第4研究室 創作に関するQ&A 520P | トップへ戻る |
ケロ太さんからの質問 2009年11月
 中高生の好む題材とは?
 
 とある新人賞に応募し、落選しました。
 そのこと自体には納得したのですが、その後送られてきた寸評に気になる指摘がありました。
 要約すると次のとおりです。

 「オリジナリティはあるが、題材が読者(中高生)から遠すぎ、感情移入を阻害する」

 作品内容はファンタジーです。
 「魔王を倒した勇者が、その後なぜか馬になってしまい、元の姿に戻るため四苦八苦する」というもの。
(長編の間に投稿させていただいたので、読まれた方もいるかもしれません)
 舞台がモンゴルとかトルコっぽいところだったり、終盤のバトルが競馬であったり、
 やや王道から外れたきらいはありますが、読者層は意識したつもりだったので、これには面喰らいました。

 前もって言っておきたいのですが、私はこの指摘に反発するわけではありません。
 むしろ、プロを目指すなら読者に合わせるのは当然であり、ぜひともそうしたいと思っています。
 が、いざ書く段になって、こう思ったのです。
 「読者に近い題材ってなんだろう?」

 そもそも上記の「題材」というのが、
 テーマを指すのか世界観を指すのかモチーフを指すのか明記されておらず、
 ああ、これを理解できないのは自分が未熟だからなのだな、と思い保留していました……

 が、私という人間はとことん未熟なようで、半年たった今でもてんで分かりません。
 どうか皆様の助けをいただけますでしょうか。
 質問は以下のとおりです。

○中高生の好む題材とは、何だと思いますか?
 逆にウケない題材は、たとえば何でしょうか?

 テーマでも世界観でもキャラクターでもかまいません。
 男子中高生を想定していますが、
 「女子はこうなんじゃないか」という意見もありましたら、ぜひお願いします。

 どうかよろしくお願いいたします。

追記・
 審査員のコメントに「萌えばかり送られてきて飽き飽きしてる」って書い(以下略


●答え●

ミッチーさんからの意見

 1番はやっぱり恋愛だと思う。

 それに、異能力バトルとかファンタジーなどの、現実にはない、
 ここではないどこかへの憧れみたいなのが続くかんじ。

 逆に興味がないのは、美しく芸術的な文章とか、小難しいテーマの押し付けとかかな。
 アンケートとったわけじゃないけどね。


人形使いさんからの意見

 以下の書き込みの内容は人形使い個人の考えであること、
 及び以下の書き込みの内容には無数の例外が存在するであろう事を、
 まずご理解いただきたいと思います。

 抽象的な言い方になりますが、「中高生の好む題材」というのはズバリ、
 「中高生という立場に近い要素」と言えます。

例1:主人公及びメインキャラの(精神的及び肉体的)年齢、もしくは言動が中高生に近い

 ラノベに限らず、いわゆるジャンプなどの少年漫画を想像してもらえれば分かると思いますが、
 これらの作品の主人公及びメインキャラは大抵中高生と同じ年齢、
 もしくは同じ年齢と思われる言動をしています。
(雑誌の対象年齢が上がっていくごとに作中のキャラのの年齢や言動、
 もしくは社会的立場も上がっていくのは注目すべきことかと)
 これにどういう効果があるかというと、読者がキャラに感情移入しやすくなるという点です。
 15歳の少年は、やはり15歳の少年に一番感情移入しやすいでしょう。

例2:中高生が一般的に持っているであろう願望、欲望が充足できる


 これはもう王道ですね。
 ある日大きな力を手に入れる、いきなり可愛い女の子と出会う、
 突然退屈な日常がひっくり返るような大事件が起こる、などなど。
 
 そもそも小説という娯楽に読者が求めるもののひとつが、「読者の願望の間接的な充足」です。

 一般的な中高生が持つ願望、欲望とはどういうものがを考え、
 それを上手く作中に盛り込むことができれば、
 中高生という年代の読者を強くひきつけることができるでしょう。
 欲望の充足とはすなわち欠損から生じます。
 中高生という年代と他の年代を比較して、欠けているものを探してみましょう。

例3:中高生の身近にある要素をそのまま、もしくは誇張、変形して作中に取り入れる

 これに関しては、中高生という年代層が直接触れるものである必要はありません。
 実際に剣を持ってドラゴンと戦ったことのある中高生なんていませんが、
 ファンタジーもののゲームや小説がこれだけ世に出ていれば、
 彼らにとってドラゴンと戦うというシチュエーションは身近なものです。

 また逆説的に、例2と関連して、
 「中高生は自分たちの身近にないものをこそ求める」という考え方もできます。
 中高生という年代がどういうものに取り巻かれているかということを考えてみましょう。

 ケロ太さんが長編の間に投稿した作品を僕は読んでいないのですが、書き込みの内容から考えると、
 「終盤のバトルが競馬」という点が、例3の側面において外れていると思います。
 競馬というのはあまり中高生という年代の身近にあるものではないと思います。
 もしこの「終盤のバトルが競馬」という点が作品の重要な位置を占めているのであれば、
 ここを上手く改変することで、作品を中高生という年代に近づけることができるのではないでしょうか。


REDさんからの意見

 ケロ太さん、こんばんわ。

 むむ? ケロ太さんくらい高いレベルでも、こういったことを悩むのでしょうか。ちょっと意外だったりして。

>「オリジナリティはあるが、題材が読者(中高生)から遠すぎ、感情移入を阻害する」

 ここには大前提として「レーベルが考える」あるいは「レーベル購入層の」読者から遠すぎる。
 という文字が入っています。
 萌え抜きの段階で遠すぎると判断されたのではないかと。

○中高生の好む題材
 といえば、最も簡単かつ手っ取り早いのは、中高生を主人公にすることでしょう。

 いわゆる等身大、というやつですね。
 この場合も学校を絡ませるようにして、きちんと近しいところを演出したほうがよさそうです。
 よい例がコードギアス。
 あれが戦争や謀略だけの話なら、中高生からは遠く感じることでしょう。
 しかし学園生活を加えることで、一挙に距離を詰めている。
 この手を使っている作品はかなりありますね。
 組み合わせ方でオリジナリティも狙えるはずです。
 恋愛が入ってくればなお良し。

 って感じで、いま書いていたりします(笑)

 ウケない題材。
 時代劇。本格SF。しかも萌がないやつ。



アリスさんからの意見

 こんばんは、アリスです。
 ケロ太さんとはお久しぶりになりますが、覚えてらっしゃらないかもしれませんね(苦笑

 ケロ太さんの仰っている小説(太陽王の蹄の唄ですよね?)を読ませていただいたことがあるので、
 私なりの意見を残させてもらおうと思います。
 その評価シートの通り、私もあの作品はオリジナリティがあったと思います。
 人間が馬になるとか、普通考えつきませんからね; 読んだ時はビックリしました。
 ですが確かに、中高生向きでないという意見も分かります。

 舞台はそんなに気にしなくてもいいと思いますが、一番の原因は競馬ではないでしょうか。
 
 正直、競場というのは賭け事です。
 いえ、ケロ太さんの作品中でそういう黒い印象があったわけではないのですが、
 中高生はそういうことにあまり興味がないのではないでしょうか?
 
