ライトノベル作法研究所
  1. トップ
  2. 創作Q&A
  3. 創作に役立つ資料
  4. 二刀流の戦闘イメージと書き方を考察公開日:2014/02/28

ラノベでの二刀流の戦闘イメージと書き方を考察その2

Dio Genesさんの意見2014/02/09

 刀剣を一つ持つより二つ持ったほうが強力なのではないかというのは、おそらく古くから誰しも考えるところだと思います。でも、いつの時代も主流にはなりませんね。右手に剣、左手に盾ならあるんですが。

 片手では重すぎるというなら、片手に盾のスタイルの説明がつきません。盾とともに使う西洋の剣だって、日本刀と重さはあまり変わりません(もっと重いのだってある)。実は、二刀同時の攻撃って、事実上不可能なんです。素手でも左右同時のパンチはありません(両掌で押すようにするのは別)。

 剣を振るのも突くのも、体の回転を利用しないと威力が出ないのです。すると、二刀あっても一刀ずつの攻撃にならざるを得ません。同時攻撃もできないし、同じ時間で攻撃回数二倍にもなりません。さらに、両手にそれぞれ長めの剣だと、自分の剣同士が邪魔になることも多くなります(どちらか、もしくは両方短剣なら、そうでもない)。

 日本刀のような技術主体の剣だと、さらに難しくなります(中東も技術主体らしいけど、よく知らない)。振り下ろしただけでは斬れず、インパクトと同時に激しく引くか押すかしないと斬れません(押せば切れる包丁とは違う研ぎ方のための現象)。

 戦国時代の日本刀は攻防を兼ねていることは、その前後の時代も同じですが、訓練された武士の武器であり、馬上で片手で扱って攻撃するに際しては、主に突いています。それなら片手でもできます。

 世界的に見てすら、どこでも主流にならないのは、それなりの理由があるようです。

 しかし、二刀流が絶大な効果を発揮するケースもあります。例えば、ある意味、日本刀の天敵ともいえる鎖鎌です(これも二刀流があるが割愛)。離れた位置から投げた鎖で相手の刀を絡めて封じ、ぐいぐい引き寄せつつ接近して、鎌で首筋をばっさり。

 このとき、もう刀がもう一本使えれば、鎖鎌使いに対抗できます。もっともそれは二刀同時ではないし、宮本武蔵が鎖鎌使いの名手(宍戸としか名が伝わっていない)と戦ったときは、相手だけを足場の悪い位置に誘い込むなどして、二刀を使わざるを得ない状況を免れた、という伝説もあったりします。

 どうしても実用的な二刀流となると、平凡ながらも西洋のレイピア+マンゴーシュでしょうか。実際によく使われたから月並みですが、それだけに説得力があります。右手にメインの攻撃用剣、左手に防御とちょっと突く程度の短剣ですね。

 それ以外だと、両手持ちで戦っていて、いわゆるつばぜり合いになったとき、意表を突いて剣から放した左手で短剣を抜いての奇襲でしょうか。

> また、正式な剣技等で二刀流がありましたら教えてください。

 あまり知りませんし、いろいろあるようですから、ウィキペディアから見て頂くのがよいかと(もうそれくらいはご覧だろうとは思いつつ、すすっと逃げる)。

沢渡まゆさんの意見2014/02/09

 片手に剣、片手に盾が標準的な勇者の装いですが、盾を剣に持ち替えると二刀流になります。

 このイメージで描写すると簡単ではないでしょうか。
 つまり、盾の方の剣は防御重視で使用するわけです。

普通
 右手:剣:攻撃90防御10
 左手:盾:攻撃10防御90

二刀流
 右手:剣:攻撃70防御30
 左手:剣:攻撃30防御70

 くらいの割合かな~^^

兵藤晴佳さんの意見2014/02/09

 こんばんは。兵藤です。

 右手の小太刀で牽制と受け流し、左手の太刀で攻撃、というのが一般的な二刀流のイメージでしょうか。現代の剣道でも、公式試合で二刀を使う人はいます。中段に構えたとき、一刀ならば振り上げなければならないところを、二刀ならあらかじめ振り上げた姿勢が取れるというメリットがあります。
 デメリットもあります。一方の腕が、もう一方の邪魔をすることです。従って、剣を縦横に振るうことが難しくなり、公式試合の打突においては、二刀をギッチョンギッチョンと交互に上下させることになります。(一刀にこだわりのある人は、『だから二刀は不便だ』と言います、そんなわけで。)
 時代劇では、両方の刀の切っ先を合わせて相手に突きつけるという構えが多く見られます。

