ライトノベル作法研究所
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  4. ストーリー7つの分類考察公開日:2013/01/21

ラノベのストーリー7つの分類考察

 一刻さんの質問 2013年01月14日

 最近、小説を書かずに、小説の書き方の勉強ばかりをしてきました。知識を集めたり、文章の書き方を勉強したり、小説の分類をしたり。
 その中でもストーリーの流れ(物語の進み方)について、構成要素(流れの置き換え方)を以下のような7つに分類してみました。

・逐次(過去→現在→未来という風に、順番通りに進む)
・挿入(本筋と関係ないエピソードを差し込む)
・分岐(選択肢Aなら未来α, 選択肢Bなら未来β)
・ループ(一定の期間を繰り返す)
・並列(二人でバラバラで行動しつつ、結果は一人で集約)
・時間・視点の行き来(時間: 過去or未来へジャンプ)
・世界の行き来(異世界間・物語世界の移動など)

 並列は、「NARUTO」を読んだことのある方なら、「影分身」がイメージしやすいと思います。各分身体は、それぞれバラバラに活動しつつ、一つの統一された方針に従って協調動作するので。

 この区分を使って何がやりたいかというと、作業的に物語を複雑にする方法を編み出したいのです。
 そのために物語の流れを変える道具(上に挙げた7つ)を精査していたのですが、これで十分足りているのか、あるいはそもそも考え方がおかしいのか、不安になって仕方がありません。

 長くなりましたが、皆さんにお尋ねしたいことは、
・分類方法の「これ違うのでは?」という指摘
・ジャンプ(時間や世界の行き来)の、機能限定版や組み合わせ版について
・この分類では分解できない例とか

 以上です。もしくは感想だけでもいいので、気軽に回答お願いします。
 ……本当は自分の場合、キャラクター造形の方を頑張ったほうが成長しそうですが。

●答え●

ねこさんの意見2013/01/14

 とりあえず感想だけ。

 その物語に合った展開を選びさえすれば小説は完成するわけで、そんな分類だなんだとややこしいことを考えて悩む意味が分かりません。

 この分類から新たな組み合わせを考えたとしても、それと合致する物語が無ければ意味が無い。そうなると結局は、物語に合わせて構成を組むわけです。
 僕が個人的にシンプルに考えて行きたいタイプだから感じることかもしれませんが、凄く行き過ぎた考えであるように思います。
 少なくとも、この分類で作品を完成させようと思ったら感覚や慣れよりも計算が必要になりますしね。考えて考えてやっている時間で長編が幾つか仕上がってしまいそうな予感さえします。

一刻さんの返信(質問者)2013/01/14

 回答ありがとうございます。違う人の視点が欲しかったので、参考にならないなんてとんでもないです。
 こんなことやった理由は、最初にややこしい分類を行なっておけば、実際に話を書くとき楽できそうだなーと思ったからです。
 構成を選んでから物語を作るならともかく、普通は物語を作ってから構成を選ぶ…目的と手段を図り間違えていました。

>  僕が個人的にシンプルに考えて行きたいタイプだから感じることかもしれませんが、凄く行き過ぎた考えであるように思います。

 この辺の感じ方は人によりけりなんでしょうね。
 個人的には、複雑に感じないのですが。プログラム書いてるからかな?

>  考えて考えてやっている時間で長編が幾つか仕上がってしまいそうな予感さえします。

 確かに。
 最初は粗筋の推敲をする際、「この分類を使うと便利?」と考えていました。
 ただ、初心者がまずやるべきこと、からは離れてしまうのでしょうね。

あまくささんの意見2013/01/14

 はじめまして。あまくさと言います。
 私は物事を理屈で考えるのが好きな方なので、ストーリーの類型を分類してみる作業そのものは悪くはないと個人的には思います。

 ただし、分類するのであれば、それぞれのタイプにどのような特徴があり、どういうメリット・デメリットがあるのかまで考えておかないと意味が無いのではないかとも思います。

