第4研究室 創作に関するQ&A 496P | トップへ戻る |
Chirsさんからの質問
 人型機動兵器の実用性
 
 前スレ『人型ロボット兵器による乱戦描写のコツ』の話題が大分ずれて来たので改めてスレ立てをして
 「人型機動兵器の実用性」について検証したいと思います。
 まず、「YES」か「NO」かを答えるのは犬でもできる。
 これはあくまで検証を目的としているので、それなりに中身のある回答を求めます。
 主な議題としては、

1.人型機動兵器の実用性はあるのか
 主に、ハード面での話題を取り扱います。
 多脚型、ホバー型、タンク型等上半身だけ人型の場合や、足がある戦闘車両等も含めます。
 飛行、陸戦、宇宙戦や密林、湿地、砂漠、山岳など場所を限定した考察もここに含まれます。

2.乗り込むパイロットは居るべきか居ないべきか
 主に、ソフト面での話題を取り扱います。
 議題ではあえてパイロットは「人間」に限定しません。
 無人の場合、どの程度まで自立させるかも含めます。
(戦闘レベルか戦術レベルか、あるいは日常生活に使えるレベルかなど)
 追記。戦闘レベル、戦術レベルという言葉の定義は以下のものとします。
・実際に相手を補足可能な距離での判断を「戦闘レベル」
・補足不可能な距離での進軍や布陣などを「戦術レベル」

3.人型機動兵器と人間が同じ戦場に立つ合理性
 主に、運用面での話題を取り扱います。
 この場合の人間には歩兵から戦闘車両など現代兵器の全てを含みます。
 逆に、パワードスーツ等は人型機動兵器として扱います。

 「白」か「黒」かを答えるだけなら犬……って色盲って話を聞いた気がする。まあ、多分できます。
 全ての議題に答える必要はありません。興味を持った部分のみの回答でかまいません。
 人間らしい「グレー」な回答をお待ちしております。

 また、検証と言う形をとっている以上他者の回答を否定するような回答をする事もあるでしょうが、
 感情的にならないように気をつけてください。まあ、言うまでもないと思いますが。
 ついでにもう一つ。言葉の定義は人によって違います。
 意味を調べろと言うならソースの添付をお願いします。誤変換くらいは許してくださいorz


●答え●

マクベスさんからの意見

 とりあえず、

・現在の科学で考証可能な範囲での話なのか。
・SFおよびファンタジーも範囲に含む、特例を許可した上での話をするのか。

 ここをはっきりさせた方がいいように思います。

 例えばちょー有名な「ガンダム」ですが。
 アレは「ミノフスキー粒子」という不思議物質の発見に立脚した世界観であるわけで、
 我々の住む現実世界とはいわば(程度の問題はあれ)物理法則が違うわけです。

 話題にするのはどっちもOK!
 というのも、それはそれでいいのですが、その場合は――

・発言者がどっちの立場に拠っているのかをはっきりさせておいた方がいい


 ――かと思います。
 そうでないと、「現実の理論」VS「非現実の理論」が起こり、
 結果として話が噛み合わなくなる可能性が大です。

 老婆心ではありますが、その辺りのことを視野に入れた上で、
 建設的な意見交換の場になることを期待いたします。


Chirsさんからの返信(質問者)
 スレ主は質問に答える義務がある。少なくとも私はそう考えている。

 確かに、はっきりさせる必要がありますね。
 このスレの議題である”実用性”とは、
 「現実としてありえる兵器としての実用性」と
 「小説の中でネタとして用いる際の実用性」の2つの意味を持っている!
 ……すいません、さっき風呂の中で考えました。
 
 明確な回答としては「SFおよびファンタジーも範囲に含む、特例を許可した上での話をするのか」です。
 と、なると「ミノフスキー粒子」のような特例を用いる必要もあるかもしれませんが、
 あまりにも特例だらけのファンタジーなサイエンスフィクションは頂けませんね。
 まあ、サジ加減を明確に定義するのは難しいので個人の責任でご判断ください。


赤色さんからの意見
 これは実用性を探るものではなく、実用の可能性について議論するという趣旨でいいんでようかね?
 もし違うなら以下は全部無かったことにしてください。

1.
 まず実用の可能性として前スレのChirsさんの記事を読みました。以下、反論。

>そう、人型機動兵器最大の利点はその汎用性にある。人間と同じ動作ができるのだから状況に応じて複数の装備を使い分ける事ができる。なんだったら下半身をタンク型やホバー型にしたっていい。

 この部分に関しては別に人型である必要性が無いですよね。

 汎用性という面であれば装備を換装すれば済む話。
 汎用性の意味が『人の手と同じなのだから簡単に持ったり離したり出来る』という意味であるなら、
 尚更、最初から換装を視野に入れて設計すればいいだけの話。
 むしろ人の手と同じだとしっかりと固定されていないことによる強度不足とか、
 誤作動や操作ミスなんかで兵装をぼろりと落としたりとか問題が多くあります。

> 射撃と言う物は点の攻撃であり、自分に向かって発射された弾を見てから避ける事はできなくても、そもそも補足されなければ当たる事はない。前後にしか動けない戦車と360度自由な方向に動ける人型とではどちらの方がよけ難いかなど言うまでもない。

 そもそも人型兵器より格段にサイズの小さい人間ですら正確に狙える現代ですから、
 補足され難さという点では戦車と大差無いと思います。


 さらに重心が低く安定した設計の戦車とは違い、2足歩行4足歩行を目的とした人型兵器の場合、
 ある程度の高さが必要となります。
(全高に比してあまりに短足だと利点が潰されます。安定性を求めて脚部の設置幅を広げることも同じ) 
 つまり的が高い分相手方からすれば狙いやすくなるということです。

>機動力と言う点においても戦車より人型ロボットが勝る部分はある。確かに、速度では勝てない。人間が走って車に勝てる訳は無い。
 
 これこそ脚部にローラーでも着ければいいだけでは?

> 戦車は高低差に弱い。確かにキャタピラはちょっとやそっとの荒地なら間単に踏み越えられるが崖を上ることは不可能だ。その点、人型機動兵器ならアンカーを引っ掛けたり、ピックを使ったりすれば上る事が可能だ。

 この点に関して人型兵器の性能が戦車に勝るというのは事実ですが、
 アンカーとピックでは登れない崖の方が多いです。
 何故かと言うと人型兵器は人間より重たいので、
 崖自体が兵器の重さに耐えられない場合があるからです。

> それ以外にも踏んで起爆するタイプの地雷はキャタピラならあっさり引っかかるが二脚歩行タイプならその危険性は大分軽減される。
 地雷は一個だけぽつんと埋めるものではなく一定範囲に数多く敷設するものなので、
 戦車であっても人型兵器であっても当たる確率は変わりません。

 以上のことから陸上において戦車と比べ人型兵器の優位性はほとんど無いといっていいと思います。
 もっとも

 フィクションに不可能は無い。

 という言葉通り、空を飛べるようにしたり補足されないほど高機動にしたりすればいい話ですが、
 やっぱり人型である必然性がありません。

 しかしながら、それはあくまで人型『兵器』という戦術兵器としてのロボットに限られたことであり、
 前スレでご本人が仰っていたように兵器以外の分野において、
 人型という点が大きなアドバンテージになることは事実です。
 現に、様々な分野の研究において機器がより人型に近付いているという事実もあり、
 宇宙・深海の探査用ロボットが実際に開発されているという経緯もあります。

2.
 人的資源の保護という観点から、無人で運用できればその方がいいに決まってます。
 そして戦術レベルで運用できない兵器は使い物になりません。
 現代の戦場で命令を聞かない兵士がいたら必ず問題視されるでしょう?

3.
 仮にアニメで登場するような性能の人型兵器があったとすれば、確かに有効ではあります。
 が、1.で書いたとおり人型である必然性に乏しく実用的ではないと思います。


Chirsさんからの返信(質問者)
> 換装を視野に入れて設計
 まあ、たしかに衝撃でぽろっと落ちる危険性はありえますね。
 ただ、人の手と同じような形を用いる利点としては
 「奪った敵の兵器を自分で利用できる」と言う点が考えられます。
 「アインハンダー」というゲーム設定を用いているのですが。
 まあ、逆に「敵にこちら側の武器を奪われる」というデメリットも発生する訳ですが。
 
 ちなみに、ガンダムの設定だとビームライフルとかは、
 実際にトリガーを引いて発射するのではなく発射する信号を送る為の連結部があるそうですよ。
 確か、ザクマシンガンだけは実際に発射できるトリガーがあるらしいですが。オタクトリビアでした。
 そういえばカルネージハートの主用兵器であるOKEは手の形をしてないけど、
 色々な武器が換装できるんですよね。
 格闘アームも指じゃなくて爪だし。アレって実はかなり合理的な兵器なのでは?

> 格段にサイズの小さい人間ですら正確に狙える
 現代のライフルでも狙撃の際の天候はもちろん、
 湿度や風などといった精密な情報が無ければ確実に命中させることはできないらしいですよ。
 また、着弾までのタイムラグの問題もあります。
 よくマンガなどで床に落ちた物を拾う為にしゃがんだら頭のあった位置をライフル弾が貫通していった、
 というシーンがありますがアレは実際に起こりえます。距離や弾速にもよりますが。
 
 タイムラグがほぼゼロのレーザーとかなら確かに避けようがありませんが、
 人を殺せる出力のレーザーは実用段階ではなく空想科学レベルの話です。
 ちなみに、よくガンダムで使われるビームは粒子砲なので光速ではありません。こちらも空想科学ですが。
 
 まあ、ゲームの話になりますが前か後ろにしか進めないタンクと、
 前後左右自由に動けるホバーでは当てやすさが全然違います。
 ぴょんぴょん飛び回る二脚や四脚のウザさはもう……OKEプログラマーの愚痴でした。
 最近、ようやくタンクでも避けられる機体を組めるようになったけど画面端と障害物に弱すぎて泣いた。
 よく訓練されたアングリフほどウザい機体は無い。閑話休題。
 
 発射された弾を避けられる人間はまあ居ないでしょうが、
 そもそも射線上に補足されない人間なら十分にありえます……
 単純な話、障害物で身を隠すだけです。とりあえずしゃがんでおくのは常識ですね。
 まあ、どこまでがフィクションでどこからがノンフィクションか、
 と言うかそもそもロボットの話じゃなくなってきたのでこの話はこの辺で。

> 脚部にローラーでも着ければいいだけでは?
 全く持ってその通りでございます。
 いや、それでもやっぱ車輪で動く事を前提としている方が速力は速いと思うけど。
 コードギアスのナイトメア、機動戦艦ナデシコのエステバリス陸戦フレーム、
 フロントミッションのヴァンツァー等がそうですね。

