流離の転校生さんからの質問
　血の通ったキャラを描くには？
　
　こんばんは。昼間見てる方はこんにちは。流離の転校生です。

　大勢の方に私の作品の欠点は「説明過多」と「キャラに血が通っていない」ことだ。と指摘されました。
　第一、第二研究所から「キャラクターではなく「人」を描こう」や「タブー、これをやってはいけない！」、
　「文章力をつけるためには？」「オリジナリティ論」等で勉強させていただいたのですが、
　「血の通ったキャラを描く」は自力では難しいと判断しましたので、キーボードを叩かせていただきました。

　私の現在書いている作品（タイトルはまだ決まっていません）の主人公、
　神無月蓮夜は傲慢で冷酷な性格でヒロイン（星乃キサラ）以外の人間はゴミ程度に考えています。
　（キサラの前でだけは善人を装っています）
　表の顔は大学講師（蓮夜は十六歳ですが、すでに大学を卒業し博士号も持っています）で、
　裏の顔はトレジャーハンターです。
　
　「キャラクターではなく「人」を描こう」では「キャラには必ず欠点を持たせるべし！」
　「心の葛藤を描き出す」「キャラはギャップで魅せる」「熱い魂を持ったキャラはそれだけで魅力的」
　とありましたが、蓮夜の場合頭脳明晰身体能力抜群莫大な財力を持っていますが、
　キサラにだけは頭が上がらないと犬が苦手では欠点にならないでしょうか。
　心の葛藤では「キサラは人型機動兵器のパイロットになって無力な人を守りたい」と思っていて、
　蓮夜はキサラに勉強を教えているのですが、キサラがパイロットになると彼女が危険な目に遭うので、
　パイロットにしたくない。でも自分が裏から手を回してキサラを不合格にすると、
　自分が彼女の夢を奪うことになる、と悩んでいるではダメなのでしょうか。
　またギャップの点では蓮夜は見た目は育ちの良さと知性だけが自慢の少年ですが、
　実は高い戦闘能力と冷酷さを持つ、では不足なのでしょうか。
　同じくちょっとした仕草の癖を持たせるだけでもキャラは「人間的」になるのでしょうか。


●答え●

魏延さんからの意見
　ですぎたマネかもしれませんが、
　個人的に「魅力に欠けるなぁ」と思った部分をあげようと思います。

>ヒロイン（星乃キサラ）以外の人間はゴミ程度に考えています。

　世の一般人をゴミだのダニだのと見下すが、
　ヒロインにだけは心を許す主人公……厨二なキャラにありがちの特徴です。
　生まれつきの性格でそうも傲岸不遜なら、
　精神が幼いまま成長しちゃったのかな、と思います。
　勉強がデキるならなおさら。知識偏重教育の犠牲者のような気がします。

>蓮夜は十六歳ですが、すでに大学を卒業し博士号も持っています。

　現代日本の設定でこれはナイと思います。
　全国模試で一位を取ったとしても、飛び級なんてできませんからね。
　それに、仮に大学を二年で出られたとしても、14で高校を出てなきゃなりませんし、
　いったい何歳で小中高校を卒業したんだ？　と思わざるを得ません。
　しかも博士号持ってるとなれば大学院も出てるわけですよね。
　いくらなんでも強引すぎてわけがわからないです。
　ラノベなんで飛び級すること自体には突っ込まないとしても、
　さすがに「16歳で博士号取得済み」はめちゃくちゃでは。

　そこまで頭がいいなら、いくら小手先の欠点を作ろうが「完全無欠」と受け取られますよ。

>キサラにだけは頭が上がらないと犬が苦手では欠点にならないでしょうか。

　何の欠点にもならないでしょうね。
　なぜって、これらは「欠陥」ではありません。
　キサラに頭があがらないのは、彼女に何かしらの好意を持っているからで、
　裏返せば友愛のしるしということになります。

