第4研究室 創作に関するQ&A 549P | トップへ戻る |
Ririn★さんからの質問 2010/05/08
 小説の「完成度」を上げるためにしていることは?

 こんにちは。Ririn★です。
 
 今回の質問はタイトルにあるように小説の「完成度」を上げるために皆さんがやっていること、
 気をつけていることをお聞かせいただきたいなぁと考えています。
 ひとくちに「完成度」と言っても色々な定義があると思います。
 まずは皆さんが考えている「完成度」の定義を教えていただいてから、
 それを高めるためにしていることをお教えいただければ幸いです。
(推敲を繰り返せばいいじゃないか、と言う話ではないです)

 また小説を読んでいて、その小説の「完成度」が低いと感じることがありましたら、
 そちらも教えていただければ非常に嬉しいです!

 私はこれまで完成度なんて意識したことはありませんでしたので、深い考えはありませんが、
 完成度とは「ネタとストーリーの練り込み度」と捉えて、
 以下の2つを基本に気をつけて書くようにしようと考えています。

・小説内で使われるイベントに使われる「ネタの絞り込み」
・各パート毎の関連性の深さ


 「ネタの絞り込み」というのはネタの品質が高いレベルで均一化されるように、
 たくさん出たアイデアを絞り込みをすることです。
 良いアイデアのイベントがあっても他のところで興醒めしてはもったいないかな? と考えました。

 各パートの関連性の深さは、伏線の太さと本数によって決まると考えていますので、
 そこに気をつけると共に論理が飛躍しないように気をつけようと考えています。

 読んでいて完成度が低いと感じるところは、結末がなおざりだったり、
 伏線が何本も回収されなかったりするところがあると違和感が残り気になります。


 人によっては「世界観の細部」とか、「登場人物の背景」とか、色々ご意見があると思います。
 特に気になるところ、という感じでお気軽にお聞かせください。よろしくお願いいたします。


●答え●

あざらしさんからの意見
 こんにちは、あざらしと申します。
 
 ご質問文、興味深く拝見させて頂きました。
 書き込みさせて頂く前にお断りしなくてはならないのですが、私はただの読者です。
 最近あまり感想を書かせて頂けておりませんが、皆様が投稿された小説を拝読させて頂いております。
 『創作』という一点だけでいうと、文章は手がけませんが商業分野での創作を生業としております。
 
 そういった広義での創作者としての目を若干入れながら、
 あくまで読者の立場からの書き込みをさせて頂きます。
 ですので文章創作に関することは『思います』
 という言明を避ける言い方を多用していますが、すみません。こうとしか言えません。
 では、長文申し訳ありませんが、しばしお付き合いのほどを。


 まずは、創作全般に共通するであろう、完成度を高める上での最大の注意を
 手前味噌ながら個人意見を前面に出して書き込みさせて頂きます。
 ネット上ですので仕事内容は詳しく書けませんが、
 ひとつの依頼に対して20前後の案を出してクライアントと相談(及び説得)を致します。
 揉み手はもちろん、頭を下げて歯ぎしりして、米つきバッタに戻り、
 最後は先方が発する「またね」の一言でやけ酒を飲むという……
 まぁ格好悪いことを金銭を得るために不可欠な通過点としてやっております。
 
 当然その段階に至るまでに、浮かんできたアイデアを片っ端からメモに取るのですが。

 このアイデアメモ、書いてから少し時間を置くと
 「これは間違いなく影響を受けすぎている」と感じるものが見つかってしまいます。
 無自覚なだけに避けようがないのですが、そう感じたものは、その場でビリビリに破り捨てます。


 泣きます、はい。

 理由は自己的なこととしては矜持。対外的なことですと「レッテルを貼られる」ことを恐れてです。
 最終的にご飯食べられなくなってしまいますので(汗)

 もちろんテクニックとしてのパターンや影響は存在します。
 けれど見え隠れする、作品そのものの影響は全くの別物。
 最終的に不特定多数の人に見てもらうには絶対に避けるべきことです。
 間違いなく、どこかの誰かが気付きますから。そしてその気付いた人には口があります。
 