 ちなみに、ヴァンツァーの走行速度は最も早い機体でも時速60km、
 ローラーダッシュ時でも倍の時速120kmが限界でした。作中の西暦2090年辺りの話ですが。
 さらに追記すると人型機動兵器が初めて実戦投入された西暦2034年のアフリカ紛争で、
 この時はまだ「ヴァンダー・ワーゲン」というヴァンツァーの前身となる兵器で、
 フロントミッションの看板兵器であるヴァンツァー、
 正式名称「ヴァンダー・パンツァー」は6年後の2030年に開発されます。
 まあ、現実の 2030年にヴァンツァーと同レベルの人型機動兵器が
 開発できるかどうかは分かりませんがねー。
 ええ、フロントミッション大好きです。モビルスーツやアーマードコアよりもヴァンツァーが大好きです。
  Wikipedia先生によるとヴァンツァーはかなり凝った設定なので参考にこれをどうぞ。

 さて、そろそろ本題に戻ろう。

> アンカーとピックでは登れない
 言われてみると確かに、崖とかは無理かも。
 でも塀を乗り越える事はできるのでは? 
 コードギアスのナイトメアはワイヤーを使ったアクションが多かったので、
 そこから引っ張った答えなんですが。
 後はジェットパックかな。一時的に空を飛べる装備。これはフロントミッション産ですが。

> 戦車であっても人型兵器であっても当たる確率は変わりません
 設置面積を考えればそうでもないと思うけど……まあ、地雷原の危険性は一緒と言う点には納得。

> 人型という点が大きなアドバンテージになることは事実
 またフロントミッションか! とか言われそうだけど好きなんだからしょうがない!
 ヴァンツァーの開発に伴い、高性能な義手や義足など医療系へスピンアウトした技術は多いそうです。
 兵器としてはともかく、ロボットとしての実用性は大きそうですね。

> 戦術レベルで運用できない兵器
 あー、これは言い方が悪かったです。戦場で指揮を取るのが人間かロボットかという意味で
 「戦術レベル」という言葉を用いたのですがうまく伝わらなかったようで申し訳ない。
 ああ、ゲーム脳ゲーム脳。

2.乗り込むパイロットは居るべきか居ないべきか
 の議題に対し、
・実際に相手を補足可能な距離での判断を「戦闘レベル」
・補足不可能な距離での進軍の仕方や布陣などを「戦術レベル」
 と、定義させていただきます。

> アニメで登場するような性能の人型兵器があったとすれば
 アニメじゃない! アニメじゃない! ホントの事さー。
 ……すいません、言いたかっただけです。
 まあ、歩兵と並んで出す場合に人型である必然性については確かに懐疑的。
 回避運動するたびに味方の歩兵を歩兵を踏み潰す、
 あるいは踏み潰される心配をしなきゃならんようでは話になりませんね。
 
 まあ、人型機動兵器も戦闘車両、つまり戦車の一種なんですが。
 ガンパレードマーチでは完全に戦車って言い切ってましたしね。
 アレの場合歩兵でもパワードスーツを着てるんで……
 そもそも人型は異世界の怪しげな技術を使ってるから考察対象外かな?
 戦車が人型である必然性について熱く語っていた教師が居た気がしますが。

 フルメタルパニックでも(アニメ版ではTSR)人型機動兵器について熱く語る某ウルズ1とか……
 まあ、彼は重度のアニオタである事が後に発覚する訳だが。
 スパロボWでは宗助と並んで合体攻撃でお世話になりました。
 M9二機のEN切れには困らされたが。閑話休題多すぎ?

 レスってる間にどんどんレスが増えていく! とりあえず1回目の総レスはここまでだ! 
 ブログも書かなきゃならんのに! 
 これだけ釣れるって事はお前ら全員結局人型ロボットが大好きって事じゃねーか!
 OKだ、こうなったらとことん付き合えってやるZE!


飛車丸さんからの意見
 兵器ってのは、駆動部分が増えれば増えるほど、コストパフォーマンスと汎用性が下がる。

 人間と同程度の動きが出来れば、確かに兵器としての能力は高くなる。
 が、人間と同程度の関節を有する機械は、メンテナンスだけで膨大な費用と人員と時間を必要とする。
 しかも、複雑な機構を持つ関節は『砂』や『泥』に極端に弱いため、戦場での運用そのものが厳しい。
 何らかのカバーを着ければいいと思うだろうが、放熱の関係上それは自殺行為になる。
 特に足首部分が曲者で、ここは『重量負荷』とそれに伴う『放熱』が最も高く、
 さらに『土砂・樹木』の浸潤率も高い。しかも、ここがやられると全機構が役立たずになる。
 また、関節はわずかな歪みですら影響が大きいため、装甲に傷が付かなくとも、
 一発でも被弾すれば駆動関係に異常が生じる。
 以上から、地上では役立たず。戦車が優れているのは、兵器として運用しやすいという点が非常に高い。

 じゃあ空中ではどうかというと、空中戦闘で求められるのはあくまで『速さ』。
 人型兵器では形状の関係から、戦闘機に速度で優ることは有り得ない。
 マッハで後ろに振り向けるなら別だが、そんな取り回しをすると関節がぶっ壊れる。
 なお、宇宙もこれに準じるため、結果は同じ。


 結局、兵器は『シンプル・イズ・ベスト』なわけで。
 50年以上前のAK-47が今もなお使われ続けるのも、そういう背景があったりします。



Chirsさんからの返信(質問者)
 飛車丸様、清く正しいレスですね。正論過ぎて返しようが無い。
 まあ、あえて書くなら砂や泥に弱く砂地や海岸の運用は絶望的という点については完全に同意です。
 いや、またフロントミッションだけどオルタナティブの海岸ステージは砂地で、
 機動性が著しく下がるステージだったので、戦車にフルボッコされて泣いた。
 あと、ガンダムSEEDでも初の砂漠戦闘において、
 砂に足が捕られてまともに動けないという描写がありましたが、
 キラ君の超高速プログラミングで問題解決。
 ソフト面の問題なのか? SEEDの話は私も詳しくないんでこの辺で。


安眠妨害禁止区域在住の猫さんからの意見
 人間が地上を席巻出来ているのは、その知恵と器用さ故です。
 しかし当然、人型兵器と現行兵器の知恵比べをしても意味がなく、器用さも無意味に近い。
 
 何故なら兵器は基本的に戦争という一つの目的のためにあり、
 人間のように複雑な行動に対応するための機器ではないのですから。


 となれば戦争に特化した形状のほうが秀でているのは想像に難くないでしょう。
 また地上、水上、空中、水中などの複数の機能を備える必要もないわけです。

 結果的に求められるのは万能さより特化。
 
 弓も剣も馬も槍も使えるより、歩兵は歩兵で、弓兵は弓兵で、騎兵は騎兵で、
 揃えて使ったほうが軍略的にも優れていることは古来からの戦いが証明しています。
 コストパフォーマンスや育成期間なども立派な軍略の一つで、兵器の価値に繋がっています。
 人型兵器は操縦が複雑にどうしてもなってしまう。
 多機能になればなるほどメンテナンスの困難さ、操縦者の育成の難しさや育成のための時間。
 価格や生産速度、生産出来る設備の問題など様々な面で問題が生じます。
 
 また人間の身体というのは生物の中でも、かなり燃費が悪いそうです。特に欧米人は……。
 アシモの稼動時間は背中に大きなバッテリーを搭載して一時間程度ですから、
 エネルギー面をどうするのかという問題もあるでしょう。

 加えて戦車は横一列行軍で、前面に最も攻撃が集中することを前提に作られているので、
 前面の装甲が厚く、側面などは薄く作られているそうです。
 しかし人型兵器の場合は、仕様上狙われる箇所はかなり広くなります。
 戦車の前面部と人型兵器の前面だけの総面積を見ても相当違うと思いますよ。
 的として大きい上に、守る範囲としても大きすぎる。
 守る範囲=装甲を厚くしなければならない範囲ですから、重さはその分増えるでしょう。
 それを維持するエネルギーは膨大になり、またエネルギー貯蔵庫を守る装甲も必要になってきます。
 加えて、重心を出来れば低く取りたいのと足は狙われ易いので、
 脚部が肥大化し、太めになって結局人間的な歩行は困難になることが予想できます。
 そもそも効率的に考えてタイヤなどの回転運動に二足歩行が勝てるはずもないのです。
 エネルギー的にも、部品の消耗速度的にもね。

 関節などが増えれば増えるほど、摩擦で磨耗しますし、劣化も早い。
 人工筋肉が断裂したらアウトですし、結局シンプル・イズ・ベストなんですよ。
 部品が増えれば増えるほど複数の工場で同じ部品を作るのは難しくなり、工場一つ爆撃されただけで、
 大事な部品が完全に生産中止に追い込まれるなんてことにもなりかねません。

 また、これらの問題をクリアしても、地上兵器の価値はそもそも決して高いものではないにも関わらず、
 戦車のように比較的安いなら兎も角として、
 一台一兆円や二兆円クラスになりかねないという最大の懸念が待っています。
(現行の一番高いステルス戦闘機が一兆円〜5000億円程度だったはずです)

 現行の技術から見て、相当な投資も必要になるでしょう。
 ミサイル一発で安ければ維持費など込みで数百万、高くても数億単位(?)というレベルですから、
 ぶっちゃけ割りに合わんと思いますよ。
 制空権のほうが地上より近代戦争では重要ですし、
 空を飛べたとしても、戦闘機すら撃墜できる誘導ミサイルを回避できるはずもないでしょうし……。
 戦闘機と人型兵器が速度で張り合うのはどうやっても無理。
 結局、現行兵器の派生で異なる兵器が開発されていく程度だと思います。
 宇宙にしても人型の強みは薄いでしょう。
 以上のことから考えて、人型兵器は男のロマン! フィクションだと割り切って、
 超兵器だと言い切って扱うべき代物。そうすればいいだけの話です。


ぽろろさんからの意見
 ちわっす、ぽろろです。

 ガンダムを知らない、というか見てないので、
 主にゲーム「高機動幻想ガンパレードマーチ」と「アーマードコアforAnswer」の設定から引用します。
 両方とも乗り込む形の巨大人型兵器です。


1に関して
 両ゲームとも「並みの戦車より移動が速い」ことになっています。
 加えて前後左右、アーマードコアだと上下も含めた移動が瞬時に可能なので、
 人型というよりはその機動力や瞬発力を必要としている描写が多いです。
 そして両ゲームの人型兵器の武器の中には剣が、
 ガンパレードマーチには更にパンチとキックという人型ならではの攻撃もあります。
 
 つまり一回分の戦闘に関しては、弾切れによる戦闘不能という状況が生まれないという利点もあります。
 
 そういった意味では、機動力や瞬発力そして継続能力に優れた兵器であるので、
 強襲や最小限の制圧など、それを生かす戦術でならば有効な兵器だと思います。
 問題は整備面ですが、ガンパレードマーチでは一部分が機械の代わりに人口筋肉が使われており、
 有機物であるからこそ整備しづらい反面、量産が確立されており、
 比較的安価での部品交換が可能であるとして、そこまで難しいものでは無いという設定。
 