　犬が苦手ということについては……
　ひとつ聞きますが、犬が苦手だという設定が活きる場面があるでしょうか？

　犬を使役して戦うバトルものなんかで犬がダメ、っていうのならハンデになりますが、
　人型兵器が出てくるのなら、どうもそうではないようですし、
　犬が苦手なことは何のﾊﾝﾃﾞにもならないでしょう。
　個人的な好き嫌いにすぎません。

　こういう設定をいろいろ作っておくと、人間味はぐっと増しますが、
　「16歳で博士号取得。頭脳明晰、運動神経抜群、大富豪の息子」
　というもろもろの長所とつりあう短所にはなっていません。

> キサラは人型機動兵器のパイロットになって無力な人を守りたい

　人型機動兵器という時点でなんかありきたりではありますが……
　でも「純粋無垢なヒロインが、無力な人を守るという純粋な動機から戦いに挑む」
　というシチュエーションはパターン化されてきてるので、
　これからだいたいどういう話になるのか、先が読めてしまいます。
　きっとまぁ、

・「守るために敵を殺す」ことは是か非か、
・なんだかんだ言ってわたしも敵勢力の無力な人を脅かしているんじゃないか、
・こんなはずじゃなかった、
・あぁ戦争ってなんなんだ

　……とヒロインは悩んでいくのかなぁと。
　でも、そういう展開だと、だいたい先が読めてしまうことは確かですが、だからと言って、
　このヒロインがそういうことをまったく考えない・考えていなかったのなら困ったものです。
　これぐらいの葛藤や矛盾を何も感じない・考えないまま、
　安っぽい正義心だけで「人型兵器のパイロットになりたい」と夢を語っても、
　平和ボケのお嬢様が気まぐれで戦争に出向いてきて、やっと眼を覚ました、
　……と受け取られ、読者が興ざめしてしまうかもしれません。
　人型兵器のパイロットなら、勉強だけじゃなく、熾烈な軍事教練だって受けないといけないでしょうし。

　兵器のパイロットになるということは、
　戦争に参加（＝加担）するということ、
　自分も人を殺してしまうということ。
　でも、それでも大切なモノを守るためには、そうする他になかった。

　……例えばそういう想いこそが「葛藤」だと僕は思います。

　>蓮夜は……と悩んでいるではダメなのでしょうか。

　これは個人的な意見ですが……
　悩みながら勉強を教える、より、彼女のことを想うなら、
　真っ向から反対するものではないでしょうか。
　「そんな危険なことなんかするな！　戦争するための勉強なんて教えないからな！」みたいな。
　陳腐な展開かもしれませんが、自分が蓮夜の立場ならたぶんそうしますね。

>見た目は育ちの良さと知性だけが自慢の少年ですが、
　実は高い戦闘能力と冷酷さを持つ、では不足なのでしょうか。

　マジメな感じなのに意外にケンカが強い、とか、
　頭のきれるボンボンは性格がいろいろ屈折している、というのは通り相場ですので、
　ギャップと呼べるほどのギャップにはなってません。


>ちょっとした仕草の癖を持たせるだけでもキャラは「人間的」になるのでしょうか。

　カタログから選んで取ってつけるように設定を加えても、キャラは人間的にはなってくれません。
　キャラ⇒人間らしく　　と考えるのではなく、
　人間　⇒キャラっぽく　と考える方が密度も増しますし、ナチュラルになると思います。


いちおさんからの意見
　こんにちは、いちおと申します。

　今ひとつ、作者さんが登場人物を「人間として」掴みきれていないのかなーと言う気が何となくしました。
　とりあえず、「キャラには必ず欠点を持たせるべし！」とか「キャラはギャップで魅せる」とか、
　無理矢理持たせる前に、流離の転校生さんの中にある
　キャラの設定に厚みを持たせてはいかがでしょう？

