ライトノベル作法研究所
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  4. ドラえもんの秘密道具の科学考証公開日:2014/09/01

ドラえもんの秘密道具の科学考証

 迷える狼さんの質問 2014年08月30日

 さて、ドラエモンの秘密道具について、もうちょっと考えてみましょう。
 ドラエモンの秘密道具の中には、別の道具と同じ効果を持ったものや、応用や代用が効く物があります。
 例えば、「フエルミラー」と「分身カガミ」。
 どちらも、映したものをコピーするものですが、フエルミラーは鏡台の様に大きなもので、人間1人くらいは丸ごと映ります。
分身カガミは、手鏡の形をしていて小型です。 

 両者の違いとして、フエルミラーは大型で持ち運びに不便ですが、大きな物を映す事が出来ます。
 分身カガミは、小さな物しか映せませんが、小型で持ち運びが出来ます。

 また、「スモールライト」「細胞縮小銃」「ガリバートンネル」など、物を小さくする働きをする道具は複数存在します。
 ただし、細胞縮小銃は、おそらく生物にしか効果が無いでしょうし、サイズの変更には1回づつ使用しないといけません。
 ガリバートンネルはトンネルをくぐれないものには効果を発揮しませんし、出入り口の大きさにしか、サイズを変えられません。場所も取ります。

 その点、スモールライトは小型で携帯しやすく、生物・無生物を問わず何にでも使えますし、変えたいサイズの所で使用を止めればいいだけと、利便性に優れます。

 おそらく、当然かも知れませんが、秘密道具は似た働きをする物でも、それぞれ値段が違うものと思われます。
 スモールライトの様な利便性が高い物は値段も高く、ガリバートンネルの様に使い勝手が悪い物は値段が安いのでしょう。

 そして、「動物変身ビスケット」や「スーパーダンのマント」など、子供のおもちゃの様な道具は割と安価、それこそ子供のお小遣いでも買えるくらいの値段だと思われます。

 ドラえもんが、お小遣いを貯めて秘密道具を買う事は、しばしばあります。
 過去に送った野良犬が、生きていくために人工肉を作る機械を買った時、タイムマシンから飛び出して、「お小遣いを貯めてついに買ったぞ。」と言っています。

 この装置はかなり大掛かりな上に操作も複雑らしく、ドラえもんは犬を進化させて知能を上げて、機械を操作出来る様にしていました。
 のび太が、「僕より頭がいい。」と言っていましたので、おそらくのび太では操作が出来ないくらい難しいと思われます。

 ドラえもんが小遣いを貯めて買える程度なので、使い勝手が悪い分だけ安価だったと思われます(それに、おそらくですが作った肉はかなり味が悪いのでしょう。犬の餌になるくらいですから)。

 また、お小遣いが足りなくて道具が買えない。と、ぼやいたり、あれはとても高いんだぞ!と言う事があります。

 ちなみにですが、四次元ポケットの中の秘密道具は、基本的にドラえもんが個人的に所持して、あらかじめしまっている物が大半ですが、設定によると未来デパートが注文に応じて、直接ポケットの中に転送する事もある様です。
 過去にコロコロコミックの綴じ込みページに、そういうドラえもんの裏設定が描かれたミニ漫画があったのですよ(作画は「片倉 陽二」氏が担当されてたと思います)。

迷える狼さんの意見2014/08/30

 ここでは、道具の効果時間について、考えようと思います。
 映画「のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)」では、劇中でドラえもんが「効果の切れない道具なんてあるもんか」と言っており、それが伏線となってラストでスモールライトの効果が切れた為、元の大きさに戻ったのび太達が大活躍しました。

 ドラえもんは効果の切れない道具は無いと言っていますが、道具には効果が切れるものと、永続的に効果があるものと、2種類あるのではないでしょうか。

 例えば、もし秘密道具で何かを別の物に変えた後に状態が変化した場合、効果時間が切れて元に戻るとしたら、どうなるか。
 最初に、体内でばらばらになったり消化された物は元に戻るのか?

 「プラスマイナス銃(言葉を足し引きして、対象を別の物に変える。この道具には効果時間があります)」など、何かを食べ物に変える能力を持った道具は、少なくありません。
 食べてしまった後で効果が切れて、体内で元に戻ってしまったら?

