第4研究室 創作に関するQ&A 308P | トップへ戻る |
mage-髷-さんからの質問
 人肉食(カニバリズム)について
 
 質問をさせて頂きます。と言ってもタイトルから簡単に内容は推測できることとは思いますが、
 人肉食、つまりはカニバリズムについてです。

 以前この事についての掌篇を書かせて頂いたことがありました。
 そのときはそうは思わなかったのですが、その掌篇へのコメントや、
 或いは別の作品などを読むにつれて疑問が現れました。
 その疑問はと言いますと、私の人肉食への感想と、
 一般的な人肉食への感想は違うのではないかと言うことです。

 なるほど、いざ食べろと言われて躊躇わずに食べることが出来るかと問われれば、
 そのときが来ないと分からない、などと詭弁に逃げがちです。
 しかし、他の作品や或いは友人に聞いた所の反応ほどには、気持ちが悪いとは思わないのです。
 
 再び人肉食を入内にした話を書くかどうかは分かりませんが、後のために質問させて下さい。
 皆様は人肉食をどのくらいグロテスクだと禁忌だと感じますか。またどうしてそのように感じますか。
 些か奇妙な質問ではありますがお答え頂けると嬉しいです。


●答え●

Sierraさんからの意見

 初めまして。Sierraと申します。

 「空の境界」で人肉を食べるシーンが出てきたのを覚えています。

 グロテスクとか禁忌とかの前に、「尋常ではない」という感覚を覚えましたね。
 日常で「人の肉を食う」ということはやっぱないので(笑)。
 そのイメージを使えば、演出とか象徴なんかで使えると思います。

 他の動物の肉は平気で食べているくせに、自分たちの肉は気味悪がる。
 人間もまた動物の一種なのに。人間ってなんてエゴな生き物でしょうね(笑)。
 それでは、失礼します。


峰しずくさんからの意見
 こんにちは。

 何を食べ、何を食べないかは、文化の違いです。
 
 日本人は鯨を食べるから野蛮だ、という主張をする人がいますが、
 では牛なら野蛮ではないのでしょうか?
 では、人間ならば?

 とも食いは、生物界では決して珍しいことではありません。

 そもそも人間は(ていうか、多くの動物は)、
 命あるもの(植物だって命あるものですから)を食しなければ、生きていけない存在なのであります。
 人肉は、あまりにも美味しいので、この味を覚えると、
 人類互いに食べあってしまうから、タブーになったのだ、という話も聞いたことがあります。

 食糧危機になった未来に、人間を加工して食べるという映画「ソイレントグリーン」なんてのもありました。

 一般的に、人間が人間の肉を食べるという文化はありませんから、
 気持ちが悪いとか、考えられないとか、そういう反応はごく自然ですし、少なくとも私には考えられません。

 しかし、小説において、タブーであるとも思いません。
 小説内での設定や、人間が人間を食べる種族を登場させるのであれば、
 その種族内における人肉食のルールとか、そういうのがきちんと描かれていて、
 小説世界において違和感がなければいいと思います。
 現実界でのタブーが、見事に小説世界で当たり前だったりすると、あっぱれであります。


Sohmaさんからの意見
 パプアニューギニアの高地にフォアという民族がいます。
 彼らは太平洋地域では極普通の少数民族です。しかし、彼らは禁忌を犯してしまったのです。

 元来この地では男尊女卑的な制度が支配していました。
 恋愛結婚はおろかお見合いすらなく、いわゆる略奪婚しかありませんでした。
 狩をしてとってきた獲物は男性しか食べることを許されてないのです。

 そんなある日、あるヨーロッパ人が言いました。
 「お前らは人肉を喰らわないのか?」と。
 ヨーロッパ人のイメージではこのあたりは食人族が住む土地だったのですが、
 これが彼等にアイデアを与えたのです。
 「そうか、肉ならここにあるじゃないか」

 こうして彼らの饗宴は始まりました。
 彼らは死ぬ前に自分の部位を友人に相続します。
 「貴方は親友だから心臓をあげる」等など……

 そしてその人が死ぬと死者の魂を慰めるために、遺体はバナナの葉にくるんで蒸し焼きにされます。
 ここでもやはり肉は男性が、女子供は脳や内臓を食べる側に回るのですが、それでも肉はご馳走。
 喜んで食べたそうです。大腸に詰まった糞便も残さずに。

 こうした習慣がすっかり定着したある日、村に“クールー”と呼ばれる呪いが広まり始めました。
 クールーにかかると手足が震え、方向感覚を失って歩けなくなります。
 話したり物をかむこともできません。
 そして意識を失い、約1年後に死に至るのです。
 フォアの人々は、死の恐怖に恐れおののきました。
 ある葬儀に参列した20人のうち15人が死んだ例もあるのです。

