第4研究室 創作に関するQ&A 582P | トップへ戻る |
黒羽 夜咫さんからの質問
 バトル時に街を守る結界を張るのは都合主義?

 バトル小説で主人公と敵が戦う際に、街に被害が起こらない様にする為の結界を張るって描写を
 よく見掛けるのですが、それを今書いている小説に取り込んで読んでもらったところ、

「結界ってなんか作者のご都合主義みたいで、面白くない。
 バトル物やったら周りの人間とかも巻き込まれるものだ」

 と言われたのですが、バトル時に結界ってご都合主義なんですかね??

 自分個人的には結界を作った方が面白いかな、とは思うのですが、
 皆様のご意見を参考にしたいのでよろしくお願いします。


●答え●

ワルプルギスさんからの意見
 バトル物にとりあえず「結界を張れば他人巻き込んだり街を壊したりしなくて便利です」
 って設定を貼り付けただけでは確かにつまらないし、ご都合主義に見えます。

 逆に、結界を設定や戦術、ストーリーに面白く活用すれば、
 ご都合主義っぽさは薄まるのではないでしょうか。


・結界を知らない主人公が無力な友人を戦闘に巻き込みかけたところを、
 他のキャラが結界張ってフォロー。
・結界を張れるのはヒロインだけ。喧嘩して離ればなれの所を襲われて大ピンチ。
・結界を張って主人公達を足止めする囮の敵。
・結界を張るために力を消費するので、結界有りだと全力を出せない。
・組み付きに来た主人公を、結界ではじき飛ばすボス。

 等、アイディア一つで色々と書けると思いますので、そのあたりを工夫してみてはどうでしょう?


いまめもろむさんからの意見
 バトル時に全力で相手を倒そうとするのなら、街のことなんか気になってられません。
 ですから、何か特別な理由がない限り「戦闘時に結界で街を守る」というのは論理的ではありません。

 逆に言えば、街を守ることがそのまま主人公たちの戦う理由なのであれば、何もおかしくありません。
 正義の味方のように街の平和を願っていたり、一般人に知られると自分たちの立場が危うかったり、

 利害関係を組み立てれば「ご都合主義」から脱出できるでしょう。

 おそらくですが、結界を張るということを設定だけで考えていたのですよね?
 設定とは物語を通して初めて生きるものです。
 「ご都合主義」とは、作者の都合で改変できる設定=物語との関係性が薄い設定ですから。

 面白いか否かも大切ですが、ちゃんとした因果の法則を考えなければ、
 その設定を物語に組み込む必要性がありません。


 必要性がなければ、ただの設定。ただの設定は、物語にはいらない…とは言いませんが、
 あってもただのスパイス程度にしかなりません。しかし、ご都合主義となり易いです。


篠宮俊樹さんからの意見
 はじめまして。篠宮と申します。

 他の方の意見にもありますが、結界がご都合主義になるかどうかは、設定次第ではないかと。

 主人公が個人なのか組織なのか。
 主人公の目的は何なのか。また、性格はどうなのか。
 バトルで使用する技や術の影響範囲はどの程度なのか。

 結界が発展するためには、何らかの理由があったはずです。
 ただ、あると便利だなあと編み出されたものではないでしょう。
 その理由さえはっきりしていれば、ご都合主義にはならないのではないでしょうか?

 個人的には結界なしの方が面白いと思うんですが。
 主人公の撃った流れ弾がヒロインの父親を射殺し、(以下自粛)。

 結界を作らない自然、重い話になりそうなので、
 黒羽夜咫様がある方が面白い、と思ったなら、作ればいいのではないでしょうか。

 自分の思った通りにするのが一番だと思いますよ。


黒羽 夜咫さんからの返信(質問者)
 主人公は単体で性格は正義感に熱いっていうよくある話です。
 また、斬撃が出たり、ビーム砲が出たりはしないので、
 そこまでフィールドが酷くなる事は無いのですが……。

一応、設定上では敵が標的を捕まえるのに張る網みたいな物で、
 唯一主人公がそこに干渉出来るって設定だったんですが、そんな理由では不十分ですかね?

 ただ、結界を作らない話も面白そうですね。
 参考になりました。
 また、よろしくお願いします。


いまめもろむさんからの意見
 あまり詳しくはないですが、灼眼のシャナに出てくる封絶のようなものですか?

 主人公が干渉できるのは手段や方法であって理由ではないですよね。
 主人公だけがその力を持っているとして、
 敵が街や人を犠牲にするのを止める理由は何かを考えないとです。
 例えば正義感に溢れていても、命を賭してまで守ろうとするのはなぜなのか、とか。
 
 逆に街が壊れたり人が死んだりしたら、敵の存在が公にばれて
 主人公にとって有利になるのではないかと思うわけですよ。それをしないのはなぜなのか、とか。
 眠くて頭が回りませんが、こんな所が気になりました。


いまめもろむさんからの意見
 面白い面白くないではなく…

 現代モノで、未曾有の大災害が出るような敵と主人公が戦うとしたら、
 その内自衛隊とか米軍とか出てきそうなもんですし、
 政府がそういう敵に対する対策チーム持っててもおかしくないです。
 そうなったら一般市民みんなが、
 そういった未曾有の大災害出せそうな敵に対する知識を持っててもおかしくない。

 そこまで緻密に設定すると、主人公だけ強いのがおかしくなったり、
 読者が簡単に理解できる現代ローファンタジーではなくなって売れなくなって出版できなくなります。


 ので現代ローファンタジーのバトル物をお書きになる作家様は、
 何が何でも「主人公と敵だけ」の空間を作って、
 なおかつ市井の方々にはばれないような仕組みをつくらねばなりません。

