帽子さんが答える (2011年4月)
ラノベ新人賞の下読みをしている帽子です(2011年4月)。
今まで読ませて頂いた作品を対象に、それぞれを並行して以下の事について論じて締めとさせて頂こうかと思います。
1、ストーリー・設定について
単純にストーリーとして面白い作品はどれか。設定のみを見て興味が惹かれるか。
(例:ループ現象下で繰り返さ れる殺人事件。特殊状況下での感染者探しetc)
ここではキャラの魅力、設定を上手く生かせているか等については目を瞑ります。
2、視点人物としての主人公について
ラノベでは主人公に感情移入させる事が大事です。
それが出来ている作品をいくつかあげ、どうして感情移入出来るのか等について論じたいと思います。
3、ヒロインについて
一般小説ではストーリーが大事であり、ラノベではヒロインが最も大事だと言っても過言ではありません。
そのヒロインを語る際に作品内だけでは語りきれない部分が多々あります。
又、並べて論じるような形にして初めて見えてくる箇所もあるかと思います。
格付けのような形にし、魅力的な部分が何処なのか指摘していきたいと思います。
4、脇役について
ストーリーの味付け、主人公やヒロインをより立てる事が出来る脇役とはどのようなものなのかについて具体例を出しながら論じます。
5、筆力について
どの程度書けていれば大丈夫なのか、又どの程度書ければ筆力が有るとみなされるのか。
目安になるよう具体的に作品名をあげたいと思っています。
作品は、今届けられている中で、以下の順番で読んでいきたいと思っております。
1,ツミキさん
2,風来坊Qさん
3,りょうさん
4,篠宮俊樹さん
5,ゆうさん
6,寺宙さん
7,マギウスあひるさん
お知らせは以上です。よろしくお願いします。
ツミキさんの作品の感想からいきます。
既存作品と似ているとの事で、どの作品だろうかと思ったらミミズクですね。
オリジナルでここまで有名作品とかぶってしまったら私なら泣きます。
公募に出すのでしたらこのままでは一次落ちは目に見えています。
まず、勇者、魔王、鎖、奴隷、家畜この単語を別のものにして下さい。これは最重要課題です。
例えば魔王は別のラスボスっぽい名称でも十分代えが効くはずです。
単語だけでミミズクを連想させるのはさすがに不味いです。
又、ツミキ様はミミズクを知らなかったとコメントされていますが、私に言わせれば知らないのはやはり不味いです。
ライトノベル作法研究所(ここのサイト様)のトップページに一押しラノベという項目が有ります。
せっかくこのようなものを作って下さっているのですから、そこを利用しない手はありません。
軽く目を通させて貰いましたが知っておくべき作品はほぼ漏れなく網羅されています。
例えば今回の作品ですと異世界ファンタジーです。
一押しラノベの異世界ファンタジーの部分を見てみて下さい。
ミミズクは載せられています。
是非これはやって欲しいのですが、例えばこれから異世界ファンタジーを書こうとしている場合、
一押しラノベの同ジャンルであげられている作品を出来る限りおさえて下さい。
(星が一つ以上のものは必須)
全て読むのが理想的ですが恐らく時間的にも金銭的にもきついでしょうから、読む気の無い作品は「タイトル ネタバレ」で検索して概要をおさえてしまいましょう。
大体どの作品も10行~20行もあれば説明出来ますし、それを知ってしまえばかぶる心配も無くなり余計な労力を省けます。
又、既に使われてしまったネタとは言えプロの作ったストーリーはアイディアの宝庫です。
形を変えて使ってやる位の気持ちで盗んでしまいましょう。