 半世紀前、パプアニューギニアを統治していたオーストラリアによってこの習慣は廃止されましたが、
 未だにクールーによる死者は出続けています。
 異常プリオンによるクロイツフェルトヤコブ病(CJD)の潜伏期間は10〜100年。
 同種同士は潜伏期間が半分であるというデータを考えると〜50年ほどです。
 現地の呪術師は食人習慣をやめた後に、
 クールーによる死者が出続けていることを理由にクールー=呪い説を主張。
 現地人は信じていて、隠れて食人を続けているとかいないとか。

 CJDは他の病気と違いほんの少しの異常プリオンを摂取しただけで感染のリスクがあります。
 潜伏期間も5〜100年と幅広く、十分なデータもありません。が、一つだけいえることがあります。

 「同種共食い」が感染のリスクを飛躍的に高めるということです。

 フォア族の人肉食、牛の肉骨粉……。
 体内に取り込まれた異常プリオンは正常プリオンを置き換えるので、
 共食いによって異常プリオン率が上がるそうです。
 丁度生体内の水銀濃度が食物連鎖を経て上がっていくように。


 自分はある程度の人肉食描写は平気です。
 文化的にOKならしょうがないでしょうし、
 非常時には猿肉を食べてでも生き延びたい気持ちはわかります。

 が、快楽のために人肉を喰らった佐川一政や父島事件で、
 酒の肴に米軍捕虜の肝を調理した兵士たちの話には吐き気を催します。
 「豚肉に似た食感でまったりとしており。美味」という描写には実際に吐きました。
 今でも豚肉はあまり好きではありません。
 が、自分が何故このような本を読んだかって“好奇心"なんですよね。
 一種の怖いもの見たさ。
 
 非日常が物語を面白くしますが、禁忌はその究極の形ではないかと。

 人間は慣れる動物で日常的に触れているとあっという間に慣れてしまいます。
 最初は血を見るだけで失神してしまった天才外科医の話もありますし、
 半年でグロ画像掲示板の常連になった自分もいます。
 なれてしまった自分の経験から言うと日常的に触れているのであれば、
 ぜんぜん禁忌でもなんでもない日常の延長になりますよ。

 自分でもわけわからない展開の上にぜんぜん質問に答えていないので自分なりの答えを。
 
 緊急避難的な人肉食は許容範囲内
 文化的な食人は普通
 快楽殺人での人肉食は禁忌(だが、それ故に物語を深くする?)
 CJDのリスクを考えると食人はあまり薦められるものではない(←ここ重要)



悠香さんからの意見
 カニバリズムといえばレクター博士を思い出します。こんにちは。悠香です。

 自分が食えと言われればいざ知らず、他人がやっていることには
 「そんなものなのか」と文字通り他人事で済ませているような気がします。
 しかしドキュメンタリーを書くなら兎も角、小説などで描いて面白いものなのかと考えると悩みどころです。
 その辺少し抵抗があるのかもしれません。

 時代を遡ってみても、日本では人肉食の例は聞いたことがありません。
 お隣中国ではあっていたようなので伝わってもおかしくないと思うのですが、
 特に聞かない所をみるとそういったことに抵抗がある民族なのかもしれません。
 
 昔の中国では好んで食べていた人が少しはいたようです。
 あと、薬になると思われており、子供が病気の親のために自ら…なんて例もあるそうです。
 こっちは近代まで行われていたようで、死んだ本人は「孝行者だ」と表彰されたとか。
 グロテスクとか禁忌とかよりも「本当かよ」と思ってしまいます。

 栄養面から言いますと、私達は自分の体内で生産できないものを他の生き物から摂取しているわけで、
 同じものしか持っていないヒトを食べるのは合理的ではないそうです。
 味に関しても、生なら兎も角その他は食べれたものではないと聞いたことがあります。
 上のことから考えても、美味しいからとヒトばかり食べられては身体が困るので、
 美味しいと思わないようになっているのではないか、と考えたりもしています。

 欧米人は動物に知能があるかないかでランク付けをしていて、
 知能の高い動物(鯨やイルカなど)を食べると野蛮だと言いますが、まあそれは欧米人の都合です。
 でも確かに、自分達が可愛がっている動物を食べるのに否定的になってしまうのは、
 分かるような気もします。