 アーマードコアは機動力を駆使した戦車以上の圧倒的な殲滅力による戦果により、
 個人でさえ運用が可能というトンデモ設定。
 まあ乗り手自体が世界に42人しかいない上に、
 その殲滅力を生かせる人間がその中でも半数ほどなのですが。
 まあゲームの設定ですがね。


2に関して

 アーマードコアの世界には、乗り手のいない自立アーマードコアがありますが、
 攻撃が単調になるという欠点があるらしいので、乗り手は必要だとは思います。設定では、ですが。
 人間以上のAIになら任せたら良いと思いますが。
 ただ、一番槍(戦果第一)の概念が無くなるということは、下っ端兵士の士気に関わると思いますが。


3に関して
 まあ大きさの違いだと思います。
 結局巨大兵器では人間を「捕まえる」ことがしづらいので、
 捕虜を取る場合は巨大兵器で脅して人間が捕まえるという体勢も必要だと思います。

 そんな感じで。


Chirsさんからの返信(質問者)
 ぽろろ様。
「高機動幻想ガンパレードマーチ」と「アーマードコア」を、わーい両方知ってる。仲間仲間。
 でもforAnswerって何だろう。ラストレイヴンまではやってるのだが。

> 人型兵器の武器の中には剣が、ガンパレードマーチには更に、
 パンチとキックという人型ならではの攻撃もあります。


 でも二挺銃使いの私は弾切れが怖かった。アーマードコアも殴れればよかったのに。
 あと、サブ銃の反応速度の遅さを何とかしてくれ。
 と、まあゲームの話をするスレではない。閑話休題。
 
 しかし、手足の関節の多さを考えると、やっぱり殴ったり蹴ったりはあんまり実用的とは思い難い……
 エステバリスみたいにナックルカバーがあったりすれば話は別だけど。
 ワイヤードフィストは現実性とロマンを両立した素晴らしい武器だと思います。
 ワイヤー付きならアンカーとしても使えるし。
 ワイヤークローで捕縛してドリルかパイルバンカーを突っ込みたいお年頃。
 まあ……やっぱり格闘系の武器は総じてロマン武器という説は否定できない。まあ、そこがいいのだが。

> まあゲームの設定ですがね
 そこが難点です。特にアーマードコアは明らかに見た目より硬すぎると思います。
 同じくフロムソフト産のACEシリーズも一発食らったら明らかに致命的な機体
 (バルキリーとかオーラバトラーとかオーバーマンとか)でもそれなりに耐えるし……
 特に、真・ゲッターでゴーレム(オーバーマン)と格闘戦して勝てないのはどう考えてもおかしい。
 こっちの頭くらいのサイズしかない機体になんで殴り負けるんだ。

> ただ、一番槍(戦果第一)の概念が無くなるということは、下っ端兵士の士気に関わる
 うーん、今現在でも残っているのかどうかが疑問。紛争地帯ならあるんだろうか? 
 現代戦闘はゲリラ戦がメインだからなぁ……

 ついでに格闘戦について更に考察してみる。
 フィクションにおける戦闘シーンの面白さは

 格闘戦>射撃戦≧魔法戦

 とかいう話を聞いた事がある。でも、逆にすると実用性順に並んでしまう気がする。
 まあ、魔法戦は電子戦と言い換えても通るかもしれない。
 ハッカー同士が相手のCPUを如何にしてダウンさせるかを争うより、
 殴りあう格闘シーンの方が見た目的に映えるのは事実だと思う。
 その意味で、兵器としての実用性は無くてもフィクションの題材としての実用性は高い。
 この二つは反比例する物なんだろうか? 意見求む。


Mr.エイプリルさんからの意見
 こんばんは。

1.人型機動兵器の実用性
 人型機動兵器も、サイズによるんじゃないでしょうか?
 等身大なのか、戦車ぐらいの大きさなのか、或いはもっと巨大なものなのか。
 そうですね。戦車サイズ以上のものだったら、ちょっと実用的とは言えないかも知れません。
 等身大のものならば、歩兵の代わりとして使えますから、部隊に組み込めばかなり有用かと。

2.乗り込むパイロットは居るべきか居ないべきか
 両方必要だと思います。危険地帯の偵察などの場合は無人機の方が便利ですが、
 より素早い反応が求められる白兵戦の場合は有人機が勝ると思うからです。
 無人機の自立レベルですが、等身大サイズで歩兵として使うのなら、
 かなり高いレベルで自立させる必要がありますが、偵察などに用いる分には戦術レベルで十分かと。

3.人型機動兵器と人間が同じ戦場に立つ合理性
 例えば、従来の戦闘車両では運用が難しいような険しい山岳地帯や
 鬱蒼としたジャングル地帯などでは、
 車輪やキャタピラーに頼らない人型機動兵器は大いに活躍するでしょう。
 しかしながら、市街戦に於いては、パワードスーツのような一部の例外を除いては、
 あまり合理性は見受けられません。
 要は、場合によりけりということではないでしょうか。

 以上、参考までに。


FNさんからの意見
1)
 小型の逆脚型以外はたぶん実用性無い。(人が乗るなら)
 市街地のパトロールトとかにはAT-ST(スターウォーズ)の小型版みたいなのが活躍するかもしれない。
 常に脚を縮めてる逆脚ならクルーの搭乗位置の上下も抑えられるし。
 武装は多分7.62mmくらいのマシンガンが良い様な気がする。
 高度なデータリンクと対RPG用のAPSの装備は必須。
 壁越えられたりすると車両と差別化出来るかもね。

 パワードスーツは使いどころ次第。
 たぶん簡易な外骨格チックな感じで荷物の上げ下ろしにしか使われない予感がする・・・
 
 あと脚で動く巨大要塞って実は実現可能な気がする。
 掘削機械でそう言うのあるし。
 スピリットオブマザーウィル(ACfA)とかはさすがに無理だろうけど


2)
 パトロールに使う分には無人で充分。
 搭載兵器の管制だけは人間がやる必要があるだろうけど、完全無人化も可能なはず。
 無人にしとけば危険なところにも平気で投入できるしね。設計の自由度も上がるし、いいことずくめさ。
 あんまり高度な判断能力は期待できないだろうけど、
 そう言うのが必要な時は人間さまが出て行けばよろしい。
 
 ただし高度に完全無人化すると開発費高くなりすぎて途中でポシゃる事確実。X-45みたいに。


3)
 一部の装甲車の代替ならやってけると思うよ。


アイゼンハワーさんからの意見
 実用性について
 走攻守が既存の兵器より高性能でも、
 価格面では現代技術でも2億円足らずで近代性能の戦車が製造できるのに対し、
 こちらは護衛艦より高いんだろうなと想像してしまいます。


 運用面。
 戦車の話になりますが、もともとは歩兵を支援する形で開発された兵器です。
 現代では逆の立場となりましたが、それでも兵器単体で動ける物はないはずです。
 恐らくヴァンツァーやメタルギアが開発されても、わざわざ馬鹿高い費用をかけて製造するより
 「戦いは数」で戦車や航空機を大量生産するほうが効率がよい気がします。
 戦力差を補えるほどの能力なら可能性もありますが……


Dr.ウニボンさんからの意見
 ロボットを作りたくて大学に行き、サークルに所属して出来上がったのはアルミの前衛芸術でした。
 ……アルミの塊じゃないよ、ちゃんと動くんだよ!
 NHK大学ロボットコンテストにも出場してテレビに私が写ったりしたんだぞ!

 で、現実という名の傷をその身に刻んだ、ロマンチストな私がレスをします。
 因みに私の”夢”はデッカく「世界征服」です。う〜ん、ロマンチック。

 現実的に考えると人型機動兵器というは、全然現実的ではありません。
 複雑な機構はメンテナンス性を低下させ、装甲と機動力のバランスも難しく、
 戦車・飛行機・潜水艦や戦艦のような『特化型』に勝る点がほとんどない。
 特化型に勝る点があるとすれば、『万能さ』という点くらいですが、
 兵器にとって『万能さ』というのはあまり意味がありません。

 例えば、ガンダムはアムロ・レイという強力なパイロットが居たからこそ、
 あそこまでの活躍をしたわけですが、ガンダムに最初に乗り込んだのがアムロ・レイじゃなくて
 「エヴァンゲリオン」の碇シンジだったらどうなるでしょうか?
 両者とも同じ訓練を受けて、実戦投入したら、多分シンジ君は最初の出撃で戦死しちゃうと思います。
 つまり、ガンダムという超兵器は、
 アムロ・レイなくしては十分な戦果をあげることの出来なかった兵器なのです。

 人型機動兵器の場合、右手を破損してしまったら、もう右手で行う動作は行えません。
 盾で防御する、敵を殴る、銃で狙う、弾を装填する……
 などといったことが『右手』という部位が機能しなくなっただけで無効化、
 あるいは著しく性能低下してしまいます。
 ですが、現行の兵器、例えば戦車は、キャタピラが破損しても砲撃は出来ます。
 つまり、一部位の破損があまり全体へ影響を与えないのです。


 因みに、「人型機動」兵器に拘らず、単に『ロボット兵器』を作るのであれば、
 現行の技術でも十分可能だと思っています。
 私のサイトで公開している小説にも出しているのですが、
 構造をめちゃくちゃ単純にして、用途を「攻撃」だけに絞る。
 具体的には、昆虫のような四足歩行。動体センサーと熱探知センサーで
 「人間の体温と同じくらいの温度で動いている物体」に対し、自動で銃をぶっ放す……
 という完全に殺戮専門のキラーマシーン。
 攻撃に耐える必要は特にないので、量産が可能なように装甲は薄め、機構も単純。
 大量生産・大量消費、数の暴力で敵をねじ伏せる、という非常にシンプルですが手強いヤツです。
 如何でしょう?