 具体例としては、ナイトウィザードの「月甲」とかシャナの「封絶」などが挙げられるでしょうか。
 両者とも敵の存在が「この世ならざるもの」で、
 「この世ならざるもの」との戦いが公にならないようにするシステムとして用いられております。

 そういう意味での「ご都合主義」ではないでしょうか。
 もうテンプレートになっているので、
 先駆者の作ったテンプレートに乗っかってもOKのような気がしますがね。
 趣向の変わったガジェットや理由付けがあった方が読者に唸ってもらえるとは思いますが。


808さんからの意見
 まずは書こうとしているテーマを確認しましょう。
 テーマという言葉がわかりにくければ、

「どういうところを読者に見せたいの?」
 という質問に答えてみてください。


 その答えがテーマです。
 設定とはテーマをより効果的に見せるための装置のことです。

 結界があるかないかで読者に見せる部分=テーマは大きく異なります。
 読者に「血沸き肉踊るバトル」が見せたいのであれば、
 結界の設定を入れたほうが、そのテーマ=「血沸き肉踊るバトル」を
 ストレートに見せることが出来るでしょう。

 バトルするたびに周囲の無関係な人々に被害が出てしまうのであれば、
 バトル以上に周囲の人々の方に気を取られてしまう読者も少なくないはずで、
 それでは「血沸き肉踊るバトル」というテーマがぼやけてしまうわけです。

 その際、結界の整合性はぶっちゃけどうでもいいことです。

 うまく辻褄が付けられるのであればそれに越したことはありませんが、
 ちゃんと「血沸き肉踊るバトル」が魅力的に描かれているのであれば良いのです。
 そこをいちいちあげつらう読者はというのはそもそも
 「血沸き肉踊るバトル」よりもほかのテーマに興味があると思われます。
 まあ「世の中には別の小説がいくらでもあるのでそちらをどうぞ」
 くらいの気持ちで構えていればいいのです。

 とまあ、設定で迷ったらまずはテーマの確認。
 自分が描きたいテーマをより良く見せるにはどうすればいいか、というところから考えていってください。


黒羽 夜咫さんからの返信(質問者)
 なるほど。

 自分が今書いているのは都市伝説の住人との戦いなのですが、読んでもらった人いわく、

「都市伝説の敵と戦うんだったら、秘密にしてたらまず都市伝説として広がらないだろ。
 特に体験した人物がそのままだったら死ぬなんて都市伝説やったら尚更」

 って言われて自分としても一理あるなと思ってしまったんです。

 でも、るうくさんがおっしゃった様に、街の住人が皆が敵の存在を知っていて全員、
 武器装備済みなんて事になったら確かに変だな……とも思ったりして、今ちょっと悩んでおります。



いまめもろむさんからの意見
 横槍すみません。
 都市伝説をネタにするなら、参考に「花子と寓話のテラー」を読んだ方が良いでしょう。
 未来日記で知名度が上がった作者のマンガです。
 同じく都市伝説の中に出てくる人や物が敵になります。
 ただし無差別に人を狙うというわけでもないです。一応。


るうくさんからの意見
 ああ、その場合はきっと、結界の設定が二重になっているんだと思います。
 「都市伝説」の設定が上手く行き過ぎて
 「結界」が必要ない状態になっている指摘を受けたのだと思います。

 だって、負けたら死ぬ都市伝説の相手と戦うのに、勝ち負けは関係ないでしょう。
 勝った後で初めて問題になる訳で。

 勝ってからの対処だったら、主人公が新しい都市伝説の一部になってしまう訳で。
(ほとんどの人はそれを知らないという落ちで)
 お話に必要なギミックをクリアしてるって事ですよ!それは!


T.Tさんからの意見
 一言でいえば価値観の違いじゃないでしょうか?
 
 黒羽 夜咫さんが友人のような方をターゲットに話を書きたいのであれば
 望む展開を書いてあげればいいのです。
 自分の書きたいように書いてそれが楽しいって思ってくれるであろう人を
 ターゲットに書きたいのであれば結界を取り入れた話を書けばいいのだと思います。


docさんからの意見
 初めまして。自分でも何か書きたいけれど何も思いつかない素人です。

 ご都合主義にならない為に結界に理由が要る、これは言葉を代えると
 「一般市民を守る技に説明責任がある」とも取れます。
 これをそのまま話の一つに加えてみるのは如何でしょうか。
 その世界では普通、結界の使用者は特殊な人たちで、主人公のような人が使うな代物ではない。
 では主人公は何故わざわざ習得したのか?→正義感あふれる返答。

 こういう展開こそ有り触れてるでしょうか……失礼しました;;


マギウス あひるさんからの意見
 こんにちは、あひるです。
 バトル内容に関しては、意見が出尽くしてる感がありますので、別の方向から。

 都市伝説の流布は、朱川湊人氏作『都市伝説セピア』内『フクロウ男』が結構参考になると思います。
 作中では、「○○したら殺される」と言う噂を信じず、○○をする被害者が出ます。
 特に子供は、「○○してはいけない」と言われるとしてしまうので、不思議でも何でもありません。

 が、そこに突っ込まれると言うことは、そうした背景を考えていなかったのでしょう。
 「一理ある」と言ってしまうくらいですから。

 一見矛盾しているようですが、「敵が結界を張って獲物を捕捉すること」と
 「都市伝説として噂が広がること」は、矛盾しません。
 バトル設定以外の設定も、しっかり作りましょう。

 私見ですが、参考になれば幸いです。

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