 また、「物質変換機(変化させる材質を設定して光を照射すると、見た目はそのままで、対象を指定した物質に変化する)」の様に、見た目はそのままで材質を変化させる道具もあります。
 ジャイアンがのび太から取り上げて、めちゃくちゃにいじった所、壊してしまった上に自宅に偶然使ってしまい、木造家屋が布になって潰れてしまった事がありました。
 もし効果時間があるのなら、ほっとけば元に戻るはずですが、ドラえもんは機械を修理して戻そうとしていました。

 「物質変換機」は、何かを別の材質に変化させる道具ですが、もしこれが永続的な効果を持つのなら、資源問題は一気に解決されます。

 それこそ、ダイヤモンドでも金でも銀でも、チタンや鉄やアルミニウムなど、そこらの石ころから好きなだけ作れるのですから。

 もしこれが永続的な効果を持たないのなら、大変な事になります。
 例えば、金をそこらの石で作り、それで電線を作ったら。

●理由
 値段と希少性の問題を除けば、鉄よりはるかに伝導性の高い金は、最も電線を作るのに適しています。
 腐る程に金があれば、どの電力会社も金で送電線を作る事でしょう。

 効果時間が切れて、金が石に戻った時点で、送電がストップします。
 つまり、この道具が永続性を持たないなら、ドラえもんもそんなに慌てる事は無いはずです。
 ジャイアンに「時間が経てば元に戻る」と言えば済むだけの話ですから。

 次に、永続的に効果があると思われる道具について、です。

 「空間を広げるローラー」で、のび太が毎度のごとく調子に乗ってあちこち広げまくってしまい、キャンセルボタンで元に戻した事がありましたが、キャンセルホタンが付いていると言う事は、この道具の効果は永続的だと思われます。

 失敗した場合のリセットとも考えられますが、個別に戻せない(広げた場所を全て元に戻す)事を考えると、効果が永続的である可能性があります。

 以上の様に、秘密道具には効果時間があるものと無いものがあると思われます。

サッパーさんの意見2014/08/31

> ここでは、道具の効果時間について、考えようと思います。

 永続効果があるとしたら大変な事になりそうな道具。
「バイバイン」
 いずれ宇宙は栗まんじゅうによって滅びる……。

迷える狼さんの意見2014/08/31

 アニメ「ケロロ軍曹」には、ドラえもんをパロディ化した話やオマージュしたものがいくつかあり、バイバインもパロディ化されていた様です。

 それはさておき、某空想科学の本によると、増えすぎて質量増大を起こした栗まんじゅうは、宇宙のどこかでブラックホール化するらしいですが、いくら増えても栗まんじゅう自体が大きくなった訳ではないので、永久に数のみが増え続けるだけです。

 まあ、これも仰られる通り、バイバインの効果が永続的だった場合の話です。
 バイバインの効果が切れれば、いずれ増殖も止まる事でしょう。

 また、処理する方法としてはいくつかあります。

1・「コベアベ」で増殖状態をひっくり返し、時間が経つごとに半分に数が減る様にする。
 これだけでは、放置した時間を考えると、元に戻るまでにかなり時間がかかりますが、「タイムふろしき」と併用すればオッケーです。
 そうして、最後は食べてしまえばいいのです。

2・「スモールライト」で小さくして食べる(これも、放置した時間を考えると、相当な時間がかかります)。

3・「タイムマシン」で、そうなる前へ行って食べてしまう。
 食べてしまえば、効果は切れるみたいですので(もっとも、食べても効果が切れなかったら、のび太は死んでいます)。

 まあ、1つ問題があるとすれば、増えすぎた栗まんじゅうの「消費期限」くらいですがw

 もっとも、大抵の雑菌(腐敗菌や病原菌など)は、無酸素状態では活動出来ませんが、中には「ボツリヌス菌」などの様に、無酸素状態を好む菌もありますし、宇宙空間は絶対零度ではないので、栗まんじゅうが完全に滅菌された無菌状態で安全でもないのです。

サッパーさんの意見2014/08/31

 バイバインで割と気になっていたのが、薬剤を投下する過程で触れているであろう空気(に含まれる様々な気体)の量は増えないのか?という問題です。
 もしも、間違ってお皿や畳にこぼしちゃったら、のび太の手にでもかかっていたらどうなっていたであろうかとか。

> それはさておき、某空想科学の本によると、増えすぎて質量増大を起こした栗まんじゅうは、宇宙のどこかでブラックホール化するらしいですが、いくら増えても栗まんじゅう自体が大きくなった訳ではないので、永久に数のみが増え続けるだけです。

 栗まんじゅう自体の性質が変わらなくても、万有引力の問題で最終的にそうなるという事ではないでしょうか。
一つ一つの栗まんじゅうの質量は小さくて発する引力も小さいけれど、それが数百億、数百兆、それ以上のレベルになると無視できなくなります。

