ライトノベル作法研究所
  1. トップ
  2. ライトノベルの書き方
  3. ラノベ新人賞攻略Q&A
  4. 下読みとしての要望・事情公開日:2013/10/27

下読みによるラノベ新人賞攻略Q&Aまとめ

●下読みとしての要望、事情

■質問2015/01/24
 原稿をあまりにもあちこちの賞に使い回しをしすぎると審査員さんの心証が悪くなったりするものでしょうか。
●ジジさんの回答
  私もそうですが、下読みを何年も依頼されるような人間は、ほぼもれなく複数の賞で読んでいます。
 そのため、使い回し作品は結構わかってしまうものですし、わかってしまえば二度め以降は通常審査に加えて「前回からどのように改善されているか?」も意識されるようになります。
 当然、同じ賞に毎年送るようなことをすれば、編集者にも悪い意味で名前が知られてしまいますね。
 同じ作品を、たとえ多少の改稿はあれ何度も使い回すのは、応募者にとってメリットが非常に少ない行為です。
 実際、改稿というものは「受賞できなかっただけの弱点」を含む設定、キャラ、ストーリーラインを全部取り替える覚悟がなければ成功しません。表面上の穴を塞いだところで、根本的な問題はまったく解決していないからです。
 それなら新作を書いたほうが早いですし、期待値も高いです。
 賞との相性やそのときの状況が悪くて落選した可能性はありますので、使い回しは他の賞へ1度だけ! と決めて、何本でも新作を書くほうが、結局は得をします。

■質問2014/07/14
 公募する人が陥りやすいのはどんなミスでしょう?
●ジジさんの回答
 各賞のリサーチをせず、作品を書き上げた時点でもっとも近い締め切りの賞に送ってしまうことですね。

■質問2014/07/13
 大量な応募作の中で、「この人は去年もいた」「何年か前に送ってきたことある人だ」と、わかるものなのでしょうか? 応募者の名簿はデータ化されていて、今年と過去とで照合されているのでしょうか?
●ジジさんの回答
 印象的な作品を応募してこられる方は、その作品がたとえ一次落ちだったとしてもすぐに思い出します。
 私自身の話で言えば、6年前に別の賞で読んだ作品と再会し、「この作品は!」となったことがあります。
 毎年同じ応募者の作品が数本は回ってきて、それについて編集者と話したりもします。ですので照合は行われているのでしょう。
 そして、編集部は応募者の成長が知りたいからこそ同じ下読みに回すのでしょうから、一次落ちの応募者を「有象無象」あつかいするような編集部はないと信じています。

■ジジさんのコラム2014/07/12
 下読みは編集部からの「こういうジャンルは受けないのでちょっと控えてほしい」等の要請がない場合、とにかく「おもしろいもの」を上げます。
 そしてなんらかの要請があった場合でも、それを踏まえつつ「おもしろいもの」を上げるのです。
 ですので、自分が上げた作品が賞を取ることに驚きはありません。 
 ただ、期待値は高いけれどもきっと賞は取れないだろうなと思う作品を上げる場合はあります(もちろんそのことはきちんと申し送りします)。これは評価シートを受け取ってもらい、来年の糧にしてほしいという思いがあるからですね。
 が、その作品が特別賞などの賞を取ることがあります。
 私以外の下読みやそれを受け取った編集者が、私と同じようにその作品の可能性を評価した結果、そのようなことが起こるわけです。

■質問2014/07/08
 初心者の応募作品の特徴について教えてください。
●ジジさんの回答
  ひとつの作品を最後まで書ききるというのは、まさに並大抵の努力では成し得ませんが、「設定とキャラにオリジナリティが出せず、好きな作品の劣化コピーになってしまう」というのは応募暦の浅い方に多い弱点かと思います。
 最近はあまり見なくなりましたが、既存の有名作をキャラ名だけ変えて送ってくる応募者の方がいます。そのような物語が書きたくて創作を始めたゆえのことでしょうが、創作の創の字がどのような文字なのか、ぜひご確認いただきたいところですね。