 話が逸れてきました。この辺で失礼します。


人形使いさんからの意見
 バイアスがかかるといけないので、ウィキペディアで調べるのは書き込んだ後にします。
 以下の内容は現時点での完全な主観のみで書いていますのであしからず。
 人肉食というと、

1、儀式行為としての人肉食
2、食事としての人肉食


 この二つのどちらに属するかによって受ける印象は違います。
 まず1に属する食人に関してですが、その理由である
 「死者の魂を受け継ぐため」「英雄の魂を自分の中に取りこむため」
 または「愛する相手と一つになりたい」という点から、
 グロテスクな行為というよりはむしろ(もちろん常識からは外れていますが)神聖性を感じます。
 これも一種の葬制と受け取れなくもないですし。

 一般的な感じる食人という行為に対するタブー視も、
 固有文化という一定の枠組みの外には必ずしも存在しないという点で、
 パラダイムやらそういうことに関して考えるのにはいい思考材料だなとも思います。
 また2に関しては、これをさらに

A、嗜好・娯楽としての人肉食
B、非常時における緊急的な補給手段としての人肉食


 の2つに分けられると思います。

 Aは当然好き好んでやっているわけですが、
 これはあらゆる娯楽に飽いた貴族・王族が刺激的な娯楽として行うという以外に、
 「人間を食することで自分が人間以上の存在であることをアピールしている」というような気がします。
 食人という行為そのものよりも、
 その裏にあると感じられるこうした意図の方が常軌を逸した印象を受けます。

 またBの方は逆に躊躇って躊躇って最後の手段として食人を選んだというケースですが、
 これに関しては飢えに耐え切れず食人をしたというよりは、
 極度の飢えで理性が正常に機能しなくなった結果、
 それが人間であることを正常に認識できずに食べてしまったんじゃないかと思います。
 
 また、人肉を食べることによって生き長らえたということは、
 感情・理性は人肉食を禁忌として拒んでいるのにも関わらず、
 人間の肉体は人肉食を受け入れるようにできているということですよね。
 この辺り、人間の感情・理性と肉体はつくづく別物なんだなあと思います。

 総じて僕は、人肉食そのものよりもそこに至る理由や経路に関して色々思うことが多いです。
 ……なんだか質問の回答になっていない気もしますが、これでいいでしょうか。


緋村さんからの意見
 ハンニバルで最後に少年が食った脳みそを「あっうまそ」と思ってしまった緋村です。
 
 イースター島や、アフリカの一部の部族は食人文化があったそうです。
 暗黒大陸と恐れられてたくらいですからね。儀式の際にそうしていたという話も聞きます。

 
 ちなみに、誰が食ったのか、人肉はまずいらしいです。
 人間の成分をみるからに、うまいはずがないそうです。
 
 我々がうまいうまいと食べる動物って基本的に草食動物ですよね。
 牛を食べてしまうピラニアより、プランクトンや藻を食べて太った魚のほうがうまいですよね。
 ただ、猿の脳みそ生きたまま吸い出す人は信じられません。
 さいごに、私がカンニバリズムを含む作品の何が恐いかというと、
 人間を喰らう人の心理や精神の異常だと思います。


乾山直希さんからの意見
 はじめまして。一応、無駄を省いて手短に書きます。

 mage-髷さんの体をかっさばいて、笑顔で食べている人の表情を想像して下さい。

 嬉しい気持ちになりますか? もしそうだとしたら、考えものです。
 簡単に言えば、想像力の問題だということです。

 広い範囲でみれば、人肉を食らうことは人類にとってマイナス。
 なぜなら、共食いを積極的に行えば、数が減るわけですから。
 共通認識として、人肉を食らうことは禁忌であるとした方が栄えるということです。
 それではこれにて。


黒外套さんからの意見
 「法的に言えば、その行為自体が禁忌」

 何故、そんなことを最初に持ってきたのか。
 何を基準に、線引きをしたいのかが見えません。
 人肉を食べるという行為の目的や原因によっても、見解は変るでしょうし。
 恐らくは、「人を喰らう」という行為に関して、
 賛否両方の意見や許容の個体差を、頭に入れておきたいんだろうな・・・・・とは思いますが。
 歴史やら色々は、他の方が仰っているので割愛します。
 
 私からは、簡単に身近な事例を。

 大正ぐらいにあった実話です。
 北海道稚内某所で、男性2人が遭難。
 二人は親友同士でした。
 遭難して、数日後に友人が凍死。
 残った一人は、正と死の狭間で友人の肉を喰らい、生き延びました。
 で、裁判が行われたんですね。(罪状は忘れました)
 本人の要求は死刑。
 裁判所の判断は、緊急避難にあたり、無罪。
 生き残ったその人は、生涯、肉を口に出来なかったそうです。