 産みの苦しみを味わっているときには、それこそ唇から血が出るまで噛みしめても、
 「例え自分が産みだしたものと信じても」
 そういったアイデアを採用することは、しちゃいけないことかと思います。
 仮にそのアイデアを採用(提出)し、数十時間かけて完成にこぎつけても、
 それは完成度としては最下層に位置してしまいます。
 
 混同して欲しくないのですが「全てのパターンは出尽くしている」これは創作には付きものです。
 誰も見たことのない作品なんて、あり得ないのかも知れません。
 
 問題は「影響を受けていると、自分がそう感じた」ところにあります。
 完成度はスタート時点である程度決定しているという事です。

 小説で言うとプロット段階となるでしょうか。
 この段階で「○○の作品に影響を受けている」と自分がそう感じたら……
 読者にはここからは解りません。
 ただ、プロ作品を読む限り「良い影響」を受けている作品(本歌取り)はあります。
 影響を悪く受けている作品(真似)はサッパリ面白くありません、投げ出します。

 次に具体的な話しが皆無、まるっきり精神論になるのですが。
 当然ですが、全ての創作にはテクニックが必要です。
 産みだしたアイデアを生かすには、ここに集約します。
 
 ところがこの『テクニック』というものは、誰でも一定レベルは身につきます。
 答えは簡単、意識しながら数をこなすことに尽きます。これは小説も同じだと思います。
(超絶テクニック、感動を覚える美文、天性を感じさせる。これらは別次元の話し、としてですが。
 けれど、そもそもそれは出版されている著者の極々一握り、一割に満たない話しかと思いますので)
 
 では、何が作品の個性を産み出すか、なのですが。
 これは人間性だと思います、いや信じます、言い切ってもいいです。

 
 普段手がけられている『創作分野』から一歩下がった方が解りやすいと思いますので例を。
 地方自治体が一般公募で絵の展覧会をやっていますので、観に行かれるとよく解ると思います。
(良い、悪い、は一旦置いといて下さい。
 特に絵と音楽はぐちゃぐちゃの精神状態が作品に出ていてもそれが良作、傑作となり得ますので)
 
 とくに色と構図に人間性が表れます。
 頑固者、斜に構えた人、何かドロドロとしたものを抱いている人、良いことがあったんだと思える人、
 きっと優しい人、自分に厳しい人、様々です。
 これは産みだしたものに接着されて、完成作品になります。
 
 私だってそうです。文章は仕事上の連絡とここでの書き込みくらいですが、
 自分の書きこみを後日読むと「なんて理屈っぽいんだ」と嫌になります(笑)
 直接的な意味だけではありません。

 スティーブンキングがインタビューで
 「私のホラー作品が怖いと評価を受けるなら、それはきっと私が恐がりだから」
 と答えているように、そういう人だから、そういう作品に、と言えるかと思います。


 プラスになり得ないケースも存在します。
 あまりにも一般的にマイナスとされる人格は問題点として浮上してくるはずです。
 人を見下す人に公平な人物関係は描けないでしょうし、
 相手の気持ちになれない人は、我儘な人を描きます。
 
 ここで、完全に読者としての視点に戻らせて頂きますが、
 文章創作というのは怖いくらいに『執筆時のその人』を語っています。
 プロ作品を読むときに、その人の生きてきた年表と作品を照らし合わせると、ご納得頂けるかと思います。
 
 で、当然それはプロに限った話しではありません。
 こちらで投稿された作品を拝読していて何度か感じさせて頂いていることがあります。
 人柄も良さそうで優しそうに思える人、そういった「人に嫌われるような人格ではない人」、
 むしろ『いい人』に多く見受けられる印象でもあります。
 いえ、だからこそなのでしょう。

 「きっとこの人は自分の人格が作品に出ることを感じ取っているのだろう。
 ホンの少しの勇気を出して自分を見てもらうくらいの気持ちになれば完成度がぐっと増すはず」
 そう思うことが多々あります。

 
 創作とは分野に関わらず、そういう意味で怖いことです。
 我の強さが必需品だと、いえるかもしれません。
 自画自賛とは違います。決して『自称聖人君子』など必要ありません。
 奥ゆかしさを持ちながらの我儘という二律背反。
 誇れる人格だとは思っていないが、誇れる人格になりたいと思っていることが必要、
 ということかも知れません。