 例えばですね。
 逐次型は一人の主人公を軸にして物語を進めやすい書き方だと思うんですね。読者は単一のキャラクターと行動や心情を共にしながら作品を読み進むことによって、そのキャラに感情移入をしやすいという効果が期待できます。
 一方、並列というのが章ごとなどによって軸になる人物が切り替わるということだとしたら、物語を多角的に描けるというメリットがあるでしょうが、軸となるキャラの変更によって感情移入がリセットされてしまうかもしれない(あるキャラが好きになりかけていたタイミングで他のキャラに切り替わることによって、読む気が失せてしまう)というデメリットに注意する必要があります。

 ですから。
『この物語は複雑な世界観を織り込みたい』
  ↓
『ゆえに逐次型では表現しきれず、並列型を採用する方が向いている』
  ↓
『ただし、並列型には読者を一人のキャラに感情移入させにくいというデメリットがある』
  ↓
『そもそも物語の基本的な狙いとして、作者はある特定キャラに感情移入させることを重要視しているのかどうか? 一度そこにもどって考え直してみる』
  ↓
『あるキャラに感情移入させることが重要であるとしたら、並列型の選択が妥当であるかどうか再検討する』
  ↓
『並列型が最適であることが確認できたなら、感情移入の問題をどう補うかの工夫を考える』

 あくまで一例ですが、このような思考を経ることによってプロットが構築されていくのではないでしょうか?
 次に、一刻さんが提示されている7タイプについて。

 まず、逐次・挿入・分岐・ループ・並列は抽象的な構造の分類ですが、「時間・視点の行き来」はカテゴリーを限定した構造、「世界の行き来」は設定の話ですから、分類の意味合いが異なるように思います。ストーリーの実際としては「時間の行き来」は挿入と重なり、「視点の行き来」は並列と重なる部分もあるように思えます。
 また、逐次・挿入・並列は分かりますが、分岐とループはよく分かりませんでした。

 よって、七つのタイプがそれぞれ具体的にどういうものなのか、また、できたら既製の作品で言えば何に当てはまるのか教えていただけますと、意見や感想が述べやすいかもしれません。
 そのへん、いかがでしょうか?

一刻さんの返信(質問者)2013/01/14

 こちらこそはじめまして。回答ありがとうございます。
 先に注意しておくと、下の方に「紫色のクオリア」のネタバレをそれなりに含みます。未読でしたらご注意下さい。

>  ただし、分類するのであれば、それぞれのタイプにどのような特徴があり、どういうメリット・デメリットがあるのかまで考えておかないと意味が無いのではないかとも思います。

 考えていたことは、タイプごとの複雑さの順位づけですね。
 物語自体の複雑さ(広がり)なら、逐次が一番単純で、下に行くほど(挿入・分岐・ループ……)複雑。
 読者にとっての理解しやすさ視点なら、逐次~並列までは同じ順位。「世界の行き来」が二番目に複雑、「時間・視点の行き来」が一番複雑と考えていました。
 「どうやって物語を複雑にするか?」しか考えていなかった、とも言います。

>  まず、逐次・挿入・分岐・ループ・並列は抽象的な構造の分類ですが、「時間・視点の行き来」はカテゴリーを限定した構造、「世界の行き来」は設定の話ですから、分類の意味合いが異なるように思います。ストーリーの実際としては「時間の行き来」は挿入と重なり、「視点の行き来」は並列と重なる部分もあるように思えます。

 抽象的な構造の分類をしているとは意識していなかったです。
 大体は、フローチャートの構成要素を流用しただけなので。
 分類の意味合いが一部ズレている、ですか。そこも、世界の行き来はともかく、時間・視点に関しては気づいていなかったです。

>  よって、七つのタイプがそれぞれ具体的にどういうものなのか、また、できたら既製の作品で言えば何に当てはまるのか教えていただけますと、意見や感想が述べやすいかもしれません。

 具体例かぁ。「説明が抽象的すぎ」とはよく言われるなので、気をつけます。
 それでは、各分類の例を書きながら、補足説明も試みます。

 逐次は省略。
 挿入は、サブストーリー(「物語を構成する流れ」のうち、分割して一つとしたもの。一個で独立していても、していなくても良い)を差し込むものです。例えば、「とらドラ!」のスピンオフみたいな外伝だったり、夢の中の話だったり。

