ライトノベル作法研究所
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  4. 主人公を際立たせる対照的なキャラメイキング公開日:2014/08/17

主人公を際立たせる対照的なキャラメイキング

 デルティックさんの質問 2014年07月11日

 ライバル役と似ている対照的な役割の人物。

 境遇や性格や性質は同じだけど、男女。
 立場や地位が同じだけど、性質が対照的な同性。
 双子だけど、性格が正反対。
 女優としてやっていくのに、自分(主人公)は一世だけど、相手は二世である。
 母娘で顔は似ているし、性質も似たような感じであるが、根本的な性格が違う。
 自分は平凡だけど、相手は波乱万丈な人生。

 というような対照的な人物って、ライトノベルで大いに遣えると思います。
 そういう役割は、主人公を際立たせるためにあるシンメトリーなキャラクターだと思います。
 では、どうしたら主人公を際立たせる書き方ができますか。教えてください。

●答え●

飛車丸さんの意見2014/07/12

 主人公というかキャラクターを際立たせる手法は、今も昔も「魅力を引き出す」ことです。
 つまり、キャラクターの最大の魅力を把握して見せ場を作る。

 たとえばそれが「折れない心」なら徹底的に折りにいってから、それでもクライマックスで折れない姿を見せるなど、振り幅を大きくすることで際立たせるのが基本ですね。

 で、対照的な人物がいるならば、ここでも対照的に相手は諦めさせるという対比に使うもよし、ずっと対照的だったものを最後の最後で同調させることで相手の魅力を引き出すのに使うもよし、ってとこですか。

 いずれにせよそういうキャラは、主人公を際立たせるだけのものではなく、時には互いに引き立てあうものでもありますから。

TAKEさんの意見2014/07/11

 主人公側を徹底的に不利に描くことです。

デルティックさんの意見2014/07/12

 知っている限りでもいくつかパターンがありますが、私の考えを置いていきます。

 基本的に面白い対比構造にするには一つの軸を設ける事が大事だと思っています。

 例を出しますと、同じ親から生まれた兄弟が、それぞれ勇者と魔王となり戦うとします。
 「誰かの為に力を振るう勇者」と「絆など信じずに、力で全てをねじ伏せる魔王」の戦いと設定します。
 こうした時に「仲間の絆」や「託された思い」を魔王が力で否定し、それを乗り越えた勇者が思いを乗せた剣で倒す。
 という感じです。

 別のパターンですとこういうのもあります。

 こちらはアニメから例を持ってきます。
 「ZOIDSーゾイドー」(1999年9月4日放送)というアニメからです。
 ゾイドというのは全長数十センチから、大きい物では数百メーターにもなる「生きた機械」です。
 このゾイドに乗る少年バンの物語なのですが、ライバルとしてレイブンというキャラクターが存在します。
 主人公のバンはゾイドを愛し、自らの相棒として大事に扱い。愛機と共に荒野を駆けます。
 対してレイブンは過去のトラウマからゾイドを憎み、ゾイドを駆りながらも、ゾイドを抹殺する為に破壊の限りを尽くします。

 しかし二人には共通する所があるのです。
 形は違えど、二人ともゾイドという存在に依存しているのです。
 そしてレイブンが過去のトラウマを振り切った時、自分が実はゾイドに依存していた事を理解します。
 ゾイドを憎む事を止めたレイブンは、それまで幾度と無く死闘を繰り広げたバンと共闘し、遂には世界を救う事になります。

 私が知る所では大きく分けてこの2パターンです。
 徹底的に対比構造として描くか、もしくはどこかで繋がりを持たせて二人の成長を描くか。

 といった所でしょうか。
 ともあれ、そこに一つの共通する軸を仕込むのが大事だと思います。

 それとTAKEさんも言っていますが主人公を劣勢にしておかないと、その対照的な人物を乗り越えるというカタルシスが描けませんので注意して下さい。

Kの物語さんの意見2014/07/12

 たとえば、昼ドラの「牡丹と薔薇」(2004年1月5日放送)もしくは、泉鏡花「日本橋」(1914年発表の戯曲)にしても、善女と悪女の対比は面白いですよね。
 書くのにはコツがあります。
 ヒロインは善女にして、悪女のほうを魅力的に書くのです。
 物語は現実ではありません。悪女がイキイキして居ても良いのです。
 貴方は主人公を魅力的に、と仰ったのでスレチかもしれませんが、必ずしも主人公が一番魅力的で無くても良いのです。

ゆみさんの返信2014/07/24

 皆さん、対照的な人物を描くのに、大体が、主人公を善にして、相手(対照的)は、悪ですね。
 それで、悪のほうを光らせておいて、後に善を光らせる。
 それで悪の方は、外面的(美少女、育ちがよい、お金持ち、良家、立派)に恵まれている風で、はたから見たら、光った風に見えることがコツなわけですよね。
 分かりました。

