第4研究室 創作に関するQ&A 532P | トップへ戻る |
スナフキンさんからの質問 2009年12月
 長編作品を書き上げられない
 
 こんにちは。
 スナフキンです。
 創作の相談なのですが、僕は長編小説を書き上げられないのが悩みです。
 原稿用紙100枚までなら何とか書き上げられるのですが、
 長編小説の原稿用紙250枚まで書けないです。

 自分流のプロットは組むのですが実際に書き始めたら原稿用紙100枚ぐらいで完結してしまいます。
 今また長編小説を書いているのですが原稿用紙250枚まで書けるか不安です。
 皆さんは上記のような経験はありますでしょうか?
 長編小説を書けるコツがあれば是非教えてください。
 稚拙な文章ですが(滝汗)、では。


●答え●

 これは原稿用紙100枚程度の分量にしかならないプロットを組んでいるのが原因です。
 そもそも長編には向かないテーマを選んでいるのではないでしょうか?


 例えば、一話完結の漫画版『ドラえもん』と、長編アニメ映画版『ドラえもん』では、
 舞台やテーマ、登場人物の数などのスケールがまったく違います。
 
 前者では、主人公の欲求を満たすのを阻害するのは、
 ジャイアンという近所のいじめっ子や、母親といった日常的な存在です。
 主人公の目的も、好きな女の子の気を引きたい、いじめっ子に仕返ししたい、
 テストで良い点数を取りたい、といった、ごく個人的なものになります。
 
 しかし、後者において主人公の前に立ちはだかるのは、魔界の大魔王、地底世界の国家、
 地球侵略に来たロボット軍団などと、はるかに強大となり、舞台も広大になります。
 こういった強大な存在を打ち負かすのには、必然的に長い準備期間が必要です。
 多くの仲間たちの協力も不可欠となります。
 主人公の目的も、地球を守る、人類を守る、仲間の命を守る、といった、
 英雄的なレベルにグレードアップします。
 
 これを達成する課程で、劣勢に追い込まれて作戦を練り直したり、相手の弱点を探ったり、
 バラバラになった仲間を集めたりといった試行錯誤が行われます。
 この課程がすなわちドラマになります。

 
短編の場合
舞台 家の近所
 いじめっ子、母親、学校の先生
仲間 ドラえもん
主人公の目的 ごくささいな個人的欲求の充足

長編の場合
舞台 宇宙、異世界、過去世界、異国 
 大魔王、鉄人兵団、地底国家、異星人
仲間 5人以上
主人公の目的 世界を救うなどの英雄的行為

 このように長編のプロットは、一話完結の短編とは、そもそも大きく異なるのです。
 ドラえもんの短編のプロットを無理に引き延ばして長編の尺にしても、
 意味のない退屈なシーンが増えるだけです。
 逆に長編を短編の尺に縮めたら、描写不足で内容を理解しにくくなり、
 感動を味わう時間的余裕も奪われます。
 長編向きの話を膨らませやすいプロットを作るべきでしょう。

 コツとして、主人公の目的を妨害する敵対勢力をより強大にすることがあげられます。

 敵が強ければ、主人公たちは、これに打ち勝つために、
 協力し合い、創意工夫し、さまざまな困難を乗り越えなくてはなりません。
 そうすれば、おのずと話が長くなり、目的を達成した際に得られる感動も大きくなります。


化野幽(アダシノ カスカ) さんからの意見

 裏技をお教えしましょう。
 師と仰ぐ藤沢周平先生が使っておられるのですが。

 メインストーリーを主軸に短編を数珠繋ぎにしていく方法です。

 例を挙げると「用心棒日月抄 藤沢周平著」 です。
 10話の短編のいたるところに忠臣蔵のエピソードを織り交ぜて、
 数珠繋ぎに1つの長編に仕上げています。

 250枚の枠で100枚前後しかかけないのであれば、
 3話の短編をこの手法で1つの長編に仕上げてみてはいかがでしょうか。


 伏線の張り方が少々難しいですが、
 私も同様の悩みを抱えて、この手法に行き着きました。
 無駄なカットでネームを稼いでも、読み手は飛ばし読みするだけですから。
 参考になれば幸いです。それではがんばってください。