 なのであの作品は、馬ではなく別の生き物に変えて、
 競馬というものから切り離すのが良いのではないかな、と。
 ファンタジーという割には、その雰囲気が薄いのですよね。勇者様も勇者っぽくないですしw;
 ですが、これは私見なので最終的な判断はケロ太さんにお任せします;

 それで中高生の好む題材ということですが……人によりけりですけれど、
 私は登場人物なら『何かを頑張っている人』が好きです。熱血君でも、クールな人でも。
 後は、生死に関することとか。
 登場人物たちを美しく描写し、作品で誰かが亡くなってしまう時、
 思いきり泣かせてくれるものは大好きですね。
 ただ死ぬとかではなくて、命の儚さを書いていたり、
 その人がどんな気持ちで亡くなってしまうのか描写されていたり、など。
 ……うわ、完全に自分好みになってる(汗

 ウケない題材については、上の逆パターンですね。

 私の担任が言っていたのですが、
 『登場人物が活きていないと、その作品はつまらない』だそうです。私も同意見でした。
 感動するのが好きな私にとって、
 感情移入できない登場人物の作品を読んでいてもつまらないだけですしね;
 テーマや世界観であれば、あくまで中高生にウケないのは、
 政治の問題だとか虐待だとか、とにかく中年向けのものですかね。少なくとも、私は無理です;

 以上、女子高生であるアリスの意見でした(笑)
 まぁ、男性だろうと女性だろうと、作品が面白ければ良いような気がするのですけどね。
 私はファンタジーかSF(サイエンス・フィクション)しか読まなかったのですが、
 今は結構幅広いジャンルを読めています。
 ……まぁ、下品な小説はごめんなさいなのですが…… (涙
 長くなりましたが、これで終了です。では、この辺りで失礼します。


ぽろろさんからの意見

 ちわっす、ぽろろです。
 作品は未読ですが……。

 中高生が好みそうといえば。

・主人公が中高生。
・主人公がカッコいい。
・主人公がオイシイ思いをしている。


 ……ですかね?
 安易にオイシイ思いしていたり無意味にカッコいい的な描写がある小説は嫌いですが、
 やっぱ主人公というのは読者の思い入れが一番強いであろうキャラです。
 いざと言う時は格好良かったり、人並み以上にオイシイ思いをして
 読者も一緒に楽しみたい物ではないのでしょうか?

 そう考えると、主人公が馬になってしまうのは読者が馬になるのと同じになって、
 小説内でも別段オイシイ思いをした訳でもなく、
 更に言えば頑張って魔王倒した英雄なのに全然報われてない。
 小説としては面白いと思いますが、ラノベとしては……。

 そんな感じで。


。。。さんからの意見

 先日は感想でお世話になりました、。。。です。

○中高生の好む題材とは、何だと思いますか?
 中高生の1人1人の性別や趣味や生活習慣によって個人差がありますので、
 一概には言えないものであると私は考えます。
 特に性別による好みの差異は、読者の好みをひと括りにできなくするものです。
 
 だから私なんかは、ココの掲示板に書き込まれる『自称:中高生の好む題材』も、
 人によってバラバラで統計するのが大変になるんじゃないかなーと予想したりしてw
 それでも、わたしがひとつだけ確信を持って言えるのは、
 ここに書き込まれる中高生が好む題材の全ては『中高生が感情移入できる』ものであるという予想。
 
 中高生の好みはたくさんあれども、小説――
 特にライトノベルには、これがやっぱ必要なんじゃないのかなーとか思います。


○逆にウケない題材は、たとえば何でしょうか?

 あまりにも自分とかけ離れたモノが、作中の主役(メイン)である小説。

 女子高生をターゲットにした45歳の管理職が日々の業務を遂行していく小説や、
 男子中学生を読者層に考えられた43歳の主婦が日々の家事とパートをこなしながら、
 不倫に精をだす小説に、わたしは今まで出会ったことがありません。

 とまあ自分の意見は、こんな感じです。
 ケロ太さんの受賞作が本屋で買える日を楽しみにしていますで、
 どうか焦らずこれからも執筆に励んでください。


魏延さんからの意見

一応高校生なので、僕の意見と僕の周辺の印象を基にしてみます。

・現実と通じる部分がある
 完全に異世界ファンタジー(現実世界と接点や共通点なし)や、
 良くも悪くもファンシーすぎる作品はあんまりウケがよくないですね。
 というか、そういう本を読む人は見なくなりました。

 舞台が異世界だったり現実離れした私立学園だったりしても、
 何か現実世界の問題や仕組みと通じるものを求めたくなります。


 どちらも未読なのですが、
 人気作の「狼と香辛料」は経済、「文学少女」シリーズは文学にスポットが当てられているようです。
 「バッカーノ!」は禁酒法時代のマフィアをネタにした話で、
 「図書館戦争」もその通り図書館のシステムがモチーフ。
 「キノの旅」も人間社会の風刺に取れないこともありません。
 
 その点からすると、競馬というネタは、
 誰しもその存在の大きさは知っているのに、
 僕たちの年代には全く接点がない“オトナの世界”であるため、ネタとしてすごく興味深いです。

 「競馬」を全面に押し出したってかまわないと思います。
 大抵の中高生は、競馬とはどういう仕組みになっていて、
 どうして財産を崩すオトナが大勢いるほど魅力的なのか、知りたいと思っているはずですから。きっと。
 「お前らに競馬のイロハを教えてやる!」
 みたいな(謎)ファンタジー作品なら、個人的には読んでみたいですね。

 何も、主題やネタは現実世界のものから取り上げろ、というわけじゃありませんが、
 その作品の世界の中だけで完結するのではなく、
 現実の風刺や引用やリンクのある作品の方が読みやすいです。
 
