暸 藍月さんからの質問
　悪役の存在感を出すには？
　
　現在物語のベタさを修正中の藍月です。
　悪役について質問させてもらいます。
　ラスボス的な悪役の存在感がどうしても薄くなってしまいます。
　私は「俺は悪役だ！」と言っているようなキャラは書きたくないので、
　どうもそのキャラを悪役らしくさせられません。
　一応、人間を喰ったりはしているのですが、
　それ以外は「主人公サイドと意見の違う人」みたいになってしまいます。外見も全く人間の男ですし。
　皆さんはどんな工夫をしていますか？ 参考にさせて下さい。


●答え●

アノニマス・カワードさんからの意見
　カワードです。
　個人的な意見ですけど「ダイの大冒険」の大魔王バーンなんて悪役の鑑だと思ってます。
　
　基本的に自分は後ろでどっしり構えていて、自分から動く事なく目的を遂行しようとする。
　
　その威厳に満ちた言動は、キングオブラスボスに相応しいです。
　そして、自らも他を圧倒するほどの力を持っています。偉そうな態度とってるだけのことはあります。

　そこで私が思ったことは、ラスボスとはいかに威厳を持たせるかではないかと。
　未知数の力を秘め、こいつには絶対に勝てないと思わせることが必要かなと思うのです。
　
　ただ暸藍月さんの作品が、どんなジャンルなのか分からないので、
　バトル物である事を前提として意見を述べました。
　でわでわ。


公ちゃんさんからの意見
　こんにちは。公です。

　ラスボスというのは、強いはずの部下の上司である、
　つまり彼らが畏怖すべき存在です。

　「Dies irae」（現在ハマッテおります）の
　悪役「聖槍十三騎士団」は、
　拷問器具を具現化。
　相手よりも確実に少しだけ早く動く。
　拳に当たった対象を無条件で破壊する。
　……どれも、独自に特化した能力をもっています。
　そんな彼らですら、恐怖して従う首領。
　それがラスボスです。
　強い奴らが恐れる強さを持っています。

　また、ラスボスを（文字通り）最後に登場させ、
　作品の出来事全てが、彼の策略だったとすれば、力の大きさは明らかです。

　代表作として（ネタバレ含む）
　仮面ライダー剣（天王寺）
　仮面ライダーカブト（根岸）
　五星戦隊ダイレンジャー（シャダム）
　激走戦隊カーレンジャー（エグゾス）
　未来戦隊タイムレンジャー（リュウヤ）
　獣拳戦隊ゲキレンジャー（ロン）

　それから先日、偶然県立図書館で見つけたものですが
　ここで、参考資料の紹介を

　「架空世界の悪党図鑑」

　「シャア」や「DIO」、「アシュラ男爵」から「エージェント・アブレラ」まで、
　様々なフィクションの悪役を厳選、解説しています。
　また、序盤には自分はどんな悪役になるかという心理テストもあります。

　参考にどうぞ。ではでは……。


ＴＯＣさんからの意見
　どぉも、ＴＯＣです。
　黒幕の存在感をＵＰさせたいと言うことでよろしいですね。

　私なら『違うキャラに語らせる』ことで存在感を出します。

　畏怖であれ、狂気であれ、強さであれ、
　本人の存在感を地の文章で延々繰り返してもくどいだけでしょう。
　ですが、周りの人の口から語られれば、読む人にもそうなのかと納得させられると思っています。
　以上、ご参考までに。


夜光虫さんからの意見
　夜光虫というものです。
　あえて言うのなら、

１・二元論の持ち主。
２・何があっても自身の考えを曲げない人物。
３・合理的過ぎる者。

　です。
　１はカイジシリーズに出てくる兵藤会長。
「貧困に苦しむ人を見て助けるべきだと言っておきながら、
　じゃあさっさと金を送れといざ言われたら適当な言い訳でごまかす。
　自分はそんなクズには生涯ならないと心に決めている。
　だから自分に日々言い聞かせている、『自分は生涯人を助けぬ、と』」
　これは３にも通ずるものがありますが、善か悪か、
　それしか持ち合わせていない者は悪役の素質ありです。
　世の中白か黒ではなく、灰色なのですから（『嘘喰い』から抜粋）
　　
　２は最近プレイした『Ｇ線上の魔王』の魔王です。カワードさんの魔王つながりで。
　ややネタバレ（結末）が入るため、お嫌でしたら飛ばしてください。
　


　彼は願いを叶え、最期まで自分の思想を曲げること無く死んでいきます。
　そのバックボーンにあった理不尽かつ悲惨な出来事の前には、
　人殺しであるのに思わず生きていて欲しかったと願ってしまいました。

　ネタバレ終了

　３は言わば『法律しか見ていないで人を一切考えない人物』です。
　そこにどんな理由が存在しようとも、ルールを侵した時点で聞くことなど何もないという風に、
　人のためのルールが逆転してしまっています。
　つまり『手段のためならば目的を選ばない』人物です（某少佐より抜粋）。
　合理的な人物は、『確かにその通りだ』と思わず納得してしまうような正論を言うので、
　一部で好感を持たれるのです。

　それではこれで。


いちおさんからの意見
　初めまして、いちおと申します。
　今ひとつ「悪役」が登場するものをそれほど書いていないので参考になるかわかりませんが……。

　読者に「悪い奴」と言う印象を植え付けるのであれば、
　読者に今ひとつ共感が持てない（歪んでいると感じさせる）、
　一貫した主張を持たせるのはいかがでしょう。

　根拠もなく、ただ「ウハハハ。わたしが悪の帝王だ」ではオサムイ限りですが（笑）、
　「歪むだけの事情」を付与し、歪む理由に説得力を持たせた上で、
　読者からみて「わかるけど……歪んでるよアンタ」と認識させるような。

　あるいは、「一応人間を喰ったりしてる」とのことなので、そこのシーンをいささか凄惨に描くとか。

　うぅん……参考にならないですかね、すみません。
　ではではお邪魔致しました。


吊られた男さんからの意見
　おはようこざいます。

　私なら「魔王らしくない魔王」にします。
　「こいつが魔王なんてありえん！」と思わせる事ができれば、存在感で悩む事もないでしょう。

　存在が薄いとは、設定が貧弱、出番が少なさすぎ、地味すぎる、
　「あっ！」と言えるほどのギャップがない、役者としてありきたり……など考えられますね。
　設定を見直す、出番を増やす、派手にする、読者が驚くほどの秘密を加える、
　「魔王」と言う存在を根本的なことからひっくり返してみる、などしてみてはどうですか？