 ループの例は、多分たくさんあるはず。とくに最近。
 涼宮ハルヒの「エンドレスエイト」(でしたっけ?)、「まどか☆マギカ」(噂によると)、原作はゲームですが「Steins;Gate」(確認済)、などなど。
 大抵は、何回も同じ時間を繰り返して経験値を積むことで、閉鎖されたループ世界から脱出するという流れですね。

 分岐・並列は、「紫色のクオリア」がわかりやすいかもしれません。というか、この、流れの構造の分類を思いついたのも「紫色のクオリア」のおかげがあります。
 閑話休題。上の作品のメインは時間もののSFでして、まとめると、ある目的を果たすために、主人公が選択肢の総当りを行なうという流れです。「この行動じゃダメだった! じゃあ戻って、別の行動を選択だ!」という感じ。
 最初は主人公が戻る時間の幅も一ヶ月くらいだったのですが、どんどん戻る時間の距離が長くなって……しまいには「Ifの世界の自分」との連携による並列なんかまで出てきます。

 ですので、分岐は「あり得る全ての可能性の中から、1つを選択」ですね。他作品では、「ドラえもん」のもしもボックスの話、「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ」なども、分岐がでてきます。
 並列は、あまくささんのイメージと自分の考えとはちょっとズレてるかもです。「(基本)同一人物が、同じ方針に従って協調動作」が、自分の中で考えていたことです。
 ただ、視点の行き来との重なりを意識していなかったので、同一視してもいいかもですね(そこまではいかないか?)。

 「時間・視点」については、それぞれ限定されたカテゴリーの構造。おっしゃる通りだと、自分も思います。
 「時間の行き来」が挿入と重なる……その通りですね。言われて初めて気が付きました。
 時間の切り替えがある作品の例は、回想シーンがあったり、エピローグが前に来ている作品は大体。他は両方未読ですが、森博嗣さんの「スカイ・クロラ」、映画の「ベンジャミン・バトン数奇な人生」とか?
 視点の切り替えがある作品の例は、「ブギーポップ」「生徒会の一存」「しゅらばら」。

 「世界の行き来」の分類は、設定の話だと気づいた上で分類しています。メタとか第四の壁とか言われるやつですか。世界の設定・法則の枠を踏み越えてるなら、こちらに分類しています。
 例を挙げると、「生徒会の一存」は、生徒会で起こった出来事を後で記録・出版するという体をとっています。ので、現実(出来事)とメタ(記述時)との境界が発生している。
 あるいは「アクセル・ワールド」「ソードアート・オンライン」なら、現実とヴァーチャル世界との境界が発生している。
 長くなってしまいましたが以上です。

ナホトカの卒塔婆遣いさんの意見2013/01/14

 まずは、はじめまして。
 なかなかに、興味惹かれるスレなので返信を・・・・・・。

 少し解りづらいのもあるが、大体こんなもんじゃないか?
 倒叙がないようだけど、時間・視点の行き来に含まれているかも知れないし・・・・・・。

> この区分を使って何がやりたいかというと、作業的に物語を複雑にする方法を編み出したいのです。

 物語=内容ならば、習作や個人で公開するなら構わないけど、公募に出すならやめておいた方がいい。
 内容も複雑になったら本末転倒。

> そのために物語の流れを変える道具(上に挙げた7つ)を精査していたのですが、これで十分足りているのか、あるいはそもそも考え方がおかしいのか、不安になって仕方がありません。

 いろんな作品を見て類推、分析するのは作家もよくやっていることだし、別段考え方がおかしいとは思わない。
 ストーリー展開やタイムラインを把握しているのは、良いことだと思う。

