第4研究室 創作に関するQ&A 328P | トップへ戻る |
オオヤケさんからの質問
 冒頭がなかなか浮かばない
 
 オオヤケと申します。
 未だに長編か短編か掌編かで迷っているんですが、
 どのジャンルでも冒頭部分にとても手間取ってしまうんです。
 正直、どうやって書けばいいのか、自分でもよく分からなくなってくるんです。
 冒頭部分は一体何を書けば、一番作品が良くなるんでしょうか?


●答え●

アリオンさんからの意見
 私自身の心構えを少々。

 ミステリの常套手段に『冒頭ではまず死体を転がせ』なんてよくいわれますが……
 ようは読者に興味を持ってもらうのが一番大事。


 冒頭を読んで、「あんまし面白くなさそうだなー」と、続きを読む気を起こさせることに失敗すれば、
 本編部分がいかに面白かろうと、読者はそこまで読み進んではくれません。

●インパクトが大事。
 多少は状況が掴めなくとも、ショッキングなシーンが効果的。
 まさに『死体を転がせ』。なんで死体が転がっているのかの理由は後回し。

●伏線を張ればいいってものじゃない。
 ナゾの人物が登場し、ナゾだけを振りまいて、ただナゾのまま終わる。
 インパクトと「陳腐な思わせぶり」は紙一重。


 作者が自己満足で「これってちょっとカッコいいんじゃね?」なんてシーンを出して、
 結果わけも判らず、読者を置いてけぼりにするのは駄目。
 いかにインパクトを優先させようと、詳細は後回しでよいと言っても、
 読者の袖をを強引に引っ張りすぎれば、振り払われる結果におちいりかねない。
 読者が自分の足でついてくるように、きちんと『誘導』すること。

●簡潔に判りやすい面白さで訴える。
 いきなり複雑な設定の説明から始めたりするのは推奨されない。
 
 例えば高校生の恋愛物語で、冒頭で突然小学校時代の初恋の話をして、
 主人公の恋愛観を語られても仕方ない。
 そんなどうでもいい独白なんぞより、例えば告白シーンとか、
 読者の野次馬根性を刺激する展開の方がよっぽど望ましい。

 ファンタジーでいきなり天地創造の話なんかを始めるのも以下同文。
 
 読者が最初に興味を持つのは、『奥の深い設定』ではなく、
 単純に『好感の持てるキャラクター』や『期待を膨らませるストーリー』等という、
 目に見えて判りやすい要素から。


 私が個人で気にかけているのは、こんな要素ですね。
 具体的にどんなシーンを書くかなんてのは、作品によってバラバラです。
 時系列順に、最初の出来事から始める場合もあれば、いきなりクライマックスから始めて、
 また時系列の最初に戻って改めて始める、なんて手段も使います。
 ただ、ピックアップしたそれらのシーンに、前述の要素があるか否か、なければどう付加するか、
 あるいはこのシーンを選択したのは正しかったのか、それらを考えるだけです。

 試行錯誤なく、インスタントに「何が一番いい」なんて結論は出ませんよ。


翔一さんからの意見
 こんばんは、翔一です。
 
 冒頭部分に何を書けば一番作品が良くなるなんてわかりません。

 私の場合は(おもに短編を書いているのですが)冒頭部分というより、
 一番最初の文に重みを置いています。
 それ一文で大体の内容を表しているようなものです。いわば第二のタイトルですね。

 後は小説を読んで、自分に合ったものを研究するのがいいと思います。

 駄文、失礼しました。

 追伸
 私の一番好きな冒頭は、――ラノベではありませんが――『吾輩は猫である』です。


裕人さんからの意見
 そこは誰でも悩む所です。
 興味がわいてくるような文章にすることが大切です。
 涼宮ハルヒの憂鬱なんかがよい例です。
 いろいろな書き出しを読みまくるといいですよ。

  主人公の性格を表す文章もいいですね。
 「我輩は猫であるとか」です。ただしこれは主人公が個性的な人物でないとだめです。
 そしてあとは練習あるのみです。
 書き出しはかなり時間をかけるのがいいですよ。
 以上。あとは自分で研究してください。


峰しずくさんからの意見
 こんにちは。

 書き出しが思い浮かばない、というのは問題です。

 小説に限らず、作品の冒頭はとても重要だと言われています。
 最初の3行に(人によっては、それが1行だったり、1ページだったり、10行だったりもしますが)
 作品全体にかける精力の半分を費やせよ、とはよく言われます。


 試験の小論文なんかでも、最初の一行で内容が読むに値するかどうかがわかる、
 とすら採点者はいいます。

 だから、書き出しで苦労をするのはごく当たり前のことなのですが、小説は論文とは異なり、
 作者の作った世界観、ストーリー、主張などを、作者は言いたくて言いたくて仕方ないはずなのです。
 そこで、ついうっかり、思いつきのまま陳腐な表現で始めてしまったりすることがあり、
 最初が重要というのは、それを戒める意味でも、とても大切な心掛けです。

 だから、みんな、ウンウン唸って、読者をつかむ書き出しをどうするか、悩みまくります。

 しかし、伝えたいことがたくさんあるはずの作者が、書き出しを、全く思いつかない、というのは、
 作品の何か(テーマとかストーリーとかキャラとか、その他なんでもいいですが)が練りきれていない、
 足らない、突き動かされる何かが不足している、のではないでしょうか?

