第4研究室 創作に関するQ&A 274P | トップへ戻る |
カッキーさんからの質問
 新人賞応募作の伏線はすべて回収すべき?
 
 初めまして。今、とある出版社の賞に応募する作品を書いているんですが、
 応募作品の中でキチンと物語りが完結していた方がいいのでしょうか?
 物語りを全て書くととても長くなる予定で、第○巻とかになるのです。
 で、今書いて応募するのは第一巻にあたるわけです。
 でも応募するのは一巻の部分だけなので、
 二巻や最終巻に繋がる伏線は審査員の方々に誤解などを生むのではないかと思いまして……

 どうなのでしょうか? やはり応募規定枚数内で物語りが完結していた方がいいのでしょうか?
 教えてください。よろしくお願いします。
 長文失礼しました。


●答え●
 
虎舞竜さんからの意見
 え〜と、僕は下読みでも何でもないので分かりませんが、完結しておいたほうが無難です。

 例えば、「狼と香辛料」という作品があります。
 これは、第12回電撃小説大賞の銀賞を受賞した作品ですが、

 この奇妙な組み合わせの旅はもう少しだけ続くようだ。
 即ち、狼と香辛料の二人旅が。

 という終わりかたになっていて、続編を匂わせています。
 ですが、伏線は全て改修されています。
 恐らく、そういうような伏線を残したやつはプロ、あるいは同人誌でやれという事だと思います。

 あくまで参考ですが。


ユウ・カワハラさんからの意見
 こんにちは、ユウ・カワハラと申します。
 私は続編を匂わせても問題ないと思います。
 
 例えば、スニーカー大賞受賞の「涼宮ハルヒの憂鬱」、重要な伏線が撒きっ放しです(続巻で回収)。
 また、電撃ゲーム大賞受賞の「ブキーポップは笑わない」、これもいくつかの謎を残しています。
 電撃ゲーム大賞最終候補作品(電撃hp掲載を経て文庫化)の「キノの旅」も伏線を残した内容です。
 プロの作品で言えば、「灼眼のシャナ」なんて伏線の撒きまくり、大安売りです。
 ですので、続巻のための伏線を撒くのは構わないと思います。

 ただし、続巻を読まないと物語の根幹部分が理解できないとか、
 楽しめないとか、物語に一応の区切りがつかないとかだと問題だと思いますが。
 ではでは。


南志紀さんからの意見
 自分も過去から未来へ現在進行形で似たような悩みを持っています(キモっ

 結論から言いますと、伏線を消化しないのは初心者だと思われます。

 決して下読みでもなんでもないので確信はないのですが、
 新人賞の批評などを見るとよく目につきます。

『またその上で、自分が提示した伏線や謎は、なるべくなら放置せずに書き尽くすこと。
 アイディアは面白いが、あまりにそれ以外の物事をほったらかしにされては面白さが持続しない』
(某新人賞の批評より)


 ですので、理想としては伏線をほぼ回収、かつ続編が有りそうな終り方がいいですよね。
 ただ、そこまで考える必要も有りません。
 自分が書きたいように書けばいいのです。
 続編が書きたかったらそういう終り方。
 一巻完結がよかったらちゃんと終らせる。
 面白かったらどんな終り方でも受賞しますし、出版社が続編を無理にでも出させますから。(きっと


イーグルさんからの意見
 こんにちは。
 えっと、気になったことを一つ。

 涼宮ハルヒの憂鬱などでの伏線は、おそらく受賞後の改稿でつけたのだと思います。

 多分送った時には伏線ももっとなかったでしょう。
 谷川流さん自身がハルヒは続編を作るつもりはなかったとおっしゃってるようですし。

 で、僕は伏線回収無しはダメだと思います。

 たとえ2巻になってしまうようなストーリーでも、1巻に収めないといけません。
 下読みさんに2巻があります、なんていう宣伝は出来ませんし。
 最悪、うまくまとめる技量がないと判断されかねません。
 