世羅 悠一郎さんからの意見
 ロボット大好き、世羅 悠一郎です。
 参考になるかは怪しい所ですが、答えてみようと思います。


1.人型機動兵器の実用性はあるのか
 大きさによります。
 ボトムズサイズなら現代技術でも実用性はあります。
 それを越えると、現代技術の範囲内では全くの無能です。
 よく言われる前面投影面積、関節の構造や整備性、重量。
 これらがクリアできないのです。
 腕にしても、ウェポンラックになるだけなら、もっと簡易な構造でかつ丈夫なものが開発できます。
 腕の必要性がないのです。
 何せ、工兵でもなければやる事は破壊だけですので。
 腕は、それ以外の用途でこそ輝きます。

 とはいえ、この先もずっと有用性が無いかと問われると「分からない」としか答えられません。
 個人的には、戦車では有効性のない新しい技術が生まれたり、
 戦車の進化が頭打ちになれば、有用性は出てくるものと考えています。


2.乗り込むパイロットは居るべきか居ないべきか
 どちらでも。......というと元も子もないので。
 OS次第です。そして、プログラム次第。
 コンピューターのルーチンを天才的な領域で構築できるアーキテクトがいれば、
 現代でも無人機は可能でしょう。
 居なければ、現代の常識を超えるコンピューター……
 .量子コンピューターが開発されるまでは無理でしょう。
 技術が進めば進むほど、人間が乗る意味は薄くなり、
 最終的にはセーフティの役割すら人間には無くなります。

 コンピューターが未熟でないのなら、人間が操縦するのは何らかの理由が必要でしょう。
 例えば、倫理感。闘争はヒトが行うからこそ意味がある、とか。
 或いはアイデンティティ。
 こういう部分はバカに出来る事じゃないので。
 鉄の体が常識のロボットでは、ヒトとの感覚が違いすぎるものになるのでは……
 なんて話もどこかで聞いた覚えがあるような気がしますし。


3.人型機動兵器と人間が同じ戦場に立つ合理性

 ロボアニメやマンガを見てると忘れがちなのですが、
 歩兵の存在しない戦場は過去に存在していないはずです。
 ……戦車や航空機で施設に乗り込み、内部を制圧する事は出来ませんから。
 歩兵が必要なくなるとなれば、あらゆる関係施設がロボットの規格で建設されたり、
 ロボット同士の決着で全てが決まるというようなルールが必要になるでしょう。

 以上、簡単ですがこんな所で。
 それでは。


雷徒さんからの意見
 おお、いい題ですね!
 どうも、雷徒です。

 さて、ワタクシはオツムが人並み以下なので、的外れなこと言ってるだろうと先に断っておきます。

1.
 んー、個人的にはあると断言したいところですがねぇ。
 人間と同等の動きができるとしたら、腕型マニピュレーターも二足歩行も汎用性高いと思いますし。
 ただ、ロボット関連の教授からお話をうかがえる機会があったのですが、
 人間と同じ動きのできるロボット、というのは技術的には最先端ではあるけれど、それだけなんだとか。
 やたらコストをかけて難しい技術を使って完成させても、
 より低いコストで作れる物のほうが実用性が高いそうで。
 例えば、現状の最先端技術で作られた二足歩行可能な足よりも、
 そこらのキャタピラのほうが汎用性が高いなど。

 兵器として実用性は、技術力しだいでしょうか?
 ロボットアニメ、少なくともレイバーやらアームスレイヴ並みに柔軟な動きができ、
 量産可能なくらいコストが低いのであれば、兵器としての実用性は十二分だと思います。
 無論、戦車などのほうが有効な部分や状況があるでしょうから、
 あくまで兵器の一種類としての実用性ですが。戦車の上位種、というわけではなく。
 技術が不完全なら、不完全な部分を別の物に変えるなど工夫すればよいのかもしれません。
 足の技術が不完全ならキャタピラに変える、とか。

2.
 兵器自体は自立化してしまった方がよい気もしますが、それも技術力しだいで。
 ただ、ターミネーターみたいなことにはなってほしくありませんねぇ。
 ある程度自立化させつつ、人間が手綱を握っているのがよいかと。
 要するに、『戦闘レベル』で自立化させて指揮統率は人間が、でしょうか。
 ところで、戦略レベルってのもあったような気が?


 まあ、兵器に実用性があるということ自体があまりよくない気もします。
 フィクションの中でならまだいいですけれど。
 というかフィクションなら大好きなのですが。(笑)


●補足
 携帯からなんでこんな追記になります、あいや申し訳ない。

 んー、他の皆さんの意見読んでて思ったんですが。
 戦場で、というか戦闘中に歩兵と同じように即座に武装を換装できることって、
 あんま意味ないんですかねぇ?
 まあ、それは人型である意味には繋がらないんですけど。
 なんとなく、思っただけで。


くろべえさんからの意見
 どうもくろべえと申します。
 人型兵器は好きなんですけど、地上じゃ兵器としては使い物にならないと考えます。
 
 まず『二乗三乗の法則』というのがあります。
 あるサイズでは効率的なメカニズムが、一定サイズを超えると破綻してしまうという法則。
 このせいで巨大航空機や巨大ホバークラフトなども実現不能。

 
 たとえば人型を高さ・幅・奥行きを各10倍にすると、重さは1000倍になるが、
 「足の裏」の面積は100倍にしかならない。
 同じ面積あたりにかかる重量は10倍になるので、巨大人型兵器を作っても、
 生身の人間がハイヒールで戦闘行動するみたいな悲惨な事になる。
  100m走や反復横跳びで命がけの勝負挑するときに、ハイヒール履いていきたい?
(その前に歩く事にも困難が伴う可能性もある。
 何せ一歩踏み出す時に片足、足首に全重量がかかり、
 稼動部が耐えられずに折れるかもげるかもしれない。
 大丈夫としても、可動ギミックである関節の整備性の悪さや損耗は、生涯付いてまわるでしょう)
 
 そしてこれは「非装甲」の人間を等倍しただけ。
 防弾能力を追加したら、ハイヒールなんてレベルじゃ済まない。
 主力戦車が例外なく無限軌道なのは、重装甲をささえて戦闘機動をしたり、
 大口径火砲の反動を受け止めて、安定した射撃をするために必要な接地面積を、
 タイヤでは稼げないから。6輪や8輪でも全く不足。まして2足歩行なんて問題外。

 仮に二足歩行兵器を作るとして、4.5m以上の物を作った場合、どうしても構造上姿勢が高くなるし、
 正面投影面積は増大するわ、戦闘時被弾率の高さは勿論の事、
 部隊の秘匿性の観点からも無視できぬ問題だし、
 市街地や森林地帯では、電線や木々が引っ掛かって立ち往生か、
 著しく行動に制限を受け機動力が落ちる。するとどこからでも狙い撃ちされてしまいます。

 次に重量を10t以下に押さえると、大口径の火砲やミサイルを射撃すると、反動でひっくり返ったり、
 接地圧不足で後退するような弊害が考えられます。
 つまり大口径の火砲・ミサイルの安定したプラットフォームとしての能力が無く、
 まともに狙いもつけられないし、この重量では装甲もまともにつけられない。
 装甲も貧弱、まともな大口径火砲やミサイルも打てない小口径の火器しか運用できない上に、
 車高のバカ高い人型兵器に価値があるかは疑問。
 通常の砲を運用するプラットフォームでは無いから小口径砲を装備するっていうのなら、
 いっそ歩兵か軽車輌に対戦車兵器を積み込んだ方が建設的だと思います。

 逆に重量を10t以上にした場合、反動は抑えられるし、小口径砲に対する装甲はつけれるけど、
 渡川は困難になるし、塹壕などを越えるのが難しくなり、機動性は落ちる、動く鈍重な的になってしまう。

 あと手が付いていることによる汎用性があるや、手で武器を持ち替えたりとあるけど、
 手をとっぱらってハードポイントを増やしたほうがオトク。手を使って作業をする? 工兵に任せろよ。
 そもそも軍事における汎用性とは、そういうのとちょっと違う。
 兵装の多様化とは航空機のそれを見ても明らかなように、
 ウエポンキャリアである装備主体の側ではなく、
 搭載する兵装側の多様化オプション化によって実現するもの。
 また人型の手という複雑な操作を前提として設計された繊細なメカニズムに、
 発射時に強大な反動を発生する兵器の操作を兼用させること自体、
 無茶以外のなにものでも無いし、殴り合うが如きは論外。

 ちなみに民生品で人型作業機が出来たとしても、
 それの軍事転用は闇雲に行われるものではなく「ニーズ」が必要です。
 航空機しかり、ダイナマイトしかりです。
 
 人型兵器へのロマンに共感できないでもないんですが、
 二足歩行兵器は、少なくとも地球上の地上戦ではニーズが見出せません。
(アニメなら「ロボットのプラモデルを売る」というニーズが発生しているわけですが)。

 私としましては何やかんや書きましたが人型兵器は男のロマン!
 フィクションなんだから割り切って、超兵器でもいいし、
 人型兵器に都合のいい背景・設定を作り出してしまえばいい。
 上手い設定を作って読者に「ありかも」と思わせれば勝ちだと思います。


 あ、でも実現するとしたら、二足歩行で人間が操縦する機械より、ボディ・アーマーの発展系でしょうね。
 昔読んだ本では米軍は実際に、外骨格型のパワー・アシスト・ボディ・アーマーの研究をしているし、
 試作品も作っているようなので(現在もやってるのかは不明ですが)。
 日本では、空気圧を利用した介護用のパワーアシスト器械を試作していますね。
(これはニュースの映像でも見た記憶があります。これは早く実用化してほしい。さもないと私の腰が……)

 余談ですが、戦車を前後にしか動けないとおっしゃってますが、戦車は超信地旋回が出来、
 その地点で方向転換、移動中にも簡単に方向転換出来ます。
 電子制御された第三世代以降の戦車は砲身を一定の方向に向けたまま、
 つまりロックを外す事無く方向転換、機動射撃が出来ます。


桜雪さんからの意見
 どうも、桜雪といいます。
 将来の夢は人間に近いロボットを作ること、工業大学生です。
 なので、論理臭くなると思いますがご勘弁を。

1.人型機動兵器の実用性はあるのか

 主に、ハード面での話題を取り扱います。
 多脚型、ホバー型、タンク型等上半身だけ人型の場合や、足がある戦闘車両等も含めます。

 まず、人型を作る事自体が難しいです。
 上半身だけでも、現代技術では人間に近い動きが出来るのが、ロボコン程度の大きさまで。
 しかも、単純な行動だけです。

 あくまで、人の形を取るというのは今のところ実用性ではなく、
 外見を重視しているため、そうなっているのに過ぎません。
 もし、実用性にしたいのならガンダムやアームスレイブみたいに未知の技術で作るか、
 パトレイバーやアーマードコアみたいに技術のレベルを上げて、
 実用性が出るまでいかなければいけません。

 さらに、作れたとしても様々な問題が出てきます。まず、製造の段階でです。
 物の大きさにもよりますが、いずれにせよ作るからには様々なものが必要になります。
 一番ネックなのは製造費でしょう。
 大量生産が可能なら問題ありませんが、そう簡単に作れるものではないと分かっていますから、
 一体作るのにも相当な額がいると思います。

 そして、作った後は戦場に投入ですが、この兵器が一体どれだけの性能を持っているか、
 という問題も出てきます。
 適材適所という言葉があるように、その戦場にあった兵器でないと本領を発揮できません。
 そのため、最初の製造の段階でさらに工程を増やす必要があります。
 また、凡庸性がある兵器だとしても、
 武器の費用、エネルギー問題、破損によっての状況変化など多数問題が出てきます。

 結局、今のところは人型兵器はいらない存在ですね。人間、戦車、戦闘機、戦艦等で間に合っています。

2.乗り込むパイロットは居るべきか居ないべきか
 小型の人型兵器ならば確実に無人である必要があると思います。
 なぜなら、人を必要としないことを前提で作られているからです。
 人が搭乗しないくらいの大きさという事は人を乗せないでこそ、メリットがある風に作られているんです。
 メリットとは、人が死ぬことが無い=兵士が減らない。が一番だと考えます。

