第4研究室 創作に関するQ&A 565P | トップへ戻る |
ルフさんからの質問 2010/08/14
 技名を叫ぶことをどう思いますか?

 こんにちは、ルフと申します。

 相談したいのはタイトルの通り、戦闘中に技名を叫ぶことに関してです。

 テイルズオブシリーズの戦闘が顕著な例かと思いますが、
 自分の必殺技や特技の名前を一々叫ぶ戦闘描写について、皆さんはどう思われるでしょうか?

 個人的には何となく陳腐な感じがするので嫌いなのですが、
(あくまで自分がそう書かないだけで、そういった戦闘が嫌いなわけではありません)
 皆さんの意見をお聞かせ願えますか?(2010年)


●答え●

 必殺技の名前を叫ぶのは、自分で自分のことを実況しているのだそうです。

 何年か前、テレビで元祖スーパーロボット『マジンガーZ』の主人公・兜甲児が、
 なぜ敵と戦う際に、技の名前を叫ぶのか? という特集をやっていました。
 技の名前を叫ぶという行為は、彼が最初に行って広まったものなのです。

 どんな技を出すのか声に出してしまえば、敵に察知され、防御策を取られてしまうではないか?
 なぜ、わざわざ不利になるようなことをするのか?
 ブレストファイヤーと叫びながら、ロケットパンチを出せば、
 敵に大ダメージを与えられるかもしれないのに、なぜしないのか?
 という疑問に対して、アニメの制作者は、

 プロレスのようにマジンガーZの戦闘を実況にしてくれる存在が欲しかった。
 そこで、兜甲児自身に実況させることにした。


 と答えたのです。
 また、声に出した技と違う技を繰り出すことをしないのは、
 正々堂々の精神に外れる、主人公らしくない、卑怯だから、だそうです。

 この手法がヒットして人気が出たために、アニメ以外の他のジャンルにも波及していったのですね。
 
 でも、確かに、自分の攻撃方法を敵に教えてしまうなんて、間抜け以外の何物でもなく、、
 リアリティや緊張感を重視する作品には合わないと思います。


玄太郎さんからの意見

 小説では、『なし』と考えた方がいいのでは。

 せいぜい呪文唱えるときくらいか? 

 実際の戦闘で技叫ぶのは明らかに無駄だし、命がけの戦いで無駄なことをすれば、即命取りになるし。
 あれは気合い声の変わりという位置づけなんだろうけど、
 なら普通に「やあっ、えいっ、でやあ」とかで十分だしそちらの方がリアリティもある。

 技名叫ぶのは、アニメとか漫画とか、映像込みのメディアじゃないと盛り上がらないと思う。

 ただ、登場人物が叫ぶのじゃなくて、地の文で書くのはOK。

 以上、参考にしてください。


オペラ座さんからの意見
 こんにちは。

> 個人的には何となく陳腐な感じがするので嫌いなのですが

 同意見です。特にシリアスな展開中にいきなり叫ばれると個人的には白けます。

 こういうのは映像があるから際立つ演出じゃないかと思います。
 昔のラノベではそこそこあったんですけどね。

 玄太郎さんも仰っているように、地の文に差し込む程度にしたほうがいいと思います。


アンデッドさんからの意見
 僕も余り好きじゃありません。漫画なんかでも作品によっては陳腐に感じますね。

 小説だと場合によっては真剣な場面なのに笑えてしまうケースもありました。


 けれど逆に言えば叫ぶ意味があってリアリティもあり、かっこよければいいとも思ってます。
 このかっこよければというのが実に罠なんですが。
 要は見せ方の問題で、それが結果的に良ければOKかなと思いますね。
 今ちょっと思い浮かんだので試しに書いてみます。陳腐になってなければ良いですが……。

