第4研究室 創作に関するQ&A 322P | トップへ戻る |
どえむのひとさんからの質問
 美少女の容姿描写について
 
 はじめまして。早速ですが質問させていただきます。
 『綺麗』だとか『美』だとか『可憐』などといった言葉を使わないで、
 その女の子は美少女だ! っていうことを読者に伝えるのが、
 高等なテクニックだとか言われていますが、それは何故でしょう。
 
 そして、私はどうしても美少女描写をするとき、上記の言葉を使ってしまうのですが、
 どうすれば、そういう言葉を使わないで美少女描写ができるのでしょうか?
 おしえてくださいませんか


●答え●

MAYOさんからの意見
 はじめましてマヨです。

>『綺麗』だとか『美』だとか『可憐』などといった言葉を使わないで、
>その女の子は美少女だ! っていうことを読者に伝えるのが、
>高等なテクニックだとか言われていますが、それは何故でしょう。


 別に使ってはいけないわけではありません。
 大事なのは、美少女を『美少女』の一言だけで済ませてしまうことです。

 『大爆発』と書かれて、それだけでどんな爆発なのか想像することは無理です。
 煙の大きさは? 火の色は? 爆音は? 被害は? 
 それらの情報を細かく描くことで、初めて『大爆発』の描写をしたと言えます。

 『美少女』の描写にも、同じことが言えます。
 『綺麗な人』――どの部分が綺麗なの?
 『美しい女』――どんな外見が美しいの?
 『可憐な子』――どんな雰囲気を可憐だと思うの?
 
 情報量を増やすことで読者の想像を明確にしてあげるのが小説です。

 そして、上記の情報などをちゃんと描写して美しい子であることを伝えてしまえば、
 再度みなまで『美少女』などと書く必要もなくなると、そういうわけです。

>どうすれば、そういう言葉を使わないで美少女描写ができるのでしょうか?
 
 このサイトに美少女の描写についてのページがあるので、一度そこを覗いてみることを薦めます。


カクタさんからの意見
 以下、“美”と云う単語を用いていますが、
 その他の単語に置き換えても通用する、抽象的な概念の説明です。
 美少女についての具体的な説明をしても意味はないので、その部分は割愛します。

 “美”、とシンプルかつストレートに云う事に依って伝わる“美”がある事は事実です。
 しかし、“美”と云う単語だけでは、何がどのように“美”なのか分からない事が多いでしょう。

 “美”には種類があり、それを表現する為に、“美”以外の単語を用いたり、組み合わせたりします。

 それに、抽象的である“美”と云う概念を、作者の感じるままに読者に伝えたい場合には、
 ある程度の普遍的な比喩が必要になります。
(ここ迄は、『上記の言葉を使ってしまう』と仰っているのですから、認識されていますよね)

 “美”と云わないからこそ、“美”を表現出来る、と云う事が挙げられます。
 『服を着ている方がセクシー』『チラリズムの方が興奮する』と云う男性は多いですし、
 身体のラインが全く分からない和服には、分からないからこそ伝わるエロスがあるのです。

 どちらが“高等なテクニック”だと云う事はありません。
 明示する事に依って想像させるテクニックは、
 明示しない事に依って想像させるテクニックと、同程度に難しいものです。

 次に、どうすれば、“美”を使わないで“美”を表現出来るか、ですが。
 観察に依って対象を抽象化し、様様な分野に渡る知識と結合させる事で可能になります。
 難しい単語や類語は、知っているに越した事はありませんが、
 それだけで良い、と云うわけではないので、ご注意を。


クロウドさんからの意見
 先のお二方と同じくなのですが、別な観点の話を。
 美の基準は人、地方、文化など様々な物や時代によって変わります。
 今では、オカメは美人ではありませんが、平安では美人とされていたくらいです。
 よって、主人公や周囲の反応を描写する事でも表せるものと愚考します。