いきなり苦言からでしたが、以下に感想を書きます。
・全体的に
テーマはありきたりですが思わず考えさせられました。
又、時系列、最後の落ちは工夫していると言えます。が、分かりにくいです。
何度か読んでやっと理解出来ました。
読者に一発で理解させられるように工夫しましょう。
・文章について
一人称の文章としてはおかしく無いですし、語彙もまずまずです。
ただ、全体的にぎこちないです。何回か通しで読んでみましたでしょうか。
推敲不足な印象を受けます。
キャラクターについて
・魔王
キャラとしては魅力的です。しかし主人公(視点)としては美しすぎて入れませんでした。
ここまで綺麗な性格にするのでしたら三人称で書いた方が魅力的に描けるかもしれませんね。(叙述トリックに関係のある部分のみ一人称にする)
・フィー
魅力的に描けています。弱さを魅力に変えている良い例です。刺された場面、幼女のあのような描写には胸がしめつけられます。(悪いという意味では無い)会話文でも幼さが出せています。
又、最後、私の中ではフィーはずっと幼女、しかも顔まで何となく浮かんでいたので余りの変わりっぷりに驚きました。それを狙っていたのならお見事。
・メイデア
途中まではすごく魅力的なキャラ(になりそう)でした。惜しいキャラです。
例えば魔王に自壊しろという場面なんかはもう少し枚数を使って葛藤を描いて欲しい。
世界と魔王を天秤にかけてあまりにもあっさり世界をとりすぎです。
勿論、聖女とは何ぞを描きたいのは分かります。
しかし、今までのやりとりは一体何だったのかと思わずにはいられませんでした。
あっさりと出てきてあっさりと言うのならまだしも、準ヒロイン的に描いてしまった以上これではあまりにも、です。
(ある意味魔王様に感情移入出来るようにもなりますが)
ただ、やはり欲しいのは魅力的な「女性キャラ」なんですよね。
内面を丁寧に描ければ間違いなく魅力的になります。
他のキャラは心理描写が全然足りず、悪キャラも善キャラも今一で唐突な印象になってしまっています。
総括
話がかなり似通ってしまっているので、最初に述べたように単語を変えましょう。
変えれば印象もだいぶ変わるかと思います。
又、それぞれ踏み込みが甘いキャラは内面まで掘り下げ、丁寧に葛藤や心理の移り変わりを描いて下さい。
そうすればオリジナリティも出てくるかと思います。
最後のフィーの変貌は驚きましたが、もう一つ説得力が足りない。
伏線は張られていますが、本当に魔王の事を好きになったというエピソードを追加しましょう。
以上です。頑張って下さい。//
風来坊Qさんへ 、作品を読了しました。
以下に感想とアドバイスを。
タイトルおよび序盤を読み、文句無しの最低評価をしてしまおうと思っていたのですが(いつの時代の小説だという思いも)、後半の木霊のエピソードから急に面白くなり、最後は唸りました。
ただ、それにしても序盤のつまらなさはひどいです。もう少し工夫しましょう。
又、ラノベでこれだけ萌えが少ないのもさすがにきついです。
まるで少年漫画を読んでいるような気分でした。
唯一と言えるヒロインが木霊だけなのもダメです。
後は最後が若干重いですね。木霊の魅力にもつながる部分ですし重すぎとはいいませんが、萌えとの釣り合いがとれていません。
良かったのはテーマの着眼点がすごく面白い事です。
作者様が最も描きたかったのは恐らく木霊との戦いを通した主人公の変化だったのだとみます。
又、木霊の口調が自然でセンスを感じました。
「出来れば、私は空を飛びたいよ。だけど、現実はそう上手くいかないでしょ」
このセリフがすごく気に入りました。これは作者様のオリジナルでしょうか?
