ライトノベル作法研究所
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  4. ラノベの大学生主人公にメリットはある?公開日:2013/11/22

ラノベの大学生主人公にメリットはある?その2

雷さんの意見2013/11/17

 ちょっと興味が湧いたので、ラノベの売上を調べて比較してみました。

 たとえば『とらドラ10!』の売上部数は151,322。
(オリコン2009年年間“本”ランキング(ttp://www.oricon.co.jp/entertainment/ranking/091204_01_17.html))
 10万越えはメガヒットといえるでしょう。流石です。

 では件の『ゴールデンタイム』はどうかというと、
( 2chからのコピペというのが、我ながら不満ではあるのですが)
(【売上】ラノベレーベル比較スレ7巻【部数】ttp://toro.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1337328749/)

 2012年第1四半期 オリコン一万部超えタイトル 1~3月発売タイトル対象。
  34,771部『ゴールデンタイム 4 裏腹なるdon't look back』

  2012年第2四半期 オリコン一万部超えタイトル 4~6月発売タイトル対象。
  22,708部『ゴールデンタイム外伝 二次元くんスペシャル』

  2012年第3四半期 オリコン一万部超えタイトル 7~9月発売タイトル対象。
  27,006部『ゴールデンタイム 5 ONRYOの夏 日本の夏』

 という具合。たしかに『とらドラ』に比べれば見劣りしますが、2万越えは十分ヒットといえるでしょう。

 さらに、他の電撃文庫と比較したらどうなるか。
 『とある』や『SAO』のような10万部越えあたりまえなバケモノタイトルと比較してもどうにもならないので、2万部越えを目安にしながら、似たような売上部数の作品と比べてみます。

2012年第1四半期
  46,942部『ロウきゅーぶ! 10 』
  34,771部『ゴールデンタイム 4 裏腹なるdon't look back』
  28,589部『乃木坂春香の秘密 15 』
  27,628部『れでぃ×ばと! 13 』
  27,280部『ストライク・ザ・ブラッド 3 天使炎上』
  24,401部『はたらく魔王さま! 4 』

 すべて、過去にアニメ化されているか、2013年に入ってからアニメ化されたタイトルを抽出しました。

2012年第2四半期
  30,119部『ストライク・ザ・ブラッド 4 蒼き魔女の迷宮』
  26,680部『さくら荘のペットな彼女 7』
  24,326部『はたらく魔王さま! 5』
  22,708部『ゴールデンタイム外伝 二次元くんスペシャル』

2012年第3四半期
  40,893部『GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン Ⅴ 上』
  27,006部『ゴールデンタイム 5 ONRYOの夏 日本の夏』
  24,831部『乃木坂春香の秘密 16』

 2013年に入ってから『ゴールデンタイム』の売上は2万部を割るようになりますが、
 それ以前の売上部数を見る限り、アニメ化によるブーストがかかっていない状態でのこの売上部数は、大健闘しているように、僕は思えますね。
 表に出てきていない潜在的な数も合わせて考察していくと、また面白いことになるかもしれません。

あまくささんの意見2013/11/17

 スレ主様の問題提起のしかたには特徴があることがやっと見えてきたので、ついでに。
 標記の件(大学生主人公の問題)を例にとるならば。

 スレ主様の論ではまず前提として、ラノベにおいては中・高生主人公が、整備されて一定のメリットが保障された「ローリスクなエリア」と位置づけられています。
 それに対して、大学生主人公は未開拓で現状ではメリットが期待しにくい「ハイリスクなエリア」と位置づけられ、ローリスクなエリアを敢てスルーして、ハイリスクなエリアに拘る人が多いのはなぜか? という疑問を投げかけるスタイルを常にとられています。

 ところが、実際にはハイリスク志向型の人たちには、以下のような二種類が含まれているはずなんですね。

1・未開拓エリアに「ハイリスク・ハイリターン」の可能性を見込んでいる。

2・深い考えなしに、以下のような理由でハイリスク・エリアに手を染めようとする。
A 何となく興味がある。
B 単に得手不得手として書きやすい。
C 競合作品が少ないことをメリットと見ているが、ハイリスクの部分を軽視している。