> ・分類方法の「これ違うのでは?」という指摘
> ・ジャンプ(時間や世界の行き来)の、機能限定版や組み合わせ版について

 流れだけではなく、視点(人称)によっても内容は大きく変わるので、ストーリー性を重視しすぎるのもどうかと思うけど、その辺はどうよ? 視点は視点で、また別に考えているのか?
 こういう発想ができるインスピレーションは素晴らしいと思うな。

smanさんの意見2013/01/14

> ・逐次(過去→現在→未来という風に、順番通りに進む)
 これは時系列順に語るという意味ですね。

> ・挿入(本筋と関係ないエピソードを差し込む)
 こっちは枠物語とかが当てはまるのかな? 千夜一夜物語とか。

> ・分岐(選択肢Aなら未来α, 選択肢Bなら未来β)
> ・ループ(一定の期間を繰り返す)

 この両者は違いがわかりません。
 分岐はループ1をクリアしたらループ2へ…という短いエピソードの羅列で、ループは限定した一定期間を繰り返す、ということだと解釈しましたが、それなら分岐はループの亜種だと私は考えます。

> ・並列(二人でバラバラで行動しつつ、結果は一人で集約)
 群像劇なんかは典型的ですね。

> ・時間・視点の行き来(時間: 過去or未来へジャンプ)
> ・世界の行き来(異世界間・物語世界の移動など)

 既にあまくささんに指摘されていますね、おおかた私も同意見です。
 ただし、登場人物の回想という形であれば、「時間・視点の行き来」として分類できると思います。海外ドラマ『ロスト』とかがそうかな?
 まあ、そうなったらなったで今度は「挿入」と「並列」の複合亜種なんじゃないかとも思いますが。

 類型は、どのあたりを境にするかという前提をはっきりさせないといろいろと混同・誤解などなどあると思うので、私から「こういうのがある」と挙げるのは控えさせてもらいますが、推理やミステリの古典を読めば、あちらは「単純なことを複雑に書いた専門書」ですので(暴言ですね)、造詣が深くなると思います。

 個人的な感性ではありますが、こういう構成要素はゲームのシステム設計と似ているんじゃないかなって思ったりします。

 例えば、アクションやRPGなんかでよくある「セーブポイント」ですが、このセーブポイントのオブジェクト(見た目)を無意味にクリスタルとか謎の発光体なんかにしたら、実にありきたりで面白くない。
 閉鎖的な空間が舞台のゲームならばオブジェクトは電話機のほうが雰囲気が出るし、時間がテーマなら時計のほうが適切です。
 公衆電話なら10円玉がないとセーブできないとか、時計ならセーブの他にイベント予定を確認できるとか、作品に溶け込むシステムが作れるわけです。
 ストーリーと関係性を持っているからこそ、オブジェクトに付随する概念がストーリーの要素として効果を発揮する。

 確かに、こうした類型を知ることは勉強になります。
 シリーズモノの外伝として短篇集を書いたはいいが、時系列なんて考えてなかったからどう整理してまとめるか……なんて場合、一刻さんが言うところの「挿入」を使い、枠物語として、連続したストーリーに見せる、ということができます。

 ですが、これらは言ってしまえばただの「演出」です。

 「構成」という言葉は、完成した物語を分解したときに見えてくるもので、書く前には「演出」に留まる言葉だと思います。
 書く際には、これらは「技術」としてでなく「知識」として知っている、という程度で良いのではないでしょうか。
 「技術」として使おうとすると、それは「複雑」ではなく「わかりにくく」なるだけだと私は思います。

あまくささんの意見2013/01/14

 返信、ありがとうございます。
 う~ん、どうなんでしょう。拝読しまして、「ストーリーの構造」と「内容」を同一視されているような印象を持ったのですが。
 次の二例について考えてみてください。

1)主人公は1月10日の朝、自宅で起床して学校へ行く。 → 登校中に、三日前(1月7日)の出来事を回想する。→ 章が変り、1月20日の出来事からストーリーが再開する。
2)主人公は1月10日の朝、自宅で起床する。 → タイムマシンで1月7日に戻る。 → タイムマシンで1月20日にジャンプする。