 また、世界観や設定にリンクはなくても、
 キャラの人間性や価値観は現代的である方がいいですね。

・恋愛
 あんまり情熱的すぎる恋愛は敬遠されますが、
 ラノベであれば読者が疑似恋愛できるだけの美少女がいれば大丈夫だと思います。
 ただラノベは中高生対象と言えど、ラノベを愛読するのは中高生の中でも少数派にすぎません。
 初めからラノベ読者という限定的な対象に向けて書く場合は気にする必要はありませんが、
 広い意味での中高生を対象とするなら、ロリとか委員長とか巨乳とかツンデレヤンデレといった
 “記号的・属性的な”美少女や萌えは避けるべきです。
 とりわけロリほど好き嫌いのすさまじい属性はないので、注意が必要です。

・戦争、戦闘
 ジャンプでは、人気が落ちてきた作品は強引にバトル展開に持ち込むとか持ち込まないとか。
 特に男子はジャンプ的バトルモノや戦国モノ、武将を好む人が多いため、
 バトルや戦争を盛り込むとウケがいいと思います。
 ただし軍事モノはあまりコアすぎるとかえって求心力を失うので、書くならなるべくライトに、です。

・友情、努力、勝利
 ・・・はお馴染みですけど、こうしたストレートなものにはすごく弱いです。
 これが嫌いな中高生はそうそういないと思います。

・まったり感
 なんだかんだでみんな繊細な部分がありますから、
 それぞれいろんな悩みを抱えています。
 なので、その悩みを忘れさせてくれたり、
 悩みに触れることなく読める話はウケがいいです。
 のんびりした牧歌的な世界観や雰囲気、
 肩の力が抜けるような無気力ゆるゆるな世界観や雰囲気の作品は魅力的です。

・切ない感
 恋人や親友との別れとか死別とか、そういうネタはかなり人気が高いです。
 「辛い・悲しい」といった直接的でネガティブな雰囲気ではなく、
 「切ない」、つまりいくらか透明感のある喪失感、なのがポイント。
 重たく暗い話になってしまうと人を選びますが、
 重たくなりすぎず、かつ切ない話はいいと思います。
 泣けます。

 僕の周辺では
 切なさうんぬんに関係なく、重たい話は苦手という人が多い印象があります。

・イイ話
 不幸な人間のサクセスストーリー、
 人の優しさ温かさありがたさがしみじみ伝わってくるような話は、
 読後が気持ちいいし感動できるのでポイント高いです。
 バッドエンド主義の人もいますが、イイ話には勝てない、というのが僕の感想です。


 いずれにしても、身近さがミソであるのは確かです。

 身近にいる存在、身近に迫る・起こりうる危機や課題、身近な謎や不思議。
 さらに拡大して、
 自分の姿、自分の性格、自分の生活や境遇、
 自分の未来、自分の原風景、自分の夢や理想、
 自分の親友、自分の彼氏彼女、自分の肉親、自分の先輩後輩・目上目下、
 自分の命、自分の死、自分のいる街、自分のいる国、自分のいる世界・・・
 自分の周りしか見えてない、というよりは、
 遠くを見渡すとっかかりがないんだと思います。

 いまや世界のシステムはめちゃくちゃ複雑で、例え知りたいと思っても近寄りがたくなってます。
 だから、自分の視野を少しでも遠くに連れ出してくれる物語を求めるんでしょうかね。
 
 初めから遠くにある物語には興味がもてないんです。
 自分の場所から遠くへ行き、最後は自分のもとへ帰ってくる、
 これが理想じゃないかなぁと思います。


 乱文失礼しました。


響 紅夜さんからの意見

 自分が中高生なので参考になればと思い解答致します。

 やはり王道と言われているものが皆好きだと思います。
 恋愛とか異世界ファンタジーとかだいたい身近にないモノを求めている気がします。
 ケロ太さんの作品設定を見る限り、一番興味を惹かないのは競馬です(個人的にはですが)。
 魔王を倒した勇者が馬になってなぜに競馬? と思います。斬新なアイデアだとは思いますが……。

 あくまで個人的な意見ですので。


ドラキーさんからの意見

 おはようございます。

○中高生の好む題材とは、何だと思いますか?
 剣、槍、銃などでのバトル。競馬は…、うーん、どうなんでしょう。

○逆にウケない題材は、たとえば何でしょうか?
 経済がどうとか、政治がどうとか。

 個人的な意見ばかり書きました。すみません。


REDさんからの意見

 ケロ太さん、こんにちわ。

 一次、一次はさすがに信じがたいですね。
 送ったレーベルがレーベルだけに、そちら基準で選考されたのかもしれませんが。
 批評でも書きましたが、ケロ太さんの女性キャラはどこか根っこが男っぽい感じを受けますから。
 うーん、ガガガとかのほうが、まだ近くありませんか?

>「萌えばかり送られてきて飽き飽きしてる」

 それはきっと「ありきたりな」という文が隠されているにちがいない。
 ただ、時代の循環というのもありますから、
 クールでカッコいいヒーローなんかも新鮮な魅力が出てくるかもしれませんね。

 競馬というテーマにいろいろ意見が出ていますが、私は問題ないと思います。
 現実問題として、少年漫画にマキバオー(これはギャグですが)や、
 シルフィードといったヒット作があるからです。シルフィードはけっこう本格派でしたね。
 また競艇マンガのモンキーターンも人気があります。

 ただ、これらを見るに、書くにあたって読者から遠いことは認識しているのだと思います。
 だからモンキーターンの主人公は登場時高校生ですし、シルフィードは中学生だったかな?
 そして、これら主人公を通して特殊な分野に導く工夫を徹底してやっています。
 とくにモンキーターンは細かい。なんだか競艇通になってしまいそうな錯覚さえ覚えます。

 特殊なテーマは読者を導き、近く感じさせてしまう工夫が必要なのではないかと。
 まずこうした部分が欠けていないでしょうか(小説では枚数の問題からやりにくいのですが)。


 実はこれ、私がまえに指摘されたことだったりするのですけどね。
 野球をベースにした特殊スポーツをテーマにしたので、紹介は最小限でいいと思っていたのですが、
 ラノベ読者は野球からしてよくわからないと。
 だから初心者を加えて読者を導くとか、なんらか工夫をしたほうがよいだろうと。
 たしかにそのとおりで、いまネタを徹底して練り直しているところです。