　例えば手段としては、ネット上にごろごろしている「オリキャラに100の質問」なんかしてみては？
　あれって結構思いもかけないことを聞かれるので、
　「これにこの人物だったらどう答えるだろう」など考えていると、思いがけず深みが出てきます。
　「家族との思い出を教えて下さい」とか言われて「え!?」と思ったりしますが、
　普通の人間だったら1つ2つあるの、当たり前でしょう？
　質問への回答を掘り下げて考えているうちに、キャラに厚みも出ると思うし、
　今無理矢理搾り出している欠点やギャップなんかも自然に出るかもしれませんよ？

　ではでは、お邪魔致しました。
　何かの参考になれば幸いです。


黒尻尾の駄猫さんからの意見
　通りすがりの野良猫です。
　オイラなりの答えを残します。

> 神無月蓮夜は傲慢で冷酷な性格でヒロイン（星乃キサラ）以外の人間はゴミ程度に考えています。

　この部分ですが、ここでキャラクターが単なる記号か、より個性がある物になるかが分かれます。
　なぜ、他の人間はゴミ程度なのでしょう？
　なぜ、星乃キサラは特別なのでしょう？

　それらの過程は別々のものでしょうか？　リンクしているのでしょうか？
　それとも一見別のもので深い部分で繋がっているのでしょうか？
　その辺を掘り下げることでキャラクターに対する読者の興味が大きくも小さくもなります。

　掘り下げが足りなければ、薄く単なる我侭な変な奴で終わります。

　何故他者はゴミに思えるのか？　自分自身は本当にゴミとは違うのか？　キサラはゴミではないのか？
　本当は蓮夜だけがゴミではないのか？　キサラだけがゴミではないのか？　
　それとも、やはり総てがゴミで、この世にはそれ以外のものは存在しないのではないか？

　これらの問いに蓮夜自身は、彼なりに答えを出せるでしょうか？
　仮に答えを未だに持っていないにしても、それを作中で出せるのでしょうか？

　流離の転校生は登場人物たちの考えに対して答えを持っていますか？
　それを表現するストーリーをお持ちですか？

　同じストーリーでもキャラクター次第で印象はまったく違いますし、
　キャラクターだけではお話は動きません。

　良いキャラ描けるいいお話を考えてくださいね。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ではでは。


西原　一さんからの意見
　失礼します。
　自分は、書き込みこそほとんどしませんが、掲示板のチェックくらいはいつもしています。
　ですので、流離の転校生 さんが以前書き込んだ膨大な量の設定資料にも目を通しています。

　……。
　確か、ツギハギだパクリだと散々批判されていたと思うんですが、
　結局のところその批判を無視たまま執筆しているんですね。
　そうしたところが“顰蹙”をかって、最後には「何いっても聞きやしない」と
　呆れられているってことに何で気付けないんですか？

　苦言はこれくらいにして本題へ。

　まず、そもそも“傲慢で冷酷な性格”な主人公では、読者が感情移入しにくいのではないでしょうか？
　既存の主人公達が、それでも読者を惹きつけるのは“信念”や“熱い魂”といった『芯』が
　あるからなんですが、自分が読んだ限りでは、この主人公にはそれが感じられません。

　動機といえるものは「大切な人を守りたい」といった感情だけで、どこまでも凡庸。
　結局“傲慢で冷酷な性格”にする理由が見えません。
（それなら「コードギアス」のルルーシュは……、とか言い出しそうなので、先に書いておきますが、
　ルルーシュには「復讐心」や「“父親に切り捨てられた”という鬱屈した境遇」など、
　他にも“熱い”思いが見て取れます。
　それに、視聴者を本当に惹きつけているのかも賛否両論分かれそうですし）