そうでしたらこのセリフだけで木霊を大いに評価したい想いです。
酷評と絶賛が入り交じる感想になってしまいましたが、直すべき点がはっきりとしている分改稿はしやすいかと思います。
一、女性キャラを増やしましょう。
二、前半部分では木霊の掘り下げ方が甘いです。
このような話ではいかに日常が魅力的だったのかを見せられるかが勝負です。
三、序盤は一工夫を。中盤まで設定、世界観の説明に終始してしまっているのでそこも工夫が必要。
四、戦闘描写が長すぎ、且つ面白くないです。
以上です。改稿すれば化ける作品のように思います。頑張って下さい。//
こんばんは。りょうさん、お待たせしました。
では、以下に感想を。
確か処女作と書かれていたと思うのですが、処女作でこれだけ書けるのは素晴らしいです。
ただしリーダビリティに著しく問題があります。
一般的な語彙の範疇を超えた言葉を使う場合、その言葉は推測出来るようにしなければダメです。
それと一緒で、日本語でも難しい言葉、一般的でない言葉は文脈で推測出来るものでなくてはなりません。
そうでなければ読者に国語辞典を引かせながら読ませてしまう事になり、殆どの人は途中で読むのをやめてしまいます。この小説内では文脈で推測させられるとはまだ言えません。
京大が舞台なので受験英語に例えますが、例えば東大の英語はセンターレベルの語彙でも十分に対応出来てしまうレベルです。ただし文章は難しいと言えます。
逆に京大の英語は非常に高いレベルの語彙を要求します。
実は小説でもこの二つのパターンに大別出来ます。
そして小説で京大型をやってしまうと読者を選んでしまう為、厳しいところがあります。
難解な言葉を使っているにも関わらず売れている、又は人気のある作家さんは十中八九東大型ですので、是非読んでみてください。
もう一つ直すべき点は視点です。視点が章ごとに移っているところから基本は分かっているのだと思いますが、その中でも視点の移動が多々見られます。
視点のぶれというのは新人賞では減点要素なので気をつけて下さい。
ストーリーについては面白かったです。設定なども良く考えられています。
ただ、ラノベ向きとは言えません。中高生が興味を持てるとも言い難いです。
キャラクターについては結構な人数を出しているにも関わらず書き分けもきちんと出来ていますし、それぞれが魅力を持っています。ただしあまりにも大人過ぎです。
これでは松下奈緒どころか黒木瞳です。幼さを持たせるようにしましょう。(特に男性陣)
総括
語彙が豊富なのは良い事なので、それを生かすためにどのような文章を書けばいいのか学んで下さい。リーダビリティというのは小説では非常に重要な部分です。
また、ラノベで行く場合、何度も書いていますが萌えは必須ですので、大学生という設定ではよほどの+αがなければ受賞は厳しいです。(大学生という設定に必然性があったとしても)
七海ではまだ萌えとは言えませんし、美夜子にも魅力が足りません。
萌えがどのようなものなのか、今一度良く研究してみてください。
以上になります。頑張って下さい。
こんばんは。
篠宮俊樹さんへ、作品読了しました。では、早速。
全体的に楽しく読ませて頂きました。文章なども手慣れている印象を受けます。
文章が多視点になってしまっていますが、多視点で書くつもりだったのか判断出来ないので、作者様がどちらで書いたつもりなのか教えて下さい。
心理描写については、心理の移り変わりが非常に丁寧で喝采をあげたくなりました。特に薫の心理描写が丁寧です。薫の嫉妬シーンなんかも自然とこちらで受け入れられました。
又、主人公と薫の一緒に寝ますか、のシーンは一線を越えてくれるのかと変な期待をしながら読んでしまいました。あのようなシーンは初々しくて好きです。
梓紗についても非常に共感出来る部分が多いです。
さて、この小説ですが、一般小説としては読めますがラノベとは言い難いですね。
以前ラノベに必要なのは魅力的な若い女性と書きましたが、若いとは年齢だけではなく、未熟という意味があります。精神的、肉体的、行動のあらゆる面で幼さが欲しい。
私に言わせれば主人公も薫も梓紗も全員大人です。熟達してしまっているんですよね。 例えばラノベで描かれる姫様は着物がぶかぶかで、性格も我が儘だったり、世間知らずだったり、泣き虫だったり、甘えん坊だったりとにかく幼いんです。
ラノベではそういう女性が欲しいんです。松下奈緒ではなくAKBでお願いします。
次作以降ではその辺に気をつけて書いてみて下さい。
江戸時代という設定は特に問題では無いです。
(ただし時代物はうるさい読者が多いので気をつけましょう)
お忙しい中、ありがとうございした。
>文章が多視点