 なので、伏線は全てとは行きませんが、目立つものは残らないようにするべきです。
 もしくは、枚数上限がなかったり、高かったりする賞に応募するといいと思いますよ。


戌子さんからの意見
 おはようございます。今起きた戌子です。

 私は、イーグルさんと同じ意見です。
 ハルヒの伏線は後からつけたのでしょう。
 本の最後に「本書は大賞受賞作、涼宮ハルヒの憂鬱に加筆・修正したものです」
 って書いてありますから、ただ文章を手直ししただけでなく、続編へと向けて伏線をばら撒いたのでしょう。

 しかし、私もカッキーさんと同じ悩みを持っています。
 なんか、一巻でまとめる場合、何処でどういう風に切ったらいいのかわからないんですよね……
 解決策としては、枚数の上限がない賞に応募するとかでしょうか。
 講談社は上限がなかった気が……。うろ覚えなのでなんともいえませんが。
 あとは、がんばって完結させるしか……
 
 応募事項に「完結した作品を送ってください」というようなことが書いてあるので、
 完結していないのは問題外となるのでしょう。


 でも、伏線張りまくった本が新人賞で入賞した、という話を聞いたこともあるような……
 
 えーと、皆さんと同じ意見を繰り返すだけになってしまいましたが、意見の強調という感じで……。
 最終的には、上限のない賞に応募するか、完結させるかの二択ですね。

 それでは、失礼します。


ひろさんからの意見
 こんにちは。

 結論から言いますと、投稿作において露骨に「シリーズ第一作目!」という書き方は、
 マイナスポイントにしかなりません。

 
 そもそもデビュー作をシリーズ化させてもらえるか否かは、編集者側の胸ひとつですし。
 なので、

・投稿作は物語を完結させて出す。
・受賞後に編集側からシリーズ化の打診があったら、
 「実はこの話は、これこれこういう風に続くように考えているんです」と申し出てみる。
・二巻以降への伏線をいれながら改稿する。


 ……というつもりで書くのがよろしいかと。
 新人賞では、規定枚数内で物語を終わらせるスキルも問われていますから。


大川迪人さんからの意見
 こんにちは。非常に久しぶりの書き込みとなります、大川と申します。

 一般論ですが、一巻で物語が完結するようにした方が良いでしょう。

 未回収伏線は、その伏線単体で何らかの面白みがあるというのでもない限り、
 ただの無駄な要素として見られてしまいます。

 そして、完結していない物語は、『作者に物語を完結させるという最低限の技量すらない』
 という風に見られてしまう可能性があります。


 新人賞は、自分の実力を出版社に見てもらう為の場所でもあります。
 ですから、実力を低く見られてしまうようなことは、なるべく避けた方が無難かと思います。

 対処法としては、
 今、書かれようとしている長大な物語において、
 一巻に関係しない伏線や設定を全て一巻から排除する――という処理だけでも、
 作品内容によっては十分に『一話で完結する』という体裁を整えることができるかもしれません。
 
 しかし、より確実にやるならば、一話で完結するような物語を今書かれている作品とは別に作るのが
 宜しいかと思います。そして、今の長大な作品はデビュー後に温存しておく、という感じですね。

 思うままに言葉を並べただけになってしまいましたが、少しでも参考になれば幸いです。
 以上です。


宇月さんからの意見
 はじめまして。

 下読みでも編集者でもないですが。
 何人かの方がおっしゃってますが、伏線は洗いざらい回収しときましょう。
 何かの評で(憶えてなくて申し訳ない)、

「あからさまに続編の存在を感じさせる作品は受賞しにくい」

 というのを見かけた記憶があります。
 理由は、おそらく皆さんのおっしゃるとおりかと。

 かといって、せっかくの超大作を切って縮めるのはもったいない気がするので、
 枚数の合う別の賞に応募されるか、応募規定枚数内できちんと完結する作品を応募されるか、
 どちらかになさることをオススメします。

 規定に沿ってまとめるのも、作者の力量のうちですので、そのあたりもしっかりアピールしましょう。

 がんばってくださいね!

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