 口の中で滴る高宮の血に違和を感じながらも俺は不快感を一端噛み殺した。喰い縛る様にして高宮の方へ顔を向ける。そして言い放った。
「クソが。デッドストリーム」
 俺の言葉を合図にして高宮の身におぞましき死の潮流が纏わり付く。奴の血を媒介にして呪いが黒い霧となった。
 死の闇が高宮を覆う。恐慌状態に陥った高宮は、纏わり付く呪いの力を振り払おうと必死になっている。
 だがもう遅い。これで高宮も終わりだ。苦しんで死ぬがいい。やっと復讐は成就する。

 オレは敵である高宮に向けて叫んだ。
「これで死ねェ! 『タカミヤ』!」
 魂の声が残響する。
 オレの能力は、相手の名前がそのまま相手を倒す力の名となるのだ。
 放たれた刃は放光しながら高宮にぶつかる。
 これで奴もおしまいだ!



蒼さんからの意見
 テニスの王子様だと周りが言ってますよね。
「○○先輩×××××の構えを!!」
「で、でたー!! ×××××!!」


 電撃文庫よりマギ・ストラット・エンゲージでは、登場キャラが必殺技を言います。

 厨二病全開みたいなネーミングじゃないから許されるのかな?

 ネーミングといえば、少年マガジンのエア・ギアではトリック(=必殺技)の名前がおおかた英語です。
 英語は『難しい読みの漢字』に並ぶ、厨二病になりがちな二大パターンでは有りますが、
 徹底的に英語が羅列されるので逆に心地よいです。

 例えば
Darkness over
(ダークネス・オーヴァー)
 という感じではなく

The Take Over, The Break's Over The Darkness Over
(ザ・テイクオーヴァー・ザ・ブレイクスオーヴァー・ザ・ダークネス・オーヴァー)
 くらいにたたみかけます。
 イナズマイレブンの必殺技を叫んでみて恥ずかしかったら、この戦法にしたら良いと思います。


 至らない意見を述べましたが、僕としては必殺技を叫ぶことは結構熱くて良いと思います。

 無理矢理なルビとかも大好物です。


かなTさんからの意見
 小説なんて、突き詰めればお芝居なんだから、カッコ良ければそれでいいじゃないですか。
 それに闘いのなかに粋を求めるのは、日本の文化でしょう。

 昔の闘いでは武士がいちいち名乗りを上げるのを――例えば
「日ごろは音にも聞きつらむ、今は目にも見たまへ。
 木曾殿の御乳母子、今井四郎兼平、生年三十三にまかりなる。
 さる者ありとは、鎌倉殿までも知ろしめされたるらむぞ。兼平討つて、見参に入れよ(平家物語)」

 などと長舌をば垂れるのを、敵はだまって聞いていたわけです。
 合理的に考えれば、この間に射かけるなり斬りかかるなりすればいいのにねえ。

 でも、こういうふうに真剣な闘いの場面にも芝居がかった粋な約束事を入れるのは、
 おそらく日本の文化なんですよ。
 そういう文化が、歌舞伎の見栄や、ひいては戦隊ヒーローの登場シーンなんかにも
 受け継がれているんじゃないかと思うなあ。

 まあ、何でもかんでも合理的じゃないと気がすまないような、今ふうの感覚からすると、
 粋も滑稽に見えるのかも知れませんが。


ぽろろでさんからの意見
 ちわっす、ぽろろです。

 演出です。
 上手い下手はもちろんありますが、特撮の爆発シーンと同じで、使い方次第だと思います


 原作は18禁ですが、「Fate/stay night」が技名を叫ぶ小説(ノベルゲーム)で、面白いです。
 技名を叫ぶ理由がありますし、まあ理由自体は付けようと思えばいくらでも付けれますが、
 使い方も素晴らしいと思います。

 そんな感じで。


風来坊Qさんからの意見
 こんにちは、風来坊Qです。

 自分はスーパーロボットのパイロットや変身ヒーローが必殺技を叫ぶのは大好きです。
 見ていると鳥肌が立ってきます。

 でも、他の場合でしたら技名を叫ぶ理由に裏づけが欲しいですね。

 例を言えば、川原先生の「アクセル・ワールド」では技名を叫ぶ事で技が発動すると言う設定があり、
 だから登場人物たちは一々必殺技の名前を叫んでいる……と、まあ納得できる言い訳があります。
(ゲーム内での話だと言う事は気にしない方向で)