 それで、そのことに関して、作法とかありますでしょうか?
 巧みな考えのお言葉ありがとうございます。さすが皆さんですね^^

 で、今書こうとしている物語は、魔法使いを目指す女の子が主人公で魔法学校に通っているんですが、その主役の子以外は、皆、親から学んだ二世で、魔法学校に入校しているんです。
 で、その子は、見習いなんです。
 それで、周囲の二世の子たちは、一人前の魔法使いです。
 一人前になっていないのは、ヒロインより10コは、年齢が下です(ヒロインは、ティーンエイジャーくらい)。
 ヒロインと同年代の魔法使いは、皆が一人前なんです。

 ですが、ヒロインと同年代で、一人前になっていない魔法使いの女の子が一人だけいます(その子が対照的な子)。
 その子は、魔法学校で、魔法を学ぶことなど全くせず、ただ親と友だちとワイワイガヤガヤやっているだけで、やる気がありません。

 なのに、その子は、学校の生徒の一員としてしっかり見られていて、仲間に入れています。
 ヒロインは、一世ということもあって、しかも、一人前でないため、仲間外れにされます。明らかに、ヒロインのほうが、その子より、力もあり、やる気もあるのに、です。

 それが、二世で、魔法学校のリーダー気質の美少女が裏で糸を引いていて、ヒロインを仲間外れにするように仕組んでいるんです。
 何故かというと、ヒロインはやる気があり、優秀で、一世で、密かに一目置かれている存在だったからです。
 魔法学校の校長に取り入って、ヒロインを苛めているのです。

 その対照的な子は、大人しくて、控えめで、真面目で、同調されるタイプの子なので、リーダーの美少女の子分になっているため、守られているのです。
 あくまで、ここは、対照的な半人前の女の子と、一世で半人前のヒロインの対比です。

 どのような作法にしたら、対比が引き立つでしょうか。

 この物語に何かコメントありますか?
 個人的な感想でもいいです。登場人物に関してでも^^

デルティックさんの意見2014/07/25

 設定を読ませて頂きましたが、少女マンガとかだと、むしろ対照的な子(以後ライバルと称します)の方が主人公やってそうな印象です。

 対比を引き立てるにはライバルの子のキャラが薄い気がします。
 どうせなら虎の威を借るなんとやらレベルに高飛車にしたほうがキャラ立ちしますし、動かしやすいのではないかと。
 まぁ上手く扱えれば問題ないのですが、私的にこのままの性格でいくと、ライバルちゃんが後半に空気キャラになる予感をヒシヒシと感じてしまいました。
 何よりも主人公と描写が被りそうなのがなんとも。

 まぁどのようなキャラになるにせよ、対比させる場合は、「真の主人公はライバルキャラ」にするくらいの方が私の好みではあります。
 主人公の成長物語であると同時に、ライバルキャラの成長物語でもあると思っていますので、主人公の目線を通してライバルの成長を描く、くらいのノリの方が好きですね。

 対比のさせ方は自分でアレコレ考えて試してみた方が身になります。
 1から10まで答えてしまうと、答えのコピーにしかなりませんから、色々な物語からヒントを得て考えてみて下さい。
 主人公と同世代くらいのライバルキャラクターが登場する作品は山ほどありますから、サンプルには困らないハズです。

あまくささんの意見2014/07/26

 アドバイスなんて大それたことはできませんが、設定を読ませていただいて何となく妄想したことを書いてみます。参考にならなければ、スルー推奨です。

 まずパッと思ったのは、これは「醜いアヒルの子」型の物語なのかなと。

 魔法学校の二世の子たちは、幼い頃から親に魔法を教わることができたという有利な境遇にあったから「一人前」なんですね。でもヒロインAは、そういう恩恵とは無縁だったから「半人前」。
 で、ヒロインAは自分には実力が足りないから半人前なんだと謙虚に解釈しているのですが、実は二世たちに負けないほどの(またはそれ以上の)素質を持っています。ただヒロインAの実力を見抜いている者は少なくて。二世たちのリーダー、エリート中のエリートである少女Bは、それに気づいている数少ない一人。
 そんな構図がまずあるのかな? と思いました。

 で、問題の、ヒロインAと対比される少女C。

 対照的なキャラづけをするなら、まずヒロインAが一世なのに対して、少女Cは二世。ヒロインAが不利な境遇であるにも係らず大きな素質を持っていることに対し、少女Cは二世という有利な境遇にありながら実力がイマイチ、ということが考えられます。

 少女Cは努力しないように見えるのですが、本当は怠け者なのでもいい加減な性格なのでもなくて、怖れているんですね。自分に素質がないことを思い知らされるのを。それで、挑戦したり向上したりすることから逃げて、持ち前の空気が読めて気配りができて、人から可愛がられやすい性格を活かす方向に振舞っています。
 ただし、少女Cにとってこれは無意識。自分の心に秘めた劣等感にも、自分の振る舞いの本当の理由にも、気がついていません。

