第4研究室 創作に関するQ&A 424P | トップへ戻る |
ランス(暇人です)さんからの質問
 説明文と描写の違い
 
 こんばんわ。
 レポート地獄から逃避しようと書きこんでいる大学生ランスです。
 いきなりですが質問です。
 僕はもともと文章を書くのが苦手で、それを克服しようと小説を書き始めて、
 まだ二カ月しかたってないのですが、その僕が書いた小説を他人に見せた時、
 友達には僕の話には説明文が多い、と指摘を受けました。そして逆に描写が少ないとも。

 説明文っていうのは
「アレンはその小柄な体型には似合わない大きな剣を振りかぶった」
「アレンはこぶしを握りしめ、怒りのあまりこぶしを目の前の木に叩きつけた」

 といった感じのものだということはわかるのですが、
 自分は描写というのが恥ずかしながら、まだよくわかっておりません。

 説明文とはこういうものだ!
 描写とはこう使うのだ! 
 ということをどなたか教えていただけないでしょうか?
 初心者丸出しな質問で申し訳ないです。


●答え●

 登場人物が感じた五感の情報、感じた気持ちを表現していないことが指摘の原因ではないでしょうか?

 目に映った様子や耳に届いた音だけではなく、手や肌の感触、匂い、味といった感覚、
 これらを感じて登場人物が率直にどう思ったか、彼(彼女)の主観を表現してみてください。
 比喩を使うと、より説明臭さが抜け、おもしろ味のある文章になると思います。

 また、例に挙げられた文章は、説明というより描写に分類されるものだと思います。
 両者に明確な線引きをするのは、やや難しいので、あまり深く考えなくても良いと思いますよ。


安眠妨害禁止区域在住の猫さんからの意見
 難しく考える必要はありません。
 描写とは即ち「描き写すこと」です。この言葉を覚えてから次の例文を見てください。
(注:分かり易さを重視しているのである程度は感覚で捉えてください)

例題:目の前に林檎があったとします。ではこの林檎を描写した後、説明してください。
 
例文:
 真っ赤に熟れた光沢のある林檎だ。
 鼻を近づければ甘い香りが漂い、思わず口の中が唾でいっぱいになる。
 国産の林檎で、糖分が一般的な林檎より高いからこれだけ甘そうな匂いになるそうだ。
 大振りでありながら味はしっかりしていて、その上、瑞々しい。
 八百屋で売っているのを見かけたら思わず買ってしまうことは間違いない。


 では、まずこの分の中で「見えた林檎の姿を文として描き写しているもの」はどこでしょう?
 例文では「真っ赤に熟れた、光沢のある林檎だ」の真っ赤と光沢と林檎でした。
 これは見た目を写しているわけです。
 続いて他の五感で現している描写は? と言えば、匂いです。
 思わず口の中が……というのは林檎に対する感想なので、心理を描き写す「心理描写」になります。

 一方で、国産、糖分が高いという情報は見たものでも感じたものでもない知識や情報です。

 今見ているものや、感じていることそのものを書き表すのではなく、(綺麗、美味しそうなど)
 ○○だから綺麗、○○だから美味しそう、どうして? どうしてそう感じるの?
 という疑問に答える記述になれば大概説明になります。

 
 これが大まかな説明と描写の違いです。
 でも上手い描写というのは説明が描写が混ざっているので、
 完全に分離されているものは限りなく少ないです。密度や成分度の違いはあれど。

>「アレンはその小柄な体型には似合わない大きな剣を振りかぶった」
 因みに、これは説明臭い描写という位置づけになります。

 わかりましたでしょうか?

補足:
 アニメを頭に思い浮かべてその一つ一つの動きを文字化すると全部描写になります。
 何故なら見たものを写しているので。
 そうではなくて、キャラクターの名前や職業など事実を書いたり、
 俗にいう設定部分を書くと説明になるのが大抵です。
 という感じでご理解いただけましたかな?