 とは言え、嫌なら技の名前を言わせないほうが無難でしょうね。


湯飲みさんからの意見
 まぁ、なんか軽いですよね。
 ついさっきまで読んでいたとある魔術なんかでも、地文でどうなったか表現するばかりで、
 キャラが技名を言ったとしても説明くらいでしか口にしませんでした。
 やはり、技名をしつこく連呼するのは良くないようですね。

 かく言う私も処女作においてバリバリ技名を言わせてた口です。
 結局、なんかカッコ悪いのに気付いて大幅修正に追われています。

 とはいえ、自分はいまだに技名を叫ばせたいようで、
 ブリーチの卍解の時のような呟く程度ならいいかな。とか考えています。


目前さんからの意見
 技名を叫ぶ理由があるならいいです。

 音声入力が技の発動として不可欠な場合や、
 複数人でタイミングを合わせて発動する場合に必要など、
 システマティックに必要とされるなら、立派な理由です。
 また武装錬金の主人公のように、
 叫ぶと力が出るような気がする」的な理由を持たせて個性付けする事もできますし。

 とは云えしかし、ルフさんが陳腐と思うなら、云わせなければいいだけですね。
 云わせたければ、陳腐と思われない使い方をする事は可能ですし、
 その理由をつける事も別に難しくはない、という事でした。

 ただ、「どうして陳腐と思うのか」はきちんと分析して、「何となく」ではないようにした方がいいでしょう。
 編集者に「これ、必殺技名叫ばせた方がいいね」といわれた時に、
 自分の意見でもって反論できないと、きっと大変な事になりそうです。


ミレニオンさんからの意見
 それが陳腐だと思う人は、陳腐な使い方しか思いつかない人なんでしょうね。
 要は、是か非かではなく、どうやって効果的に使うかを考えること。
 陳腐だと思ったなら、どうすれば陳腐でなくなるのかを考えること。
 なんだってそうです。
 使えないと思って切り捨てるのは、自ら選択肢を狭めてるだけですよ。


ミレニオンさんからの意見
 個人的にはありだと思うのですが、はやらなくなりましたよね。
 平成ライダーも技名を叫んでくれなくなりましたし。
 昔はボクシングでパンチを放つときや、サッカーでシュートを放つときでも叫んでくれたものですが。
 でも、熱血な主人公には今でも技名を叫んでもらいたいところです。
 というか、熱血主人公自体がリアル路線から外れてしまい、
 今や絶滅の危機に瀕していますけど……


ペガサス流星拳さんからの意見
 叫んでこその必殺技だと思います。

 あれ? 少数派?


迷惑な隣人さんからの意見
 こんにちは、迷惑な隣人です。
 技名を叫ぶ描写は個人的に嫌いじゃありません。理由は無論、燃えるから。
 ただし、皆さんおっしゃるように『小説向きでない表現』とは思いますね。
 フィクションとはいえ、現実ではまずありえない行動ですから。

 つまり、 理由付けの設定や演出に乏しいと、不自然になる。
 描写で読み手を完全に引き込めていないと陳腐になって白けさせてしまう。


 等のリスクを背負った表現、ということになるかと思います。
 チキンな私にはハードルが高いため、ちょっと手が出せません。

 スッパリ切り捨て別の方法で話を熱くする、というのが一つの方法。

 上の条件をクリアして、技名絶叫は漫画やアニメの専売じゃないぜ!
 と粋がってみるのも一つの方法。
 といったところではないかと思います。

 蛇足。
 今までも例に出た平成ライダーですが、龍騎? あたりから、本人の代わりに、
 変身ベルト等のガジェットが技の名前や必殺技発動のキーワード等を発声するようになり、
 以降のシリーズの定番になりました。

 技名(ガジェット)+雄叫びor決め台詞(本人)=異様に盛り上がり過ぎなフィニッシュ

 小説ではありませんが、上手く両立させたの一つの例だと思います。
 何事も工夫次第ということでしょうか。
 駄文、長文失礼いたしました。


ケンタッキーさんからの意見
 ファイアトルネード!!!