 西洋においては、左手の短剣と右手のレイピアという二刀流は珍しくないようです。シェイクスピア『ハムレット』でも、ライバルの美剣士レイアーティーズは、二刀流の使い手ということになっています。

 因みに、牽制用の剣が手甲と一体化したものが「マン・ゴーシュ」(フランス語でmain gauche、『左手』という意味です)という武器です。

クウロさんの意見2014/02/09

左手用の武器
・ソードブレイカー
 相手の武器を破壊するための剣。といっても相手がレイピアを装備していることで威力を発揮する場合が多いので、普通の武器相手にはただの防御用となってしまうかもしれません。
 通常、右にレイピア、左にこいつです。

・マインゴーシュ
 基本ガードの部分で攻撃を受け止めるのですが、刀身が炎のような形状をしていたりソードブレイカーのようなものになっていたりして別の用途が存在します。
 これも通常、右にレイピア、左にこいつです。

・パリーイング・ダガー
 回避、攻撃を受け流す、という感じです。なんと刀身が三つに分かれるギミック付きです。当時、そのギミックが複雑だったので壊れやすかったらしいです。
 レイピアの二刀流が主流になったころから開発されはじめました。
 これも通常、右にレイピア、左にこいつです。

 西洋の二刀流はレイピアとセット。パリーイング・ダガーから発展していったそうです。こういうのを知っているとスムーズに二刀流を描けるかもしれませんね。

雷さんの意見2014/02/09

 またまた来ました、雷です。
 さきほどは、日本刀での二刀流についてお話ししましたが、こんどは西洋における二刀流について。

 他の方々も指摘されているとおり、レイピアとダガーの組み合わせは伝統的なスタイルのようです。
 右手にレイピア、左手にダガー(マインゴーシュ、ソードブレイカー)を持ち、攻守に隙の無い剣術を追求していたみたいですね。

 ためしに「rapier and dagger」などでググってみてください。
 西洋で使われていた剣術指南書の解説などがヒットします。画像検索すると分かりやすいかも。
 頑張って翻訳してください(笑)

 You Tubeでも検索してみると、やはり剣術指南書の内容を実演した動画が見つかります。
「敵がこう攻撃してきたら、こう動く」「敵がこう反撃してきたら、こう動く」
 というように、いくつかの型(パターン)を紹介、解説していたりしますね。
 当然、解説などは外国語でされているのですが、見るだけでも参考になるはずですよ。

 これらYou Tubeなどの動画の内容を踏まえつつ、フィクションとしての殺陣を考え、いかに見映え(?)のいいバトルを描き出すかを、僕はいつも考えていますね。

Dio Genesさんの意見2014/02/10

 日本刀の斬撃について、補足致します。

 日本刀は縦研ぎと呼ばれる研ぎ方をします。砥石に対して、包丁のように刃が切り進む方向に前後させる研ぎ方(横研ぎ)ではなく、刀身の長さ方向に動かして研ぎます。

 横研ぎだと、刃に細かい凹凸ができます。このため、刃を当てて押すだけで凸の部分が先に当たり、そこがまず切れて広がり、刃全体で押し切れます。

 縦研ぎだと刃は滑らかです。当てて押すだけでは斬れません(これを利用して、日本刀の上を立って見せたりする大道芸がある)。しかし、当てて押すと同時に、素早く引くか押すかすると、刃が鋭いのと同じ状況になります(物理学的に説明できますが割愛)。

 刃の細かな凹凸は切れやすくする代わりに、折れる原因にもなります。縁が真っ直ぐな紙を引っ張っても容易に裂けませんが、少し切れ目を入れると弱い力でも避けてしまいます。それと同じ理屈です。

 日本刀の刀身は適度な柔軟性を持つとはいえ、横研ぎで凹凸があれば、刀どうして打ち合ったりすると折れてしまいます。だから、縦研ぎにして折れにくくしています。そのため、振り下ろしただけでは斬れず、引くか押すかするわけです。

 もっとも、剣の修行をあまりしていない武士などが、いざというときは、刃をそこらへんの石にこすりつけて、わざと刃こぼれ状態にしてから(横研ぎに近い状態)、ことに臨んだという話も伝わっています。防御無視で致命の一撃&離脱といったところですね。