これは狙って多視点で書きました。
私の中では薫と義正は二人で一人前という扱いだったので、両面から追うことにしました。
>特に薫の心理描写が丁寧
ありがとうございます。
何せ、正主人公ですから(義正は副主人公のつもりでした)。
本作は二人の話なので、どちらが正主人公とも言い難いのです。
ですが、あえて序列をつけるなら、私の中では伸び代の多い薫の方が主人公でした。
>一般小説としては読めますがラノベとは言い難い
あー、これが公募で一次落ちした原因ですかね。
そこそこ上手く書けたかと思っていたら、初戦敗退だったので、原因はどこかと考えていたんですが……。
>主人公も薫も梓紗も全員大人
若干、自覚はありました。
なので、十代後半であっても、未熟さを残しつつも大人に近い、そんな時代を選んだという面もあったのですが……そういう問題じゃあない、と。
年齢じゃなくて、現代の中高生が共感できる人物が必要ということですね。
となると、子供でいられる時間が短い、この時代が舞台なのはマイナスに作用しそうですね。
>時代物はうるさい読者が多い
そうですね。読み易さを取るか、史実を取るかは悩みどころでした。
ところで、読み返して見ると、あまりマイナス点はなさそうなのですが、一次落ち原因はひとえに、ラノベでない、になりそうでしょうか。
だとすると、結構、致命的で泣けてきます。
泣きごとはここまでにして、ご指摘ありがとうございました。
次作の方針について、ちょっと考えてみたいと思います。
>一次落ち原因はひとえに、ラノベでない、になりそうでしょうか。
カテゴリーから外れてしまうとやはり厳しい、という事ですね。
がんばってください。
こんばんは。
最も好かれるキャラとは「不言実行」をするキャラです。
「あんたなんか知らない」と言っておいてピンチの時はツンとしながらも駆けつけてくれるキャラです。
逆に最も嫌われるキャラは「有言不実行」(こんな言葉無いですが)をするキャラです。
「絶対助けるからな」と言っておいてピンチの時に助けに来ないのは最悪です。
この代表とも言えるのが政治家であり、そして私です。
日曜日に全部読みますと言っておいて一作しか読めませんでした。
今から後一作は読ませて頂こうかと思っていますが、アルコールのまわりがひどくてこれもどうかという状態。
どうか読むペースについては大目にみてやってください。
前置きが長くなりましたが、カテゴリーエラーで皆さんが大分苦しんでいらっしゃるようですので、大ざっぱにご自身でチェック出来るように目安を書いてみます。ご参考下さい。
1・ヒロイン不在(萌え無し)
ヒロインの条件……魅力的な若い女性キャラ。
チェック項目・
魅力的な→表面、内面に弱さの設定があるか。掘り下げられているか。
類型の範囲内に収まってしまっていないか。会話が魅力的か。描写が出来ているか。etc
若い→若さとは未熟さ、幼さです。年齢、容姿、行動面、精神面に幼さがあるか。
(大学生は基本的に大人です)
女性→×男の娘 ○おとこ女
2・テーマ、ストーリーの重さ
重い分には問題無いが、萌えとの天秤にかけて重さに傾いてしまうと厳しい。
他にもありますが、大体この2項目でチェック出来るかと思います。
分からなくなったら
その作品が「中高生の男子」に需要があるようなものかどうか考えてみて下さい。//
こんにちは。ゆうさんの作品を読了しました。
こちらの作品は電撃大賞、スーパーダッシュ小説新人賞に応募されたものです。
(いきなり空気読めな話から始まります)
この作品はライトノベル向きではありません。カテゴリーエラーです。
講談社Birthという20代までの人を対象にした新人賞があります。
そこの編集部が欲しがっている作品がまさにこのような社会問題(編集長は違和感という言い方をしている)を扱った作品です。
> 個人的には、これからも一般ではなく、ライトノベルの新人賞に投稿し続けようと考えております。
とのことですが、元々一般小説嗜好だった私としては紹介せずにはいられないので、紹介するだけ紹介しておきます。(勿論聞き流して下さって構いません)
以下に作品の感想とアドバイスです。
この作品は全体を通して非常に強いメッセージ性を持っていると言えます。
一つはマスコミへの批判(特にメディアスクラム)、もう一つはお金です。
作中ではテーマの無い作品は面白くないという事を書かれていたので、恐らくそれが作者様の考えだと思うのですが、これには私も全くの同意です。テーマに貫かれていない作品は紙飛行機にしたら何処までも飛んでいってしまいそうに思える位にぺらぺらで薄い。
ただし、です。ラノベでは好まれるテーマとそうでないテーマがあります。