 逆に人が搭乗できるほど大きな兵器なら、逆に人は絶対に必要だと考えます。
 なぜならば、そんな兵器はプログラムで操作できるほど簡単な製造物ではないと言えるからです。
 しかし、人間だけでも操縦できるはずがありません。
 つまり、ここでは人とプログラム両方が必要になると考えます。

 人が乗れる大きさの人型兵器ともなれば、最低でも五メートル程度の大きさは必要になるでしょう。
 そうなれば、人間の制御だけでは認知不可能なものが出てくる為、PCの制御が必要になってきます。
 しかし、全てがプログラムで出来るかといえば、不可能に近いものになります。
 なぜなら、プログラムには臨機応変が出来ないからです。
 決められたパターンの行動しか出来ないプログラムでは、
 戦況、機体の状態、相手の行動など不確定要素が入った場合に対応できない為、
 人の臨機応変な行動力が不可欠になってくるのです。

 さて、結構長くなりましたのでこの辺にしておきます。
 返答は現代技術よりになりましたが、ご勘弁を。


風月堂さんからの意見
 私は、機械にも軍事にもそれほど詳しくなく、
 ましてロボットモノの作品はぜんぜん知らないのですが、
 Chirsさんの意見に少々の疑問を感じたので、それに対する若干の検討をします。
 前述のように、私はあまりロボットモノの作品には詳しくないので、
 ファンタジーのネタとしての側面よりは、
 【ネタとしての説明(汎用性、機動力など)に対する】現実面からの検討に重点を置きます。
 従って、「現実の兵器としての実用性」の観点が中心になり、
 小説のネタとしての観点からは離れたものとなります。
 また、同じ理由で、パワードスーツについては触れず、大型ロボットに限定して話を進めます。
 以下、これを前提に、各点について検討し、
 私の能力不足のゆえにそれができない場合は疑問の提示を行ないます。


○「広範な汎用性」に対する疑問
>盾ならまだ可能性がある
>人型機動兵器最大の利点はその汎用性にある。人間と同じ動作ができるのだから状況に応じて複数の装備を使い分けることができる。

 と、汎用性を利点に挙げていますが、腕に抱える武器を持ち替えることに、
 どれほどのメリットがあるのでしょうか。
 以下、この「広範な汎用性」の現実性、を考慮に入れて検討します。


・本来求められる単機能
 安眠妨害禁止区域在住の猫さんが既に言及されていますが、(軍事に限らないのかもしれませんが)
 少なくとも兵器では、汎用性よりも機能特化・単一機能が理想とされます。
 多方面の使用を考えると、帯に短し襷に長し、という中途半端なものになりかねません。
 あれにもこれにも使える兵器が欲しいというは、主として予算上の要請であって、
 軍事上の要請としてはあまり聞かれません。

 一見すると似ている戦車と自走砲の違いに関して、現実には、機動性の高い戦車と、
 機動性をやや犠牲にして火器の威力を重視した自走砲の使い分けがなされています。
 こうした例から考えると、汎用性を犠牲にして機能を特化する利点がどこかにあるように思えます。
 さまざまな兵器・火器を持ち替えることができる利点が、
 機能特化・単一機能を凌ぐほどのものであるのか、疑問なしとはしません。

*戦車は直接照準による平射砲であるのに対し、自走砲は主として榴弾砲を備えています。
 弧を描く弾道経路をとるため、遠距離からの間接射撃となり、戦車とは異なった使い方がなされます。

*汎用性というと、特に戦闘機の「マルチロール」化が思い浮かぶかもしれません。
 たとえば、F/A-18は、戦闘爆撃機にも電子戦支援機にも、
 給油ポッドを搭載して給油機代わりにもなります。
 しかし、これらの役割も、戦場の最前線で"装備を取り替える"のではなく、
 空飛ぶ土台(空中プラットホーム)として、同じ機体でミサイルなどの兵装や、
 レーダーや射撃管制装置などの中身の装備が変更されています。
 つまりここでいう汎用性というのは「戦場で、その場で兵装を取り替える」のではなく
 「同じ機体で各種兵装が可能」という意味なのです。
 従って、戦闘機のマルチロール化というのは「事前の用意が可能」という意味であって、
 ロボットモノでよく言われるような「その場で取り替える」という意味での汎用性とは、
 全く意味合いが異なります。


・腕に抱える兵器のサイズ
 戦車や自走砲のような重量のある火器は、
 地面に据え付けるほうが安定するのは言うまでもありません。
 ロボットの腕に抱えるのでは、重心が高いため、
 反動を抑えなければバランスを崩すか悪ければ転倒しかねません。
 また、戦車や自走砲と異なり、腕の動きの中でバランスを保って火器を持たなければ、
 照準の意味がありません。
 もっとも、これに関しては、自動的、瞬時にバランスをとる制御装置を設けるという方向性もありますが。

 砲身に加え、砲身に弾を込める給弾装置をもセットにすれば、
 据付式であればいちいち弾を込めるために砲身を動かす手間も減ります。
 腕に抱えるのでは、弾を込めるたびに腕から下ろさねばならないでしょう。
 拳銃のように、火器のどこかに事前に弾を込めるにしても限りがあるでしょうし、
 弾丸は大きく重いのですから、まさか機関銃のように弾を帯にするわけにもいかないでしょう。

 ちなにみ、戦車や自走砲のような火器を腕に抱えるのが不利なら、ミサイルにすればいい、
 と発想する人は恐らくいないでしょう。
 飛行機や武装ヘリに装備した方が機動力が高いですし、
 高々数発のロケットならRPGのように人間が抱えた方が、
 ずっと俊敏・隠密な移動ができることは、いうまでもないでしょう。

 また、冒頭の盾ですが、装甲を備えた盾自体の重量を別としても、
 腕に火器を持てないのですから、撃つときには、いちいち盾を降ろして火器に持ち替え、
 そのたびに照準を合わせねばなりません。
 また、その手間に加え、火器と盾を両方自分で持つとなると、重量の増大をも招くことになります。
 そうした点から考えると、盾と火器を持ち替えることにどれほどのメリットがあるのか疑問です。

*盾を持っている間でも照準を調整し続ける装置があったとしても、
 「盾を外す」→「火器を取る」→「発射位置まで腕を上下させて照準を合わせる」
 という動作自体はなくせません。
 戦車なら砲塔を、武装ヘリなら機体の向きを変えれば済み、
 「盾を外して火器を取る」よりも迅速に照準を合わせられるのであって、
 この点からも「(臨機応変な?)盾と火器の持ち替え」の現実性が疑われます。


・手の動作による汎用性

 この説明はパトレイバーでも聞いたことがあります。
 しかし、前述の汎用性とも関わりますが、火器を扱う場合には、
 (Chirsさん自身も既に述べていますが)引き金を引かせるぐらいなら電気的に接続して、
 電気信号で制御した方が、ずっと動作の誤差が少なくてすむでしょう。

>奪った敵の兵器を自分で利用できる
 とのことですが、こうした場面を前提とするのは、あまり現実的でありません。
 たとえば、火器とロボットを接続する電気回路にしても、電気プラグの規格が違うかもしれません。
 そもそも、現実では、弾薬の規格や部品の違いなどから、
 鹵獲兵器を使用する場面は通常考えられません。
 近未来であれば、弾薬の規格や部品の違いに加え、味方の通信機器の規格、
 データリンクや火器管制システムの互換性などのソフトウェアの問題も出てくるでしょう。
 少数の鹵獲兵器をわざわざ調節するぐらいなら、初めから使わないほうが手間がかかりません。
 味方の兵器だけで運用したほうがずっと効率的です。
 
 鹵獲兵器の使用を汎用性の利点とするのは、現実的ではないと考えます。

 また、後述するように、アンカーとピック使って崖を登る、
 ということにはどれほどのメリットがあるのか疑問です。
 クレーンのかわりにもなるという見方もありえますが、
 そもそも火器を腕に抱えること自体の合理性も疑問ですし、
 また最前線の戦場においてクレーンを使う場面がどれほどあるのでしょうか。
 後方支援で物資やコンテナの管理にロボットを使うとしても、
 戦場の最前線で使うロボットと兼ねるのは割に合いません。
 火器管制システムや装甲を持ったロボットでは高価ですし、
 物資の管理だけなら余計な装甲なしに軽快な動作をできるロボットのほうがずっと効率的でしょう。
 この点についても、汎用性の利点があるようには思えません。

*弾を受けながら(工兵を出す前に)瓦礫をどかす場面が実際どれほどあるか分かりませんが、
 最前線での瓦礫の除去という役目は、一案としては考えられます。


・装甲と可動部品
 人型ロボットでは、全高が高くなるのは形態上避けられないでしょう。
 また、足や腕や指など全身にアクチェーター(油圧サスペンションやモーターなど)があり、
 コンパクトな集中装甲はできないように思えます。
 戦車なら箱型ですから、少なくともロボットよりはマシでしょう。
 また、飛車丸さんが既に言及されているように、
 全身アクチェーターだらけで、かつ放熱性を考えればカバーをつけるのも限界とあっては、
 砂や泥などに対して脆弱であり被弾にも弱いということにもなりかねません。


・弾除け
 バランスをとるのを機械任せにしても、高速で迫り来るミサイルを前にしたとき、
 一歩で動ける範囲の移動にどれほど意味があるのでしょうか。
 命中しなくとも、爆風のダメージや転倒の危険性までなくなる訳でないでしょう。
 また、ライフルの話を引用されていますが、それは落ちたものを拾うためであって、
 「弾をよけるため」の動作ではないのですから、例示としては適切さに欠けると思います。

*ちなにみ、360度旋回するだけならば、くろべえさんが仰ったように、
 戦車も、左右のキャタピラを反対向きに回転させることで、その場で旋回することができます。


・機動力
 戦車より一歩一歩、歩くのでは遅いことは、いうまでもないでしょう。
 また、翼なしに空を飛ぶのは極めて燃費が悪いので、
 仮に、【ファンタジーを排するのであれば】論外なのは言うまでもありません。
 
 ちなみに、現実にも多脚式クレーンが研究されていますが、
 山林など足場の悪いところでも使えるのが利点であって、
 起伏地の迅速な移動を目的とはしていません。
 少なくとも、砂漠のような平地や、道路なら戦車の方が速いことには変わらないでしょう。

 ただ、ロボットもので見られる解決案としては、パトレイバーでは、
 専用のトラックで現場近くまで運んだり、現場での平地の移動時には足を水平にして地面につけ、
 そこに車輪をつけるという方法がとられています。


・高低差の克服…アンカーとピックによる崖登り
*Chirsさん自身、無理だと仰っているので書く必要はないのかもしれませんが、
 ささやかながら検討したので、そのままにしておきます。

 これに関しては、正直ながら、(機械の)擬人化としかいいようのない発想だと思えます。
 アンカーとピックを使うということは、崖登りを想定してるのでしょうか。
 以下、この想定に沿って考えを進めます。