例・
 白塗りの面は下膨れで、唇は厚い。つんと澄ました表情は能面の様である。
 彼女のそのふくよかな顔を見て通り過ぎ行く男達は、みな感嘆の息を吐きつつ振り返っていた。


 拙い例ですが、これだけでも、その世界の美の基準を想像させると思います。
 参考になれば幸いです。


矢神千倖さんからの意見
 主人公や他のキャラを利用しつつ、美少女キャラの性格を上手く設定して、
 読者に美少女であると思い込ませる方法もありますね。

 男子キャラが常に言い寄っていたり、もしくはいつも遠巻きに見られていたりと。

 どのようなキャラクターなのかにもよりますが、物腰が柔らかだったり、勝気だったり。
 それに合わせた周囲の反応を考えると良いですよ。


たくあんさんからの意見
 言葉を書こうとするのではなく、イメージを定着させると考えて下さい。
 言葉より先に、イメージを明確に差別化しておくことが重要です。


 作家は、構成や物語を考えるときは、監督的な思考をしますが、実際に小説を書いているときは、
 役者的な思考をします。役者は、イメージの輪郭をはっきりと持たなければ勤まりません。

 例えば、「美少女」という言葉一つとっても、思い浮かべるイメージは無数にあります。「
 誰もが振り返る美少女」とか、「よく見ると美少女」とか「快活な美少女」とか、「冷酷な美少女」とか。
 その形容の部分「誰もが振り返る」を、「美少女」エピソードに変換してやればいい。
 あるいは、比喩で表現すればいい。

 イメージするとは、ある言葉に含まれた未分化な概念を、差別化していく作業です。
 そして、差別化が完了したとき、初めて書き出せるのです。

 具体的には、二人以上の「美少女」を並ばせたとき、あなたがそれらを、
 明確に違うキャラとしてイメージできれば、成功です。
 並ばせるのは、多ければ多いほど明確化しやすくなります。

 ここまでくれば、表現したいことは明確で、
 あとは基本的な語彙力、文章力が備わっていれば、描写できます。


みつきさんからの意見
 どえむのひとさま、はじめまして。

>『綺麗』だとか『美』だとか『可憐』などといった言葉を使わないで、
>その女の子は美少女だ! っていうことを読者に伝えるのが、
>高等なテクニックだとか言われていますが、それは何故でしょう。


 抽象的な表現を使わずにそのものの美しさを表すには、書き手のイメージ力の高さと語彙の豊かさ、
 文章と言葉の並びへの敏感さ、というものが必要になってくるからです。


 イメージ力が低く、語彙も貧しく、文章や言葉の並びについて鈍感な書き手には、
 抽象的な言葉を使わないで表現する、ということは、とても難しいことなんですよね。

>そして、私はどうしても美少女描写をするとき、上記の言葉を使ってしまうのですが、
>どうすれば、そういう言葉を使わないで美少女描写ができるのでしょうか?

 
 とにかく、美少女に対するイメージをしっかりと固め、しかもバリエーションを豊富に持つこと。
 そのイメージを表す語彙を実感として理解しながら自分のものにし、
 常に良い文章と言葉に触れていること、をお勧めします。

 本当にそれがやりたいと思うのなら、苦労なく出来るレベルのことなので、
 ぜひ頑張ってみてくださいね。

 それではこれにて、失礼させていただきます。


四方祐樹さんからの意見
 はじめまして。久しぶりすぎる出現の四方です。

 えと、『美』とかの言葉を使わないでということですが、
 何かに形容したりするのも、一つの手かなと思いました。

 例えばどんな風に美しいのかを、物に例えたりですかね。
 よくあるのが『雪のように白い肌』とか。

 あとは皆さんが言っているとおりイメージですよね。
 『美少女』と一言で言っても、いろんなタイプの美少女がいますし。
 なので身にまとう雰囲気と容姿との組み合わせを上手く利用すれば、
 そう『美』という言葉を多用しなくても描写ができるのではないでしょうか。
 とはいえそのためには豪語や想像力、文章力とうが必要になってくるのですが。

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