 「人に好かれる作品を創作するには、人に好かれる、人に好かれたい人になりましょう」
 という意味です。
(性格的に人付き合いが苦手というのは別の話です。そっちは無関係)
 
 絵画や音楽関係に特に多くいらっしゃいますが、歴史上で語られる我儘だったとされる天才も、
 後世に伝わるエピソードってのは、耳に面白く感じる話しやスキャンダル性が強くなりますので、
 身近な人、歴史に名を残していない友人知人に言わせれば、
 「あいつ良いヤツだ」ではないかと私は思っています。
 
 他とは違う飛び抜けた完成度を求めるなら、
 創作者そのものを無視することは出来ない、ということです。

 
 同時にエンターティメントを主軸とするライトノベルにあっては、
 他のジャンルよりも重要になるのではと思い書かせて頂きました。

 
 最後にもう一点。
 これは完全に読者の視点から書かせて頂きます。
 
 『ウソをつかない』ことです。

 いや、作品上、特に設定に関する嘘はあまり気になりません。
 映画も大好きでよく観るのですが、それを言うとハリウッド映画は観られませんし、
 少なくとも私は「面白ければ良い」という主義です。
 
 不名誉なことですので、特定作品は控えさせて頂きますが
 『作者が嘘をついた、嘘をつかせた』という類の話です。
 意味はさまざま。嘘をついた相手もさまざまです。
 
 完成度ということに絞ると「作者が自分に嘘をつく」ことかと思います。
 「最低限、自分に対して誠実でないと」という事です。

 
 ……結局は精神論になってしまいました(汗)
 けれども、完成度維持には大切だと思います。

 読者の視点から離れ、創作そのものの話しでいうと『自分に対する言訳』がこれに相当します。
(時間が無かった、次の作品をやりたかった、これくらいで十分だ。
 全て人だからついてしまいやすい言訳ですが、これは最悪のパターンです。
 趣味での創作ならOK、何も問題は無い。飯を食おうと思うなら絶対ダメという意味です。)

 終始抽象的な話しになってしまいましたが、
 肉をこそげ落として最後に残る骨みたいなものだと、自分では思っております。
 毎日牛乳飲もうよ、というのが書きたかったことでした。(オイ


 せっかくですのでひとつ、具体的なことを。
 『削ること』常に引き算することを考えるのが必要かと思います。
 もっともこれは足し算式と引き算式という、人によって、手法によっては不要かも知れないですが。

 では、お身体にお気をつけて。
 Ririn★さまを始め、皆々様方、執筆頑張って下さい。


愛戦史さんからの意見
 ども、愛戦史です。
 俺は、ストーリー的な完成度の高め方で言うと、

 サブキャラに現実的な人間臭さを持たせるのが一番必要なことだと思ってます。
 
 極端な例ですと、他人と握手した手を潔癖に水洗いするとかです。


MIDOさんからの意見
 こんにちは、MIDOです。
 やっぱPCからの書き込みはスムーズでいい……! 
 実生活ではへっぽこ新入社員なためスムーズという言葉とは無縁なのですがorz

 わたしが思う完成度の高さは無駄のなさですね。

 主に文章に言えることなのですが、言葉の使い方が秀逸だったり無駄が一切なかったりする作品、
 それでいて情景は伝わる、心理描写は的確、設定などの説明も簡潔かつ明瞭、
 そんな感じにすっごく憧れているんです。

 昔はわたし、一つのことを説明するにはたくさんの言葉を使って、
 すべてを詳らかにしないといけないと思っていたんですよ。
 けど最近ではその言葉のほとんどは無駄で、単に言葉を垂れ流ししているだけだと思い始めたんです。
 だから言葉――単語というべきでしょうが、あえて言葉で――をただ並べるだけではなく、
 その中でも特に輝くもの、特に訴えたいもののみを厳選して、
 それを読者に提示するような、そんな文章を目指しているんですね。
 だから少ない言葉で読者を引き込ませ妄想(笑)させる作品はすっごい完成度が高いと考えています。

 設定に矛盾がないとか心理描写が的確とか、
 そこら辺は最低ラインですので完成度ではないですね。
 その割に全然できていないのが悲しいところですが(涙)