 つぎに、異世界というのはそれだけで読者から遠い分野です。
 これ自体が読者が近く感じる工夫が必要なのですが、異世界+特殊な分野。
 では、二重に遠くなってしまうのではないかと。

 こうした意味で「読者から遠い」と判断されたのかもしれません。


ガタックさんからの意見

 「太陽王の蹄の唄」は私も拝読させていただきました。
 多分、あれから改稿されて応募されたとは思いますが。

 他の方のご意見を読ませていただいて、私なりに感じたことを書かせていただきます。


 競馬についてなのですが、REDさんと同じで私もそれ自体は悪いものとは思いません。
 少年誌で競馬を取り扱ったマンガはたくさんありますから、
 中高生が理解できないことはないと私自身は考えています。

 ただ、「太陽王〜」で書かれていた競馬は、
 現代の日本で行われている競馬からはちょっとかけ離れているものでしたよね。
 確か騎手同士が直接手を出し合う展開だったと思うのですが。
 ファンタジーという異世界の中で競馬を取り扱い、
 さらには中高生が多分見たこともない格闘競馬となると、
 それは確かに読者から遠いといわれても仕方がないのかなぁと思う次第です。

 感想で私は「楽しそうな素材がたくさんあるのに、それらが生かされていない」
 と書いたように記憶してます。
 主人公が元勇者、馬に転生、跨る美女(ぁ)、虫に転生しちゃった魔女、美女と一緒にレース……
 と、個々を見ればそれはそれで決して嫌われる題材ではないと思うのですが、
 ちょっとしたズレが、題材を組み合わせていくうちに大きくなってしまったのかなとも思います。

 作品自体の完成度は結構高かったと思うだけに、
 そういうふうな評価を受けてしまわれるとは、私も残念に思います。
 そして私も他人事ではない気が……(汗
 中高生から遠い題材……orz
 自分も気をつけねば。

 少しでも参考になれば幸いです。


されど女さんからの意見

 まず、「当世気質の中高生の好む題材」は私にもわかりません。すみません。

 自分がその年代の頃には、エログロ系の話と、晴れ晴れとした話の両極端を求めていました。
 自分の居る世界が、平凡で生ぬるいと感じていたからでしょう。
 刺激的で瞠目するような、心洗われるような、そういう話が好みでした。
 両者が揃っていたら言うことはありません。
 わりと十代にはありがちな好みだと思うのですが、どうでしょう。


 ほとんど役に立たないかもしれませんが、ケロ太さんの作品を読んで思ったことを書きます。

 ドルフィンズだけ拝読しています。爽快なライブ感、とても面白かったです。
 一次落ちとは信じられません。
 よくわかりませんが「そりゃレーベルカラーと合ってないんだ!」と言いたくなります。

 一方前作は、確か冒頭の口語調(?)で挫折した記憶があります。
 読み返していないのでおぼろな記憶になりますが、
 少々物語に入っていきにくいと感じたのだと思います。

 「馬になった勇者が、元の姿に戻るため四苦八苦する」という話だそうですが、
 これはラノベの読者層にはぴんと来にくいと思います。
 
 読み手はまだ勇者になったことがないどころか何者にもなったことがない状態だからです。
 
 勇者経験済みとか、挫折したとか、勇者以外が面白くなったとか、
 とにかくその地点に行ってからではないと、「戻ろうとする」感覚は乗っていけないでしょう。
 
 中高生向きの物語的には、まず目の前のゴール地点を目指す方が良いのではないでしょうか。

 (「ヒーローになる」でも「美少女獲得」でも「世界の意味を垣間見る」でも)
 ケロ太さんの作品の場合は、そこを通過点にしてしまっているような気がします。
 ゲームで言ったら、「二周目以降」です。

 ドルフィンズにしても面白かったのですが、
 物語の視点が沢村さん(でしたっけ)の位置のような気がします。
 ロロちゃんや美海ちゃんの存在や成長は素敵ですが、
 「二周目の人の一周目の振り返り」という余裕の書き様になっています。
 
 ラノベなら、手を変え品を変えあくまで「一周目」として工夫を凝らす必要があるかもしれません。
 
 というわけで、どうも題材が問題ではなさそうな気がします。
 個人的には着想とか作風とか呼びたいのですが、それは今の年齢だから、かもしれません。

 想像とこじつけだけで書いてしまってすみません。
 作品は間違いなく面白いと思います。
 私がケロ太さんなら、「これ以上どうしろってんだ」と言いたくなりますね。
 今後のご活躍を期待しております。


REDさんからの意見

 ケロ太さん、こんにちわ。

> それじゃ君だけの物語を待ってるぜみたいな文言はなんだったのかと

 ふっ、それはしょせん「キャッチコピー」なのだぁ。
 個性個性個性個性と二言目には個性というくせに、
 デビューした作家にはべったべったな売れ線を(以下自粛)。


> ……太陽王はともかく、ちょんまげドルフィンズでは工夫したつもりだったんですけどねー。
 まずはジェットで海を走る爽快感から入ってもらって、その次に勝負にかける態度を、という感じで。

 爽快感から入るのはよかったと思います。
 しかしモンキーターンやシルフィードの場合、
 次の段階は「競馬の世界」や「競艇の世界」に主人公を通じて読者を誘うというものでした。
 どちらも選手養成学校に入り、徐々に主人公自体の学習に合わせて読者も学ぶという形ですね。
 ただこれ、連載漫画だから可能だなのですけど。

 しかし、それでも「特殊な世界」に対する招待がないことには、
 読者は入っていきにくいんじゃないですかね。
 ある意味、たとえば競馬の世界なり競艇の世界なりを「異世界」と捉えて、
 異世界移転ものの主人公が世界を知っていくような感覚で書くといいのかも。
 ああ、ネタに加えておこう。

> 読者って、こっちの想像以上にモノを知らない。
 いや、別に悪口じゃなくて、そういう読者にこそ合わせないといけない、ってことなんですよね。


 そうなんですよね。初っぱなに鋼鉄製のボールを時速三百キロで投げるシーンを入れて、
 普通じゃないと思ってもらえなかった痛恨の経験が。
 普通なら150kmでも凄すぎる。ということを知らなければ、比較のしようもないわけで。
 うまく書くにはかなりの工夫が必要になるなと思い知らされました。


MIDOさんからの意見

 ようやく改稿終わったよ……。
 こんにちは、MIDOです。プリンタが調子悪くて紙詰まりばっかおこしていました。
 そんなことだけで「この作品一次も通らないかもしれない……」とネガティブになるわたしっていったい。