 崖を上ってる間は、ロボットはそれ以外の動作をすることができないのですから、
 敵の攻撃に対しかなり脆弱になると考えられます。
 登ってる最中に、敵が武装ヘリコプターを使ったり崖下からロケットランチャーを使って攻撃した場合には、
 ロボット側は反撃できません。
 また、事前に崖上に地雷をばらまかれたら、崖上に指を引っ掛けたり、
 崖を登りきって一歩を踏み出したところで爆発するということにもなりかねません。

 こうした点を考えると、敵の裏をかくなどよほど特殊な場面でもない限り、
 わざわざ危険を冒してまでアンカーとピックを使って崖を登るという動作をすることは考えられません。
 レンジャー部隊のようなのは別として、車両・兵器の運用に関しては、
 作戦レベルの発想であれば、崖登りを避ける迂回ルートを使用するでしょうし、
 戦術レベルでは崖のぼりを要しない作戦方面の選択がなされるでしょう。
 もし車両の崖上への垂直移動が必要なら、制圧を優先して予め空挺部隊で敵部隊を排除し、その後、
 ヘリコプターで火器なり車両なり(*追記)を空輸としたほうが、迅速確実であり、
 脆弱さをさらさなくて良いといえるでしょう。

 こうした点を考えますと、そもそも崖を登るという場面自体、
 車両等の機動力の利点を生かせない(どころか脆弱さを現してしまう)行動であるため、
 崖を垂直移動する作戦自体を避けるでしょう。
 また、ロボットを使っても、崖の垂直移動が有利になるとは考え難いです。
 このため、ロボットだから崖を登れる、というのは大きな利点とは考えられません。

*ここで、車両とともにロボットを空輸するのも、一つの考え方なのかもしれません。


・地雷・人型の機動力
 地雷に関しては、赤色さんの指摘のように、広範囲にばらまくのであって、
 車両より有利とは言い難いといえます。
 また、キャタピラと比べ地面に接する面積が狭い分、接地圧が高くなります。
 荒地での機動に関して、戦車より格段に優れているかというと、疑問がないわけではありません。


○その他の観点
・乗り込むパイロット

 今日、特にアメリカでは、味方の人的犠牲の極小化が強く要請されています。
 ソマリアでは数人が犠牲になっただけで、世論の強い声に抗えず撤退しました。
 たしかに、イラクやアフガンのように長期にわたる駐留もあるにはあるのですが……
 
 無人機の研究では、人的犠牲の回避に加え、
 人を乗せるためのスペースをなくすことで機体自体を小型化できる、
 エンジンや機器の配置の融通性の向上という利点も考慮されています。
 現状では、瞬時の対応ができるほどの能力がないということで、無人化は偵察用にとどまっています。
 しかし、最前線の歩兵の代替は無理にしても、車両や航空機を無人化できれば、
 小型化による機動性の向上や被探知性の減少、人的犠牲の政治的コスト、
 あるいは遺族手当てなどの経済的コストの減少など、各種の利点があるとはいえるでしょう。

 "自律行動による瞬時の対応"が可能になれば、
(少なくとも無人兵器調達のための潤沢な予算がある国の軍隊であれば)
 敢えて有人にこだわる理由があるようには思えません。
 ただ、歩兵の柔軟性には勝てないわけであって、
 特に市街戦やレンジャー部隊の作戦(施設制圧など)では、人がいなくなることはないでしょう。
 そういう意味では、無人化の範囲は車両・航空機レベルにとどまるのかもしれません。

*さらに追記。市街戦や占領地警備では、民間人と民兵(?)との区別(攻撃対象の厳密な識別)という、
 極めてデリケートな問題を抱えることになります。
 この点に関しては、コンピューターによる自律判断は危険に過ぎるため、
 人間の役割はなくらならないでしょう。


・義手への応用
 人間の筋力を補強するパワードスーツの類と、
 クレーンなどの重機に近い大型ロボットの「違い」についてなんら言及がないのはどうしてでしょうか。
 疑問の提示だけ行ないます。


○さいごに
 Chirs さんの意見に対し、特に「広範な汎用性」に対する各種の疑問を述べ、
 ほとんど否定する形になってしまいましたが、これは現実の場面を重視しすぎた発想といえます。
 「広範な汎用性」は、ロボットの存在意義として、ロボットモノの作品ではよく聞くものであり、
 これを疑っては、ネタとしての可能性を潰してしまうでしょう。
 ロボットモノを創作したいという人のための参考としては、ちょっと意地の悪い回答といえます。

 小説のネタとしての観点からは、人型ロボットはロマンと割り切って、
 適度にファンタジーを利用して問題点をごまかすなりぼかすなりして、
 かつ"広範な汎用性"などのもっともらしい理由をつければ、それほど気にならないと思います。
 
 *ほかならぬChirsさんさん自身が、
 「(人型ロボット兵器は)兵器としての実用性は無くてもフィクションの題材としての実用性は高い」
 と仰るように、見栄えのよさは随一です。
(電子戦でも、攻殻機動隊のように魅せる方法はあると思いますが)
 そういう意味では、ロボットモノもまた、
 創作らしい嘘のつき方、魅せ方が要求されるのではないかと思います。

 大変冗長になってしまい、失礼しました。
 それでは。


kid.さんからの意見

 ども、ロボットアニメ大好きなkid.です。
 携帯からなので長文は回避。

 確かに現代の科学技術では人型巨大戦術兵器は様々な問題が山積みです。
 戦車やヘリの能力の高さが伺えましょう。
 はっきり言って、人間同士で、地球上で戦っているうちは戦車やヘリで十分なんでしょう。
 しかし人型が有力である事には異論の余地はありません。

 T-52「援竜」をご存知でしょうか?
 株式会社テムザックが開発した、正真正銘人間が搭乗するロボットです。
 外見はパワーシャベルのような操縦席(一人用)にキャタピラーがあり、
 そして2tまで支えられる腕が二本あります。ちなみに遠隔操作も可能。
 これは災害救助用ロボットですが、これにより二本脚はともかく、
 「腕がある」という点の有利さは立証されました。
 二本の別々に操作できる腕があることで、
 「崩れそうな部分を保持しつつ瓦礫を取り除く」といった器用な作業が可能になります。
 それはこと兵器にも同様なのではないでしょうか。


浮世ノ時雨さんからの意見
 こんにちは浮世ノ時雨です。
 気になる記事なので書かせていただきます。

 1ー人型である必要性は皆無です。あれは機械最高技術の象徴であり、
 人のみが持つ理想の型であるだけで実は人型の兵器は対しては利便性は無く意味は無いのです(泣)
 元々環境などにいちいちハードの変化を及ぼす理由は、
 基本的に新しいシステムを作る制作費が馬鹿高いからです。
 だから製作費を減らす為にバージョンアップ、いわゆる移動補助を安い賃金で、
 かつ大量精算出来るようにするために様々な型が作られる訳です(笑)
 ロボにせり車であり基本は金です。

 制作費を大量に投資すればそれなりの環境に特化した機械が出来るだけです。
 だいたいビルクラスの高さの移動出来る洞窟なんてあるかい。
 隠密行動の為に人型ロボを使う必要なんて全くないっての(爆)
 あれは相手も同じロボをもつゆえの前提の話しに過ぎません。
 ミノフスキーみたいにレーダ機能や衛星リンクシステムが、
 何らかの形で使えないのも一つの前提とはなりますが、
 それですら人型兵器を使用する理由には、たいしてならないです。
 
 精神面でなら始めに人型ロボを見たら脅威に感じたでしょう。
 ですが、それが増えれば実は全く意味をなしません。
 現代の核兵器のように技術の流失により各国が防衛の為にロボを作り出したらわかりませんが、
 まあ兵器なら技術者の遊びであり、遥かに巨大殲滅機器を作るより安いからなのでしょう。
 ああ、なんて現実的……。
 政治も軍事も金がかかるんだ罠( ̄▽ ̄)

 続けます。

 2ーこれは主に人が乗る上で何らかの機器に利便性が生じる場合であります。
 先にも話したが資金面で考えれば、人が乗るスペースを欲するより細かな殲滅兵器を搭載する方が、
 人を滅ぼす上では効率が良いのです。
 しかし、あくまで目標を鎮圧、かつ障害物を破壊しないのを目的としてあげるならば、
 パイロットの必要性はあがるでしょう。
 そして、操縦技術がパターン化された量産型よりも秀でるならばパイロットの利便性は高まるでしょう。
 
 各個撃退を主にするなら戦闘機乗りと同じと考えもらって構いません。
 そして登場者の固体ごとに能力が若干変わります。
 まあ、日本帝国の零戦闘機がアメリカのちょいと早い機動性の戦闘機(名前忘れた)に
 負けた歴史がある以上ハードの強さは極めて戦局を左右しますが、
 両者が同じハードの場合は使用者の能力が加算されるのが戦闘レベルですね。 

 また戦術レベルならばこれこそ人間の戦場で養われた感覚を越えるのはないでしょう。
 機械は成長しないカテゴリで考えられ、機能性は極めてパターン化されてます。
 仮に歩兵と同じ機能と等身を持つ無人機械ならば、
 バージョンをあげる際にベースとなるのは選ばれた人間だけでしょうねー( ̄▽ ̄)

 これで最後。
 
 3ー運用面だけを考えるならば、圧倒的破壊工作を主とする場合でしょうか。
 ロボの利便性があるとすれば乗り手の個人の意志で自在に動ける事です。
 これは一つの戦艦に匹敵します。
 また標的になりやすいならば戦闘犠牲者は極めて減り、戦艦を打ち落とす際にも機動性で撹乱、
 最悪ミサイルすらも防ぐ可能性も出ますし、何より軍の士気が上がるのが最大の理由でしょうね。
 まあガキらしく簡単に言えばカッコイイから(笑)
 いえ冗談ではなく、動く巨人ですから戦場では英雄ですよ。
 いればどれだけ頼りになると思いますか。
 
 現代の話しとして軍用ヘリコプターより小回りが聞く機体ならば銃器だけではなく、
 接近戦の格闘を主とすれば人型である理由は高いでしょうね。
 たいてい接近戦武器は防ぐのが不可能なのはこの為です。
 戦艦すら落とせる火器が搭載されていれば戦艦以上の機能性や脅威性があると言えます。
 基本的に戦場でロボを使うのは初期の場合は速攻で戦闘自体を終わらせる為、
 後期は貴重な人材を減らさずに戦いを終わらせるためです。
 
 ロボは何らかの理由を除き人を守る理由が前提となります。
 これは無人であれ有人であれ、戦争を早めに終わらせる理由があったと推測されますが、
 同じ機体の場合、戦術が関係しますからそれだけでは無理。
 結果戦いは泥沼化し長引きますから……
 初期の思想なんざぶっとびなんとも人間くさい話しになるわけです。