 コメントは以上です。


ロストさんからの意見
 お久しぶりです。

 完成度の高さ……ですか。
 伏線がうまく張られ、無駄のない物語。

 すべての登場人物に温度があり、ダレのない文章と効果的な描写、ですかね。
 

 僕は推敲を重ねて砂粒ほどに精度を上げています。
 登場人物の仕草を追加したり、伏線を張りなおしたりと。
 答えになっているかは分かりませんが、ほんの少しでも参考になれば幸いです。


実央さんからの意見
 こんばんは。答えますね。
 私にとっての完成度は

・情景描写
・心理描写
・パズルのような伏線
・知識の裏付け


 だと思っています。

 このうち上の2つは高校時代に受けた現代文の授業を参考にしています。
 いい作品を分かりやすく、描写の手段なども教えてくれるので本当に役に立ちました。
 今からでもセンター用問題集買ってやりたいなぁww。

 知識の方はとにかく図書館やネットで調べますが、
 やってるうちに調べる方が面白くなってしまう事もしばしばwwwwwww。

 まぁあくまで目標ですがねww。


遊美心さんからの意見
 こんばんは、「哀しみキメラ」に心奪われている遊美心です。

 煽り文に『圧倒的な筆力で選考委員を唸らせた』とか書いてあって
 「また大げさな」とか思ってましたが、偽り無き宣伝文でした。これは、スゴい。
 地の文に安定感があり、細やかな描写に魅力的な引力があります。
 
 ネタも、話の繋げ方もなかなかのもの。
 ただ、設定を裏付けるものが無く、リアリティに弱みがあるのが玉に瑕。

 本題の完成度の定義および完成度を上げる方法なのですが、

 私は完成度を「文章の巧拙」と「プロットの出来」に分けます。
 
 そして、個人的には「プロットの出来」で評価します。
 文章の巧い下手で評価するのは、よほどうまい場合のみです。

 文章の巧拙は文字通りとして、プロットの出来はこれも大体二つに分けます。

・構成
 伏線、イベント、テーマ。
・話の内容(非日常の具合)
 どれほどハレ(非日常)を読者に感じさせられるかというのを基準にします。

 エンタメ小説は、いかに読者の知らない状況、世界を作れるかで勝負は決まると私は思っています。
 いきなり強くなったり、いきなり異世界にぶっとばされたり、
 がんばって強敵倒したり、いきなり悪魔に出あったり。いきなり仕事を与えられたり。 
 チェックするのは組み込まれた知識、キャラ、設定、笑いの要素に加え、
 特に注意してみるのは、メインキャラの住む土地・立場・職業です。
 
 いろいろと考えた末、
 ハレを感じるのは感情移入しやすいメインキャラのこの三要素なのではないかと思っています。

 土地は、例えば電波の規制がされているだとか、
 ビルの林立する都会だとか、ド田舎だとか、陸の孤島だとか、
 誰もが不思議な力を持っているなど、の日常と遠い要素があるかを見ます。
 キャラの立場は、親友の有無なども含みますし、家族体系や、部活などかもしれません。
 
 職業は、ラノベの読者は学生が多いので、家業を手伝っているだとか、
 海の家でのバイトだとか入れれば、非日常を体験できるだろうと想像しています。

 ……長々書きすぎたのをスルーして続けます。
 定義に続いて、自分の完成度の高め方をば。
 まず、自分自身文章の巧拙はあまり評価しないので、
 推敲(一文一文を調べるというニュアンスで)をするのは一回から二回程度です。
 
 つまり、プロットの方の、構成と話の内容を変えていきます。
 
 大きな話の流れを頭の中でやるのは大変なので、まず目次のようなものを作ります。
 それを見ながら、気になる部分の本文を読んで変えていくという作業になります。
 やっていること自体はRirin★さんと大して変わらないかもしれません。
 
 後、私がやっていることには、一般化というものがあります。
 キャラや構成や伏線や舞台や設定などに一つ一つタグをつけて、
 そのタグに似た作品が無いかと探す方法です。