 1も2も時間が現在→3日前→10日後と移動していますが、1はストーリーの構造上の問題、2は内容ですよね?
 で、ストーリーの構造上の時系列とは、主人公の体験の順序だと思うんです。そう考えると、1は「三日前の回想」という形でストーリーが時間を遡っていますから、「この小説には時系列移動がある」ということになります。所謂、フラッシュバックです。
 2はどうかと言いますと、物語の中でタイムマシンという道具を使うことによって時間が前後していますが、主人公の体験の順序通りに記述されていますから、ストーリー構造上はむしろ「逐次」です。
 そういう意味で一刻さんの書かれていることは、「ストーリーの構造の話」ではなく、「ストーリーの内容」の話だと思うわけです。

 例えば「まどか☆マギカ」ですが。以下、ネタバレ含みます。

 まどマギの終盤には、あるキャラクターが時間を何度も遡るエピソードがあります。ループと言えなくもありませんが、ストーリー全体はそのキャラクターが反復した時間の最後のターンが描かれています。そして、終盤に「回想」という形でそのキャラクターが過去に何度も時間を反復したことが明かされるというプロットなんですね。
 これはストーリー構造上では、ほぼ「逐次型」。そして終盤に物語の重大な真相に係わる「回想」が「挿入」されている、ということになります。
 「ループ」はあくまで物語の登場人物が「体験」していることであって、物語の構造そのものはループしていないと思うのですが、いかがでしょうか?

一刻さんの返信(質問者)2013/01/14

 再度の返答、感謝です。

>  う~ん、どうなんでしょう。拝読しまして、「ストーリーの構造」と「内容」を同一視されているような印象を持ったのですが。

 あー、おっしゃる通りです。
 頭の中ではなんとなく区別していたのですが、説明文ではごっちゃですね。
 ぼんやり頭の中にあった考えに、
・「構造」(物語の設計。あるいは静的)
・「内容」(物語上で実際に辿った道。あるいは動的)
 という名前を与えていただき助かりました。(カッコ内は自分の中での解釈です)

>  そういう意味で一刻さんの書かれていることは、「ストーリーの構造の話」ではなく、「ストーリーの内容」の話だと思うわけです。

確かに。少なくとも、混ざっている感はあります。

>  これはストーリー構造上では、ほぼ「逐次型」。そして終盤に物語の重大な真相に係わる「回想」が「挿入」されている、ということになります。
>  「ループ」はあくまで物語の登場人物が「体験」していることであって、物語の構造そのものはループしていないと思うのですが、いかがでしょうか?

 なんとなく感じたのですが、あまくささんと自分との見方・情報に、差異があるかもしれません。
 自分の中での、物語とストーリーという用語のごっちゃが問題なのかな?

 自分の場合、体験(内容)こそ逐次(並列を除けば、それ以外あり得ない?)で、構造自体はループ(+終盤の回想)である、と考えています。
 体験は、読者視点で見たら「体験したことが順番に並べたもの」に当たります。
 構造は、「一定の閉鎖された時間・空間を繰り返す」という解釈です。

文長さんの意見2013/01/15

 僕はストーリーの構成についてこれといった指南書を読んだわけでも理論を編み出したわけでもないので、スレの本文と他の方への返信を読んだ限りの感想として述べさせていただきます。

 逐次、挿入以外は“ストーリーの構成要素”と言われてもどうも腑におちません。
 あまくささんも仰っているように、例えばシュタゲなどで人物Aがタイムスリップや異次元移動すれば人物の時系列や次元上の移動にはなりますが
 人物Aの主観的な時間やそれを綴るストーリーはあくまで逐次の進行になるように思えます
(タイムスリップごとに記憶や経験がリセットされるなら“ループ”と言えるでしょうけど……)。
 同様にまどマギも主要キャラのひとりのループを話に組み込んではいますが、それは僕が思う限りではどちらかと言えばサイドストーリー(挿入?)に近く、ストーリーの進行(=主人公まどかの行動)自体はループしているわけではありません。

 そのあたりのことが主さんの中でそれぞれ明確ならそれでいいと思うのですが、僕からするとそれぞれの分類の定義を考えるのが精一杯で、何だか余計ややこしいだけに思えました。
 こういうパターンがありました、というのならわかるのですが、「ストーリーを構成する7要素」的な銘打ちをされると首をかしげてしまいます。
 起承転結や序破急の組み合わせや細分化で考える方が僕にとっては楽でシンプルです。

