ライトノベル作法研究所
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  4. ストーリー公開日:2013/08/09

下読みによるラノベ新人賞攻略Q&Aまとめ

●ストーリーについて4

■質問2013/10
 二つの作品を投稿しようと考えています。
 一つは異世界が関係する現代モノで、ストーリー自体はあまり凝ってない勧善懲悪の王道路線。物語よりギャグを全面に押し出した、笑えりゃそれでいいってコンセプトです。
 一つは笑える所なんてどこにもない、恐怖を煽ることだけ考えた百合っぽいホラー。どちらが良いでしょうか?
●ジジさんの回答
 1本めのネタを要約すると、「ギャグを押し出した笑える勧善懲悪の王道ストーリー」ですよね。
 対して2本めは要約するまでもなく、「恐怖を煽ることだけ考えた百合っぽいホラー」。
 前者がギャグ・王道ストーリーという形になっていないものが売りなのに対して、後者はホラーという形がきちんと見えている。それだけであらすじ(設計図)として成立していますし、テーマが確立しています。
 ふわっとした説明しかできない作品と、きっちり簡潔に説明できる作品、読者としては後者の方が期待値が高いです。
 2本めはネタもテーマのシンプルさもいいと思います。
 物語的なしかけやどんでん返しがきちんと用意できているなら、百合成分の配合を調整したうえで勝負をかけられるかと。

●ジジさんのコラム2013/10
 書く側が示したはずの作品の武器がないがしろにされている応募作が多々あります。
 たとえばその応募作の武器が、オリジナリティあふれた魔法システムだとします。そして、最初に数々の設定を説明し、主人公などの人物がそれを使う描写をし、印象づけを行って、きちんとそれが本作の武器であることを提示できているとします。
 しかし、その武器がいつのまにか事件やキャラ同士のやりとりに押され、あってもなくてもいいような物になってしまう……そんな応募作が非常に多いのです。
 序段でこだわって提示される要素には、読む側も「これがカギになって物語でおもしろい事件が起こる」と期待します。その期待に応えるため、徹底的にこだわることが必要です。

●ジジさんのコラム2013/10
 物語の構成や起伏を考えるには、「プロ作品」を参考にするのが有用です。ただし模写ではなく、こんなふうにするとよいかと。
 まず「一冊で完結している薄めの文庫本」を用意します。
 次の場面に転換するまでをひとくくりとして、そのくくりの中で起こっていることを一行書きます。たとえば「○○と●●が△△についてバカ話をする」。そして、その横に気になる会話や文章(伏線になっている可能性がるもの)や、感心した表現などを書いておきます(これは単純に勉強のため)。
 これを繰り返していくと、その作品の構成がわかります。そしてどのように山と谷が描かれているかもおおよそわかるはずです。伏線もどこにどう張られているかも。
 これをおおむね10冊分も重ねれば、それなりのマニュアルができあがるものと思います。

■質問2013/07
 主人公と他の男のヒロインの取り合いは、ウケは悪い?
●回答
  問題ない。しっかりと書ければ面白さを出せる部分。
 略奪などあまりにも非倫理的で醜いのものは読者の共感が得られなくなり厳しくなる。
 ヒロインが他の男性と性的に接触することは基本的に男性には嫌がられる、と理解しておけば取り合えず良い。
 絶対にしてはいけないことではない。ストーリー上必要であれば書いても良い。

■質問2013/07
 主人公について、「成長」もしくは「心境に変化」は絶対にさせないといけないのか? 片方だけでもよいのか?
●回答
 必要なのは成長と呼ぶに相応しい変化であり、心境・内面の変化が成長と呼べるものであれば問題ない。
 主人公の「成長・変化」必須の部類であり、物語を通して何も変わらないのは不味い。
 何かしら成長させられる要素をつくるべき。

■質問2013/07
 キャラが倫理的に外れた行為、博愛ではなく、わずかな味方を助けるため多くの他人を犠牲にするなど、アンチヒーロー的な行動は評価のマイナス要因となるのか?
●回答
 アンチヒーローものは倫理的な問題にも触れなければならなくなるため、書くのが難しくなる。応募作の殆どはその部分で失敗する。
 逆にここをしっかりと描けるのであれば高評価に繋がり、受賞も出来る。
 倫理的な部分はしっかりと考察した上で書くとよい。

■質問2013/07
 下ネタは入っていても問題ない? 
●回答
 過度に使っていないのであれば大丈夫。

■質問2013/07
 どこまで内容が重たくてもよい?
●回答
 重い内容のものであっても問題ない。需要もある。
 重いけど萌えのある作品などは読ませて頂きたい。
 重くしすぎるとラノベの新人賞を狙う上で不利になるので、注意が必要。

■質問2013/07
 萌えも恋愛も無い、女性が主人公の冒険成長ものを書いている。
 萌えや恋愛があるものに比べ、勝負に出すぎてしまっているか?
●回答
 冒険ものならば一般小説でも広く受け入れられるジャンルなので、まずは書きたいものを書こう。
 女主人公、萌えなし、恋愛なしだとラノベでは不利になることもあるので、新人賞を狙うのであれば一般文学の新人賞を選ぶことになるかもしれない。
 ラノベの新人賞に応募したいのであれば、ラノベに何が求められているのかをしっかり分析した上で書きたいものを書いていくことが必要。

■質問2013/07
 治安の悪いファンタジーの描写のため、リアリティの関係上、ヒロインが他の男に狙われたり、暴漢に襲われてあわや程度は欲しい。これは好まれないのか?
 今は少年向けだと、ファンタジーとか、ダイナミックな話自体が好まれない傾向にあるようで、特に異世界ファンタジーは鬼門だと聞くが、何か理由があるのか?
●回答
 過度に気にするのは少数派と思われるので、ヒロインには主人公以外の男性と口付け以上はさせない、で良いと考える。 
 それがないのであれば、暴漢に襲われたり、他の登場人物と仲良くさせても良い。
 最近では現代における特定範囲の世界を扱ったものや、学園物+αという作品が多い傾向にある。
 ファンタジーが人気がないことはなく、新人賞ではむしろ狙い目。
 ハイファンタジーまでいくと単純に書くのが難しくなるので、自分の筆力との相談が必要。

■質問2013/07
 エログロナンセンスはどの程度までオーケー?
●回答
 ストーリーなどにもよる。過度なものは控えた方が良い。

■質問2013/07
 現代ファンタジーでやりたいが、時代劇をやったほうがいいといわれた。現在は、時代劇が編集者や受賞作として人気があるのか?
 オリジナリティーを発揮するのであれば、現代ファンタジーよりも、時代劇の設定のほうが有利になる?
●回答
 時代小説が人気があるのは主に一般小説。
 『織田信奈の野望』など時代小説の要素+αという作品はラノベでもみかけるが、現行、特に時代小説の要素が流行りではない。
 新人賞に送られてくる作品で時代小説の要素を持った作品は少ないため、オリジナリティーに関しては有利になる面もある。
 ただ、ファンタジーが書きたいのであればファンタジーを書いたほうが良い。

■質問2013/07
 エロい描写・展開はどこまで許されますか?
●ジジさんの回答
 レーベルによるとしか言えませんねぇ。
 エロが売りのレーベル、バカエロが売りのレーベル、それぞれあるわけなので、エロっぽいレーベルに送れば大丈夫かと。
 個人的には「そのエロはあなたの作品において武器になるものですか?」という疑問はあります。
 応募作という一発勝負の中で、貴重な文量を費やせるほどのものなのであれば問題ないのですが。

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