優奈さんからの意見
 はじめまして、こんばんわ。優奈です。
 最近悩み事が多くて……鬱ですorz
 以下、ラ研小説用語集引用

------------------------------------------
【描写】
 登場人物の動作や心情、その場の光景など、
 何か特定の事柄について読者がイメージできるように書き表すこと。
 混同しやすいが説明とは異なる。 
 「悲しい」「嬉しい」と書かずに「悲しさを描く」「嬉しさを描く」のが描写。

描写例:
 彼女は糸の切れた操り人形のように崩れ落ちた。
説明例:
 彼女は気絶した。

・尚、この描写とは広義の意味であって狭義では「人物描写」「心理描写」など様々な「描写」が存在する。

------------------------------------------
 引用終了。
 ということらしいです(´・ω・`)ノ


オペラ座さんからの意見
 説明文と描写の違い、まあ、難しい線引きですねえ。

 説明文が長いと読むのがダレます。しかし、説明不足だと状況がわかりません。
 なので、簡単な説明は登場人物同士の会話からほのめかしていくってが一つです。

>「アレンはその小柄な体型には似合わない大きな剣を振りかぶった」
>「アレンはこぶしを握りしめ、怒りのあまりこぶしを目の前の木に叩きつけた」


 普通、こういったシーンで書かれる文章は、情景描写に該当します。
 ですが、この書き方は描写と言うよりは、説明文です。

 前後の文がわからないのですが、もっとすっきりできるんですよ。
 例えば、

>>アレンは小柄な体に見合わぬ大剣を振り上げた。

 逆に長くしつつ、登場人物の怒りを描写する事もできます。

>>アレンは行き場のない怒りを眼前の木にぶつけた。叩きつけた拳から、鈍い痛みが広がってくる。

 即席の表現なのでやや陳腐ですが、ご了承くだささい。
 言える事は、この2行を見るだけで、
 すでに描写と説明文の境界線が非常に曖昧になっているという事です。
 状況説明を意識するあまり、そうなっているのではないでしょうか?

 なんと言いますか、3人称とは言え、もう少し感情を落とし込みましょう。
 そうすれば共感しやすくなります。


ひすいさんからの意見
 どうも、ひすいと申します。

 ええと。おそらく、勘違いしていると思われるのは、
 ランスさんが例として提示した、

>「アレンはその小柄な体型には似合わない大きな剣を振りかぶった」
>「アレンはこぶしを握りしめ、怒りのあまりこぶしを目の前の木に叩きつけた」

 この二つの文章は、確かに説明的ではありますが、分類上は描写に含まれます。
 行動の描写。まあ、情景描写の一種ですね。


 で、本来の説明文というのは、
「アレンが持っている大きな剣は、エクスカリバー。この世に広く知られる、聖剣の一つである」
「拳を握りしめ、怒りに任せて目の前の木に叩きつけた少年は、アレン。
 この森の近くの町に住む、活発な少年である」

 みたいな感じで、主に設定などを説明するための文章のことを示します。

 ただ、先述したとおり、確かにランスさんが提示した例は説明的です。
 もう少し装飾を含めたりして、ただ説明するのではなくて、
 読者に魅せる、というのも必要になってくるかもしれません。
 たとえば、

「アレンは、まるでアリが大きな菓子でも扱うかのように、その体に不相応な大きな剣を振るった」
「アレンは顔を真っ赤に染め、怒りに任せて握りしめた拳で目の前の木を思い切り殴った」
 というのはどうでしょう。

 上の文は、比喩を使用して想像しやすくすると共に、少しコミカルに表現しています。
 下の文は、「顔を真っ赤に染め」という文章を追加することで、
 アレンがどれだけ怒っているのかをもっと分かりやすくしています。

 必要なのは、ただ単に説明するだけではなく、読者を楽しませる、ということではないでしょうか。

 比喩を扱う、様々な単語や熟語を使う、誇張表現やその他文法的な技術を使う。
 また、単に目から入ってきたという一つの情報のみではなく、視覚、味覚、聴覚、嗅覚、触覚。
 場合によっては第六感など、五感(六感)全てを活用させて表現する。
 そして、それを見て主人公や登場人物達はどう感じたのか、という心理描写も含める。
 
 そう言ったことを上手く組み合わせて、説明のみでは飽きてしまう所を飽きさせないようにする。
 そうすることで、「単なる説明文ではない」と思わせることが可能ではないのかと思います