 でですね。

 ヒロインAに話を戻しますが、魔法学校の生徒がほとんど二世のエリートばかりということは、ヒロインAのような少女が入学することは珍しいケースということになりますよね?
 そのへんのいきさつを考えるのも面白いですが、それは置くとして。
 入学するだけでも大変だったんじゃないかと思うのですが、そこで少女Cが手助けしてくれたことにしてみます。
 もともと少女Cは第一印象はとても良い子に見えるタイプだし、助けられたということで、ヒロインAは彼女を親友と思うようになります。

 ところが、ですw

 少女CとヒロインAはAの入学だか編入だかの時点が初対面なのですが、少女Cは初めてヒロインAに会った時、「自分に似た子が入ってきた」と思ったんです。
 ぶっちゃけて言えば、エリート揃いの生徒たちと比べて、Aがみすぼらしく見えたということです。

 少女Cの外見はみすぼらしくはないのですが、心に劣等感を秘めているから自分をみすぼらしいと感じているんですね。
 対してヒロインAは、外見はエリートたちと比べたらややみすぼらしく見えるのですが、中身はみすぼらしくありません。
 そういう対比です。

 なので、少女Cは、やっとみすぼらしい自分でも心を開いて対等につきあえる少女に出会えたと思って、最初はヒロインAに親切にします。
 ところが、つきあううちにだんだん分かってくるんです。ヒロインAは自分なんかよりずっと優れているって。

 それで、少女Cは学園の女王様である少女Bに、ヒロインAの悪いこと(ウソなのですが)を告げ口するようになります。

 少女Bは、エリート中のエリートなので、少女Cの劣等感やヒロインAの境遇のハンディキャップが理解できないところがあります。ですが、根は悪い性格ではなくて。少女Cに吹き込まれたからヒロインAに意地悪したのだということにしておけば、2巻以降でヒロインの頼もしい味方キャラとして使えるみたいなw 

 高慢でイジワルだと思っていた少女Bが、実はさっぱりしたいい娘だったと最後にわかります。ただ、容易に打ちとけないところのある孤高のキャラ。スネイプ先生というか……
 本当にイジワルしていた張本人は、大人しくて親切だと思っていた少女Cだった、という流れ。

 終盤で少女Cは画策がばれて窮地に。少女Bは許せないと激怒しますが、ヒロインAが庇ってやるという救い方も可能だろうと思います。

 かなり暴走してしまい、すみません(汗
 キャラの対比ということから、考えてみました。何かの参考になれば幸いです。

ゆみさんの返信2014/07/26

 では、
 ヒロインA
 ライバルB
 対照的な子C
 の三人ですね。

 この対照的な子は、本当にわき役で、 何気なく、主人公の引き立て役をする子にしようと思っています。(ゲストキャラということで)
 なので、キャラ立ちや役割としては、ライバルBのほうが重要です。
 ですが、ここではあくまで対照的なCで。

 ライバルBなら、いくらでも少女漫画とかであるパターンなので、セオリー通りにいけば、ライバルBは書くのは簡単だと思う。
 ですが、Cは、あんまりないタイプなので、
 ただ対照的と言うので、主人公を引き立てるだけなので、作法が分からないのです。

 これからの展開とする予定は、Cは、魔法学校の誰かから、「やる気ないなら、やめたら? ここは、本気でいい魔法使いになりたい人が集まるところなんだから」と忠告される。
 だけど、Cには魔法学校以外に居場所がなくて、親と一緒でないとやっていけないという子でした。
 Cは、親がいないと、他の社会でいじめに遭ってしまったり、孤立することが多くなったりするのです。
 可哀そうですが、場違いだから、と最後には可哀そうな終わり方となりました。

 でも、周囲にいる魔法学校の子たちも他人事であるため、表面では心配するが、親身にはなってくれませんでした。
 主人公Aは、羨ましく思っていましたが、最後には哀れにしか思えなくなりました。
 という結末です。
 何かコメントありますか。

Kの物語さんの意見2014/08/05

 少女Cが「弱い」と感じるなら、なぜ少女A(ヒロイン)は身を挺して守ったり、痛みを分かち合おうとしないのでしょうか・・・・・・。
 そこがちょっと理解できないところです。

 B(ライバル・「悪」)がそういうキャラは無く、対照的なキャラとして描くなら「友達のことを考えられる。もちろん対等に、子分としてで無く」という要素は必要になってきます。少年漫画でも主人公は仲間を大事にしますよね。皆対等な仲間だ!って。
 善女であるヒロインが「哀れだと思う」で終わらせてはいけないんですよ。
 今からでも遅くないと思います。
 友情フラグを回収してみては如何でしょうか。

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