公さんからの意見

 こんにちは。公です。

 さて、大雑把ですが、単純に物語が完結してしまうのなら、

 その目的が達成する瞬間を先延ばししてはどうでしょうか?
 つまり主人公を「挫折」させるわけです。


 目的達成の為の障害がある→
 障害を乗り越える策を見つけて実践する→
 新たな障害が見つかって目的が達成できない→
 その障害の対処方法を見つける→
 新たな障害が(以下略)

 読者に対しても、焦らして焦らした方が、
 クライマックスの興奮が盛り上がりますし、物語に深みがでます。
 ただ、あまりに挫折が多すぎると(単純にそれだけで増量しようとすると)
 逆に飽きてしまいますので、ほどほどに。
 無論、各々の障害を制覇する方法は、
 作者であるあなた自身が見つける必要があります。

 ではでは。


hiroさんからの意見

 僕は真逆に量が多くなりすぎて困る方なのですが、やっぱり枚数を稼ぐならば、
 軽いギャグ要素でも交えながらの日常会話やそういう柔らかいシーンを増やすのが、
 一番簡単でいいと思いますね。(作風によりますけど)
 ワンクッションを置くような役割もしてくれますし、読者を飽きさせないようにという意図もあります。
 それでは、あんまり偉そうなこといえた義理じゃないので、この辺で。。


二階堂さんからの意見

 まぁサブプロットを組んでストーリーの節々にくっつけていくのが一番簡単な方法だと思いますが。


トーノさんからの意見

 こんにちは。

 ここから前置きです。面倒なら読まなくていいです。

 私は駆け出しですが長編専門です。
 一本完結させて、今書いてるものは八割まで出来てます。
 どちらも原稿用紙換算で400枚位です。短編を書いたことがありません。

 これは私が勝手な思い込みですが、短編は長編より難しいと考えてます。
(ここにいる方々の大半は逆だろう、と考えているでしょうが)

 それは短い文章の中で長編と同じ要素をすべて詰め込む必要があるからです。

 
 起承転結、キャラクター、テーマetc。
 長編だとそれをある程度の長い文章をかけて丁寧に掘り下げることが出来ます。
 短編はこれを短い中でしなければならないので、文の取捨選択がシビアになります。
 私はこの文の取捨選択が苦手なので、どうしても短編を苦手にしています。
 すくなくとも私にとって長編と同じレベルの文章で綴られる短編は短編でない、と考えてます。

 ここまで前置きです。

 さて、あなたの原稿用紙100枚で完結する作品とやらの性質によって、アドバイスも異なるのですが、
 仮に作中でのイベントが少なくてその程度の枚数になる場合を想定しましょう。

 この場合そのイベント(X)の因果を掘り下げる、というのはどうでしょう。

 Xが起こった原因(及ぼした結果)を読者が納得出来るレベルできっちり書けてますか。
 さらにイベントや原因、結果を主人公視点だけでなくサブキャラ視点で眺めるどうなりますか。
 物語に厚みが出ると思いませんか(思わなかったらすいません)。
 
 他方もしイベントが長編に耐えられる数あるなら話は簡単。描写が足りないだけだと思います。


 以上、拙筆ですが何か参考になりましたら幸いです。


MIDOさんからの意見

 こんにちは、MIDOです。

 わたしなどは書いているうちにどんどん長くなって、あげく規定枚数をオーバーすることばかりなので、
 どうやったら短くできるのかがむしろ課題となっています(汗)
 短編・中編苦手なんですよ〜。企画などではいつも必死です。

 一番簡単なのは、事件を一杯増やすことですね。

 大きいものから小さいものまで、バトルしてもいいし、友達と口喧嘩になってもいいし、
 お隣さんにお届け物をするでもいい。
 くだらなくてもシリアスでも、事件をもっと起こす。手っ取り早い方法です。
 あとは遊びを増やしたり。
 ただ事件が起きて解決して、というだけでは味気ないので、キャラ同士で喋らせたり。

 主要キャラの人数を増やすというのもひとつの手です。

 増やせばそれだけそのキャラ専用のエピソードを入れなくちゃいけなくなるので、
 案外枚数が必要になったりします(わたしはそれで枚数増やし過ぎちゃうタイプです)

 パッと思いついたのはこれくらいでしょうか。
 長編は書き上がったときの達成感がなかなかなものなので、是非頑張っていただきたいです。
 それでは失礼します。


達馬さんからの意見

 こんにちは

 そのプロットは元々100枚分のボリュームしかないものではないですか?
 または説明・描写不足のために100枚になってしまったということはないですか?


