ライトノベル作法研究所
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  4. 文章公開日:2013/10/27

下読みによるラノベ新人賞攻略Q&Aまとめ

●文章について3

■質問2013/10
 文章や人称について、何か注意すべき点などがあればお願い致します。
●ジジさんの回答
 一人称はもちろん、三人称でも主人公に視点をきっちり固定しましょう。脇キャラの心情を掘り下げたくなる気持ちを抑えて、主人公とヒロインの心情エピソードに集中しましょう。これを守るだけでクオリティがぐっと上がります。

■質問2013/10
 文章で、これは無い、やめて欲しい、というものがありましたら教えていただけませんか?
●ジジさんの回答
 独自性を出そうとしすぎて日本語の文法を歪めた文章、ネット用語や造語満載の文章が二大巨頭です。。
 地の文章に抽象的比喩が多すぎてわけがわからん、というのは女性向けに多いです。また、難解語が多くて普通に読めん、というのも。抽象表現や難解語は、書いた側には高い「書いてやった感」が得られるものですが、ようするに自己満足です。
 自分にしか理解できない文章をひねり出してくる時点で、エンターテイメント性はないわけですので、評価対象からも外れることになります。

■質問2013/10
 ネット用語の多用乱用は勘弁してくれ、とありましたが、昨今のラノベには2chのスレタイそのもののようなタイトルも数多く見られます。中高生含め多くのネット人口が目を通しているであろう2chのスレや、まとめサイトのノリやスラングが傾向的に定着している、あるいは編集側にも割と好意的に受け止められているのかなと漠然と感じていたのですが、違うのでしょうか?
●ジジさんの回答
 第一には読みにくいからです。これはネット用語が半角英字やAAという、「横書き」を前提にしたものだからです。
 さらに言えば、応募者が読者層を「ネット用語を知っていること前提」とするのが果たしてプラスかマイナスかということです。
 絶対必要でないなら、スパイス程度に留めておくのがエンタテイナーの親切というものかと思います。

■質問2013/10
 説明と描写って何がどう違うのか分かりやすいポイントがあればお答え願います。
●ジジさんの回答
 説明とはまさに「○○の理由で●●は▼▼なのである」というもの。
 描写とは主に行動や展開といったなんらかの動きを描くものということを私は指しています。
 ファンタジーや能力物では、作った設定を何ページも説明してしまう応募作がよくあります。説明というのは基本的におもしろくないので、短くわかりやすくまとめつつ、さらにそれを書く必要がある箇所に散らすのがよいかと思っています。

■質問2013/07
 一般小説とラノベに求められる最低限の国語能力(文章作成能力)はどのくらいか?
●回答
 文章力は高校生で習得するレベルが必要ですが、中学生でも執筆している方であれば大抵はその水準にある。

■質問2013/07
 小説に必要な文章力は?
●回答
 小説になっていないものとしては、新人賞においては広義の意味でストーリーの流れが追えない、が代表例。
 どの場面を描いていて、カギカッコの中身が誰の発言か分からないなどが重なり、ストーリーが追えなくなるパターンが多い。
 1次落ちの例文などは小説になっていないというよりは稚拙という評価に繋がりやすい例。

■質問2013/07
 .文章力の高低とは?
●回答
 語彙の多さ、語法の正確さ……「正確で読みやすい文章」であれば文章力が高いということ。

■質問2013/07
 文章力の上限としては漢字やレトリックの難解さには制限があるのか?
●回答
 難解な文章も一定の需要があり、そのような文章が書けるのならばチャレンジするのも良い。
 ただし誰かに読んで貰う文章であることは常に意識すべき。

■質問2013/07
 文章がおかしいと言った時に考えられる原因は? 携帯小説は小説の参考になる?
●回答
 大まかに
1・そもそも日本語がおかしい。
2・視点がブレている
3・視点人物と地の文が乖離している
 の3つ。
 1のような作品が送られてくることもあるが、全体数からして多いわけではない。
 2や3の作品は結構な数にのぼる。
 恐らく携帯小説を書く方がラノベを書く層に比べて文章力が著しく落ちるということはないだろうため、携帯小説を読むこと自体が悪影響になるということはない。
 しかし携帯小説などは編集や校正を通しておらず、文章のどこかしらに問題がある場合が殆どであるため、文章の見本にするのはお勧めできない。
 良い文章がどのようなものであるかは知っておくべきであり、これを学べるのはプロの書いた文章である。プロの作家から学ぶべき。
 面白いと思える部分は携帯小説でもしっかりと盗んでいくとよい。

■質問2013/07
 文章上の語りや設定に、足りない部分は敢えて語らず読者の想像を膨らませる趣旨のものがある。実際には「説明不足で不鮮明な部分がある」と言う人も居たりするが、難しいものなのか?
●回答
○過度に不鮮明でない、
○想像を膨らませられるだけの手がかりを提示している。
 これを満たせば問題ない。手がかりがなければ解釈のしようもないので、この点は特に注意が必要。

■質問2013/07
 文章は、大事な部分は濃密に、他はサラっと書くのが一般的だと思います。
●回答
 メリハリをつけて書く心がけ。

■質問2013/07
 残酷な描写、情景的に刺激的なものはどこまでがOK?
●回答
 残酷描写については制限はないと考えて良い。
 真にグロテスクな描写が出来るのは立派な才能ですし、受賞後の書き直しも容易。
 ただ安易に書き過ぎるとマイナス評価に繋がるため、必要な場面でするべき。

■質問2013/07
 会話文が書けない。どうしたら上手く書ける?
●回答
 現実と小説での会話には受け答えにおいてズレがあることを理解する必要あり。
 そこを意識した上で、作家がどのように会話文を書いているのか研究してみるのが一番かと思われる。

■質問2013/07
 女性主人公はそこまで難しい物なのか?
 「平凡な男子高校生」と同様に「平凡な女子高生」では感情移入が難しいだろうが、感情移入を想定していない憧憬型主人公なら対象読者と同じ性別である必要性はないのでは?
●回答
 小説において主人公はそのまま視点人物となり、女性を視点人物とした場合、感情移入の問題だけではなく、心理描写や周りの人物描写なども女性を視点としたものに合わせなければならない。
 主人公の相手役、他のヒロインの描写など難しくなる部分は多くなる。
 技量に自信があれば、女性を主人公にするのは有り。

■質問2013/07
 「神視点」とよばれる三人称で描かれた作品は、「神視点」が原因で落とされることもあるの?
●回答
 神視点というだけで落とすことはありません。
 ただし難しい手法なため推奨できない。
 神視点は絶対にやめろという作家の方もおり、熟考して選ぶべき視点。

■質問2013/07
 誤字脱字、何個までが許容範囲か?
●回答
 個数制限はない。
 あまりに多いと減点要素になるが、多少の誤字脱字なら見逃すこともある。

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