■質問2014/07/06
 賞や時期にもよると思いますが、下読みの方は何人ぐらいいらっしゃるのでしょうか?
●ジジさんの回答
 下読みは編集部からの元請けだけでなく、下請けの編集プロダクションからさらに下請けしている下読みがいますので、最終的には数十人というくらいでしょう(ごく小さな賞だと数人ということもあります)。

■質問2014/07/06
 応募原稿についてなのですが、題名と作者名の書かれた表紙を付けた場合は減点対象となりますか?
●ジジさんの回答
  ついていない場合も多いですし、必要でもないのですが(応募作の最初に編集部がつけてくれるエントリーシートに作者名や題名が記載されているからです)、ついていても特に減点対象になったりはしません。

■質問2014/07/06
 まったく違うジャンルの作品を三作品ほど同じ時期の同賞に送ることは悪評になったりしませんか?
●ジジさんの回答
 その3作品すべてが現在書きうる最高のクオリティで仕上げられているなら問題ありません。
 重要なのは数ではなく、作品ひとつひとつのおもしろさです。

■質問2014/04/02
 下読みさんとしては「正直おもしろい作品あんまりないな~」という感じなのでしょうか。それとも割かし力作や秀作に出会えて楽しいものなのでしょうか。
●ジジさんの回答
 私は後者です。
 上手い下手ではなく、力の入った作品というのはたとえ上げられなくとも印象に残りますし、うれしいものです。次の年や他の賞でその人の新しい作品に出会えば確実に名前を思い出しますし、前回にも増してうれしくなります。

■質問2014/04/02
 メールアドレスは要項に書かれていなくとも記入すべきだ、という意見をどこかのサイトで目にしましたが、この意見は正しいのでしょうか?
●ジジさんの回答
 メールアドレスは「連絡先」の欄に、電話番号といっしょに記載しておくのがよいですね(名刺と同じ感じで)。
 緊急連絡先は複数あるほうが安心です。

■質問2014/03/26
 片方が受賞に値するほどの作品、しかしもう片方が一次も突破しないような作品。こういうむらっ気といいますが、作品の差がある応募者がいた場合、下読みの方や編集の方はどういった評価を下すのでしょうか。
●ジジさんの回答
 下読み段階では、受賞に値する作品のみを評価します。
 編集部段階でも基本的には同様です。
 基本的に出版社は「可能性」を探していますので、よほど投稿歴に引っかかるものがあったりしなければプラス面に注目するものです。
 なによりも自分がデビューしたいと願う気持ちと、その気持ちを托すレーベルを信じてください。
 受賞すると実に様々な「信じられない気持ち」が湧き出してくるのですが、それもまたプロにのみゆるされた贅沢な悩みというものです。

■質問2014/03/26
 応募されてきた作品はシャッフルされると聞きました。つまり、同じ日に同じ人間から届いた作品であっても、読むことになるのは別の下読みの方となるのでしょうか?
●ジジさんの回答
 同じ人間がまとめて読むパターンと、1作ずつ別々の人間に回されるパターンがあります。
 どちらになるかは編集部の意図によって変わります。
 応募者の方の実力の平均値を知りたい場合は前者、公正な審査を重視する場合は後者になる感じかと思います。

■質問2013/10
 応募原稿に「よろしくお願いします」とか書くのはダメでしょうか?作家としての希望とかも一行だけ書きたいんですが…。
●ジジさんの回答
 「よろしくお願いします」はやめたほうがいいですね。
 また、希望や思惑は、すべて原稿に練り込んでください。
 書いた人の思いやら希望を作品内で伝えられているかどうか、それが評価基準のひとつです。

■質問2013/10
 選考では落としたけど、実際に出版されたら人気出るだろうなと思った作品はありますか?
●ジジさんの回答
 ありません。
 下読みが上げる作品は自分が「おもしろい」と信じたものです。
 完成度以外の条件で落とすとすれば、一次審査なら明らかなカテゴリーエラー(たとえば少女向けレーベルにおっさんばかりのガチガチの架空戦記を応募してきた等)の作品。二次以降なら対象読者層にかすらないほど題材・テーマがズレている作品。どちらかです。