 愚痴はともかく、本題に……。

>「オリジナリティはあるが、題材が読者(中高生)から遠すぎ、感情移入を阻害する」
 えー! あの作品燃えるところもあっておもしろかったのにそんな評価!?
 厳しいなぁ評価シート……と、評価シートが送られる賞に応募したことないので、純粋に驚きでした。
 感情移入を阻害する、か。なんでしょうね。
 馬になっちゃったから会話ができなくて、それが弊害になったというのもあるのでしょうか? 
 一人称小説としてすごく完成していた気がするのですが。

 「競馬」が中高生から離れているんじゃないか、という意見がありましたが、わたしはそうは思いません。
 今回は主人公が馬になっちゃったということで競馬でしたが、他のファンタジー作品を見てみれば、
 賞金を懸けて戦う武闘や剣闘といった大会はいっぱいありますし、お祭りにはつきもの。
 金が絡むと必然的に燃えますし、世界観を考える上でも上手い舞台設定だったと思います。
 騎手の女の子相手にむさい男どもが卑怯な手を使って蹴落とそうとしたのはムカつきましたけどね。
 わたしが女性だからそう思うのかも知れませんが。

 どちらかというと若者向きじゃない、と思ったのは、全体的にシビアな雰囲気だからでしょうか。
 ヒロインの女の子は頑なすぎて一貫して暗い性格だったし、
 強すぎるゆえに弱いところを見せるところが少なく魅力が半減、という感じでもありましたし。
 彼女の目的も村人に伏せられていることで、ずっと険悪な雰囲気が続いていた覚えがあります。
 癒し系キャラである朝青龍くんも、なんていうか、
 おろおろしてばっかりで雰囲気を和らげる感じじゃなかったんですよね。

 全体的に硬質、という雰囲気で、
 それが中高生にはリラックス効果を与えないんじゃないかな、と思いました。

 あと、主人公が最後背中を向けて去っていく、というのも、あんまり夢がなかったかも。
 ひどい言い方ですが、リアリティに固執しすぎた、という感じです。


 四苦八苦したはいいが、親友だと思ったやつに裏切られたりしていますし、
 恋愛が実るわけでもなくただ去っていく……

 これでは、主人公に感情移入していた読者が
 「あー! カタルシス感じたぜ! よかったぜ主人公君!」とにこにこすることはないかな、と思います。
 上から目線の意見ですいません……。

>中高生の好む題材とは、何だと思いますか?

 夢があること。現実から離れられること。

 んー、なんというか、自分が中高校生の頃、ラノベに求めていたのがそういう思いだったんですよね。
 中学生の頃は部活も委員会も頑張っていて、友達とも仲良くて優等生やっていたんですが、
 そういうのに疲れてしまうことがあって。
 もっとそんな日常を彩ってくれるなにかがほしい、と渇望していました。
 だから自分でも漫画や小説を書いて、まったく現実感のないファンタジーを追求していきました。

 高校の頃は逆に友達がいなくて(苦笑)
 毎日つまんないなー、という思いを打破したくて小説を書いていましたね。
 やっぱりファンタジーばっかり。

 とにかく現実を癒してくれるなにかをラノベに求めていました。

 今でも変わらないですけどね。現実からは得られないなにかがほしくて、小説を読む。書く。
 でまた、中高生って多感な時期だから、
 そういうのを読むと自然と気分が高揚したり感動したりするじゃないですか。
 名作を読んで「自分も小説書いてみたいー!」と思うのも同じだと思います。
 そんな、現実からちょっと距離を置けるようなもの、そういうのが好まれるんじゃないかな、と思いますね。

>逆にウケない題材は、たとえば何でしょうか?
 現実に即しすぎた話でしょうね。

 中高生ならば。対象年齢が高ければ、島耕作のようなものも流行るでしょうが、
 中高生のときから現実を見据えた作品なんてあんまり読みたくないです(笑)
 もちろん好きな方もいらっしゃいますが、現実について考えさせられる作品よりかは、
 現実からちょっと休憩できる作品のほうが読みたいですね。まだまだ子供だなぁ。

 ま、とりあえず当時女子高生だった人間の意見として、参考になればと思います。
 コメントは以上です。


サイラスさんからの意見

 もう、高校ではありませんが、アドバイスを……
 多くの方と被るかもしれませんが、浮かぶのは、こんな感じです。

1・設定が、読者に近い。
2・読者が作品の世界を想像しやすい。
3・地の文に哲学的要素が適量。


 1については、多くの方が語っていますが、やはり、自分たちに近い年齢や境遇ほど、
 共感や感情移入をしやすいと思います。
 どんなに作品が良くても、読者に共感されなきゃ、意味ありません。
 
 2は、1に似ていますが、読者が頭の中で映像化しやすいもの。
 大体、日常生活に近いもの(学園もの)や王道が多いです。
 
 3は、これは、ラノベ読みとしての経験ですが、
 どこか、へぇと読者に言わせるような哲学的な地の文の量が適量なのが、いいように思われます。

 こんな感じになると、思います。
 では。 


胡桃栗鼠さんからの意見

 こんばんは。胡桃栗鼠です。
 一応私も女子中学生の1人という事で中高生の好む題材というのを考えてみました。
 私は自他認める人とは感性が違う人間ですので、「これはおかしいだろ」と思う事があるかもしれません。
 その事を御承知の上お読み下さい。

 まず、1つ目は恋愛だと思います。

 特に女子。
 少女漫画の方が恋愛主体が多いと思うので。
 私はそこまで興味無いですが……。
 
 そして、バトルです。

 特に男子。
 こっちは少年漫画の方が多いですね。
 でも、私はこっちの方が好きですね。
 ここら辺は他の方が既に挙げられいると思います。

 あとは、スポーツとかですかね?
 少年漫画にもよくありますし、少女漫画にもありますよね。
 最後に、BLなんかは主に10代向けだと思いますので、中高生に好まれてると一応思います。
 でも、このジャンルは特に読みたくない人は読みたくないと思うので、
 そこら辺は注意した方がいいと思います。
 (文章が上から目線になっていてすみません。)

 ほとんど漫画で考えてしまったので小説だとちょっと違うかもしれませんが、参考になれば嬉しいです。


とるとるさんからの意見

 こんにちは。

> ○中高生の好む題材とは、何だと思いますか?
>  逆にウケない題材は、たとえば何でしょうか?


