ライトノベル作法研究所
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  4. キャラのギャップを演出する方法とは?公開日:2013/11/25

キャラのギャップを演出する方法とは?

 ラノベの王女様さんの質問 2013年11月07日

 魔王も勇者も飽きたんだよ! なーんて声がそこら中から聞こえてくるけど、「刺さる」キャラ作りにはもってこいなのよね。

 異世界で暴虐の限りを尽くした魔王と悪魔大元帥がハンバーガーショップのバイトと専業主夫になる『はたらく魔王さま! 』 なんてその典型。後に出てくる漆原も、悪魔大元帥から一気にニートへ急降下だしね。これほど笑える落差を現実の範囲内で出そうたってまず不可能に思えるのよ。

 「大企業の社長が一転してニートに!」なんて書かれてもまず「社長」って立場に親近感が沸かないし、何より展開がシリアスすぎて笑うどころじゃない。悪魔や堕天使がグータラしてるから面白いんであって、いい年したおっさんがニートしても痛々しいだけ。地に足着いた世界観でつかみの強いキャラ設定を創作しても、現実において全くコメディにならないように、ラノベの二次元世界内でも絶対コメディになりえない。
 ほら、あたしだって「ラノベを書く王女」ってのが見事にギャップを形作ってるわけ。あんたたちのような平民が王女と会話できるチャンスなんてまず有り得ないでしょ? それが大きな魅力になってるのよ!
 日常との落差を考慮すると、魔王とか勇者とか神とか天使とか悪魔とかの設定をどうしても使いたくなっちゃうのよね。

 だけど、いつまでもそんな設定に頼り続けるわけには行かないのもまた事実。
 書くラノベ書くラノベに魔王が出現されたらうんざりすることこの上ないわ。魔王の閉店セールよ。
 かといって「ツンデレ」「実はオタク」なんてそれ以上にありきたりだから、解決策になってないし。

 一体どうすればいいのかしら。教えてくれない?

●答え●

あみゅさんの意見2013/11/07

 落差以外のギャップの作り方ですか。
 それではアイデンティティの矛盾など使ってみてはいかがでしょう。

 臆病なライオン。
 計算が苦手なロボット。
 魔法が使えない魔法使い。
 ラノベが書けないラノベの王女様。

 読者の先入観を利用するということでは、落差も矛盾も同じこと。

 ありきたり以外ではギャップを生むことは難しいかもしれません。

和算蛇人さんの意見2013/11/07

> 魔法が使えない魔法使い。

 コレ、既にされてる方が居ますね。
 参考までに。

*魔力の使えない魔術師
http://ncode.syosetu.com/n8785bm/

飛車丸さんの意見2013/11/07

 周辺環境や他登場人物や世界背景との対比。

Dio Genesさんの意見2013/11/07

 ゲーム、特にコンピューターRPG(あえてファミコン系RPGと言ってしまいたいところ)から離れればいいんですよ。そうしたものから発想しない、そうしたものの設定を流用しない、そうしたもので遊ぶような感覚でストーリーを作らない。

 そう心がけても実は不足で、本当はゲームを全く忘れてしまうのがベストです。でも守破離と断捨離は、一気に離までいけないからこそ、途中のステップがあります。まずは意識して遠ざける努力からです。

飛車丸さんの意見2013/11/07

 たとえばAnotherは、いないものという周辺環境がギャップを生んでいます。例示しているはたらく魔王さま!などは、職もそうですが実際には、魔界の住人が現実世界にいる、という世界背景こそがギャップを生んでいます。
 また漫画作品となりますがONEPIECEにおいては、ウソップやチョッパーなど一般的な視点を持つキャラクターであっても、一般的でない集団の中に置くことでギャップを生じさせています。

 こういった背景などを考慮せず、ただただ単品でギャップを演出しようとすれば、ありきたりスパイラルに陥るだけでしょうね。

小倉璃瑚奈さんの意見2013/11/07

 魔王と勇者の話ではありますが、私的にはトムとジェリーみたいだなーと思いつつ見てます。
 アンパンマンとばいきんまん的な関係みたいな。
 どちらが欠けても、どちらかが存在するに値しない。
 そんな関係性を持っているように思います。
 私的には、だからこそ物語にしやすいのでしょうし現在の流行にも乗っているのだと思います。

 ただ、私個人の感想としてはたらく魔王さま!はすんごいつまんなかったです。

 過去には会社の社長が巨大ロボットに乗って戦うアニメもありましたし、小学生なのに社長というアニメもありましたし、私自身としては、どんな設定でも書き方次第で面白くなると考えた方が、この設定で作品を書いても面白く無いから、書くのはやめておこうと考えるより、とりあえずやってみてから面白いか面白く無いか判断しようとしたほうが数倍マシだと思いますよ?

