいもなく殺人を犯せるとは思えません。

 異世界人は人間に憑依しており、死にそうにならないと離れないとか、
 そういう設定を設けてはいかがでしょうか。
 これで万事解決ではありませんが。


余無茸さんからの意見
 ヒロインが既に殺人を日常とするものなら
 それに惹かれる高校生も普通とは言えません。
 そういうものに惹かれる妄想は出来ても目の当たりにすれば普通挫けます。
 主人公が普通の少年ならヒロインが余程の魔女なのでしょう。

 ヒロインに男らしいところを見せたくてつい殺してしまった。
 そんなものでも良いのではないでしょうか?


 後悔と罪悪感が絶え間なく押し寄せてくるのに、
 それを笑顔一つで帳消しにしてしまうヒロイン。

 嫌な話になってしまいました。


竹島一騎さんからの意見
 主人公が殺したとはいえませんが、
 敵さんに死んでもらえる方法が二つあります。

 それは自殺と敵の身内に殺されるやり方です。
 自殺なら主人公がある程度痛め付けた後

『もう帰れ!』

 と敵さんに告げる。

 簡単過ぎると思いますが、
 それは置いといて(笑)

 その後敵さんは『失敗しては、私はもう帰る場所を失った』
 と言ってパタリ(自殺)。
 また、不意に敵さんの身内が現れてパタリ(殺害)

 よくあるパターンだとは思いますが、どうしても死んでもらいたいが、
 主人公には殺せないだろうとする人にはよいやり方だと思います。

 特に身内が殺すパターンは『仲間だろっ、なんで殺した!?』の逝ってよしフラグが立って、
 心置きなく(笑) その身内を殺ることができます。

 ただこの手法は余り連発は出来ませんね。
 見た目も陳腐だし…(泣。

 なんにせよ

 私は相手が怪物なら殺してよいってのはよく思いませんね。


沈丁花さんからの意見
 どうもはじめまして、沈丁花と申します。
 これは僕も一時期悩んだこと覚えがあります(結局その小説は設定段階のまま手付かずですが・・・)。

 たしかに今まで普通の日常生活を送っていた少年に、
 いきなり殺人を許容させるには厳しいものがあります。
 普通に考えてみれば倫理感やら精神的な問題でできないでしょう。

 でもそれでは話が進まないからといって無視すれば主人公が、
 恐ろしい殺人鬼かレクター博士のような快楽殺人者に見えてしまうでしょう。

 それらを回避する方法としては、段階を踏ませていくことがひとつの手ではないかと思います。

 まず最初は相手の戦意を挫く程度で済ませておく、
 次第に敵の攻撃が苛烈になりそれが難しくなっていく、
 ついには主人公やヒロイン、周囲の者にも命の危険が及ぶ。

 こんな感じに段階を踏んで危険度やそれを回避す難易度を上げていってやれば
 「ここまで追い詰められたのだから仕方がない」という一種の覚悟が生まれます。


 例としては『ジパング』というアニメにこの手法が見られます。
 物語の中で海上自衛隊のイージス艦《みらい》は60年前の南太平洋上にタイムスリップしてしまいます。
 初めのうちは歴史への不干渉という立場と自衛官としての意識から、
 戦闘は迎撃と敵の戦意喪失を目的としてだけ行っていました。
 しかし、米海軍の爆撃隊に攻撃された際に予想以上の猛攻をうけ艦は損傷、
 乗組員にも被害が出たためやむを得ず爆撃隊が離発着をしている米空母を撃沈するという手段に出ます。
 ちなみにこれを命じたのは《みらい》砲雷長の菊池で、
 彼は艦内でもっとも敵味方の犠牲お減らそうと尽力している人間でした。
 
 こんなふうに段階を踏んで主人公が殺人を許容せざるを得ない状況まで追い込んでいってやれば、
 読者も大目に見てくれるかもしれません。


近衛彼方さんからの意見
 こんばんは。近衛です。
 いいお手本になる物があるじゃないですか。
 『バトル・ロワイアル』っていう中学生同士の殺し合いの本が!
 まぁ、そっちは自分で参考にしていただくとして。

 やはりどうしても殺させたいなら『不可抗力』と言う手を使うのがいいかと。
 彼も一応、武器を取り戦うのですからそんなこともあるでしょう。

 やつは勝利を確信したのか、真正面から剣を振り下ろした。
 俺は咄嗟に、転がっていた瓦礫を拾い、盾にする。
 ガキンッ、と鈍い音がして、赤い液体が視界いっぱいに広がった。
 血だ。
「がふ……っ!?」
 折れ飛んだ剣の破片が、やつの首を切り裂いていた――


 と、即興で作ってみましたが、しょっぼいですね……。
 まぁ、こんな感じの不可抗力ですか。
 実際に手を汚したわけではないですが、これも一応『俺のせい』で死んだわけなんで、
 殺したと言ってもおかしくないはずです。

 殺さないなら、敵が仲間になる。
 あるいは自殺する方向に持っていけばなんとか見れるんじゃないかと。


第八代将軍さんからの意見
 はじめまして、第八代将軍と申します。
 以下、私見を述べさせていただきます。

 「別に必ず殺させなければならない理由は無い」のであれば、殺させるべきではないでしょう。

 殺人は、真正面からラノベで扱うとストーリーを重くしてしまう要因になってしまうので、避けて通れるならそうする方が無難です。

 主人公を命懸けのバトルに参加させつつ、かつ人殺しはしないという展開に持ち込むには、三雲岳斗先生の「レベリオン」 シリーズ(電撃文庫)が参考になると思います。

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