 唐突過ぎてすいません。
 技名を叫ぶという行為はそこら中のアニメキャラが行っていることです。
 しかし、明らかに戦闘の都合上不利になるので、現実味がなくなります。

 しっかぁーし!
 僕たちは文章を書いているのです。ということは、アニメにはない決定的なプラスがあります。

 主人公が頭の中で必殺技を言う、という必殺技があるのです。

 たとえば僕の大好きな「バーティミアス・トライロジ―」シリーズでは
 主人公が魔法を放つとき、頭の中で技名を叫びます。
 かっこよさと現実味に実況を兼ね備えた、小説ならではの、案外知られていないテクです。

 このようにすればいいのではないでしょうか。


スノゥさんからの意見 2012/02/07
 はじめまして、スノゥです。
 自分は必殺技を叫ぶことに関しては、場合によって変えるべきだと思います。
 これまでにもたくさんの方が叫ばない方がいいといわれていますが、基本的には自分もこれに賛成です。

 しかし、叫ばないとすると、ちょっとした条件の時に滑稽なことが起こってしまうのです。
 その条件とは――

 ・戦闘シーンにて攻撃「されている」立場の人間が語り部である。
 ・主人公たちはほぼ生身で戦っている状態である(モビルスーツ等含む)。
 ・語り部が割とぼろぼろで、新たな力が覚醒するか(笑)味方キャラが駆け付けない限り勝てそうにない。


 というものです。
 参考にしたのは西尾維新先生の「ネコソギラジカル」(これをラノベとみるかという議論は置いておいて・・・)ですが、澪標姉妹と主人公(いーちゃん)との戦闘シーンがこの条件であり、あえて合気道の必殺技を(敵が)叫ぶという手段を用いています(ザレゴトディクショナル参照)。
二人の殺し屋は同時に動いた。
左右同時に死んでしまえ――と、声が揃う。
「家桜――」
「――端敵」
「退隠――」
「――柴車」
「彫板――!」
「――泥眼!」
眼は――閉じなかった。
瞬き一つ、しなかった。
 と、一切の攻撃に対する描写がなされていません。ですが主人公はズタボロです。
 この描写に対して作者は
(前略)という、彼女らの順繰りの言葉は、技の名前だ。
 最初は、繰り出す技の一つ一つの型を考え、その描写もあったのだけれど、メタメタにやられながら解説を続けるいーちゃんの姿があまりに滑稽だったため、シリアスな空気が削がれてしまうということで、技は名前だけのお披露目となった。
 くどくなくてそっちの方がいい感じ。
 と書いています。
 つまり、場面の状態に合わせて叫ぶ叫ばないを選ぶべきではないかと。
 イナズマ●レブンは叫ばなかったら盛り上がりに欠けるでしょうしね。
 長文失礼いたしました、では。


ナザレ記狸子さんからの意見 2012/05/14
 漫画や映画、アニメなどで見られるこのような描写は、迫力を出すためは勿論ですが、何ていう技を使っているのか、見ているほうに伝えるためのものだと私は解釈しております。

 小説では技名を叫ばなくても大丈夫だと思います。

 例えば、
 「主人公は○○(技名)を放った」
とか、

 一人称小説の時は、
「オレは敵に○○(技名)を食らわせた」
 などと書けば充分だと思います。

 しかし、漫画やアニメだとそうはいかないので、技名を叫ぶようにさせていると思います。
 そうでないと、何の技を使っているのか、わからないと思うのです。



かい@さんからの意見 2012/07/23
 僕の場合 (僕は、冒険小説しか書いた事ありません)

 僕は、技名を叫ぶのは、いいと思います。
 なぜなら
「はぁぁぁぁぁ」
 雹は千陣千破を使った。
 より
「はぁぁぁぁぁ、千陣千破ぁぁぁぁぁ」
 のほうが、想像がしやすいからです。
(個人的な意見です)

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