卵白さんからの質問
　主人公の行動の動機
　
　こんばんは、卵白です。
　今、来春の新人賞に向けてプロットを書いているのですが、
　初っ端から詰まってしまいました。

　ストーリーを簡単に説明しますと、
　主人公の通う学校の、主人公のクラスメイトが、主人公ともう一人を除いて全員原因不明の病にかかり、
　クラスメイトを救うために、もう一人の生き残り（？）である少年と共に原因を探っていく……
　というものなのですが、肝心の、
　「なぜ危険な目にあってまで級友を救いたいのか」という行動理由が決まらないのです。

　主人公は冷たい人間として書きたいのですが、
　そうすると彼がクラスメイトのために動くことは不自然になってしまいます。
　どうすれば納得のいく行動動機をつけることができるのでしょうか。
　悩んでいます。


●答え●

サイとさんからの意見
　こんばんは。
　サイとです。
　『鬼帝の剣』カッコイイ！！

　質問にお答えします。

・助けられる側のクラスメイトに主人公の好きな人がいる。
　冷たくても、感情はありますよね。
　それに、恋愛を絡めると読者も寄ってきそうじゃないですか（笑）
　そのクラスメイトの中に嫌いな奴がいたとします。
　すると、好きな子を助ける代わりに嫌いな奴も蘇ってしまう、という葛藤も描けます。
　まさにこの葛藤は、好きな子が嫌いな奴を押しのけてもいいくらいに
　「好きなんだ！」と提示できると思います。

・残った少年に「クラスメイトの病気を治さないと殺される（秘密をばらされるor好きな子を殺される）」
　と脅されている。

　協力もクソもない、主人公と少年のバトルが待ってたり待ってなかったり。
　脅されて、死ぬのがイヤだとか、その現状に不満を抱きそれを解決するために主人公は行動します。
　この場合、主人公は反発することから逃避したような印象をいけてしまいがちになると思います。

・クラスメイト＝世界
　よく言うセカイ系です。
　クラスメイトが一人死ぬたびに、どこか世界にある都市が消滅、あるいは同じ病気にかかるとか。
　少年は主人公のパートナーとも考えられますし、宇宙からやってきた侵略者かもしれません。
　ただ、リミットという制限をストーリー内に設けるとき、クラスメイトが残り一人とか二人だったら、
　それだけで世界は崩壊したも同然になってしまうような気がします。ギリギリが作りにくいですね。
　主人公の動機は、世界をぶっこわされちゃ、しゃーないな。とか強い意志ではないです。
　しかし、都市が消滅して、これはやばいと危機感を徐々に感じていきます。
　東京（たぶん舞台は日本だと思いますが）だってその標的ですからね。

・学校が好き
・これが主人公の望んだ世界
・日常に戻してくれ！
・自分もその病気にかかるかもしれないので、ワクチンを作る。しかたないから、血清も作る。
・主人公が妄想をし始め、その状況に酔い出す。

　……こんなところですかね。
　むしろ、想像力の邪魔をしたという感じですが、参考に。
　新人賞獲得のためにがんばでーす。
　去。


卵白さんからの返信（質問者）
　こんばんは、回答ありがとうございます。

　葛藤ですか。
　やはり悩みや葛藤を描いた方が人間味は増しますよね。

　脅し……！
　考えてもみませんでした。
　でもそうすると少年の脅しの理由が今度はわからなくなりますね。
　これを考えられれば、ストーリーがおもしろくなると思います。

　学校が好き……（笑）
　冷血人間が実は学校大好きって、ギャップが面白いですね。
　妄想、噴き出しました。

　いろいろ参考になる具体例、ありがとうございます。


公ちゃんさんからの意見
　こんにちは。公です。

　主人公の目的の作り方のコツは
　「自分、あるいは身内のために……する」
　という形が的確です。
　
　個人的な理由の方が読者が感情移入して納得しやすいんですね。

　先日研究所に紹介した
　「ゲームシナリオの書き方（ソフトバンク　クリエイティブ出版）」
　の記述を抜粋して例にします。

　「腕が……になっている主人公が悪を倒す」という物語の動機について
　A 世界の平和のため。
　B その悪に腕を……にされた為、元の体に戻る為。

　さあ、どっちが興味を持つでしょう？
　個人的動機であるBのはずです。
　今回の件も同じように個人の目で見てみては？

　ちなみに私の考えた例は

１・いつも冷たい性格の主人公が、事件発生後に容疑をかけられ濡れ衣を晴らす為。

２・実は被害者の中に好意を持つ相手がいるから。

　……ですね。
　……ではでは。


言成嗣さんからの意見
　本を読めそして考えろ。
　これでは駄目ですかね。

　まず、なぜその話を書こうと思ったのか。
　その話の何が面白いのか。
　話の目的はどこにあるのか。
　そこ（目的）に向かうための手段はどういった物が考えられるのか。
　その中でどれが一番ふさわしいのか。（他の選択肢を選ばない理由）