 このような二種類です。

 スレ主様の批判は、往々にして②のタイプの人に向けられたものだと思います。
 しかし、つねに1と2の両方の人がいるはずだし、結果としてやっていることが似ているように見えたとしても両者は大違いです。
 そこをスレ主様はいつも一緒くたに批判してしまっているのではないですか? それが、主張が受け入れられにくくなっている理由の一つだと思いますよ。

Dio Genesさんの意見2013/11/17

 精神医学、児童・青年心理学では次のことがよく知られています。

 中学生頃には本格的に思春期が始まる。中学生時代では主に同性との交友が深まる。自分の実状とは関係なく、自分の理想のイメージがいろいろと膨らむ(これはすぐ後に、良くも悪くも大きく作用する)。

 高校生時代には、異性とのつながりを求める度合いが急速に増す。身体的には、それぞれの性別の特徴を強く表すようになる。精神的には、自分の実情と、理想を含む自分のイメージの齟齬を強く意識するようになり、その二つの整合性を模索する。これらのため、悩みも大きくなりがちで、しばしば『激動の時期』などと言われたりもする。

 おおむね18歳頃、思春期は終了し、心身とも一応の安定を見る。 

 高校時代を最も楽しかった時代と、後になって思う人は少なくありません。学校はしばしば閉鎖性の害もありますが、生徒を外界から強く守るようにも働きます。年齢のため、多少のことは社会から多めにも見られます。そういう安心して、ある意味やりたい放題でき、しかも自分が急速に充実することも実感できる。

 これは中学時代に自己イメージがとりとめもなく広がるのとは違い、後にしっかりつながる充実になります。その後ずっと、自分の基礎が高校時代に作られたような感覚があります。

 それゆえか、高校生、もしくはそれに相当する年齢が主体となるフィクションは、高校生以降にも人気を得やすいのです。

 では大学、あるいはその年齢の社会人では劣る創作しかできないのか。そんなことはないですね。それはラノベ外にも目を向けると分かるはずです。例えば恋愛にのめり込むとして、それが大学生だと迫力が違ってきます。既に一応は自己を確立した人間であることが理由の一つです。

 刹那的な感情だけではなく、本当に自主的に自分の進む道を選ぶ。それは思春期終了前には相対的に難しいのです。ラノベを好む読者層に、そうしたことを、どうアピールできるか。それは私にも分かりませんが(分かれば、もうやっている)。

邪道さんの意見2013/11/24

 えぇっと、「大学生主人公」について私論なんですけれど、いいと思いますよ、大学生の主人公。サークルで馬鹿やったり、就活戦争頑張ったり、ネタ自体は作れますから。
 ただ、個人的には高校生の方が輝いて見えるんですよね、今振り返っても。「あぁ、あの頃は楽しかったな」って。

 なんでどちらも一長一短だと思います。そこは作者の力量次第って事で。でも「キャラがどうとか」っていうのは甘えだと思いますね。
 長くなっちゃいましたけれど、僕は大学生の主人公はアリだと思いますよ。問題は需要があるかどうかって事ですね。

駄作書きの紙飛行機さんの意見2013/11/24

 僕は逆に、高校生活よりも大学生活のほうが書きやすいとは思いますけどね。主人公の年齢以外は。メリットとデメリットの両方があるのは、まぁ高校生を主人公にした時とも同じですよね。

 まず高校という舞台より、14~18歳の少年少女を描くことに意味があるのだと思います。舞台で言えば、逆に大学のほうがネタが多くなりそうですよ?
 まず大学は私服ですし(私服の高校もありますが、制服のイメージが強く違和感が出てくるかもしれませんね。たしかドラマ版のブラッティマンディがそんな感じでした)、それだけでキャラ付けができますしね……あと学祭は個人的にですが、大学のほうが楽しいですし自由度は高いと思います。

 メリットデメリットより、浸透率の問題ではないでしょうかね?

 まぁあとは先ほども言ったように、思春期の少年少女を描くのならある程度内容が青年向けでも高校生を主人公にするほうが良い。思春期の葛藤を描けますからね。

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