好まれるものは友情、愛情、家族、努力などの身近で分かりやすいテーマです。
言ってしまえば人間というものをテーマにしたものが好まれます。
逆に社会問題を扱ったもの(いわゆる社会派)は疎く思われてしまう傾向があります。
(女性差別、少年法、医療問題、ワーキングプア、高齢化社会、政治批判等)
何故かというと中高生には社会問題なんて他人事だからです。
分かるか分からないで言えば分かりますが、最終的にはどうでもいいものです。
彼らには政権交代よりも目の前の可愛い女の子にどうやって告白するか、こっちの方が大問題であり、関心があります。総理大臣の名前を知らない学生さえいますからね。
なので社会問題を前面に出した作品はよほど上手く描かなければ厳しいです。
しかし描いてはいけない訳ではありません。
描く場合、それを最優先に描いてしまってはダメという事です。
それ以上にキャラクターの魅力、エンターテイメントとしてのストーリーの面白さというものを描かなければならない。
この作品を読むとどうでしょう。テーマを最優先に描いてしまっていると言えます。
そこがラノベの新人賞に落ちた最大の原因と言えるでしょう。
友情や努力の部分もそこそこ描かれているので、そちらを前面に出せば結果は全く違っていたと思います。
さて、問題はここからです。
今後のためのアドバイスをどうすれば良いのかが本当に分かりませんでした。
というのも社会派というものがラノベでは疎く思われている反面、それを辞めてしまったら作者様の個性も奪われてしまうような気がしたのです。
そこで二つの場合に分けて指針になりそうな事を書いてみるので、参考に出来るようでしたらしてみてください。
1・社会派で貫き通す場合
設定を現代から出来るだけ遠ざけ、ファンタジーやSF的な設定を混ぜ込む。
その世界、例えばユートピア、ディストピア的な世界で現代の社会問題を指摘してみる。
又、その場合でも社会派としてのテーマ以上に人間としてのテーマ(友情、努力、家族)を前面に出す形にする。
主人公を幼くする。(以下で触れます)
萌えを描く。(以下で触れます)
2・社会派を捨てる場合
ドラマや人間の葛藤の描き方はきちんと学べています。
(勿論描き切れていない部分もありますが、理解は出来ています)
特に後半部分は本当にドラマを見ているかのようにさえ感じました。これはかなりの強みになります。
なので今度はストーリーの部分ではなく、キャラの魅力、萌えというものがどういうものなのか研究してみて下さい。
例えば今回の作品での雅、小町、陽菜、全員個性がありますが、全員萌えとは言えません。
確かに魅力はあるんです。ただしこの魅力はAKBではなく松下奈緒(そろそろしつこい気がしてきました)なんですよね。そしてラノベで求められているのはAKBの方です。
ゆう様の中で高校生がこの精神年齢ですと、小学3年生くらいの精神年齢まで落として下さって結構ですので(特に主人公とヒロイン)、とことん幼くしてしまいましょう。
又、テーマを強く描けるのは強みなので、人間をテーマにしたものはどれでも良いので必ず入れましょう。
>講談社Birthという20代までの人を対象にした新人賞があります。
紹介、そして貴重な情報ありがとうございます。情けないことに、このような賞があると知らず、不勉強でした。
毎月募集しているのですね。
応募要項を確認したら、自分の作品は結構枚数がオーバーしているので、改稿が間に合えば今月の締め切りまでに送らせていただこうと考えております。
そして作品の丁寧な感想とアドバイス、ありがとうございました。
私にとってテーマは物を書く上ですごく大切だと考えております。
扱うテーマも、ライトノベルにないような目新しいものにしたい。そう考えて今回社会的な問題を扱いました。ただ、ラノベに限って好まれるテーマ、そうでないテーマがあるなどというのは知りませんでした。
帽子様のアドバイスを聞いて、とても勉強になりました。
確かに、自分が中高生だったときに、いまの自分の小説を買いたいと思うか、読みたいと思うかと考えたら……きっと読まないと思います。
友情や努力、そして熱い展開なども入れたのですが、やはり社会的なテーマの強さが前面に出てて、他の部分が影ってしまったと自分も思いました。
次の作品作りには、帽子様のアドバイスを活かしてテーマ設定をしようと考えております。
アドバイスしてもらった今後の指針ですが、いまは2「社会派を捨てる」のほうに舵を切ろうと考えております。
理由は二つあります。
一つは、いま書きたいなと頭の中で描いているのが2のような内容だからです。
二つ目は、社会派の内容は書いててそれなりに苦労して、かなりのレベルが必要だなと感じたからです。