　これなら“平凡な好青年”の方がまだ動かしやすいですよ。
　そして、その“好青年”が現実に絶望することで狂気を帯びて行く、とか。
　……これも手垢が付いてますが。

　また、これは自分の勝手な印象なんですが、
　主人公に「作者自身の理想像」を投影していませんか？　
（例えば、十六歳の博士号持ちとか、頭脳明晰・身体能力抜群・莫大な財力とか）
　そういったものを完全に排除するのは難しいと思いますが、それだけで出来た登場人物は
　「妄想の塊」でしかなく、どう足掻いても「人」にはなりえませんよ。

　否定する意見しか書けませんでしたが、思ったことを素直に書くようにしていますんで、これで。


雷徒さんからの意見
　質問自体は自分の限界を超えているのでお答えできませんが(なら何しに来やがった)、
　気になったことを言いますと、

　欠点や特徴作りにこだわりすぎている感がありますね。
　血が通ってないっていうのは欠点があれば解決するってもんじゃありません。

　あまり一般的意見に縛られて人物像をご自分が書きたい人物から歪めると、
　結局書きたい物が書けなくなりかねませんよ。
　書きたい人物を歪めるのでなく、血が通うように掘り下げるのが大切かと。

　あと、血が通ってないと思えるような人間というのも、一つの個性と言えば個性ですけど、
　血も涙もない人ってやつですか。
　そういう人物を書きたいかどうかは別ですが。


ＴＯＣさんからの意見
　どぉも、ＴＯＣです。
　血が通っているキャラクターが書きたい、と言うことですね。
　他の方はともかく、私は以下の事に留意してます。

・プロット時に、それぞれのキャラの人生を脳内で簡単にトレースする。
・文章視点は固定しつつ、台詞や動作は各キャラに視点移動して考える（最重要）。
・読者が脳内でイメージし易いように、無駄な文章はとことん削る。

　以上、ご参考になれば幸い。


パプテマスさんからの意見
　人気のある有名どころのキャラの特徴引っ張ってくるだけでは無理なのでは？

　っていうか設定に無理ありすぎなんですよ。
　人嫌いという設定なら、なんでわざわざ他者との交流が不可欠な大学講師やってるんですか？
　これインディージョーンズですか？インディーくらいフランクならともかく、
　他者をゴミ扱いするような人間に講師なんてできるんですかね？

　というか、ただ欠点を作ればよい、という場当たり的な考え方がよくないと思います。
　小説なんですからあくまでストーリーによって人間性を持たせるほうが良いかと。
　『主人公の心情がどう変化していくのか？』
　この点に尽きるのではないですか？
　一般人を見捨てたことでのヒロインとの対立からの自省、そしてヒロイン以外の他者への見方の変化、
　とか書き方は様々あると思います。

　登場人物の葛藤や対立、そして成長こそが人間性を持たせる手段なのではないでしょうか？


安眠妨害禁止区域在住の猫さんからの意見
　明らかな欠点は既に設定されています。
　傲慢で冷酷な性格は裕福で才能に溢れた彼の欠点ですね。しかし、このままではただの悪役です。
　ダークヒーローを描くにしても人間的魅力が欠けてます。

　ダークヒーローを描く場合、社会的悪・人間的に言えば善。
　もしくは善に近い思考をしていなければ行けません。共感を得る部分がなければ成立しません。
　なのでこの場合、傲慢で冷酷で人をゴミ扱いする「納得できる」理由を関連付けてしまい、
　テーマと練り合わせながら構成すれば人間的魅力が生まれると思います。

　例えば昔、仲の良い妹が居てその妹、両親が強盗に襲われて殺された。
　孤児院に引き取られたものの、その知能の高さ故に虐待を受ける。
　そこで妹の雰囲気を持つキサラと出会う。
　という流れなら納得する人もいるでしょう。まぁ上記の例はお約束展開過ぎますけどね。
　少なくとも過去があって現在がある以上、過去も設定しなければ人は描けないと思いますよ。