 まあ、これらは推測なんで正しいかは知りませんが、
 星滅ぼしたらなんの意味もないのは人である以上わかっているのでしょう。
 争うのは人だけにしてもらいたいね。ロボも人型であっても兵器じゃないっての。
 兵器は人間の他者を踏みにじる欲望の型ですなー( ̄▽ ̄)


流離の転校生さんからの意見
 ガンダムファンでスパロボゲーマーの私の意見を申し上げます。
 人型兵器の「非」実用性については、柳田理科雄氏やトミノ氏自身が度々解説されています。
 人型兵器は戦車に比べ、被弾面積が広く、また、安定性も悪いのです。
(普通に立ってるだけで風で倒れる)
 しかも、操縦は戦車より遥かに複雑です。
 
 つまり「現実」的には兵器を人型にする必然性はほとんどないのです。
 従って人型兵器を登場させるには、それなりの「理論武装」が必要です。
 宇宙世紀のガンダムではミノフスキー粒子にこれを求めています。
 また、人型兵器を大気圏内で単独飛行させるには、相当科学の発達した世界にするべきでしょう。

 ソフト面ではぶっちゃけ人型は戦車、戦闘機より格段に操縦が難しいので、
 リアルに考えるなら制御はすべて、コンピュターがやるのが理想です。
 ただこの場合、コンピュターはToHeartのマルチやセリオ、宇宙をかける少女のレオパルドのように、
 感情(自我)を持ったものが望ましいです。
 別系統でエヴァのダミープラグのような、有機体の脳を使ったコンピュターがあります。
 こちらは哲学的、思想的な話の時に最適です。


三毛招きさんからの意見
1.人型機動兵器の実用性はあるのか

 少なくとも現状では「NO」ですね。
 戦車か航空機で事足ります。
 「技術が発展すれば……」という意見が出ることもありますが、
 技術が発展したならそのリソースを従来の戦車か軍用機に回したほうが効率がいい。

 単純な話、すごいロボット兵器を作れるような技術がある世界なら、
 その分普通の戦車はもっと凄くなっているだろうと。
 軍隊と言うのは基本的に保守的なものです。
 新しいものを導入しました、失敗でした、てへっ☆では済みませんからソレも当然でしょう。
 少なくとも、従来の軍用機や戦車に置き換わる存在になりえるとは思いません。

 「手があることで汎用性が〜」という意見もよく聞きますが、
 その分ハードポイント(兵装装着部分)を増やした方がお得です。
 あるいは一つの兵器になんでも載せられるように
 バクダンやミサイルの装着部分を変えるのもいいでしょうね。
 
 殴り合い? 論外です。精密機械にわざわざやらせることじゃないです。
 工事? 工兵、あるいは専用の土木機械でやったほうがいいです。
 少なくとも戦闘用の兵器にわざわざやらせる必要のある作業ではない。
 工兵が居ない場合? 居ないような戦場になったのがそもそもの間違いです。
 何でも出来る高性能のロボットがあろうとそんな国は戦略的に破綻しているといえるでしょう。
 
 では、どうやったらロボットが(軍事的に)実用化するか、というのを考えると、
 従来にはない新たな使用方法というのがあります。
 航空機は、誕生してたかが100年ほどですが、現代では軍隊にとってなくてはならない存在です。
 では、航空機はどう発展してきたか? 従来の軍艦のような発展方法だったか?
 違います。航空機は最初は「偵察の目」として発展しました。
 上から見下ろすことによって遠くまで確実に戦場を見渡せるというメリットがありました。
 人型兵器を実用化するとしたら、こうした「他の兵器にはない」メリットが必要だと思います。
 そして、残念ながらそのメリットは従来のアニメや漫画では示されていません。
 戦車の代わり、航空機の代わりなら人型兵器が実用化する可能性はありません。

2.乗り込むパイロットは居るべきか居ないべきか

 どちらにしても「必要」だと思います。(少なくとも現在のテクノロジーでは)
 恐らく、人工頭脳のような無人兵器としての人型兵器を考察しているのだと思われます。
 詳しくは「フレーム問題」で調べていただいた方が早いと思います。
 ただし、限定的であれば可能と思われます。
 事実、無人偵察機は存在しますし。

3.人型機動兵器と人間が同じ戦場に立つ合理性
 単一兵器のみでの決戦と言うのはそうそう起こりえないと思います。
 例えば、戦車の代替としての人型兵器があったならば、
 その人型兵器の最大の弱点は恐らく歩兵になります。
 合理性という面で見るならば、人型兵器のみが戦場に立つということのほうが、
 合理性がないといえるでしょう。


Chirsさんからの返信(質問者)
 まだ出てない人型機動兵器の実用の可能性について。
 
 それは単純に相手をビビらせる事です。
 
 フロントミッションオルタナティヴの最初のステージでの歩兵のビビりようはもう……
 直後こっちに射殺されるんだけどね!
 実用性の無さ故に、こんな物作った奴は少なくともまともな人間ではない事だけは確実なんで。
 象徴としての存在感に意味があるという……用はハッタリ的使い方。

 なんか戦車が越えられない壁扱いされてるので勝てる方法を考えてみる。
 武器のサイズ。当然、戦車が積むような武器は無理なので小銃を相応の大きさに拡大した物と仮定する。
 威力。戦車の装甲を貫くのはまず不可能。故に、破壊力を求めるのはまず無駄。
 装甲。人型に防御力を求めるだけ無駄なので排熱性能の高い物をチョイス。
 オプション。まず戦車に近づかないと勝てない。
 なのでできるだけ高性能なジャマーやステルス装備を選ぶ。理想的なのは光学迷彩。
 それと、前に軽く触れた完成制御装置は必須。
 
 結論……なんか、アームドスレイヴっぽくね? 
 ラムダドライバを積めとは言わないでM9ガーンズバックなイメージかな?
 
 戦法。前記の通り射撃武器で装甲を貫くのは無理。だからといって格闘武器を用いるのは論外。
 高周波ブレードやビームサーベルの類があれば話は別だけど、
 それができるならビームライフル使った方が早い。
 でも個人的に実弾派だからビーム系は使わない方向で。
 
 運用。砲塔に取り付ければ一機くらいは潰せるだろうけど、
 コスト的に割に合わないので単機で数十機を撃破した上に生還できないと厳しい。

 そして結論。
 無反動砲と散弾銃と手榴弾なら勝てるのでは?
 無反動砲とは文字通り無反動……だったらよかったんだけど完全ではない。
 でも、相応のサイズの対戦車ロケットなら一発で一機は潰せる。
 射撃武器は無いんじゃなかったのか? だが反動に対して火力が大きい無反動砲は有効ではないかと。

 散弾銃は半分以上趣味だが……連発よりは単発。
 発砲時は跳躍して自機にかかる負荷を極力減らしておこう。
 ついでに、命中時に高熱を発生させる弾丸だと更に有効。
 ついでを言えば散弾銃なら対空性能も高いのでメインウェポンとして使えるかと。

 最後に手榴弾。投げるだけなんだから当然反動なんて無い。
 爆発によるダメージも期待できないのでこちらも熱攻撃重視してナパームグレネードをチョイス。
 と、持っている限りの知識を駆使して、可能な限りオーバーテクノロジーを押さえた上で、
 戦車に戦術的に勝てる人型兵器を考えてみました。
 ポイントは熱攻撃だと思います。装甲を厚くすればするほど排熱効率は下がる訳で、
 その欠点を突ける武器さえあれば勝てるのではないかと。
 
 人型である必要性として、跳躍動作を行う事と、グレネードを投げる為には腕が必要である事。
 グレネードガンを使ってもいいんですが、投げた方が勢いや向きを調整できるし、
 何より反動が無いのでハンドグレネードです。
 投げるだけなら手の構造はかなり簡略化できると思います。
 
 ある程度距離をつめれば戦車が人型機動兵器を補足するのは難しいと思いますよ?
 何せ、視界が狭いですから。
 電子系統のトラブルを発生させる装置なんかもあるとなおいい感じですね。
 広域に無差別なジャミングを仕掛け、連携を絶ち、気付かれず仕留める。
 現実に存在したらまさに”悪夢”のような兵器ですねぇ。
 ……まあ、色々と技術的に難しいのは分かるけどそれなりの説得力のあるアセンブルだといいなぁ。


サッパーさんからの意見
 現実に存在するものであれば話は簡単です。
 例えば「戦車(Battle Tank)」という兵器の長所や短所は、
 専門家や軍事マニアの間で語りつくされています。


 まず「現実」と「空想」の区別をつけましょう。

 現実に存在しない「人型戦闘ロボ」が有効か否かを議論する大前提として、
 「現実世界か空想世界か」の線引きは非常に重要です。


 「現実世界」では、少なくとも近い将来において
 身長10mを超すような巨大人型ロボ兵器が実戦投入される気配はありませんし、
 研究もされていません。
 身長2m未満程度のパワードスーツであれば、実際に軍で研究がなされています。
 また、等身大のASIMO(のさらに高性能化したようなもの)のような民生品を
 軍事転用する可能性もゼロとは言い切れません。


 ここは創作相談用掲示板ですので、扱うのは当然「空想世界」の事として考えます。

 空想世界であれば、身長100mの超巨大人型ロボが活躍しても何ら問題ありません。
 単に活躍している描写をすれば良いだけの話で、
 下手に活躍する理由を定義すると、かえって墓穴を掘ります。

 『ガンダム』では、「ミノフスキー粒子」という架空の物質により
 人型ロボである「モビルスーツ」が成り立っていると説明されますが、
 「現実的な実用性」を考えてしまえば、「ミノフスキー粒子」があろうが無かろうが
 「モビルスーツ」という存在は否定されます。

「人型だと汎用性が高い」
「人型だと地形の走破性が高い」
「人型だと運動性能(旋回性能等)が高い」
「人型(手指がある)だと武器の持ち替えが容易」

 これらの説明は「現実世界」では、全部間違いです。
 しかし「空想世界」なら、これらの説明(それらしい嘘)もありえます。

 この違いをまず認識しなければ、単なる意見の押し付け合いで終わりますし、
 全く建設的な議論にはなりません。


 「空想世界における人型ロボの有用性」というのは、各々の作者が知恵を絞って捻り出すものであって、
 世界の真理として普遍的に存在するものではありません。

 「これこれこういう理由であれば人型ロボは成立する!」というのは、
 その作品内でしか通用しないルールで、
 「現実世界」は勿論、他作品にも適用できるものではありません。


Dr.ウニボンさんからの意見
 ちょっと気になったので。

> コンピュターはToHeartのマルチやセリオ、宇宙をかける少女のレオパルドのように、
 感情(自我)を持ったものが望ましいです。

 兵器に自我持たせちゃうと、色々厄介ですよ。
 まず、感情論から上官の命令に逆らう可能性が出てきます。
 しかもロボットなので、反乱を起こした時は人間より高い能力が仇となり、
 大暴れなんぞされたときは被害拡大が必須。
 どうにか倒したとしても、メンテナンス費は自軍持ち。
 『コンピューターが自我を持った結果、人類に反乱を起こした』という作品は
 「ターミネーター」を初めとして多数存在します。
 無人機というのには賛成ですが、「感情」を搭載させるのには大反対ですね。