 前者ならもっとプロットを練りこみましょう。
 後者ならもっと描写を増やしましょう。


月に吼える者さんからの意見

 どうも、こんにちは。月に吼える者と申します。

 私もhiroさんやMIDOさんのように書き過ぎて枚数オーバーする傾向がありますので、
 いかに減らして書けるかが問題になってますね。

 しかし、スナフキンさんのように増やしたいというのであれば、
 他の方も仰るように事件や場面を増やすのが手っ取り早いでしょう。

 セリフばかりで心情描写が少ない場合は、それを深く描写してみるのも手です。



アノニマス・カワードさんからの意見

 カワードです。

 それはもうぶっちゃけ、経験が足りないからかなと思います。
 慣れてくると、ある程度長さが分かるようになるものです。


 つまり、スナフキンさんの頭の中にある物語が、
 自分でどのような物か把握できていないという事になります。

 こればっかりは書き慣れるしかないでしょうね。
 参考にならなくてすみません。でわでわ。


枕木さんからの意見

 プロットの段階で概算の枚数を決めておけばいいんじゃないでしょうか。

起・・・(50枚)
承・・・(150枚)
転・・・(180枚)
結・・・(70枚)

 のような感じで。
 まあ、実際にはこんなテキトーなものではなく、
 ちゃんと細分化したシーン毎の枚数になるのだろうと思いますが。

 長編ものに慣れてくれば、
 シーン毎の枚数割り振りもおおよそ感覚でわかるようになると思います。


前田なおやからの意見

 こんばんは、前田なおやというものです。

 皆さんがおっしゃられているように、色々と小話を挟むと結構長くなります。
 現にワシはそうすることによって、短編向けのプロットが作れなくなっちゃいました。
 後ひょっとしてスナフキンさんは、ただお話に必要なシーン、
 台詞、描写しか書いていないのではありませんか?
 キツイ物言いになりますが、そんな遊びのない作品はつまらないと思います。
 あ、いや、スナフキンさんがそうだと決めつけているわけじゃあありません。
 ワシみたいな若造が言えるのはこんだけだということです。

 執筆、頑張ってください!


緋剣 凍也さんからの意見

 難しい問題ですよね、これ。書き始めのころは、私もこの問題にぶち当たり悩んだ時期もあります。

 解決方法は他の方が書いていられるように、
 主人公たちの行動を邪魔したり、日常の風景を混ぜるのが一番です。


 日常の一コマを混ぜるだけで、キャラの素顔はこうなのかと知ることができます。
 行動を邪魔するだけで、彼らは悩み仲間との絆を深めるシーン描写も出来ますから。
 それに、キャラが作品の中で命を持ち始めると、勝手に動いてくれます。
 こうなってしまうと、ページがオーバーしないか冷や汗ものになります。

 偉そうな事書いてスミマセン。
 少しでも、参考になれば思います。

 ではでは〜


鳥人間さんからの意見

 はじめまして。
 他の方々が仰っているとおりエピソードを増やすとか、
 主人公に回り道をさせるとかいろいろな方法があると思います。
 が、私も枚数が足らなくて困るので偉そうなことは言えませんね。

 私の場合はプロットを書かないことによる弊害なのですが、
 最近プロットを書くようになりだいぶましになってきました(汗)

 それでもしかしたらプロット自体の量が少ないのではないでしょうか? 


 私もプロットなんて適当で良いと思っていたのですが、
 物語を書く上でこれほど大事な物はないと最近気づきました(滝汗)

 最低でも「始まり→ことの起こり→事件→行動→解決→意外な事実→終わり」
 くらいを目安に書くようになりました。


 それでもだめなようでしたらいっそのことその原稿用紙百枚分をいっそプロットと割り切って、
 再び長編を書いてみてはどうでしょうか? 実際私もやったことがあります(汗)

 ああ、何が言いたいのか分からなくなってきました……。
 それでは少しでも役に立てば幸いです。

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