ライトノベル作法研究所
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  4. キャラが勝手に動いてストーリーが破綻公開日:2013/09/24

キャラが勝手に動いてストーリーが破綻その2

あさんの意見2013/09/18

 どうやったらキャラが勝手に動くようになりますか?
 全く動かなくて困っています
 あと場面とか状況とかもキャラの動きに合わせてポンポン出てくるってことでしょうか?

ビーバー@かぴばらの化身さんの返信(質問者)2013/09/17

 「そのキャラクターがどういう価値観や信念を持っているのか?」をはっきりと自分の中で作れていると、キャラは自分で動いてくれますよ。

 価値観や信念と言うものは「キャラクターの過去の体験」によって作られます。
 ですので、この「過去」を深く・説得力あるように描くと動きやすくなると思います。
 分かりやすく、実際作ってみますね。

1・キャラクターの性格設定を作る
 今回は「弱者がいじめられているのを見逃せない」という性格を持ったキャラを作るとします。

2・そのキャラが「どうしてそんな性格になったのか?」という過去を考える
 その性格が生まれた過去を考えます。
 この段階では『事実』を端的に書く程度でおk。

1:「人には優しくするものだよ」と祖母から言われて育ってきた
2:昔、自分もいじめられて悲しい思いをしてきた
3:友達がいじめによって自殺した

 と色々考えられますよね。
 でもこれだけだと薄っぺらくて、まだ動いてくれないと思います。

3・過去に「強い感情の揺れ」を経験する要素を加える
 2で作った過去に『強い感情の動き』を絡ませるのがコツです。

1:
 「人には優しくするものだよ」と大好きな祖母から言われてきた。この祖母は権利主義の両親から理解できないように冷たく扱われている。しかし、そのことを受け入れつつも祖母は「人に優しくする」ことを貫いている。その姿に幼い主人公は強く感動していた。
 →「自分もこんな人間になりたい」という憧れの強い感情が、人格形成に繋がり、価値観や信念になった。

2:
 「自分がいじめられてきた」ということ自体が強い感情の動きに繋がるので、これはそこまで深く設定しなくてもいいかも。でも具体的であればあるほど面白くなる。

 たとえば女主人公で「自分を貫いたために女子グループから孤立し、いじめられてしまった。それは日々ひどくなり、ついには自殺を考えるほどに。けれど、寸前で『本当は死にたくない』と自分の心に気付き、自殺を思いとどまる。以降強く生きたいとと生き方を変えた」。

 こういう『辛い過去を乗り越えた』経験があると、自分と同じ経験をしている弱者を自然と助けたくなる性格になりますよね。ですので、いじめにあっている『昔の自分とよく似た女の子』が目の前にでてくると、もう勝手に動いてくれると思います。
 →辛い過去を乗り越えた経験があると、同じ辛い思いをしている人を助ける性格になる→「いじめられている人を見過ごせない」という設定に裏付けができる。

3:
 大好きだった友人がいじめで自殺してしまった。親友である自分はどこか彼の放っていたサインに気付いていたのだけれど、「大したことない」と甘く見ていた。「自分が気づいてやれたら……」と後悔し、彼の墓前の前で「もう二度とこんな想いはしたくない。させたくない」と主人公は心に誓う。
 →その誓いが「どんな小さなサインでも見逃さない」「見て見ぬふりをして人を殺すくらいなら、馬鹿にされても手を伸ばそう」という性格・価値観となり行動に繋がります。

4・感情の揺れを描くうちに、価値観が見える瞬間が来る

 これは言葉にしにくいのですが、例でいうなら
1:自分の意志を貫く人間でありたい、という信念
2:どんなに辛くても「戦うこと」が大切だ、という価値観
3:見て見ぬふりをして人を殺すくらいなら、馬鹿にされてでも手を伸ばそう、という強い信念
 になるのでしょうか。

 要するに『性格設定に具体的な裏付け(過去・経験)ができているとキャラが立ち、勝手に動き出す』ということです。

 結構思うがままに書いてしまったので、まとめますね。

○勝手に動くキャラの作り方
1・キャラクターの性格設定を考える
2・そのキャラが「どうしてそういう性格になったのか?」という過去を考える
3・その過去に「強い感情の揺れ」を経験する要素を加える(憧れ・後悔・復讐心などがやりやすい)
4・感情の揺れがキャラに「具体的な価値観」を作る