 まず、「難しいそうな題材」を選んでよく書いたなぁと思いました。すばらしいと思います。
 さて、先にコメントされた方々もおられる通り、「バトルが競馬だからだめ」ということはないと思いますよ。

 寸評の指摘している「題材」とは、思うにテーマや世界観、
 さらには文体なども含めた総合的なことを言っているのだと思います。

 そして、(そこで)主人公に感情移入できなかったということでしょう。

 作品を読んではおりませんが、(どんな世界観でも)「元の姿に戻ろうと四苦八苦する」というのが、
 そもそもあまり前向きな題材ではないですから、
 スタート地点に問題があったのかな、という気もしました。

※逆に言えば、まさに難しい題材を選んでよく書いたなァと感心しましたよ。

 例えば、大御所・富士見書房の受賞作品を参考にすると、
 「七人の武器屋」だったり、「量産型はダテじゃない」だったりは、
 それぞれ「友情」や「努力・根性」というテーマが明確で、熱く訴えてくるものがあるのですが、
 そういった部分が欠けているのでは、というのが第一感です。

※上記の二作品は(最初の方の作品しか読んでいませんが)恋愛要素の類は、
 ほとんどなかったように記憶しています。

 今抱えている悩みを乗り越えられれば、貴君はひと皮剥けると思います。頑張ってください。


バルカンぴじょんさんからの意見

 検索したら高得点入りしてるじゃないですか。
 贅沢な悩み……と思ったけど新人賞で落ちたら意味ないか。
 小説の方は、さらっと読んで見たけど楽しめました。

>とある新人賞に応募し、落選しました。
 伏せても向こうにMFって書いてあるからあんま意味ないっす。

 ええと、「中高生の好む題材とは?」に対する回答は既に出揃ってる感があるんで、
 MF対策特化で攻めようと思います。

 ケロ太さんの小説のよい点
・少年が、少女の幸せのために全力で戦うストーリー
 この一点に尽きます。いい話だと思います。

 そして悪い点
・主人公が馬! 中身は人間だが、序章と終章を除けば、最初から最後まで馬!

 インパクトあるんだけど、なんつーか……普通、応募する前に気づかないのかな?
 これはインパクトを通り越して、「無理」です。

 でもそこを否定したら話が成立しない? ええ、それは「受賞後推敲の段階で直せない」と言う事です。
 つまり「致命的な欠陥」です。
 だから三次落ちなんです。
(逆に言うと、一次二次の人は「この欠点を覆せるだけの何かがある!……といいなぁ」
 と思ったから上に上げてくれたのではないかと)

 さらにもう一つ、ラノベ的な意味での欠点
・ヒロインが別の男とくっついて腹ボテ

 ラノベは間口が広いとは言え、これはちょっと……
 前後の展開からして、なんかこうなるだろうな、とは思っていたけど、
 実際に見せつけられるとダメージは少なくないです。
 つーか、深読みすると魔女のバアさんが死んだ時にこの二人ギシアンやってたんじゃねーの?

 では、大事な部分を失わないまま、MF向けに設定を変えてみましょう。

 主人公は人間のまま、ヒロインの前にワープする
 主人公はヒロインに乱暴に扱われて反発しながらも調教されてしまうドM
 ヒロインを助けるために命がけの活躍をする
 最終的に、主人公とヒロインが恋に落ちる、ドルジは弟かなんかって事で

 これなら表面的な問題が解決されると思います。

 そしてあなたの評価シートにはこう書かれるのでしょう。
 「物語の基礎となる設定が既存作品に類似しています」
 ゼロ魔……


雷徒さんからの意見

 どうもこんばんは、未熟者雷徒です。
 
 中高生にウケる。
 単純に考えたら少年マンガみたいな友情や愛の力で敵に打ち勝つ熱血バトルもの、
 になっちゃうんですが。
 デスノートがウケたんですよねぇ。かなり路線違うと思うのに。

 思うのは「カッコいい」ものや「強い」ものは、中高生くらいまでは憧れるんじゃないかと思います。
 「カッコいい」と一言で言ってもいろいろあるんですけど。
 とにかく、中高生にとっての夢というか、理想みたいな
 「有り得ないけど憧れる」ものはウケるんだと思います。

 ただ、中高生は小学生よりも成長しているので単純な勧善懲悪ヒーローものより、
 敵味方の心情が絡み合うようなもののほうがいいのでしょうけど。


 ケロ太さんの作品を読んだわけではないのですが、私は面白そうな題材だと思います。
 ただ中高生から見たらいきなり馬になってる主人公には憧れられないんじゃないでしょうか?
 あいや、人間に戻るまでの過程によっては憧れるでしょうし、
 ギャグならギャグでおもしろおかしければ笑ってもらえるかもしれませんけど。
 最初にあらすじを読んで、そこに中高生が興味を抱くかと言えば、微妙なのかもしれません。
 中高生読者にはとっつきにくい題材だと判断されたのかと思います。

 実際、世の中読んでみれば面白いのに、あまり手が伸びない作品ってありますし。
 第一印象も大事なんじゃないかと。

 偉そうなこと言いやがって申し訳ありません。
 役に立てればこれ幸いなのですが。


パラジウムさんからの意見

 こんばんは。時たま書き込むパラジウムです。
 皆様が多々、要素を挙げているので、ちと蛇足になるかな? とも思いますが、
 こんな考え方もありますよ? という事で、少し概念的な答え方をしますね。

 まずは大前提です。

 題材自体に、読み手を引き込む力があったとしても、面白いと感じ得るのは、
 その物語が辿った軌跡、描かれている展開、つまりは小説という『作品』です。

 この段階で題材とは、単純な『ジャンル』としての意味だと思ってください。
 ロボットモノ、SFモノ、恋愛、スポーツ、あるいは政治、戦争、歴史、ホラー。
 様々ありますが、それだけで感情移入を阻害する、という事はまずありませんよね?
 個人的な好き嫌いはあるでしょうが、題材からしてNG、にはならないと思います。

 次に、世界観とキャラ。

 中高生に限らず、高年齢層においても、共感を得られる存在というのは、自身に近いキャラです。
 単純に年齢が近い。同じような趣味を持っている。同じような家庭環境。過去の経験が似通う。等等。
 私たち自身が、初対面の方に対して、共感できる時。
 大体はそういう、同じ苦悩、同じ喜びを分かち合える存在ではないでしょうか? 
 それは小説にも言えますよね。
 作品の対象を中高生とするのならば、自ずと答えは見えてくると思います。

 最後に、展開。

 読み手が望む、展開って何でしょう?
 その物語において、読み手の方がキャラとシンクロできたのならば、こうあって欲しいと願う結末です。
 苦労の末に、成功。葛藤の末に、解決。確執の末に、和解。
 およそ求められているのは、辛い現状を打破する、指針ともなるべき、
 それぞれのキャラクターが導き出す『答え』です。

 中高生が持つ悩み……
 受験、友人関係、親子関係、恋愛、スポーツ、生と死、大体はそういう事ですよね?
 そういう事柄以外の、局地的な問題を提起しましたら、受け入れられるのはムズカシイと思います。
 ……もし狙った層に対して、最初から共感できないとのリアクションを得たのならば、その作品が、
 いわゆる作者の独りよがり、という事なんじゃないですかね?