ドラマがうまく書けてると仰ってもらって、とても嬉しいのですが、さらに上を目指すと思うとまだまだ力量不足だなとも感じます。
ですが自分のレベルが上がり、社会派を扱った題材で書きたいものを見つけたら1・「社会派を貫く」の方向にシフトしようと考えております。
1のような作品とは、有川浩の「図書館戦争」などが近いのでしょうか。自分もいつか、図書館戦争のような読みやすくて内容が深い作品が書けたらなと夢見ています。
もちろん2から1へとシフトするのにうまくいく保障はありませんが、当面はこの方針で物を書いていきます。
繰り返しになりますが、この度はボリュームの多い作品を読んでいただきありがとうございました。
一次選考落選ですと、選評ももらえず(SDは別ですが)、落選理由を考えて五里霧中になっていたので、帽子様の助言はとても助かりました。
生意気かもしれませんが、いつか自分の作品が刊行されて、帽子様に手にとっていただけるよう頑張ります。
初めまして、帽子様。
寺宙と申します。
ここでの帽子様と皆様とのやりとりを大変興味深く読ませて頂いています。
よろしければ、私の作品もよんでいただけないでしょうか?
少女向け、のつもりだったのですが、感想を頂いたら少年向けじゃない?とも言われ、どちら向けの作品なのか自分でも良く分からなくなってしまったもので……。
作品名「世界で一番綺麗なお姫様(男)」
お忙しいところお手数ですが宜しくお願い致します。
こんばんは。読了致しました。
なるほど、確かにこれは少年向けか少女向けか判断しかねる部分がありますが、言ってしまえばどちらか らも読める気がします。
敢えて言うのなら(男の娘+強い女性)という事で女性向けでしょうか。
男女逆転は叙述トリックものが浸透してしまった今すぐに気づいてしまいますが、それでも少し変わった恋愛物としてすごく面白かったです。(特にこのようなものを普段読まない私には)
なので落ちの分かりやすさはそこまで欠点になっていないかと思います。
ネタが割れてしまってからも続 きを読んでみたいと思える作品でした。
かけあいにも何度もくすりとさせられました。
又、最初は姫で男って、うげぇ、と思っていたのが後半から妙にエルティシアが可愛らしく思えてしまい 、自己嫌悪がひどいです! これは私が作者様に負けたという事なのでしょうか。きっとそうなのでしょう。
文章面では神視点でこれだけ分かりやすく書ける事に素直に拍手を送りたい。
文章そのものも非常に読みやすいですし、現実世界に引き戻される事なく、没頭してしまいました。
総括
是非長編で作品を読ませて欲しいと思わせる作者様でした。作品そのものに欠点はございません。
作品の批評の件、ありがとうございました。
過分な褒め言葉に恐縮してしまいます。
お恥ずかしいことに、この作品は昨年のコバルトノベル大賞さんで一次オチの作品でした。
そこまで出来が悪いかなあという思いから、批評のほうお願いさせていただきました。
少年向けでもいけるとの言葉安心しました。
勘違い系ラブストーリー?のためか(前にコメディーだよと言ったら割と真面目なロマンスだから違うといわれたので)、一時的にBLのような要素になってしまうのを懸念していたのですが、あまり問題にならないのですね。
むしろ、少年系のほうがむしろこういうストーリーは少ないかもしれないのでねらい目なのでしょうか。
ただ、帽子様の主人公の性別のけんでオゲェというのだけはそりゃそうですね!って手を叩いてしまいま した。
こんにちは。
コバルトというと女性向けレーベルですよね。まさに私にとって未知のレーベルです。
男性向けラノベではどのような男性キャラがうけるのか、女性キャラがうけるのかは大体理解しているつもりですが、女性向けのレーベルや少女漫画でどのような男性や女性キャラ、ストーリーがうけるのか、又どこまで書ければ合格ラインなのか見当さえつきません。
なので落ちた理由を考えてみようとしましたが分かりませんでした。(すいません)
ただ、それにしても一次落ちのレベルなのか、というと疑問符がつきます。分からないなりに原因を考えてみると、
1・カテゴリーエラー(可能性大)
人物像がレーベルの求められているものと違っていた。
(ラノベでいうとこの萌えなしになってしまっている)
神視点の為感情移入がし難い。
主人公、ヒロインの年齢設定が高い、等。
2・筆力不足(可能性小)
女性が中心に応募するレーベルですので、筆力は男性向けレーベルよりも相対的に高くなることが予想出来ます。ただ、文章は分かりやすく書けているので可能性は低いとみます。
3・審査員の見る目が無かった(可能性?)