 で、価値観ができればキャラは自分で考えるので自然と動き出す……というわけです。
 分かりにくいかな。
 もし分からないところがあったらいくらでも追記しますよ。

あさんの意見2013/09/20

 非常にわかりやすい説明ありがとうございます。
 上手くいきそうです。

 相談の件ですが主人公をバカで熱血の性格にするってのもありかなと思いました。
 派手なキャラ付けなので薄っぺらさが目立たなくなるし、自然にストーリーを進められます。
 あるいは逆にとことん普通にしてイベントやストーリーを派手にするといった例えばホラー映画みたいに。

 それとここで教えてくれたようなキャラメイクで主人公を作れば自動的にストーリーや、性格も表に出てくると思いました。
 ですから主人公キャラだけ無理に抑えるとかしないほうがよいのではないでしょうか

僕と久保さんの意見2013/09/19

 こんばんは。キャラについては最近悩み気味ですのでここに書いて自分の考えをスッキリさせていただきます。

 言ってしまえば、それでいいんじゃないでしょうか。魅力的なキャラが一人もいないとなれば困った話ですが、このお話を読んでみる限りそうではなさそうです。市販のライトノベルだって出場キャラが全て魅力的ってわけではありませんし、ビーバーさんの書く魅力的なキャラだけで十分グッズやアニメとうの儲けが見込めると出版社が見込めば多分拾っていただけると思います!

 それに、主人公に至ってはそれこそ最近名前や顔が違うだけってパターンも少なくないですし、あまりに常識はずれで斬新すぎるキャラを書いてしまったら読者から「俺たちが感情移入できない」なんてつつかれますし、それでもいいんじゃないかとは思います。

 なんて言ってばかりではアレなので、僕なりの考えを。
 その魅力的なサブキャラたちで物語を牽引して、作中の重大な結論は主人公にやらせるお話なんてどうでしょう。組織的なお話になってしまいますが、個性豊かすぎる部下に振り回されるお話で主人公が決定的な判断を下すとすれば、それなりに主人公への旨味もあると思います。

 勝手な考えですので、じっくりお考え下さい。
 では!

sureさんの意見2013/09/19

 キャラクターが生きている境地に来ましたか!
 それですでに凄いですよ!
 ストーリー通りに動く『人形』にならない様にしたいですね。

 さて、本題に入りますと、主人公やヒロインがあまりに完璧過ぎるのでは無いでしょうか。
 ただのヒロインになりきって(ならせて)しまい、本質から遠のく…私も覚えがあります。
 実はサブキャラと同じく、設定やテーマの一部から性格は形作られます。
(テーマに囚われ過ぎるのは禁物)
 好き嫌いや、行動原理、その他諸々の設定がさりげなく性格になります。
 親近感を感じてくると大体出来てきてますね。
 良し悪しもあり、喜怒哀楽もあるようにしていくと自然に『動いてくれる』と思います。
 完全無欠のキャラクターは情緒性に欠けてしまう事が多いので。

 そしてストーリーですが…
 これは用意した物語に乗せて行くのは作業的になり情緒性に欠く場合があります。
 キャラクターに、『こういう場面ならどう動く?』と問いかけてみましょう。

 以上です。失礼しました。

m2さんの意見2013/09/19

 こんにちはm2といいます。はじめまして。

>ストーリー進行を担う主人公やメインヒロインはそういうやり方をすると作品自体が成り立たなくなるので、このやり方を控えます。そうすると確かにこちらの指示した通りストーリーを進行してくれるのですが、役割をするのに追われてお役所人みたいな事務的な人間になってしまいます。

 ここに問題が集約されていると思います。
 キャラが勝手に動くくらいイメージが具体的なのに、ストーリーの進行をさせるのは無理があります。
 逆に考えましょう。
 主人公やヒロイン以外で彼らをストーリーに導き、反発があればそれも書くようにするのが良いのではないでしょうか?

