第4研究室 創作に関するQ&A 435P | トップへ戻る |
シグさんからの質問
 三人の主人公を登場させるのは無理?
 
 どうも、出鱈目に出没しては質問を繰り返すシグです。
 そろそろ入試だと言ってもまだまだ徹夜で書き続けております。
 
 さて、以前二人主人公を作るのに当たって質問させていただいたのですが、
 その上を行く三人目という設定を作ろうと考えたのですが、どうでしょう?
 流石に三人目は無理矢理でしょうか?
 二人までなら周囲の書き分けや性格等で分けられたのですが・・・
 因みに一人目は多少控え目な男子で、二人目が正義感が強い勉強嫌い、
 そして新たに作ろうと考えているのが秀才の男子です。
 上手いこと書けば出来るのでしょうか?それともやはり三人は不可能でしょうか?
 ご協力お願いします。
 長文失礼致しました。


●答え●

魏延さんからの意見
 手の込んだ、愛情を注いだ複数のキャラを主人公にしたい、
 ……という気持ちはお察しいたします。

 ですが、“脇役だからこそ輝ける”キャラというのもいるものです。

 仮に、主人公がバカなら、脇役には知恵袋的存在や、
 クールな優等生を配置すればバランスが取れます。
 主人公が冷血漢なら、脇役には優しい人間を配置すればいいあんばいですし、
 主人公がまじめなタイプなら、脇役にはちゃらんぽらんなキャラを位置づけます。

 たいていの人が意識的・無意識的にやってることだと思いますが、
 主人公に足りてない要素を、脇役には持たせる、というやり方を僕はとってます。

 例えまったくタイプの異なる三人のキャラを三人とも主役に設定しても、
 動かしやすさや存在感、発言量などから、必ずどこかでズレが発生します。
 完成した後ヒトに見てもらった際、

 「主人公? コイツでしょ」と、フツーのキャラ配置になってしまってることが発覚するか、
 「視点移動が多すぎ」 「書き分けができてない」と、マイナス評価されるかのどちらかだと思います。

 
 主人公がふたり、というのはしばしば見かけますが、
 三人となれば、さすがに厳しいのではないでしょうか。
 
 「うまく書けば」と言っても、主人公ひとりを書き込むのでさえ大変なのに、
 三人の主人公をまんべんなくじっくり書き込むなんて至難だと思います。


 三人がいつも徒党を組んで一緒に行動しているのならば、あるいは可能かも知れません。
 とは言え、その三人ともを魅力的に書くのなら、
 ひとりが主役、ふたりは脇役に回す方がいいでしょう。
 そうじゃないと各キャラをしっかり書き込めないと思います。


シグさんからの返信(質問者)
 魏延さん、ためになるご意見ありがとうございます。
 今書いているのは異世界トリップものなんですけど、
 このまま書くと三人が戦場で出会うことになっちゃうんですよね。

 当初は親友二人が違う国に転送されて(時差ボケをやや起こしながら)、
 それでそれぞれの国の為に戦うのが予定だったのですが、
 そこに「いたなこいつ」とでもいうような元クラスメートを登場させ、話を作ろうと考えたんです。
 しかし、書いてみると「こいつにもストーリーがほしいな」と考えて、
 三人目の主人公を思い付いたわけなのですが、たしかに三人は不可能ですね。

 最終的には一番描写が多い始めの主人公がメインに見えるわけですし。
 貴重なご意見ありがとうございました



水原さんからの意見
 こんばんは。八年ぐらい前から極稀に出現する水原と申します。

 私は一度、主人公三人で書いた事があります。
 男主人公1(プロローグ代わり)→男主人公2→女主人公→もう一度男主人公2
 といった形式でした。

 結果から言えば、失敗です。


 一人称で書いていたので、各キャラの心情が分かりやすいようにと思ったのですが、
 正直かなり中途半端でした。

 しかも、話の中心に居るのは男主人公2で、どう見ても彼が主人公に見えるようなものでした。
 結局、男主人公1の視点はカットし、男主人公2との会話で心情が多少分かるようにしました。
 ちなみに、女主人公の視点は残っています。
 最終的には、メインの主人公が男主人公2で、
 サブの主人公(何だかおかしな表現ですが)が女主人公という事になりました。