 魔王という設定について一家言を持つのならば、魔王と勇者という設定を使って名作を書くか、今まで誰にも思いつかなかったであろう設定を使って作品を書くかの二択しかないと思いますよ。
 私的には、とりあえずいろんな設定で物語を書いてみるということをおすすめします。
 選択肢を狭めていいことなんてありませんし。

smanさんの意見2013/11/07

 ギャップの本質は、キャラクター性において大事な部分が欠けてる(あるいはズレてる)状態を言うものだと思うよ。

 参考になるのは「オズの魔法使い」じゃないかな。
 主人公のドロシーと、心がないブリキの人形と、脳が欲しいカカシと、臆病なライオンの冒険です。
 ブリキは人形だけど生きています。けど、心がない。
 カカシは心があって生きています。けど、人の身体がない。
 ライオンは牙も爪もある猛獣だけど、勇気がない。
 そして主人公のドロシーは、心も身体も冒険をする勇気も持ってるけど、帰る家がない。
 それぞれ大切なものが無い状態で、とても個性的で魅力的なキャラクターです。

>「大企業の社長が一転してニートに!」なんて書かれてもまず「社長」って立場に親近感が沸かないし、何より展開がシリアスすぎて笑うどころじゃない。

 ヤクザのボスが平社員ってマンガがあったね。えーっと、静かなるドンだっけ。

>「ラノベを書く王女」

 ごめん。雲の上の人種が低俗な趣味を持つって設定は使い古され過ぎててなんも思わなかったw

 日常との落差を表現したいなら、比較先は非日常になるわけだから、そこでなぜ「大企業の社長」になるのか。
 「傭兵の軍曹」って非日常が「高校」という日常で……ってラノベなら知ってるけども。
 ちょっと常識に囚われすぎてるんじゃないかな。

 最初の話題に戻って、例えば「魔王」なら、「はたらく魔王さま!」の場合は大事な部分は「威厳」とかそういうワードじゃないかな。というか魔王として必要なもの全部失ってるか。魔力も魔族の身体も失ってるし。
 ともかく、バイトとか専業主婦とかは、「威厳を失った姿」を描写する際に発生した副産物であって、「魔王がフリーターだからギャップがある」というワケじゃないと思うよ。それじゃあ順序が逆だよ。
 ようは威厳を失えばいいんだから、一兵卒からやり直すとか、ヤクザな勇者にフルボッコにされたとか、あるいは「静かなるドン」から「夜は魔王だけど昼は村民A」みたいな、まあ、なんでもいいと思うけども。

 でもそうなると、天使とか悪魔とか、魔王とか勇者とか、そういうイメージが固定されてるモノは、どう足掻いたって「欠落させる部分」が決まってるから、結局はテンプレにしかならない。
 あとは、その先人によって踏み荒らされた土地をどのように耕すかという、王道を保ちつつも執筆の方向性で勝負するってことになるね。
 少年漫画の「とにかく美少女いっぱい出せばいい」って勢いがマンネリしても、赤松健は見事にラブコメを書いてみせるでしょ。
 って、このネタ確か久米田康治がやってたな。アイスバーンがどうのとかw

 まあ、王女様のこれまでの主張は、こういう王道が真だって話だから、「ありきたり」を否定するこのスレッドは正直「あれ?」って思ってるんだけども。

高海さんの意見2013/11/09

 こんにちは。
 一口にギャップといっても

1. 読者がラノベを読むずっと前から持っていたステレオタイプを出オチで否定するもの
2. 序盤で作者自身が呈示してきたイメージを中盤で少しずつ切り崩すもの

 という全く異なる二種類があるかと思います。あるいは第三の種類があるかもしれませんが。

 基本的に前者の出オチパターンというのは初めてその食い合わせを見る人にこそ新しく見えるものの、少し後追いが出るだけで急速に陳腐化していくんですよね。中にはたまたまニッチな需要を掘り当てて定番化してしまう例もあるかもしれませんが、それはもうギャップが云々とは全く関係のない話です。
 また、冒頭でいきなり「このキャラクターはBという特徴を持ったAです」とやってしまうと、少し深読みする読者には「なるほど、AでもありBでもあるがこのキャラの表の姿なわけね。ところで裏の姿Cはいつになったら出てくるの?」ということになりかねません。

 それに「あんなに凄いと思っていた人間がまさか~」というフレームは一見自由度が高いようで、「誰もが笑えるようなありえないくらいの落差を出さなければならない」という制限のせいでかえって選択の幅が狭まるんですよね。
 例えば「絶対君主のように振る舞う強大な魔王かと思いきや実は真に世界を支配している大魔王に忠実な魔界四天王のナンバー3であった」とかでは全然インパクトがないでしょう。

 アニメや漫画を視野に入れますと、近頃は「平凡な作者がギャグやパロディに持って行きたがるところをあえて正統派の作風にこだわって叮嚀に作り込むことでかえって「ここまで王道を追求するのか」という意外性を醸し出している」タイプの作品が増えていると思います。一度ギャップが当然の存在になってしまうと、ギャップがないことがギャップになるのです。

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