一次で落とされた作品は正確にはその作品が評価されていないものが多いのが現実です。
(一次落ち作品が他賞で受賞するパターンが多いのはこのせい)
余談ですが、逆に三次や四次までいった作品の作者様が、ここまでいったのだから改稿すれば次で受賞出来るんじゃないか、といったものは大抵何処へ出しても落ちます。
というのも複数人審査を経て落とされた作品は総意で「ダメ」と判断されたという事で、大抵その判断は正しいのです。(最終まで残ればこの限りでは無い)
レーベルの敷居の高さ、傾向がどのようなものなのか分からない為、審査員のみる目が無かったと言えないのが残念です。
> むしろ、少年系のほうがむしろこういうストーリーは少ないかもしれないのでねらい目なのでしょうか。男性向けに書くのでしたら男の娘やBL風味のままではきついですね。
同じように書くのでしたら、外見は男性で中身は女性の主人公と外見女性で中身が男性のヒロインでしょうか。
この設定で書く場合、主人公の方はストーリーを進めていくにつれ男性に近づけていけば成長物語として描けます。草食系男子なんて言葉が流行語になり、相当数の男性が草食系認定をされてしまっている今、女性→男性はまさに草食系からの脱却を描いたものとも言え(厳密には違いますが)、面白そうな気もします。
女性の方もエピソードを通して次第に女性に近づけていけば萌えとして描けますし、ベタですが、こんな萌えが読みたいというものの一つであります。
今回の作品のように内面と外面の差による葛藤を描き、コメディの部分を押し出せれば、私としては是非読んでみたいと思えるラブコメです。一個人としては作者様に書いてみて欲しい設定です。
お前は担当編集者かと言われそうですが、思いついたので書き残しておきます。
返信ありがとうございます。
申し訳ありません。コバルトさんは一応、評価シートが返ってくるので落ちた理由は分かっていました。
ただ、巷の噂の物語の体裁をなしていない物語が一次を落ちるという話を良く聞きますので、えー、そこまでー。
という風に感じたのと少年的にはどういう感じなのかなということが知りたかった次第です。
ちなみに、帽子様の参考になるかは分かりませんが、評価的には人物関係の評価はほとんどA評価で、大変魅力的ですばらしいと書かれてました。これには逆に自分もびっくりしました。
女性には描けない女性の可愛らしさが描けていたともかかれていました。主人公は男性なんですけどね。
ちなみに昨今(2011年4月)のコバルトは、その巫女か中華か王宮かという偏ったジャンル以外は受け付けにくいということから、そういうてんではカテゴリーエラーだったいっても良いのかもしれません。
男の娘とヒロインのカップルのお話自体はよく見かけますので、最初に性別を素直に読者へ伝えておいて、何かしらの事件の末に結ばれるてきな話なら、少年向けでも普通なのでしょうね、と思いました。
とにかく、今書いている長編にも良いといわれたところを踏まえてよりいっそう良い作品を描けるように頑張ろうと思います。
ありがとうございました(ぺこり
こんばんは。
マギウスあひるさんの作品を読了したので、感想とアドバイスを書きます。
酷評ですので覚悟の上でお読み下さい。
この作品の最大の問題点ですが、会話文が誰のものだかさっぱり分かりませんでした。
会話文だけ抜き出し「これ誰のしゃべったセリフですか」と言われてもこちらとしてはさっぱりです。
原則ですが、
例1)「こんにちは」とAは言った。
のようにきちんと全てのカギカッコにおいて誰が発言したのか書かなければなりません。