　そこを考えれば、少しは人間味がまして魅力が生まれるでしょう。


結城　ゆうきさんからの意見
　設定がどうとかじゃなくて、設定が活きてないって事だと思いますよ。
　「これって葛藤にならないの？」と言われてるのは、私はなると思いますよ。
　つっこみ所も多々ありますが。
　ただし描かれたお話に、せっかくの設定が活かされてないのでは？
　思うに冒頭で述べられているあなたの作品の欠点、
　「説明過多」の中に「キャラに血が通っていない」が巻き込まれてるのではないかと。

　って、実際に、ある人の感想を読んでみました。当たってました。テキトーに言ったのにびっくりですよ。
　というわけで説明過多を見直せば、自然とキャラに血が通うようになるのではないでしょうか。

　それでは、結城　ゆうきでした。


酒魚さんからの意見
　お久しぶりです、酒魚です。

　全く私の一存ですからあまり気にしないでいただきたいのですが、
　おそらく流離の転校生さんの設定に「血が通っていない」と言われるのは、欠点が全てあまりに……
　よくない意味で、格好よすぎることにあると思います。

　見た目は格好よくて知性もあり、育ちもよくて大金持ち。
　これらの設定は全て作品内でプラスに働くことが誰からも予想され、
　そして実際プラスに働くものですよね？
　いや、むしろマイナスに働くことがありえない設定ともいえます。
　それに重ねて、戦闘力が高く冷酷。戦闘時にあって冷酷なのはおおむねプラスに働きますし、
　以前読ませていただいたプロットでは完全に「戦闘力が高い」はプラスに回っていましたよね。

　キャラの特性は足し算ばかりではないと思います。たとえば、

「金持ちで戦闘力が高くて知性もあって冷酷、だけどどんなに目覚ましをセットしていても
　絶対早起きできないから一般企業の朝礼には間に合わず、だから仕方なく大学の先生をしてる」

「戦闘力が高いし身体能力も高い、でもいつも平らな地面に躓いて転ぶ」

「冷酷な性格、ただし酒飲むと酔いが覚めるまでキリスト並の慈愛の精神に目覚める。
　もちろん慈愛をかけられた人にとっては迷惑千万なかけ方をする」

　等、キャラを壊すような設定もありかと。

　……なんか済みません。聞き流してください。


グレー・デ・ルイスさんからの意見
　全部長所の人間に欠点を足そうとするから難しいのだと思います。
　私がよくやる手法なのですが、全部短所の人間に長所を足せば簡単かと。


アノニマス・カワードさんからの意見
　私なら悩みを持たせます。

　勉強でもいいですし。恋愛でもいいですし。金銭的なものでもいいと思いますよ。
　まあ、話を聞いてる限りでは、悩みなんてなさそうな主人公ですけどね。
　でも、悩みを持たせるって、結構簡単な解決策だと思いますよ。
　ライバルでも出して、そいつをどうやったら排除できるかって考えさせるだけでも、
　ドラマが生まれそうです。
　私はこんな感じです。でわでわ。


ムラマサさんからの意見
　好かれるダークヒーロの例を読んで、「ＲＡＶＥ」のルシアが思い浮かびました。
　彼は社会的に考えれば悪ですが、人間的には善ですからね。


しゃんテンさんからの意見
　性格や考え方、能力、身体的特徴、言葉遣い、好き嫌い、しぐさ、
　それまで生きてきた人生の中での経験、などはそれぞれ独立したものではなく、
　それぞれつながっているとおもうのですね。

　たとえば、飲み屋さんで食事をする場面でお箸をおさらのうえにおくことがありますよね。
　私の知人Aはお箸の先、食べ物をつまむ部分が自分のほうに向くようにしておきます。
　私の知人Bはお箸の先が自分の反対側を向くようにして置く。
　Aのお箸のおき方とBのお箸のおき方がなぜ違うのか？
　それは、それぞれの性格や、マナーに関する考え方、あるいはご両親に受けてきた教育や、
　あるいは他の人々と食事をしたときの経験などと関係があるとおもうのですね。