 やはり、三人というのはバランスがとても難しいと感じました。
 私の場合は短編だったので、かなり絶望的でした。
 しかし、これは一人称の場合の事なので、三人称だったらどうなるかは私には分かりません。
 大変そうだと思う事に変わりはありませんが。
 群像劇のようなタイプで仕上げれば、案外上手く行くかもしれません。

 シグさんが言っているような、最初二人の主人公を登場させ、
 後で一人追加するという方法はいいものだと思います。
 最初から三人は鬱陶しいですから、二人で話をある程度展開させてから、
 もう一人重要な人物が出てくるというのは私個人としては問題ないと思います。
 自分で書き切る自信か気力があればいいのではないでししょうか。

 余談ですが、主人公が三人と聞いてぱっと思いついた作品があります。
 富士見ミステリーの『青春時計』です。ちょっとうろ覚えですが、確か一人称だったと思います。
 主人公三人の視点を三人の作家で描くといった珍しい形式のものでした。
 私個人としてはお勧めな作品なので、
 主人公が三人の話の参考に読んでみるのもいいかもしれません。

 それでは、失礼致します。


かなTさんからの意見
 三人でも四人でも、上手いこと書けばへいちゃらですよ。

 例えば、太宰治作『斜陽』は四者四様の群像劇ですし。
 上手いこと書けば、たいてい何でも出来ます、実に上手いこと書けば。
(ちなみに「斜陽」は主人公が4人というだけで、話し手が4人だというわけではありません)


飛車丸さんからの意見
 上手く書けば、3人でも7人でも可能です。
 大抵の質問で同じことが言えるのですが、
 
 『成功するか否かではなく、成功させる方法を考えること』
 こそが大事です。


 ともあれ。
 現時点で3人以上の主人公を据えるのは、ちょっと見送った方がいいかと。

 今の「書けるかなぁ……」という不安を持ったままでは、失敗する可能性が非常に高いです。

 
 ですので、そういった不安が払拭される程度に経験を積み、
 「書いてやるぜ!」と意気込めるようになってから取り組んだ方が、
 色々と良い結果が出るようになると思いますよ。


海山京二さんからの意見
 主人公を書く上で大切なのは、元の設定よりも、主人公の何がどう変わるか、だと思います。


 私の高校の恩師が言っていた話ですが、一部の実験的なそれを除いた物語は、
 変化する前の主人公を示すイベント、主人公の変化を示すイベント、
 変化した後の主人公を示すイベント、の3つで出来ているので、
 そのプロセスが被らなければ、主人公は何人でも大丈夫です。
 まぁ、当然書く事が増えれば必要な労力も増すわけですが……


葉山宗次郎さんからの意見
 こんにちは、シグさん。葉山宗次郎です。

> 流石に三人目は無理矢理でしょうか?

 主人公が複数いる作品はいくつもあります。無理ということは無いでしょう。
 田中芳樹先生の『マヴァール年代記』などいろいろあります。

> 因みに一人目は多少控え目な男子で、二人目が正義感が強い勉強嫌い、
 そして新たに作ろうと考えているのが秀才の男子です。


 いい感じだと思います。まるで三国志に出てくる
 劉備→多少控え目な男子、
 張飛→正義感が強い勉強嫌い、
 関羽→秀才の男子
 みたいです。一度参考になされては。
 誰か一人性別を変えるとよりよいかもしれません。

> 上手いこと書けば出来るのでしょうか?それともやはり三人は不可能でしょうか?

 私としては、複数の主人公が出てくる作品が多くあるので不可能ではないでしょう。
 それに、主人公も登場キャラクターの一人です。
 キャラクターが一人増えたからといって戸惑う必要などありません。

 ご参考になれば幸いです。


佐宗さんからの意見
 こんばんは。

 主人公は物語を先頭切って牽引していく役目があると思っています。
 たとえば、とある怪奇事件が起きたとして、
 三人のうち誰かが他者へヒントを提示する、というのではただの脇役です。
 主人公とするなら、三人が三人ともホームズのごとく事件を推理していなくてはならないでしょう。

 そうなると、三人が一緒に行動したのではただの協調性のない野次馬のような感じになってしまいます。
 できるなら、事件が起きた屋敷のメイド長(屋敷の構造をしっている)・
 通報を受けた警察官(物的証拠などを持っている)・
 屋敷に招かれた客人(アドバンテージなし)という風に、
 性格だけでなく立場もがらりと変えてみた方がいいです。