■質問2013/10
 応募前に自分が書いた作品をチェックする際のポイントを5つ挙げて下さい。
●ジジさんの回答
・「この応募作の売りはなんなのか?」が、読む側にもっとも印象づけが成される序盤でしっかり押し出せているかどうか?
・設定の説明が長くないか(おおむね原稿用紙10枚以上が説明文になっていないか)?
・あたりまえのように造語を使っていないか?
・あらすじがきちんとあらすじになっているか?
・誤字脱字がないか?

■質問2013/10
 私たち新人賞投稿者に求めることとは?
●ジジさんの回答
 めげないこと。それだけです。
 私は20年近く投稿し続けてデビューした作家さんを知っています。小説ってやつはスポーツとちがい、脳が死ぬまではあきらめなきゃならない理由のないものです。
 投稿し続ける人には、投稿を止めた人とちがって可能性が常にあるわけです。
 なので、あきらめる勇気じゃなくてあきらめない勇気を持ちましょう。

■質問2013/07
 「いい加減にしろよ!」と思う事は?
●回答
 よくある設定を使っても良いのですが、どこかしらにオリジナリティが必要になる。
 既存の作品をなぞるような作品だけはやめて頂きたい。

■質問2013/07
 是非ともこういう作品を送ってくれという要望は?
●回答
 オリジナリティがある作品、既存の作品を何らかの形で超えた作品を読ませて頂きたい。
 それが書ければ苦労はしない、という部分だとは思いますが、新人賞で求められているものはまさにこの2点。

■質問2013/07
 「この手のミスはすべての応募作を通じておおいな」と感じるのはどこ?
●回答
 誤字脱字、語法の誤りが最も多いです。

■質問2013/07
 こういう作品は下読みしていてつらいという作品はあるか?
 そういった作品に共通する特徴とは?
●回答
 既存の作品そのままという作品が、辟易するくらい多い。
 踏まえて、工夫は1つではなく出来るだけ多くの部分に凝らしましょう。

■質問2013/07
 ゲスト審査員は最終候補に上がった作品しか読まないというのは本当か?
●回答
 最終選考のみの場合が大半だと思われる。

■質問2013/07
 下読みは作者様と読者からなっているがその比率は? 条件さえ満たせば下読みになれてしまえるのか?
●回答
 下読みは読者寄り。読者寄りの選考委員のみで全ての選考を行う新人賞もある。
 下読みには人脈があればなれる可能性がある。才能よりも読書量が大事。

■質問2013/07
 下読みの方が過去に盗作を行った例などはあるか?
●回答
 作家の方が下読みをすることもあるので信頼出来る新人賞に応募すべき。

■質問2013/07
 読書愛があればあるほど、下読みの仕事はつらいのではないか? 続けられるその原動力とは?
●回答
 良い作品に出会えることがあるということ。プロ顔負けの作品に出会うことも。
 自分の通した作品が選考を勝ち抜いていくのは何とも言えない嬉しさがある。

■質問2013/07
 下読みは、一人当たり何作品を、どの程度の期間で読むのか?
 通す作品数に制限は?
●回答
 新人賞によって異なるが、3桁読むことも多い。
 2次にあげる作品数は大体の目安を伝えられる場合が多く、良い作品であれば言われた作品数を超えたとしても通す。

■質問2013/07
 下読みが思う面白い作品とは?
●回答
 複数のジャンルに跨った作品は面白いと思います。
 恋愛+ミステリー、ホラー+SF等々。
(下読みさんの個人的な考えとして)

次のページへ >> その他

携帯版サイト・QRコード

QRコード

 当サイトはおもしろいライトノベルの書き方をみんなで考え、研究する場です。
 相談、質問をされたい方は、創作相談用掲示板よりお願いします。