 友人が言っていたのですが、作曲に詳しい人いわく、理論を学ぶことによって名曲が作れるというよりも、理論を学ぶことによって自分の考えや感覚、曲を裏付けできる利点がある、とのことです。

 理論なんか知らなくても素晴らしい作品が作れる人はたくさんいますが、理論を知っておくとよりクオリティをあげる一助になる、ということですね。

 既存のストーリーの要素を分析して自分なりにまとめるのは意義があると思いますが、要素から組み合わせていってストーリーを作ろうとするのはどうにも違和感があり、順序が違うような気がしました。

飛車丸さんの意見2013/01/15

 手段が目的化しています。
 あと、分類するならば、小分類と大分類を活用しましょう。
 視点・時間・情報、などといった大分類を使わず、全部小分類のままに列挙しているだけなので、有用な分類になっていません。

あみん・ばらっどさんの意見2013/01/23

 はじめまして、あみんです。
 ひょっとして一刻さんってプログラムとかやる方ですか? 分類の発想がコンピュータ・プログラミングのアルゴリズムにそっくりです。
 もっとも人間の先験的な認識カテゴリーゆえに、何をやるにも発想が似てくるのかもしれません。
 哲学者のカントではありませんが、「時間」と「空間」を無意識に意識しているかと。
 それぞれ「内容的に重複している」ところがあると思われます。
 また各項目の定義がやや曖昧な面があるかと。

 もう一つ付言。「目的」の違いを、加えて意識するべきかと思います。
 プログラムの場合、「いかに早く計算を処理するか」ですが、小説創作の場合は「いかに読者を楽しませるか」です。
 小説構成での「効果」や「記述手法」からも、七つの手法のそれぞれを検討・分類してみると面白いかもしれません。

「一刻さんの分類表」
1.逐次(過去→現在→未来という風に、順番通りに進む)
2.挿入(本筋と関係ないエピソードを差し込む)
3.分岐(選択肢Aなら未来α,選択肢Bなら未来β)
4.ループ(一定の期間を繰り返す)
5.並列(二人でバラバラで行動しつつ、結果は一人で集約)
6.時間・視点の行き来(時間:過去or未来へジャンプ)
7.世界の行き来(異世界間・物語世界の移動など)

 ちょっと「時間」を軸に整理しますと

A.(一本の本筋上での)物語の順次深化・展開
 「時間的展開」:逐次に普通に時間が流れて話が進む。(1)
 「空間的展開」:場所や世界の行き来。(7)
 「時間の行き来・視点の行き来その1(主観的)」 「ループその1(反復)」
:主人公が一つの話の中で、主観的に時間を行き来する(6)。
または主人公の時間が一本の本筋の上で「反復」する(4)。

B.本筋以外の付加
 「挿入その1(主人公視点)」:主人公の本筋と関係ないエピソード。(2)
 「並列(その1:視点的並列)」「挿入その2(別キャラクター視点)」:
主人公以外のキャラクターのエピソードによる補完。一本の話での一次的な第二主人公、別キャラクター視点による補完(視点の行き来)。
(2)(5)
 「ループその2(分岐)」:主人公の時間の流れが「複数になり」、そのまま別の本筋Bへ「分岐」してしまう。
「並列(その2:時間的並列)」や「分岐」に相当。ひぐらし。(3)(4)

C.時間的なトリック
 「時間の行き来・視点の行き来その2(著述的)」
:主人公の「一本の」時間の流れを、(著述の上で)入れ替える構成の工夫。

雷さんの意見2013/01/15

 こんにちは、雷です。
 他の方々もちらほら指摘されていますが、マクロな視点でとらえてみると、
 一刻さんの挙げた物語のパターンは、もっと単純化できるはずです。

 ためしに物語の構成パターンを「時間」「空間」「視点」の三要素で分析してみると、
 「時間を順行するか、逆行するか」「空間を固定するか、移動するか」「視点を固定するか、移動するか」
 これらの選択と組み合わせにより、理論上はたった8パターンに集約できます。