 二人の主人公を書くとき、大抵が敵対勢力同士が多いのは、
 見方が180度違うために書きやすいからだと思います。


 皆がみんな同じ点から矢印を指して、長さだけ違うベクトルのようなキャラになってしまうのであれば、
 一番長い人を主人公にすれば済む話じゃないかと。

 三人の主人公は不可能ではないと思います。
 ただ、立場さえちょこっといじってやれば、性格を書き分ける文才がなくとも、
 随分楽になるんじゃないかと思います。



ひすいさんからの意見
 どうも、ひすいと申します。

 一番大切なのは、「主人公が何人か」ではなく、「全ての主人公を『主人公』として描けるか」ですよ。

 きちんとストーリー上重要な役割を担っていて、
 読者にもその人物が主人公だと認識させることができれば、主人公の人数なんて関係ないです。
 逆に、描き方が下手ならば、どんなに作者が
 「この人物は主人公だ」と言っても読者に脇役だと思われてしまいます。

 どんな描き方をすれば主人公と思えるのか。
 少なくとも、周囲の書き分けや性格等だけの問題ではないでしょうね。


 では。


公ちゃんさんからの意見
 こんにちは。公です。
 いよいよクリスマス。今年ももう直ぐ終わりです。

 さて、主人公が3人ですか……

 手段として、3人が集まってできたパーティをメインに物語を進めてみてはどうでしょう?
 特撮の戦隊ヒーローのアレと同じです。

 文学作品としては「ズッコケ三人組シリーズ」がありますね。
 ハチベエ、モーちゃん、ハカセという個性を持った三人の小学生が活躍します。
 因みに私が小学校時代から読んでますが、まだシリーズは続いています。
(あれって、ラノベに分類されるのかなぁ?)

 何より大事なのは視点(というより読者の意識の中心となる存在)と目的です。
 両者がお互い1つに定まらなければ、読者も作者も混乱します。
 パーティという1つの目的で集った集団だからこそ、
 読者も付いていけるようになるんだと思います。
 ではでは……。


萩鵜あきさんからの意見
 たとえば『陰日向に咲く』を読まれたことがあるでしょうか?

 筆力はそれほどないにもかかわらず、
 複数の主人公を一つのお話として繋げ、最後にきっちりまとめあげています。
 多少、ライトノベルが求めている物語とは違い、各短編に隔たりを感じますが……。

 上記にあるような例からわかるように筆力がなくても、発想力や構成力でカバーができます。

 三人の主人公という設定に思い入れがあるならば、あきらめることはないと思います。

 あとは、多数の主人公が描かれる作品をたくさん読んでみましょう。
 どういう風に書けば見られるものになるのか、纏まるのか、把握できると思います。



笠内さんからの意見
 参考作品としては伊坂幸太郎さんの『ラッシュライフ』があります。
 主人公が4人ですが面白い作品です。

 この世界の人口は約67億人ですが、全員が違う性格をしています。
 似ていても、その人物がまったく同じ行動を取ることはありえません。
 例えば平凡な似通った主人公5人で話を作っても、上手くやれば名作になるでしょう。
 その主人公たちは似ていても、確実に違う人間なのですから。

 小説に駄作や名作はあっても、それはすべてを書き終わった後においてでしか判断できません。
 作品が完成する前に不可能などと言うことは無意味でしょう。
 可能かどうかは実行してみないとわかりませんから。

 すでに実行して結果を出している人がいるのですから、真似できないことはありません。

 執筆、がんばってくださいね。


ケンタッキーさんからの意見
 3人登場させるのは別にいいです。

 あなたのストーリーは:
1.2人が一緒に最初いる。
2.途中で三人目に会って合流
3.冒険


 ですが、これはよくとられるものです。
 たとえばハリーポッターも最初ハリーとロンが一緒、後にハーマイオニーが割りこむ感じです。
 他にもデルトラクエスト(知ってますかねぇ)でも同じです。この場合は:

男男→+女=男男女
 ですが
男男→+男=男男男

 でもかまいませんよ。

 ただしドラマを引き出すには男男女の方がよかろうと思いますが。

 そしてもう一つ:三人目の過去は後で説明する。
 無理に最初っから入れ込むと、
 読者は章ごとに変わる主人公に惑わされて混乱してしまいストーリーがぶち壊しです。
 僕は昔それを書こうとしましたが、「第3主人公の過去」は難しくて、
 後にフラッシュバックにして出すことに結局しました。
 そうしないでいた本を読んだことがありますが、分かりにくくてしょうがないです。

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