 宇宙を漂う星々や銀河は、一つ一つは小さな粒子や砂粒くらいの物質が何十億年とかの時間をかけて引力によって合体して成長したものなので、その過程を数時間でやってのければ栗まんじゅうだって星になります。

 星になって、栗まんじゅうとしての形が保てなくなれば増殖が止まるなら解決でしょうし、ドラえもんがロケットに載せたのも太陽に突っ込ませるためとかかもしれません。

> バイバインの効果が切れれば、いずれ増殖も止まる事でしょう。

 問題はどれくらいの時間で効果が切れるかですね。
 5分で2倍というルールだとどうも、24時間も経たないうちに現実世界で確認されている範囲の宇宙空間に存在する、確認可能(推定可能)な素粒子の数(およそ10の80乗)を超えるらしいです。

 24時間を5分で割ると288。
 2の288乗を電卓で計算すると、約4.97×10の86乗。無量大数は10の68乗。
 最初の数個はのび太が自分で食べてましたが、そんなの誤差みたいなものですね。

迷える狼さんの意見2014/08/31

 ドラえもんは、栗まんじゅうを宇宙へ放り出す時に、風呂敷に包んで紐を結んだロケットで打ち上げていましたが、あの風呂敷と紐の材質は何だったのかと言う事も、微妙な疑問です。

 第2次宇宙速度で大気圏を突破中に、5分経過すれば風呂敷の中で栗まんじゅうが2倍に増える訳ですし、あの風呂敷と紐はむき出しのままですので、大気圏突破の熱に耐えられるかどうかと、増えた分の栗まんじゅうの膨張と重さにも耐えられなければなりません。

 当然ですが、牽引(けんいん)しているロケットも、大気圏突破途中で増える栗まんじゅううの重さにも、負けない出力を出す必要があります。
 ここで1つ、思いつい事を。
 大気圏突破の熱で、栗まんじゅうが全部燃えて(熱で蒸し焼きになるなどして)しまったら、この問題は解決するのではないでしょうか?

 同じ様に、ロケットが途中で墜落したとしても、やっぱり大気圏突入の摩擦熱で、栗まんじゅうは全て燃え尽きてしまうのでは。
 だとしたら、わざわざ宇宙へ打ち上げなくても、どこかの火山の火口にでも、放り込んでしまえば良かったのでは?w
 だとすると、太陽へ打ち込むというのも、あながち間違いでは無い事になりますね。
 いや、いっそ「スモールライト」で小さくして、全て飲み込んでしまえば、それで済んだのだw(身もふたも無い)

 さて、ここで「バイバインの水滴が落下中に触れた、空気中の分子などについてはどうなのか」という疑問ですが、それならもっと疑問があります。
「バイバインが入っている容器は増えないのか?」
 と言う、考えてみれば当たり前の疑問です。

 ただそうなると、そもそもバイバインを生産している工場か施設自体が増えてしまわないのか?と言う所まで、行き着いてしまいます。
 あえて言うと、「バイバインは食べ物にしか使えない」というのは、どうでしょうか。
 ただ、こうなると今度は、
「バイバインを付けられた物が、食べ物かどうか、どうやって識別されるのか」
 っと言う事になり、そうなると今度は、
「バイバイン自体が、付着した物を自らが見分けるのか?」
 と言う事になってしまい、そうすると、

「バイバインは知性を持った生き物なのか?」

 となってしまいます。
 つまり、こうなって来ると、「バイバインは無生物の有機物にしか効果が無い。」とするしか、答えが無くなります。

 もしこうならないと、間違ってドジな人間が自分の手にこぼしたりしたら、手の細胞がボラー映画のごとく分裂を起こし始めます。

 ただ、これだと間違って畳にでもこぼしたら、畳が分裂し始めますし、服についたら今度は服が分裂し始めます。
 最後の手段として、
「バイバインの中にはナノマシーンが入っていて、それらが分裂させて良い物か悪い物か判断する。」
 っと言うのでは、どうでしょうか。
 ついた物が何でも分裂すると言うのは、こうでもしないと、説明が出来なくなります。

 さて、もし純粋に、バイバインに効果時間があって、付着した物を何でも増やすという効果があったとしたら、金持ちは宝石や貴金属を大量に増やし始めるでしょうし、どこかの国は大量破壊兵器を増やし・・・、

 おっと、こんな時間に誰だろう?

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