 色々書きましたが、一応。
 ギャグ、コメディ作品となるモノは除外して考えています。そっちはそっちで、また毛色が違いますから。
 具体的な例を挙げていないので、伝わるか微妙ですが、私はこんな感じで考えています。
 何となくの参考にでも、なって頂ければ幸いですね。ではでは、失礼いたします……っと。


Unknownさんからの意見

 感情移入を阻害する要因をクリアしていく方が良いのでは?
 私は、ケロ太さんの作品を読んでいるわけではないので、想像でしか意見を述べることができませんが、
 主人公が馬になった理由、主人公が馬であり続けることの必要性が欠けていたのではないでしょうか。

 中高生が主人公の立場に立たされて、馬になることを得心することができれば、
 題材が遠かろうが関係ないように思います。


 と言いますのも、私は中1のころに同じように主人公が動物の姿になるといった小説を読んで、
 その主人公に充分感情移入できたためです。

 その作品は、ジャンルはSF物で「火星人先史」という小説でした。
 内容的には「歴戦の特殊工作員が、火星での武装蜂起鎮圧のためカンガルーになってしまい、
 作戦を遂行し元の姿に戻るため四苦八苦する」といったものでした。
 これなんか、舞台は火星で、更にカンガルーになってしまうといった、
 中高生どころか普通の人でも感情移入できないような設定でしたが、
 不思議と納得して話に付いていけました。

 ウケる、ウケないは時代の流れで変わってきます。
 審査を幾つかクリアした文章力に読者を物語に引き込む具体的な説得力のようなものがあれば、
 物書きとして鬼になんとやら……と思いますよ。

 当然、私にはそんなものありませんがね……


楓さんからの意見

 どもども、楓です

 個人的に、ファンタジーというのは中高生受けしそうですが、
 中高生である自分としては、主人公が馬になるというのがあんまり面白くなさそうかなと。

 あらすじはそこから話を膨らませ、読書意欲(とでもいうんでしょうか)を湧かせるのがその役割なので、
 あまり奇抜すぎて話が読者の中で膨らませられないのでは設定として失敗なのではと思います。

 それと、中高生は基本的に主人公に感情移入して読むと思うので、
 主人公が馬になってしまうのでは感情移入がし辛いのだと思います。

 主人公を、ではなくヒロインを、のほうがよかったかもしれません。

 中高生の望む題材は、やはり学園モノが一番だと思います。
 ハルヒのヒットもありますし、中高生がメインターゲットのラノベに一番多いのは学園モノですからね。
 そこに恋愛を加えるのが一番ベターでしょう。

 とはいえ、それ自体はもう使い古されているため、やはり目立つのは難しいと思います。
(ソースは思い出せませんが、新人賞に送られてくる多くはファンタジーか学園ラブコメらしいです)。

 しかし、逆を言えばそのどちらか二つの題材を使って目立てれば、受賞の可能性もかなり大きくなります。

 受けない題材は、やはり中高生が体験できないものではないでしょうか。
 競馬は中高生ができないですし、なにに注目していいかわからず面白くないと思います。
 とはいえ、中高生が体験できないものは必ずしも感情移入できないのかといえば、そうでもありません。
 中高生だけでなく、人間はすべて興味のあるものと、世界観にあったものなら感情移入できるのです。

 つまり、ファンタジーなら魔法戦や真剣勝負などです。
 しかし競馬は、ファンタジーの世界観にあってないですし、やはり中高生で興味のある人は少数でしょう。
 つまり、あまり読者をひきつけられない展開だったのだと思います。

 ちなみに、女子は守ってあげたいと思うキャラクターが好きな方、
 守りたいと思うキャラクターが好きな方がけっこう多いようです。
 あまりよくわかりませんが、多分俺様キャラだがたまに弱みを見せる。
 みたいなキャラクターが受けるのかもしれませんね


胡桃栗鼠さんからの意見

 しかし、バトルと恋愛ばかりで飽きたりしないんでしょうか?

 多分、魅力的なキャラと面白いストーリーでカバーすれば……。
 って、それが難しいんですよね……。

 でも、ラノベではスポーツは受けない、という定説があるそうで、
 バトルと恋愛以外の物を書くのは難しいです。



ケロ太さんからの返信(質問者)
> 作品を読んではおりませんが、(どんな世界観でも)「元の姿に戻ろうと四苦八苦する」というのが、
 そもそもあまり前向きな題材ではないですから、スタート地点に問題があったのかな、という気もしました。


 これについて衝撃を受けたので、質問させてください。
 私が「元に姿に戻る」をスタートにしたのは、主人公に大きな動機を与えるためです。
 誰だって自分が馬の姿なんかに、というか自分以外の誰かになったら、
 まずは元に戻りたいと思いますよね。今のままでいいや、と思う人はいませんよね。
 それって、強烈な欲求になると思うんです。

 実際、こういう手法をとっている作品はたくさんあります。

 「鋼の錬金術師」のエルリック兄弟は元の肉体を取り戻そうと奮闘します。
 「名探偵コナン」のコナンは、子供の姿から元に戻ることを目的としています。
 それは後ろ向きな理由なのでしょうか?