 はい。最初で私が言ったことと、最後は違います。
 それについて、もう一度考えてみてください。
 そこに、髷さんが思う本当の疑問があると思いますので。


夜霧さんからの意見
 どうも、過去に食人系のヤンデレヒロイン書いたこともある夜霧です。
 書いててすごく楽しかったですよ。

 何だか現実問題的な意見は出揃ってるようですので、
 あくまでも「フィクション」としての食人について少し意見を。
 創作内では食人くらい大丈夫だと思いますよ。
 禁忌を侵すなんてフィクションじゃなきゃ出来ませんからね。
 
 個人的には食人に嫌悪はしません、むしろ好きです(あくまでフィクションでは、現実だと無理ですね)
 しかしその行為に明確な理由が無いと駄目だと思いますよ。
 「愛するあまり食べちゃう」とか「純粋に食べたい」とか「儀式的に」とか、何らかの理由が欲しいです。

 まぁ食人行為は「現実的」には駄目ですが「フィクション」なら全然良いと思いますけどね。
 しかし読み手が一般的な思考の持ち主だと嫌悪する分野ですので、扱いが難しいですが。


世羅 悠一郎さんからの意見
 はじめまして、世羅 悠一郎と申します。

 さて、人肉食をあまり気持ち悪く思わないとの事ですが……。
 それは、どの程度考え、想定した結果なのでしょう。
 情報がない状況での答えとしては、「食べられる存在がどんな生を歩んできたか知らないから、
 感じる事ができない」だけという可能性も考えられます。

 別に、人肉でなくてもいいんですよ。
 犬の肉でも猫の肉でも。
 戦前から戦中生まれの方の中には犬や猫を食べていた方はいますし、ウチの祖母も美味いと語ります。

 犬や猫は関係ないだろう。
 そう思われるかも知れませんが、つまり何が言いたいかというと。

 相手のことを深く知らないで済む内は、嫌悪を抱かないという可能性です。

 他人の犬や猫なら、それがどれだけ可愛がられたか、どれだけ愛されたか解らない。
 どうやって生まれ、どうやって暮らし、どうやって自分の前で食材になっているか解らない。
 だから食べられる……こういう考え方はどうですか?

 犬や猫なら別種であるというフィルターがかかる為、精神的な負荷も軽減される。
 ならば、人ならば?
 彼(彼女)がどのように生まれ、どのように育てられたか、或いは育ったか。
 どのように愛され、どのように笑い、怒り、泣いたか。
 どのような人間関係を持ち、どのように振舞っていたか。

 そういった情報を知ることによる共感の芽生え。
 それが、タブー意識の根源にあると思います。



B―Bさんからの意見
 初めまして、B―Bです。

 『あくまで』私の主観ですが、人食はどんな理由があろうと禁忌です。

 しかしこれは私の主観でしかありません。世界には現在進行で人肉を食べる種族もいます。
 彼らにとっては、私達が日頃から牛肉を食べるぐらい禁忌など感じていないでしょう。
(儀式的な観念の人食なら尚更)

 さて、グロテスクについてですがやや話がずれてるかもしれない事を前もって。


奈須きのこ氏の『空の境界』

大塚英志氏の『多重人格探偵サイコ』



 これら二作品にはカニバリズムの描写が出てきます。
 ただし、奈須きのこ氏の小説と大塚英志氏の小説ではそれについて違いがあります。
 生きるため、自身の快楽のため等は、
 他の皆様が既に書き込まれていますので、少々違う観点ですが……

 調理の仕方が違うのです。

 まず『空の境界』に出てくるカニバリズム殺人犯は生きた人間をそのままバリバリ食べました。
 骨も残さずです。
 対して『多重人格探偵サイコ』に登場するカニバリズム殺人犯は死体の一部を切り取り、
 タッパに詰め、唐揚げにしたりソーセージにして食べます。

 ……何故でしょうか。私には後者の方がグロテスクに感じられます。

 その理由ですが、『空の境界』のカニバリズム殺人犯は普通の人間ではありません。
 当たり前ですね、でなければ人間を丸々ペロリと平らげるような真似できません。
 つまりは非現実的なのです。だからインパクトはあってもグロテスクには思いませんでした。

 『サイコ』のカニバリズム殺人犯は精神に異常はあれど肉体は普遍的な女性でした。
 そんな人物がバリバリ人の身体を食べ出しても、どこか夢見話になるでしょう。
 もちろん人食なんて日本に住む私から見れば夢見話です。
 しかし、死体の一部を切り取り調理して食べるというのなら物理学的に無理はありませんし、
 現実に可能な事と思います。