 生きたキャラが描ける人はなかなかいません。
 ぜひそれを活かした作風を目指して欲しいです。
 ストーリーに合わないのならストーリーも変更しましょう。
 最終的な落ち所に辿り着くように脇キャラで補正していけば良いと考えます。

日乃火さんの意見2013/09/26

 一人称のラブコメを考えてみてください。
 涼宮ハルヒや生徒会の一存シリーズで語り手はどちらも男性ですが、彼らの魅力は優しいくらいです。(別に二人が嫌いなわけではないです。むしろ好きです)対して、女性陣のキャラが濃い。書いてる人=主人公ではない展開ですね。脇キャラが主人公より魅力的なら、作者自分を語り手に投影し、脇キャラをいっそ主人公にしてみてください。たぶん、その脇キャラの方の話しを書くことの方があなたは得意で向いているんですよ。

 いきなり、暴論ごめんなさい。
 私も同じ状況になったことがあるので、その経験から書かせていただきました。主人公の魅力も大事ですが、脇キャラの魅力も大事なんでがんばって折衷つけてくださいね!

幽鬼さんの意見2013/09/27

 私は設定をすべて考えるのに最低でも3ヶ月前後かかります。
 何を書きたいか(ストーリーではありません)、それにはどういう世界が必要かを考えてから、世界観、世界、生物etcをすべて細かく考えます。
 いわゆるキャラについては、そのキャラだけを考えるのではなく、その性格、かぴぱら様のいう本質、に育つにはどういう環境で育ったのか、どういう親・兄弟・友人がいるのか、更にその親や友人の親、環境を…という風に作りこみます。

 ここで作ったキャラがすべて小説に登場するわけではありません。
 場合によっては誰も登場しないこともあります。
 でも私としては、キャラを作るバックボーンとして必要なキャラです。
 全部作り終わってから、そのまま傍観すると世界が動き出します。
 そのキャラの動きを小説に書きます。

 ストーリーを書きたいわけではなく、キャラそのものを書きたいという考えです。
 ストーリー進行を第一に考えるのであれば、そのストーリー進行に疑問など生じない性格のキャラを考えればいいのでは?と考えます。

 早い話、そのストーリーを進行させるためのキャラ作りが浅いのでは?
 ちなみにかぴぱら様の言う『面白いストーリー』ってどんなんでしょう?
 そこがまずはっきりしないとなのでは?

ウジャBさんの意見2013/09/29

 素人の私見ですが、私も白昼夢に出てきたりその気になればキャラを幻視して話ができます。友人の数を数えるとキャラの方が多い……
 閑話休題。破綻したとき、私はキャラに合わせましたね~。
 テーマも世界観も何もかも変わりましたが満足しています。
 出来は兎も角、人形でストーリーを進めるのは練習すれば誰にでも出来ます。
 ちょっとの創作理論と書きたい話があれば人形を誂えて(あつらえて)演じさせればいい。
(勿論それで面白い物を書くのは大変ですが)

 でもキャラが勝手に動いて勝手に進む程突き詰めるには、設定資料から一歩出た思い入れが必要だと思っています。
 だってどんなにキャラに感情の起伏を作っても、作者に強い思い入れが無ければ感情さえ設定資料になっちゃいます。
 価値観、本質まで掴んで大切に育てられたキャラクターをそんな形で殺してしまうなんて悲しい事だと私は感じました。
 生きているキャラクターって作品だけでなく実生活でも一緒に居られる良い者ですよ? 少なくとも私には。
 他の方も言われていますが、そのキャラが動かざるを得ない状況を作っては如何ですか? 無理矢理動かしても言葉通りキャラがブレて感情移入出来ない作品になりそうですし。
 因みにキャラが生きている派としてどうやったら勝手に動くかですが、

 私はまだ概要しか固まっていないキャラと無理矢理会話してそのやり取りを紙面に残しておきます。

 紙面の内容を覚えておいて雰囲気を掴んだら更にそれを強く意識して会話する、数度繰り返せば紙面なしでそのまま会話出来るようになります。
 形の定まらない雲を過去の会話ログという器に入れるイメージですね。
 過去や価値観は一文で纏めて後は会話で掴んでいきますね。

 過去なんて魅力的なキャラなら突き詰めたくもなってきますし。
 キャラを適当な世界観にぶち込めば、勝手に世界観にまで勝手な解釈をしてくれていつの間にか原稿用紙が埋まっている……。
 ……何か客観視すると危ない人になってますね。
 でも言葉に意識しないと解らない様な癖や細かい価値観がにじみ出て面白いです。
 いつにも増した乱文駄文、失礼しました。

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