 いや、とるとるさんの意見に文句をつけているわけではないんです。ただ知りたいんです。
 「欠損の補完」「日常への回帰」が目的として良くないのか。
 そうだとして、一体どうすれば前向きになるのか。

 お手数でなければ、ご回答お願いできますでしょうか。


とるとるさんからの意見
 こんにちは。
 おっしゃる通りだと思います。
 自分がある日、馬になっていたら、必死で人間に戻ろうとすると思います(笑)

> 実際、こういう手法をとっている作品はたくさんあります。

 はい。古くは口伝による神話からあるでしょう。
 ギリシャ神話などはまさしくその典型です。
 当然、中世から近代にかけても、古今東西の民話や童話などに数多の作品があります。

 ただ、「鋼の錬金術師」はわかりませんが、「名探偵コナン」で言えば、
 (漫画もアニメも部分的にしか知りませんが)
 コナン君が子供になってしまうのは、あくまで「設定のひとつ」でしょう。

 元に戻ることは「あくまでコナン君のテーマ」であって、
 「青山先生が描きたいテーマ」ではないですよね?

 青山先生は、子供になってしまうというハンデを背負いながらも、勇気と知恵でそれを補い、
 悪(犯人)と戦って、ヒロインである毛利蘭や仲間たちを見守る(愛する)、
 ということを描きたいのではないでしょうか?

 先に述べた古今東西の物語も大きく二種に大別されます。

A:なんらかの罰(ペナルティ)として変身してしまう→善をなすことによって元に戻る。
B:悪(悪魔や魔女が多い)に変身させられてしまう→勇気と知恵で悪を倒して元に戻る。


 Aは説諭で、Bは勧善懲悪の物語です。

 さて、

 >「欠損の補完」「日常への回帰」が目的として良くないのか。
 > そうだとして、一体どうすれば前向きになるのか。


 自民党が「官僚制、派閥政治への回帰」を目指したら、来期の参院選で勝てるとはとても思えません。
 それは冗談ですが、名探偵コナンが、「大人に戻るために悪と戦う物語」だったら、
 これほど支持を得られたかというと疑問ですね。

 一例ですが、(同じように考えると)馬となった主人公が、
 馬ながらもヒロインのために悪と戦う物語はいかがでしょう?

 ヒロインを護るため、人間に戻ることをあきらめて「天馬を目指す物語」なんてのはどうでしょうか?(笑)


ケロ太さんからの返信(質問者)
 しかし、今思ったんですけど、コナンてすごいですね。
 子供になってしまうというのは設定上ハンデに違いなんですけど、
 それと同時に、視聴者に優越感を与えるギミックになってる。
 小学生の視聴者があれを見たら、
 「俺、子供なのにすごい頭脳持ってるよ! 大人たちを打ち負かしてるよ!」と思うわけで。
 そりゃ気持ちいいわ。

 ハンデを背負わされることが、ある面で武器になる――というのは、うーん、盗むべき技術ですね。

 ……って、以上チラシの裏です。ハイ。すみません。


hiroさんからの意見
>中学生が好む題材
 自分は高校生なので、身の回りのことを。。
 今の中高生は結構、エグイホラー系が好みです。(偏りがあるのかな?)
 すくなくとも、僕のクラスの四分の一程度は朝読の時間、山田悠介の小説を読んでます。
 僕もたまに読むんですが、結構エグイ内容が多いですよね。
 参考までに友達に聞いてみたところ、そこが面白いんだそうです。


ユキさんからの意見
 こんにちは。
 えーっと、その小説を読んでいない(ごめんなさい)んですが、

 たぶん・・・あの、競馬って、中高生は知りませんよね?

 知らないといっても、例えばマフィアとかのことだって普通は知りません。(当然ですね;)
 しかし、だからこそ、想像がいろいろできるし、
 かっこいいっていうイメージがあると思うんです。
 つまり、憧れです。

 でも、競馬などに憧れている人は少ないと思うんです。
 少なくとも私は・・・・・

 好む題材には、憧れ要素が強いと思います。
 また例えばなんですが、『なかよし』とか『ちゃお』とか、少女マンガってターゲットは小学生。
 ですがストーリーは中高生が主役です。
 それも、また、憧れだと思うんです。
 私はやっぱり魔法とか妖精に憧れてしまいます///
 選ぶときもそういう作品を選びます。。。

 ちなみに、女子の私から言わせていただくと、
 馬ってなんか可愛くないイメージなんです;

 なんだかずれたことを言っていたらすいません。
 頑張ってください!


ダチョウさんからの意見
 こういうのはケースバイケースな気がします。
 正解を探すよりは、不正解を潰す方がアプローチとしては正しいような気もしますが、
 とりあえず僕の考えだけで書くと、

 「渇きを満たす」題材

 これじゃないですかね。
 やはり小説を読む人ってのは、何かしら満たされないものがあると思うわけです。
 その渇きに気づけて、それを満たす何かを用意するのが作者の務めかなと。
 恋愛やバトルや学園モノは、今のところそれが出来る道具として都合がいいわけです。
 でも、その道具を使っても道具に見合った成果がなければ意味ないんですね。

 だから、何を取り上げるかより何をするか、で考えるのがいいんじゃないかなと。
 それさえ合っていれば、題材に関係なく中高生には受けると思います。

 あと、上の作品がどう中高生に合っていないか、なんですが。
 私見ですが、主人公が馬になる理由は作品の中で出てくるんでしょうけど、
 言うほど興味のわくものかなと思いました。
 あと、おそらく馬の生活的な描写が入ると思うんですが、
 馬の生活って中高生どころか一般人もそんなに気にしないと思います。

 そういう興味を引きそうにない部分が題材として遠いという評価につながったんじゃないでしょうか。


名島ナナさんからの意見
 はじめましてケロ太様、名島ナナと申します。

 長編の間での作品に私は実際目を通したのですが、すみません
 主人公がレースに出場することを決めたところで流し読みとなり、
 最後のレースの前日というところで読むのを止めてしまいました。

 理由は、「元の姿に戻るため四苦八苦する」という題材と
 「競馬レースに出て優勝する」という題材が噛み合ってないように感じてしまったからです。

 私的には、題材というのはキャラクターの行動の「芯」だと思うのです。

 その二つは明らかに矛盾しているので、どうにも理解に苦しみました。
 一体、主人公はなにがしたいのかな? 
 人間に戻りたいんじゃなかったの? 
 という疑問が湧いてきて感情移入を妨げたように私は感じました。

 中高生に受ける題材うんぬんより、主人公の行動に一貫性をもっと強く持たせることを意識すれば、
 テーマや世界観、キャラクターは絞られてくると思います。

 いろいろと生意気なこと言ってすみません。
 ですが、これも作品を読破できなかった時間の分、私が作者様に伝えたいことですので、
 どうかお許し頂ければと。
 また、見当違いなことで気分を害されたのであるならお詫びを申し上げます。

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