 インパクトは少ないかもしれませんが人の肉をバリバリ丸かじりする光景よりも、
 剥ぎ取って血抜きをして冷蔵庫に保存して、
 鶏肉や豚肉のように調理する方がグロテスクに感じ取れるのです。

 私の個人的な主観ですが、人食の方法を細かく現実に可能な行動で書くほど、
 グロテスクになっていくのでは無いでしょうか?



zhonさんからの意見
 舌を噛むってありますよね。
 以前あれと同じ要領で、階段から落ちた時頬の内側を思いっきり噛んでしまったのです。
 削げた肉は幅3,4cmぐらい、厚さは5mmもなかったと思います。
 出血が酷くパニックに陥っていたこともあり、うっかり血と一緒に肉を飲み込んでしまいました。
 
 幸い医者にもかからず自然治癒しましたが、
 出血が止まった後、傷口に大きな瘡蓋状の肉が張り出していたのが邪魔だったので、
 歯を使って削ぎました。出血は以前よりずっと少ないにも関わらず、血の味しかしませんでした。
 
 しかしそれ以来その歯ごたえが癖になって肉が張り出しては削いで噛み、
 それに飽きると傷口の周りの無償の肉を噛んで傷を広げ、
 肉の出来る面積を増やしてまた削ぎました。以下繰り返し。
 
 結局完全に治癒するのに一年近く費やし、結果的に何十枚かの肉を食べたことになります。
 ストレートな美味しさではありませんでしたが、あれはあれでなかなか乙な味でした。
 
 このことがあって私は人肉にグロテスクを感じません。
 恐れはなくなりましたが、神秘性も一緒に消えてしまったのは残念です。
 人肉に禁忌を感じるのは百足や蜥蜴を食べようと思わないのとほぼ同じ理由ではないでしょうか。


電波ネコ(仮)さんからの意見
 昼間でもこんばんは、電波ネコ(仮)ともうします。
 「(仮)」までが名前ですのでお間違えなきよう。

 それではさっそく本題へ。
 私個人としては「人肉食」という単語、それだけではピクリともきません。
 抵抗がないわけではないですが、それほどに気持ちが悪いとも思いません。

 もしも自分の隣に「人肉嗜食」の人間がいれば、さすがに恐怖を覚えるでしょうが、
 それは「現実」においての話です。

 文学作品などにおいて「人肉食」は別段珍しいというほどのものでもありませんし、
 「フィクション」というフィルター効果も手伝って恐怖も嫌悪もさほどには感じません。

 あくまでもそれは「小説」においては、既に手垢にまみれきっている
 「人肉食」というキーワードを持ち出されただけでは、何も感じないというだけのことで、
 そこに至るまでの過程・描写が秀逸であれば話は別です。

 「食」というのはある意味で「性」よりも強力に人間の本能に根ざした行為であるといえます。

 そういった本能的快感・恐怖をうまい具合に刺激するような描写に出会うと、
 背中を駆け上る冷たい悪寒とともにエクスタシーに似たものを感じることがあります。


 やはり単純な暴力描写や残酷描写よりも
 「性」や「食」などの「本能」に結びついた行為と絡めての猟奇描写の方がより強く、
 読み手の内奥を刺激することができるのではないかと思います。

 最後にもう一度結論に戻りますが、
 単に「人肉食」というキーワードを出されただけでは、
 私個人としてはほとんど何も感じません。


木庭夏樹さんからの意見
 mage-髷-さんの質問とは直接関係ありませんが、
 『殺人王 美食篇』という本があります。

  『殺人王』はそのシリーズが第六巻まで出版されている、
 海外の(それも欧米中心)殺人鬼について書いた日本の本です。
 その第四巻である美食編は、殺した相手の肉を食べたり、血液を飲んだりした
 カニバル殺人鬼の生い立ち・殺人方法・殺すに至った経緯、
 味の感想や調理法(!)まで書かれたとんでもない本です。

 他にも緊急時の食人についてや、未開の地でのカニバリズム、
 ハンニバルなどのカニバル映画についての 考察もびっちり書いてあり、
 カニバリズムについて考えるなら 読んでおいて損はありません。

 一般の書店や図書館で見つけるのは難しいと思いますが Amazonなどでも普通に販売しています。
 ちなみに私はそんな本ばっかり読んでいるので 感覚が麻痺しちゃってますね。
 いけない事であるとは思いますが、 創作の中に出す・出ることには何の抵抗もありません。
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