 では。


飛車丸さんからの意見
 一緒です。

 描写ってのは文字通り描き写すこと。要は場面の説明に過ぎません。
 ただそれが、機械的であるか人間的であるか、そして娯楽性があるか、という違いだけですね。


 人間的って何なんだっていうと、心情描写と生理描写、この二点。
 娯楽性って何なんだっていうと、誇張と伏線、この二点。

 まず心情描写。
 これは切り取った感情ではなく、その動きこそが肝です。
 その状況から何を感じたか、それをどう消化したか、そしてどう発散するか、
 こうした一連の『流れ』を描くことが臨場感に繋がります。
 
 次いで生理描写。
 これは心情描写と近い関係にあり、心情描写だけでは表現しきれなかったり、
 マンネリになったりする部分を、補ったり変化を付けたりします。
 これによって表現の幅が広がり、引いては読者に読む楽しみを与えます。

 そして誇張。
 ランスさんの例文などもそうなのですが、誇張の全くない文章はひどく味気ないものです。
 といってもこれは、単に大袈裟な描写だけを指すものではありません。
 普段なら気にも留めない事柄を詳細に描写したり、ごく短い時間の出来事を克明に描写するなど、
 意図的に強調して演出することによって、場面を盛り上げる役目を担います。

 最後に伏線。
 といっても、プロットにおける伏線とは少々意味合いが違って、
 場面の前後を繋ぐようなものと考えてください。
 例えば「大きな剣を『ゆっくりと』振りかぶった」とした後に、
 「先ほどまでの動きがまるで嘘のような、疾風迅雷の速さで剣戟を繰り出した」のように、
 後の描写をさらに活かすためのものです。

 上手く使えば文脈の繋がりをスムーズにするだけでなく、
 場面や演出にメリハリを付けることも可能です。

 概ね、このように考えています。
 特に娯楽性が欠如している場合、心情描写や生理描写をちょっと入れた程度では変化ありません。
 実際にランスさんの例文で、『怒り』という心情描写が入っているのに機械的な説明に留まっている、
 というのが何よりの実例かも知れませんね。


クラウディアさんからの意見
>「アレンはその小柄な体型には似合わない大きな剣を振りかぶった」

 上の例を使って私の中での説明と描写の境界は

 「アレンは剣を振りかぶった」こうなると描写
 「アレンは大きな剣を振りかぶった」ここらあたりでも描写
 「アレンは体型には似合わない大きな剣を振りかぶった」このあたりで少し説明ぽくなったかなって、
 感じになりますね。

>「アレンはこぶしを握りしめ、怒りのあまりこぶしを目の前の木に叩きつけた」
 これは説明的と感じるよりは、心理描写がはいった、になります。

 なにかの目安になれればと書き置きしていきます。
(あくまでも個人の境界線ですので、人によっては違うと思います)

萌え・美少女・美形・BLについて
その他・創作上の悩み
世界観・リアリティ・設定についての悩み
タイトル・ネーミングについての悩み
やる気・動機・スランプについての悩み
作家デビュー・作家生活・新人賞・出版業界
上達のためのトレーニング・練習法について
読者の心理・傾向について
使うと危険なネタ?
恋愛・ラブコメについての悩み
ライトノベルについて
文章・描写についての悩み
人称・視点についての悩み
推敲・見直しについての悩み
コラム(創作に役立つ資料)
批評・感想についての悩み
ネットでの作品発表の悩み
ストーリーについての悩み
冒頭・書き出しの悩み
プロットについての悩み
キャラクターについての悩み
主人公についての悩み
セリフについての悩み
オリジナリティ・著作権・感性
テーマについての悩み
二次創作についての悩み

 携帯版サイト・QRコード
  
第4研究室は小説を書く上での質問・悩みをみんなで考え、研究する場です。
質問をされたい方は、創作相談用掲示板よりお願いします。
質問に対する意見も募集します!
投稿されたい方はこちらの意見投稿用メールフォームよりどうぞ。
HOME|  第1| 第2| 第3| 第5| 鍛錬室| 高得点| CG| 一押| 資料| 掲示板|  管理人| 免責| リンク| メール|