 もっともっと自分が生み出そうとする作品を見つめ、愛してみてください。
 すると、おのずと、何種類かの、あるいは何種類もの書き出しが溢れ出てくることでしょう。
 最初が重要、というのは、その溢れ出たものをしっかりと見つめ、取捨選択をし、
 場合によっては全てを捨てて、もっと素晴らしいものを生み出そうとする作業です。


 「我輩は猫である」が例に挙がっていますが、「雪国」や「坊ちゃん」なんかも衝撃的です。


鳥ノ木さんからの意見
 初めまして鳥ノ木です。
 完全に私的な意見ですが、これが何か答えを出す足しになれば幸いです。

> 冒頭部分は一体何を書けば、一番作品が良くなるんでしょうか?

 正直、そこまで悪くなければ何でも良いと思います。

 何だかんだとあるかとは思いますが、小説を読んでいて、冒頭ほど何でも良いものはないと思います。
 始めの印象なんていうものは後からいくらでも変えることができるので。
 
 私が唯一冒頭で読むのを止めた作品は、冒頭でいきなり主人公の性癖のカミングアウトがあるのと、
 訳の分からない(社交?)ダンスシーンでしたかな。
 前者は主人公が気味悪くなって読むのを止め、後者はいきなりで、
 ダンスのやっていない私には本当に萎えるほど理解のし辛い描写で、それをクドクド……。
 こんなのが私にとって始めに上げた「そこまで悪くなければ」の「そこまで悪いもの」です。
 
 何故悪いか、ですが。単純に合わなかったのでしょうね。

 冒頭でサッカーやバレー、バドミントン、テニスなんかのスポーツのリアル描写とかでも萎えたでしょう。
 興味が無いので。逆に、簡単に済ませた描写なら何とか読み進められるかもしれないですが。
 要は相性でしょう。中高とやっていたのでバスケットとかだったら耐えられるかもしれませんし。

 私は冒頭はいくつも思い浮かぶので、何パターンか書いてみて、書きやすいものを書き進めています。
 例として「我輩は猫である」が上げられていますが、
 アレは多分名作(内容が良かったから)だったから印象に残っているのだと思います。
 そうでなかったら単に、出だしのインパクトを強調したかったんだな、
 みたいに思われるかもしれませんし。
 もしかしたら「猫視点? 何だそりゃ?」みたいになってるかもしれませんよね。
 ちゃんと読んだことがないので上手くいえませんが。

 最近はインパクトなんで全然無いジワジワくる日常シーンからとかも多いですし、
 皆分かっているので、そこで止まったりなんかしないと思いますけどね。
 現に、私は大体読み進めます。冒頭でその小説をそこまで判断出来るとは思っていませんので。
 ちょこっと小説を一ページ程噛んだ鳥ノ木の自説ですが、何だかんだとあるかとは思いますけれど、
 書きやすい冒頭ならそれが一番合っているものなのではないでしょうか。

 ……それでは、これが私に合っている、私の私的な意見です。
 私はこう思うようになってから、最近やっと冒頭から先に書き進められるようになりました。
 お互いに頑張りましょう。


Gravityさんからの意見
 こんにちは。Gravityと申します。

 自分は、冒頭はいつも最後に書くことにしています。
 冒頭は最重要ポジションなので、一度最後まで書いてから、仕込む伏線などを考えて書きます。


 良い冒頭というものは、インパクトを備えて、
 尚且つその次からの文章が引き立つように書かなければならないので、
 悩んで悩んで、最後まで考え抜いて書くことをオススメします。


Nicoさんからの意見
 冒頭に何を書けば作品が良くなるかっていうのは、
 たとえば「オセロで勝つには最初にどこに石を置けばいいか」って訊くようなもので、
 こうすればいいっていうのは言えないんですよね。

 
 その小説が面白くなるかつまらなくなるかは、最初の文章だけじゃ決まりません。
 冒頭っていうのは、作品の全体があってこその「冒頭」なわけで、
 だけど冒頭を書いてる段階では、作品の全体っていうのはまだ書かれてないわけですから。
 
 「吾輩は猫である」とか「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」とかも、
 その文章自体はどうってことないけど、作品が面白いから冒頭がいかにも
 「良い書き出し」に思えるんじゃないかと思います。
 
 とりあえず書く、のも大事。

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