 例えば戦鬼であれば、歴史物、鬼、回想、
 力を持った主人公、力のあるヒロイン、怪しい人物、と言ったようなタグを付けます。
 一般化して、他の作品のことを思い出していくと、
 自分の作品に取り入れられるものが出てきたり、まずい部分が見えてきたり、するかと思います。
 
 加えて、自分の作品を客観的にみることができます。
 他の作品と同列に扱えるので、そのジャンルではどの程度のレベルなのかや、
 広い視野でみると他の作品と内容がかぶっているのではないかと気付いたりします。
 
 基本的にプロット時に行いますが、修正を行う際にも一般化しておくと分かりやすくなるので、
 どこがまずいのかが見えやすくなるかと思います。

>  また小説を読んでいて、その小説の「完成度」が低いと感じることがありましたら、
 そちらも教えていただければ非常に嬉しいです!

 
 その作品が分類されるジャンルで評価される部分に着目して判断します。
 ラブストーリーでセリフがくそなら話になりませんし、SFで設定がしょぼいなら終わりです。

 
 どちらかというとハレの割合や、伏線、会話の軽妙さを重視して評価していると思います。
 それと、矛盾があったり、意味無く文章が重たい、もっと良い方法がある、
 などを見つけた場合は完成度の評価を下げる傾向にあります。

 参考になれば幸いです。ではでは。


飛車丸さんからの意見
 全て、です。

 文章も構成も設定もキャラも世界観も独創性も、
 その全てを高い次元で兼ね備えてこそ完成度は高まる、と思ってます。
 なので、構成・プロットの時点では、そこで出来ることに全力を尽くしますし、執筆や推敲でも同様です。
 そうしていくことで全体の完成度を高めつつ、
 さらに自分の得意分野を一段高みにもっていければいいな、と。
 そんな感じです。


mi-coさんからの意見
 mi-coです。

 個人的には、自分の伝えたいテーマが小説内で表現できているかどうか。

 それが作品の完成度に繋がっているんじゃないかなあ、と思います。
 なので、作者自身ではちょっと判断できない部分だと思うんですよね。
 もちろん、そう感じてもらうように、文章や構成を創り上げているとは思うんです。
 けれど、その時点ではまだ未完だと思うんです。
 他人に読んでもらって、初めてその作品は完成するのではないかな、と思います。

 そういうわけで、作品の完成度を上げるためには、客観的な視点が必要だと思います。
 他人が自作品を読んでどう感じるのか――


 それを意識するだけでも、作品の完成度は上がるんじゃないかな、と思います。
 例えば、伏線が全く回収されていない、結末がおざなり、というのを、
 自分で読んだ時に気付けるかどうかだと思うんです。
 どれだけ読者視点に近づけるか、が重要だと思います。

 ただ、自己満足な作品でも全然構わないんです。
 そういう作品は、作者自身の中で完成されている作品だと思うんです。

 ある意味、完成度が高い作品なのかもしれません。
 もしかすると、後々、世に認められる可能性もあるかもしれませんし。

 以上です。
 では、失礼しますね。


ばみさんからの意見
 こんにちは、ばみです。

 なぜ読み手がそれを読まされなければならないかを考えること、でしょうかね。

 ちなみに、なぜ書かなければならないか、ではありません。
 そこには日本海溝よりも深い断絶があります。

 広い目線では物語全体、世界設定、章、シーン、人物の役割から、
 狭い目線ではセリフ、文、単語、文字単位に至るまでを自問自答し続けます。

・それは本当に必要なものなのか。
・必要なのは過程なのか、それとも結果だけなのか。
・どこかと統廃合することはできないだろうか。
・より少ない文字数で的確に表現できているだろうか。
・どうやったらもっと楽しんでもらえるだろうか。
・必要性を問われたときに二つ以上答えられるだろうか。


 などなど、とにかく必要性を考え続けます。
 
 読み終わったあとにあれはなんだったのか、というもやもやとした感情を残したくないのです。
  これからどうなるんだろう、行く末をもう少し見てみたい、というわくわくとはまた別物です。