 でも普段は折れにくい攻防両用の刀にしておく必要があるため、刀を使って刃こぼれしたら必ず研いで、刃を滑らかに保っていました。ちなみに、研ぎに出すのはかなり高額だったようです(必殺仕事人の中村主水はトータルではかなり赤字という冗談の試算もあったりする)。

釈迦に説法……かもですがさんの意見2014/02/10

 ケッタコルツァ!さん、こんばんわ。

 宮本武蔵は、生まれつき<左利き>だったのを、幼少時からの訓練で<右利き>に矯正された人物なのでは?という説があります。

 室町時代の頃から、<一騎討ち>が主流であった合戦が、集団戦に変わって来ています。
 右利きの人が主流の集団の中に、ポツンと左利きの人が紛れ込んでいると、下手をすると味方を傷つけたり、反対に怪我をさせられたりする確率は非常に高いです。

 その為、昔の武士は、左利きを右利きに矯正するのが普通だったといいます。
 主人公を、宮本武蔵のような、元々は左利きだった設定にしてみてはいかがでしょう?

 武蔵の父(養父説もあり)新免 無二(無二斎ともいう)は、片手に刀、片手に十手を持つ武術の達人で、本来の<利き手>である左手の力が強かった武蔵は両手で刀を操る<二刀流>にアレンジした……という説もありますよ。

 何かの参考になれば幸いです、長レス失礼しました。

Dio Genesさんの意見2014/02/10

 はっきりしない話は控えていたのですが、伝え聞いた程度のことを、雑談的に申し上げたいと思います。

 日本刀は押すか引くかしながら斬るということは申し上げたのですが、押して斬るのは大変に難しい技術だそうです。振り下ろしつつ前へ伸ばすのは、人間の動作として自然ではないかららしい。

 それでも威力のある技術だから、修行を積む価値があるということなんでしょう。相手からすると、素早く前進してくる敵が、さらにぐんと刀を伸ばして来るので、防ぎにくくなってしまいます。

 その片鱗は現代の剣道に残っていたりします。面打ちで、「インパクトの瞬間に腕を絞れ」といったアドバイスが行われることがあります。手の甲を外に向けるように絞るということなんですが、そうすると自然に腕が真っ直ぐに伸びて行きます。すると、竹刀も前に突き出されます。竹刀だから斬ることにはつながりませんが、真剣であれば押して斬る一助にはなりそうです。

 しかし、これは両手で剣(竹刀)を持っていればこそで、片手持ちではそういうことはできません。剣のインパクトと腕を絞るタイミングをきちんと合わせるのも、意外に難しい、いや普通はできない。達人の業ですもんね。

 仕方ないので、修行した武士以外(ヤクザなども含む)は、引いて斬ったそうです。技術的には、押して斬るようり相対的に容易です。幕末に「人斬り以蔵」と恐れられた岡田以蔵はコツを聞かれて、「後ろ足を引いて斬れば仕損じない」と言ったそうです。これは明らかに引いて斬るコツですね。

 剣道ですと、相手が面を打ってきた場合のカウンター返し技の一つ、抜き胴などは引き斬りの技術が継承されている感じがします。竹刀の尻を持っていた左手を鍔側を握る右手まで寄せて、インパクトの瞬間に引き抜くようにして相手の横をすり抜けたりしますから。

 引いて斬るなら、片手持ちでもできます。抜刀術(居合術)は片手で抜くや否や、そのまま袈裟懸けに斬りますが、思い切り引き斬るとのことです。打ち付けるだけでは巻藁は全然斬れないのだとか。

 なお、剣術と抜刀術は全く異なる技術体系だそうです。剣術をいくら練習しても抜刀術はできず、逆もまた然り。剣道してる人に「居合斬り見たい! やってやって!」とお気楽に言ったら、そう叱られたことがあります。すると剣心は両方修行して極めたのか(あっ、思考がショートした)。

 取り留めのない話ですみません。

携帯版サイト・QRコード

QRコード

 創作Q&Aは小説を書く上での質問・悩みをみんなで考え、研究する場です。
 質問をされたい方は、創作相談用掲示板よりお願いします。

質問に対する回答・意見を送る

『ラノベでの二刀流の戦闘イメージと書き方を考察』に対する意見を募集します! 
投稿されたい方はこちらのメールフォームよりどうぞ。

カスタム検索