ただし全て「言った」とつけるのでは煩わしいので、動作描写で誰が話したのか示すパターンを入れます。
例2)「今日は仕事がうまくいかなかったんだ」Aはビールをつぎ、グラスを傾けた。
会話文は全てにおいて例1か例2のように誰が話しているのか示さなければならないのが基本原則です。
(ただし明らかにAがしゃべっていると分かる時や、対話形式で交互に話している場合はこの限りではありません)
まず、ここの部分だけで小説の形になっていないと判断されてしまいますのでご注意下さい。
又、背景描写が疎かで今何処にいてどんな状況なのかが分かりませんでした。
描写を主人公の独り言でごまかしてしまっているような印象を受けます。
又、語彙が明らかに不足していますので増やす努力をして下さい。
人物造形もまだまだです。アカネが幼い話し方をしていたということ位しか印象に残りませんでした。
アカネに関しても性格はどうだった? と聞かれると答えられません。他キャラは完全に識別不能状態です。
コメディの部分は所々笑える箇所もあったのですが、やはり誰が何をしているのかさっぱりな状態ですので評価は不可能です。
改稿中との事ですのでアドバイスです。
1・会話文を誰が話しているのか分かるようにする。
2・!や!?を使うのは構いませんが、これだけ多いとさすがに読みにくいので減らしましょう。
3・背景描写、状況説明を疎かにせずにきちんと描く。
4・ネット用語が多用されていますが、これは新人賞では確実にマイナス評価にしか繋がりません。
どうしても入れたければ受賞後改稿の際に入れましょう。
以上です。頑張って下さい。
はじめまして。よしぞーと申すものです。
お忙しいところ申し訳ありませんがチャンスなので、ぜひともご批評いただきたいです。
読んでいただきたいのは、ライトノベルではなく一般の公募に送ったものです。
最初は純文学系の公募に出し、落ちたので書き直し、今度はエンタメ系にも出してみた作品です。よろしくおねがいいたします。
こんばんは。読了致しました。
純文学で下読みをしたこがないので、一般小説のエンタメとしての視点で感想を書きます。
地の文と会話文が一体になっていてリーダビリティが抜群でした。
純文学に多い書き方のように思えますが、上手く書けていると思います。
筆力は合格ラインと言えますが、一般の新人賞ですとやはり筆力のウェイトはかなり高いので今後も磨いていって下さい。
ストーリー展開について、冒頭のライトな残酷描写、サクライの恐怖、眠り姫のミステリアスさでグイグイ読ませます。休む間もなく一気読みでした。グロの描写も生々しく、気持ち悪かったです。
又、この作品のテーマについて作者様の考えがこちらにも伝わって来ました。
私はそのような作品を大いに買います。
主人公を引きこもりに設定したのも引きこもり70万時代の今では正解でしょう。
ひきこもりの心理描写が中々に興味深かったです。
ネットでのやり取りもすごくリアルに描けています。
余談ですが、純粋な読者として眠り姫と主人公がくっついて二人の間に罪と後悔が生まれるような白夜行ちっくなものが読んでみたいと思いました。眠り姫が人間的で魅力があるだけにこのまま終わらせるのは何となく勿体なく感じてしまいます。
総括。
小説として面白く読めました。ただ、もう一つ突き抜けるものが欲しいように思います。
私としてはもう一段階残酷で黒い話にしてしまっても良かったのではないかと思いました。
一般ですと具体的にこれ、と言いにくいものがあって難しいですが。(特に短編)
以上になります。基本的な部分は出来ていますし、今後も頑張って書き続けて下さい。