 多くの人が望んでいるのは、文章を読むことではなく、面白い物語を読むこと。
 ライトノベルの定義はさておいても、エンターテイメントなのですから楽しめてなんぼです。


 そして多くの人はそれほど長々と文章と向き合ってはいられないので、
 可能な限り短くするべきだと考えています。

 そんなわけで、私にとっての「完成度の高さ」とは、
 「少ない文字数でどれだけ多くの人に楽しんでもらえるか」でしょうか。

 といっても別に掌編や短編、ましてや俳句を書けと言うわけではありません。
 かくいう私も長編しか書きませんし。
 あくまでも心構えとして、の話です。

 こんなところですが、参考になれば幸いです。
 それでは。


クマ太郎さんからの意見
 こんにちは、Ririn★さん。クマ太郎と申します。

 小説の完成度を上げる…ですか。ふむふむ。
 では、まったく書けない私が、一読者として、こうして欲しいと思うことをつらつら述べさせていただきます。

 まず一つ目ですが、
「キャラをしっかりつかむこと」
 作者がキャラの考えていることを把握していないと、読者は迷います。

 二つ目は
「小説はカメラアイであるということを認識する」
 読者が誰の視点を借りて物語をのぞいているか、考えてみてください。
 よく視点がぶれると指摘される方がいますよね? つまりそういうことです。

 三つ目は
「キャラに無理なことはさせない」
 一つ目とかぶりますが、たとえば恋愛物で、
 キャラにその気がないのに無理に恋愛させるようなことは避けたほうがいい、ということです。
 その人物の行動と動機に矛盾がないかどうか、じっくり検証してみてください。

 四つ目は
「セリフだけで誰がしゃべっているかわかるようにする」
 ひとつひとつ、誰がこう言った、という説明をつける手間を省くというのもありますが、
 なにより作者を疲れさせないためと考えてください。
 ここで疲れてしまい、肝心要のこと…
 キャラクターやストーリーの描写にほころびが出来てしまったのでは、それこそ本末転倒だからです。
 小説は文字が媒体です。それを最大限生かしましょう。
 キャラクターによって微妙に話し言葉を変えてみてください。だいぶ楽になるはずです。
 
 五つ目は
「無駄なシーン、セリフを省く」
 必ずあります。目をさらにして、読み直してみてください。
 どういうシーンが無駄か、と申しますと
 「これがなくても話はつながる」という場面です。
 ストーリー上の緩和剤として入れるのは、最小限度にしたほうがいいと思います。
 セリフもおなじです。いちいち書かなくてもいいセリフというのが小説にはあります。
 それで一行使うのはもったいないので、
 「本当にこれ、必要なセリフだろうか」と何度もご自分に問いかけてください。
 必要なセリフなら、時間をかけて練る必要があります。
 たとえば「はい」という返事ひとつにしても、楽しい気持ちからなのか、悲しい気持ちからなのか、
 悔しい気持ちからなのかで意味合いがまったく違ってきます。
 そういう意味合いのない、ただの返事でしかないものなら、
 省いても差し支えないのではないかと存じます。
 
 六つ目は、一番大事なことです。
「これでお金を取れるか」
 人に身銭をきらせることができるかどうか。
 もし自分が読者だったら、お金を出してまで買いたいと思うかどうか。
 じっくりと考えて推敲なさってください。
 いろいろとえらそうに申し上げてしまいました。少しでもご参考になれば幸いです。


AMATOさんからの意見 2014/02/04
 最近拙いなりに小説を書くようになりました。本を読む習慣もないものですから文章の作法もよく知りません。構成の作法にガチガチに嵌めるのは嫌いですし、伏線など無くても説得力が持たせられれば良いと考えています。例を挙げると起承転結は欧米では使われません。

 いきなり話が逸れました。完成度を高くするコツはやっぱり小さく纏めること、必要最低限の部品点数で表現することではないでしょうか?最短の詩の文化を誇る民族ですし。

 それを達成するにはやはり推敲すること。否、もっと大きな枠で全体を見据えて取捨選択できるセンスが必要なんだと思います。

 意識しながら書き続ける。手は決して抜かない、推敲もする。しかし製作期間はこれと決めてとにかく完成品を書き上げる。それでもダメなら寝る。起きた頃にはいい感じに整理されて続きが書ける。
 こんなところでしょうか?一朝一夕で身に付くものではないにしろ、やり方はある。馬鹿のままでは習得できない。
 そう考えているんだけどなあ……。

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