　これくらいはもちろん考えていますよね？

　結局自分が面白いと思ったことを書くのであって、
　他人から強制されたものを書くわけではないと思います。
　そもそもなんで冷たい人間は、危険な目にあってまで人助けをしないのでしょうか。

　そんなこと言ったら、「空の境界」の式なんかどうんなるんだろうかと思いますけれど。
　引き合いに出すものを間違っているような気がしますけれど。

　乱文ですが、役にも立たないでしょうけれど、これくらいでかんべんしてくだい。
　それでは。


ひすいさんからの意見
　どうも、ひすいと申します。

　先ず、「冷たい」という主人公の性格が何か鍵になっている、
　或いはどうしても外すことの出来ない重要な要素でない限りは、
　その性格を直す、というのが最も手っ取り早い方法です。

　で、まあそんなの嫌だい！　っていう場合は……
　
　まあ、「助けなかった場合、どうなるのか」というのを想定してみて、
　その中に主人公の不都合を作るのが良いでしょうね。

　たとえば、原因不明の病気、ということはそれが感染するものであるかどうかさえも分からない、
　ということです。
　というよりも、主人公ともう一人の人物以外全員が病気にかかったのなら、
　それが感染性のものか、若しくは何者かが故意にその病気の原因を振りまいている、
　という可能性が高いわけですから、当然、主人公自身もその病気にかかる可能性がある、というわけで。
　まあ、これは、他の方も指摘されている「自分のため」という奴ですね。

　後は、自分がその病気の原因となってしまった、という場合とか。
　自分の何らかの行為によって、クラスメートが巻き添えになってしまった。
　いくら冷たい性格をしていても自分の所為で他の人が犠牲になるのは嫌だ、
　ということも十分あり得ますし。

　まあ、他にも色々と考えてみるのがイイと思います。
　自分で考えた設定。自分でその責任を取るのが一番かと。
　では。


飛車丸さんからの意見
　納得がいく動機が見つからないなら、見つかるまで考えればきっと納得がいくと思いますよ。
　色々な物語を読んで分析し、キャラや世界の設定を練り込みまくり、
　一ヶ月でも二ヶ月でも悩んで悩んで悩みぬいて考えるもの。

　それが作品を、産む、ということです。
　ちなみに。
　
　動機は何も「クラスメイト」に絞る必要はありません。
　一つの考え方で答えが出ないなら、
　考える順序を逆にするなど別の角度からアプローチしたりするといいです。


卵白さんからの返信（質問者）
　「クラスメイト」以外の動機……。
　学級閉鎖になると勉強ができないから、とかですかね。
　でも、そんながり勉キャラも違うんだよなあ。
　うーん。
　しばらく考えてみます。


うっぴーさんからの意見
　人間が行動する理由としてあげられるのは、

　１・愛情　（異性愛、兄弟愛、親子愛）　
　２・友情
　３・復讐　（怒り、憎悪、嫉妬、劣等感）
　４・義務　（仕事だから・命令されたから）
　５・欲望　（金銭欲・名誉欲・支配欲・物欲・性欲）
　６・趣味・嗜好・ポリシー　（それをするのが好きだから）
　７・正義感
　８・好奇心
　９・恩・義理・情け
　１０・自己防衛

　などが、あります。
　これらを複数組み合わせてみると、動機が強化され、納得できるものになります。
　愛情・復讐・自己防衛の３つが、創作でもっとも良く使われる王道的な動機になります。

参考・第一研究室
登場人物に複数の動機を与える


卵白さんからの返信（質問者）
　解決しました、本当にありがとうございました。

　やっぱり「自分のため」というのが一番私の納得できる理由だったので、彼には
　「濡れ衣を着せられて、疑いを晴らすため」
　という理由で行動してもらうことにしました。

　参考になる意見の数々、ありがとうございました。
　新人賞のため、創作に励ませていただきます。

　また質問することがあれば、よろしくお願いします。