　あるいはですね、ものすごくベタなたとえですが。
　非常に太った体質の人がいる。彼または彼女はその体質が原因で恋人に別れを告げられる。
　その結果彼または彼女は、それまで好きだった肉が心理的に食べれなくなる。
　また、恋愛というものを嫌いになる。
　
　ここでは、「太った体質」という身体的特徴、「恋人に別れを告げられた」と言う経験、
　恋愛嫌い」「肉を食べない」という性格や嗜好が微妙に関連し合っている。

　このように、一人の人間が持つしぐさや癖は、性格や考え方、
　それまでの人生経験はお互いに影響を与え合う…とおもうのですね。


＞神無月蓮夜は傲慢で冷酷な性格でヒロイン（星乃キサラ）以外の人間はゴミ程度に考えています。
＞蓮夜は見た目は育ちの良さと知性だけが自慢の少年

＞キサラの前でだけは善人を装っています
＞キサラにだけは頭が上がらない
＞キサラが（中略）が危険な目に遭うので、パイロットにしたくない。
　でも自分が裏から（中略）彼女の夢を奪うことになる、と悩んでいる

＞ちょっとした仕草の癖

　なぜ、人間をごみのようだと考えるのか？
　なぜ、自分の知性や育ちのよさを自慢するのか？
　そこには、彼がそれまで生きてきた人生の中で、起こった出来事や出会った人々と関係があるはず。
　キサラへの想いや接し方も、いままで主人公とキサラとの間にどんな風な歴史があったかと、
　無縁ではありません。
　また、主人公の性格や考え方とキサラとの接し方も無関係ではないでしょう。
　主人公の、人生、性格、考え方、行動、人との接し方、しぐさなどなどが自然につながっていれば、
　主人公が人間的に見えてくるのではないかと、私はおもいます。

　しかし、主人公のそれまでの人生を必ずしも、すべてすべて書かなくてはいかないかというと、
　そういうわけでもないとおもうのですね。
（作者はしっかり考える必要はあるが、必ずしも書く必要はないということです。）
　
　『涼宮ハルヒ』シリーズのキョンなども『エヴァンゲリオン』のシンジも
　それまでの過去の人生がものすごく詳細に語られるわけではありません。
　でも、キョンやシンジの行動や台詞、表情、人との接し方、人間関係などを見ているうちに、
　「読者には主人公の生きてきた人生がなんとなくではあるが分かってくる」とおもうのですね。
　言葉にされていないけれど、なんとなく分かる、ということが大事ではないかとおもいます。


ヘブンさんからの意見
　結論から言えば、歴史が感じられない。
　人間味のあるキャラクターを書くにあたって必須なのは『説得力』。リアリティとも言い換えてもいい。
　
　端役ならそんなものはいりませんが、主役（脇役）なら、
　そいつが幼年期をどう過ごし、どんな出来事が現在の性格のベースとなったのか、
　そういった簡単なエピソードがなければ、説得力がでない。
　またそいつだけで考えると、どうにも宙ぶらりんな印象が強いので、
　周りにどんな人物がいて、どういった影響を受けたのか。
　キャラに血肉を通わせるなら、周りの人物のことも考えるとよいかと。
　
　神無月なるキャラは『傲慢で冷酷な性格』だそうですが、何故そんな性格になってしまったのか。
　そういった根拠や経緯が欠けている。だから、記号的且つ表面的に見えるのでしょう。

　個人的な印象ですが、使いもしない機能がやたらと足された上、
　ごちゃごちゃと持ち運びの邪魔になる程大量のストラップを付けた携帯電話でも見てるようです。
　携帯電話は通信器具なので、要は外部と連絡できる機能があればそれでいいわけです。
　それが本質というものです。神無月蓮夜なるキャラの本質はどこにあるのですか？　
　トレジャーハンターの部分ですか？　キサラを想う部分ですか？

　本質がはっきりしない限り、ただのキャラクターに過ぎないかと。