バルカンぴじょんさんからの意見
 昔どこかのロボスレで「身長1800メートルのコロニー建設ロボ」とか、
 無茶を言ってた人の思考ルートがようやく理解できました、どうでもいいけど。
 タチコマかわいいよ、タチコマ
(ちなみにタチコマは全長全高二メートル、横幅一メートル程の四足ロボです)

1実用性
 兵器の活躍場所として、陸上、水上、水中、空中、宇宙。が候補として上げられます。
 水中と空中は流体力学がなんたらで、潜水艦や飛行機を使うべきです。
 水上も、船の方がいいでしょう。
 宇宙では人型も使える気がしますが、もはや何型でもいいです、却下。
 たまに地中とか言う人がいます、いました。ドリルマシーンの方が有効だと思います。

 要するに人型兵器は陸上兵器です。足があるという事は地上に立つのは宿命です。

 しかし、平地、砂地に関わらず、地平線まで見えるような場所では、人型兵器は決定的に不利です。
 戦車を使ったほうが強いでしょう。
 可能性があるのは市街戦、建物が障害物となって見通しが悪く、
 狭い道で戦車は方向転換が困難になったりします。
 人型は縦に長くて前面投影面積が…という点を逆に有効活用できる可能性があります。
 他に、ベトナム戦争では米軍は歩行トラックを開発使用としたといううわさがあります。
 つまり山岳地帯や密林なら歩行兵器にも現実味があると本職の軍人も判断したのです。
 二足とは限らないけど。

 タチコマかわいいよ、タチコマ
(ちなみにタチコマは粘着ワイヤーでビル壁上ります。クモだから。
 あの糸って粘着力強すぎじゃね、と思っても大目に見てあげてください。かわいいは正義だから)


 2・乗り込み?
 ああ? それは自分で決めろよ。
 タチコマかわいいよ、タチコマ
(ちなみにタチコマは高度なAIを持ち、乗り込みも可能、2ndGIGでは遠隔操作。全部持ってます)


 3・戦場での合理性
 ああ? それも自分で。

 戦車の装甲ですら貫通するAPASDFがある現状、装甲をどこまで強化するか、
 どこから開き直るか、は悩みどころです。

 武器に関しては、メタルギアを参考にすると、REX月光には腕ないです。
 REYも腕というよりはヒレでした。
 総じて言うと、腕はたぶんいらないです。むしろ邪魔です。

 でもタワーシールドのような物を持った防御ロボ部隊が敵の攻撃を防ぎながら接近し、
 十分近づいたところで近接武器を持ったロボが飛び出す、というのはアリかもしれません。

 どうでもいいけど、最初の質問で前衛部隊が近接攻撃やってるところに後ろから味方のミサイルが、
 って状況としておかしいです。
 現実の戦争では、空爆や対戦車ヘリで破壊し切れなかった戦車を、自軍の戦車で抑えるので。
 近接戦闘が始まる頃まで弾が残ってるとなると、奇襲されたのかもしれません。
 それを想定して対戦車ミサイル百発受けられる装甲……
 どこの世界に奇襲を受ける事を前提で兵器を設計する人がいるのですか?

 タチコマかわいいよ、タチコマ
(ちなみにタチコマは、マシンガンとロケットランチャー。たまにガトリング砲。近接兵器はありません)


高田園子さんからの意見
 現在、アメリカ軍はイラク・アフガンで4000台を超える無人兵器を運用しています。
 すでにアフガンではゲリラによる無人機破壊により作戦に支障をきたす事例が多発しており、
 ゲリラ側もそれを理解して無人機破壊に血道をあげていたりします。
 
 米軍の無人機運用実績は1990年代の東欧内戦以降すでに十年を超過しており、
 対テロ戦争による予算の追加により米軍の無人兵器は洗練の一途をたどっています。
 無人航空機と有人航空機の空中戦もすでに発生していますし、
 無人航空機による対地攻撃は米軍の通常任務レベルになっています。
 そしてこれは、米国一国のことではなく、世界的な流れになっています。
 南オセチア紛争の際に、ロシア軍機がグルジアのUAVを撃墜したのは記憶に新しいです。

 繰り返しになりますが、UAV、UGVといった無人兵器開発は世界的なムーブメントをなしています。
 ウクライナでは無人の地雷処理車の開発をしていますし、
 イスラエルのUAVはクレイジーなデザインが多くて素敵です。
 中国製の無人偵察機のしょぼさは異常。舐めてんのか。
 
 でも、戦力化されているUGVを見ると、ほとんどがキャタピラなんですよね。
 有名なビッグドッグは不整地踏破用の多脚ロボット輸送機械ですが、まだ戦力化されていませんし。
 韓国も軍用多脚無人機開発をしていましたが、韓国だしなぁ。

 1960年代のマン・アンプリファイア計画からこちら、
 米軍には連綿と続く歩兵用パワーアシスト開発の歴史があります。
 今は確か二つのグループが開発競争をしてたかな。
 しかし、あくまでも歩兵の装備重量増加にともなうアシストなので、
 人型機動兵器になる目はないと思いますね。

 あ、一度米軍が人間搭乗型の多脚兵器開発をしていました。
 ベトナムの不整地踏破用他脚兵器で、コンピュータの性能の限界から
 『バランサーとして』人間が必要な兵器です。発想の逆転すごい。

 キャタピラは商標とか突っ込みいれる奴に死を。


 ・肉体のヌートピア ― ロボット、パワード・スーツ、サイボーグの考古学(1997、青弓社)

 永瀬唯先生による人型機械史。
 フィクションと現実、両方の視点から人型機械史をつづった名作。60年代の米軍ロボット開発が熱い。


・軍事研究別冊 『新兵器最前線』シリーズ3
 「戦場革命! 軍用ロボット&先端無人兵器」

 米軍をはじめとした先進各国の無人兵器について。入門用にどうぞ


・Infantry Magagine等むこうの軍事雑誌

 英語読めると世界広がる。対空レーザー砲(実用レベル)とか
 野戦用ネットワークノードモジュールとかイスラエルによる敵対空システムクラッキングとかが熱い。


あしもさんからの意見
 いつもはロム専なのですが面白そうなので書き込みさせていただきます。

1.人型機動兵器の実用性はあるのか
 人間と同サイズ程度なら可能性はあると思います。
 2メートル程度のものに機関銃(5,56〜12,7ミリ)を搭載、
 分隊支援火器の高火力化による重量対策です。
 その他歩兵部隊用の補給物資輸送にも効果的かと。
 ヘリや車両での補給が難しい地理状況において、
 歩兵と同程度の交通インフラで行動できる小型ロボット兵器は意味があるのではないでしょうか。
 つまりはbig dogにミニミをつむようなイメージです。
 ロボコップ登場の逆間接ロボを想像するとわかりやすいかも。

2.乗り込むパイロットは居るべきか居ないべきか
 遠未来以外では無人ですが歩行などの基本動作以外は人間が制御するほうがいいと思います。
 具体的に書くと歩兵一人とペアになり行動。
 ビーコンなりGPSなりで一定の距離を保ちつつ自動で行動。
 火器の照準は歩兵側の小銃と同期。
 米軍の次世代歩兵システムなら、
 小銃のサイトカメラやGPS,PASなど運用のインフラはある程度整ってるはず。
 これならば高度な識別機能を持たなくても誤射等のリスクを増やさずに運用可能です。
 1に書いたような歩く火器としてのロボットならばこれで十分かと。

3.人型機動兵器と人間が同じ戦場に立つ合理性
 1,2を見ればわかるようにロボット自体はただの歩く大型火器です。
 なので1歩兵分隊に1機程度をミックスするといった運用法になるため、当然同じ戦場に立ちます。
 2にあるようにロボットに同伴する歩兵は頭脳と引き金としての役割。

 などなどあと10年程度の技術で考えられるロボット兵器像について書き散らしてみました。
 考えてみたらこれ小説にするにはロマンが足りないですよね…(
 すみません。


和算さんからの意見

 ども、和算です^^
 僕は、ロボットには素人なのですが、参考になりそうな作品とかを列挙してみます(^^ゞ
 
@アニメ
・ガサラキ
 市街地向け人型兵器が出てきます。
 変な要素や変な展開や変な終わり方をしてますが、参考になると思います。
 正式なサブタイトルに、短歌を使っている点も、質問とは無関係ですが、面白いです^^ 

@マンガ
・アフター0 (ゼロ)
 ネタバレになるので詳細は割愛しますが、短編集シリーズです(一部連続モノ有り)。
 人型ロボットを作る画期的?な方法が出ていたり、
 人工知能の問題が扱われていたり、色々と勉強になるシリーズです。
 この人の他の作品も、良い作品が多いのでオススメです^^
 
@ゲーム
・鋼鉄の歌姫
 『Girls Party』という企画の参加作品です。(フリー)
 PAという人型兵器が(少なくともプレイヤーに取っては)メイン兵器です。
 詳しいことは、実際にプレイされた方が分かりやすいと思いますので、割愛します、スミマセン^^;
 まだプレイ途中ですが、個人的には、微調整すれば、商用でも良いんじゃないかと思う位の名作です。
 パーツの種類が豊富で、そういった意味でも参考になります。
 ただ、企画の関係上、百合要素も有るので、苦手な人は注意ですが、誰にでも薦めたい作品です^^
 
 他にも有った気はしますが、今思い出せるのは、この辺りですかね。
 少しでも参考になれば幸いです^^
 それでは、失礼致しました。

萌え・美少女・美形・BLについて
その他・創作上の悩み
世界観・リアリティ・設定についての悩み
タイトル・ネーミングについての悩み
やる気・動機・スランプについての悩み
作家デビュー・作家生活・新人賞・出版業界
上達のためのトレーニング・練習法について
読者の心理・傾向について
使うと危険なネタ?
恋愛・ラブコメについての悩み
ライトノベルについて
文章・描写についての悩み
人称・視点についての悩み
推敲・見直しについての悩み
コラム(創作に役立つ資料)
批評・感想についての悩み
ネットでの作品発表の悩み
ストーリーについての悩み
冒頭・書き出しの悩み
プロットについての悩み
キャラクターについての悩み
主人公についての悩み
セリフについての悩み
オリジナリティ・著作権・感性
テーマについての悩み
二次創作についての悩み

 携帯版サイト・QRコード
  
第4研究室は小説を書く上での質問・悩みをみんなで考え、研究する場です。
質問をされたい方は、創作相談用掲示板よりお願いします。
質問に対する意見も募集します!
投稿されたい方はこちらの意見投稿用メールフォームよりどうぞ。
HOME|  第1| 第2| 第3| 第5| 鍛錬室| 高得点| CG| 一押| 資料| 掲示板|  管理人| 免責| リンク| メール|