> ・逐次(過去→現在→未来という風に、順番通りに進む)
 時間の順行。

> ・挿入(本筋と関係ないエピソードを差し込む)
 (おそらくは)時間の順行。
 形態によっては時間の逆行や、空間や視点の移動もありえるでしょう。
 本筋との関係性は、さほど重視すべきものとは思えません。

> ・分岐(選択肢Aなら未来α, 選択肢Bなら未来β)
 時間の順行のバリエーション。

> ・ループ(一定の期間を繰り返す)
 時間の順行と逆行の繰り返し。

> ・並列(二人でバラバラで行動しつつ、結果は一人で集約)
 時間の順行と、空間と視点の移動。

> ・時間・視点の行き来(時間: 過去or未来へジャンプ)
 時間の順行または逆行。
 ジャンプは、演出上のテクニックの問題でしかありません。

> ・世界の行き来(異世界間・物語世界の移動など)
 空間の移動。

> この区分を使って何がやりたいかというと、作業的に物語を複雑にする方法を編み出したいのです。
 物語を複雑にしたければ「時間を逆行する」「空間を移動する」「視点を移動する」を組み合わせ、繰り返すだけです。

 まあ、こうした思考実験はほどほどにしておいたほうが、ドツボにはまらずにすみますよ。

一刻さんの返信(質問者)2013/01/15

 回答ありがとうございます。

> 手段が目的化しています。
 やはりそうですか。執筆時には気をつけます。

> あと、分類するならば、小分類と大分類を活用しましょう。
> 視点・時間・情報、などといった大分類を使わず、全部小分類のままに列挙しているだけなので、有用な分類になっていません。

 例えば文章の細分化の話ですか? 大きい方から、文章・章・段落・文、一番小さい分類が語句や約物、というふうな。起承転結などで区切るのもアリですね。
 それとも物語という視点ですか? キャラクタ・舞台・ストーリー(大分類)から、キャラクタなら思想・性別など、舞台なら時代・世情・技術などの細かい設定(小分類)へいくような。正しいかは不明ですが。

 小分類・大分類かぁ。分類の構成要素を、ってことですよね。
 大体の構成要素(ループ以外)は違う次元の話で、大・小と区切りにくいものを選んだつもりですが、7つは多すぎ……いや、整理できていないのでしょうか。

 各要素の、物語を複雑にしていく度合いの順序は、あまくささんへの一回目の返信で書きました。
 なので、構成要素の階層を述べるなら、こんな感じでしょうか? 

・基本の基本
 逐次
・基本
 挿入、時間の行き来(両者の区別がごっちゃかも)
・応用
 分岐、並列、(合流も?)
・複合
 ループ(分岐+時間の行き来)・視点の行き来(挿入や並列と混ざる?)
・メタ(設定レベル)
 世界の行き来

 あるいは、性質ごとに(世界の行き来を除いて)
・流れの数(単一⇔複数)
 単一: 逐次・時間の行き来(ただし、パラレルワールドを考慮しない)
 複数: 分岐・並列・視点の行き来
 難しいもの: 挿入(使い方次第)・ループ(一周目、二周目……をそれぞれ別にみるなら複数、一緒と見るなら単一)

・構造の種類
 基本の抽象構造: 逐次・挿入・分岐・ループ・並列
 特殊構造: 時間や視点の行き来

 これ以上は、今はきついです。図にしてみても、難しいです。誰にとっても有用な分類を作るというのは、非常に苦労しますね。
 仮になってしまいますが、これにて返事とさせていただきます。

 とりあえず、大体意見は出尽くしたかなー、と自分は思います。
 結論(単純化の方法)としては、雷さんや飛車丸さんの意見がとくに参考になった気がします。
 意見や感想を下さった皆さん、複雑な考え事に付き合っていただき、本当にありがとうございました。

 反省としては、
・目的(演出)と手段(構成)は別
・設計と実際の流れを別に考える
・プログラムの考えを参考にするのはいいが、小説にそのまま当てはまるかは別
・俯瞰して、もっと単純に出来ないか検討する

 こんなところでしょうか。

 また別の事柄で悩みましたら、質問しに来ます。
 多分キャラクター関係になるだろうなぁ……

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