ライトノベル作法研究所
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  4. 表紙の謎公開日:2012/02/26

少女向けラノベと少年向けラノベの表紙の謎

 こんにちは。所長です。
 最近、少年向けライトノベルと、少女向けライトノベルの違いについて考えています。
 この両者のもっとも大きな違いは、2012年段階で、前者は、学園物が隆盛しており、後者は、異世界ファンタジーが隆盛しているという点です。
 ある女性からの受け売りですが、現在(2012年1月段階)の少女向けラノベのヒットするヒロインの要素は「姫」「嫁(政略結婚)」「巫女」だそうです。
 すべて、異世界ファンタジーでないと、実現が難しい要素ですね。
 最近、私が着目している、もっとも大きな違いは表紙です。

 少年向けライトノベルは、ヒロイン役の美少女キャラが一人で大きく描かれていることが特徴です。

これはゾンビですか?

生徒会の一存

緋弾のアリア

 一方少女向けライトノベルは、ヒロインと恋の相手となるヒーローがセットで描かれています。
 また、少年向けにはない背景の描込みがあるのが特徴です。

 伯爵と妖精

 小さい画像で見えにくいですが、背景に「花」があります。
 また、猫がヒロインの肩に乗っています。

 プリンセスハーツ

 背景に、よくわからないキラキラ。

 贅沢な身の上 いざ、ときめきの桃園へ!

 男性二人に囲まれた少女、背景に星と梅の花。
 そして、なぜかカメレオンがいます。

 少年向けライトノベルの読者にとっては、男は不要、萌えを出せ。というのは理解できます。
 少女向けライトノベルにとっては、恋愛対象となる男性だけでなく、ヒロインも同じ場所にいないと、恋愛を暗示できないのだろうと思います。

 しかし、わからないのが「背景」の有無です。
 おそらく、少女向けでは「夢」「華やかさ」の演出が必要であるため、背景に、花を描くことが多いのではないかと推測しています。
 少年向けで、背景が無いのは、背景があることで表紙がごちゃごちゃして、肝心のヒロインが目立たなくなり、萌え効果が落ちるからだと考えられます。

 あなたは、どのように考えますでしょうか?
 ご意見を書き込みいただけるとありがたいです。

ルーさんの意見2012/01/22

 これは単純に、

 男は見た目。
 女は雰囲気。

 をどうしても意識してしまうからではないかと、勝手に思っています。

煉火赤駆さんの意見2012/01/22

 大学で情報生物学を学んでおり、脳とホルモンの行動学の授業を取っていましたが、別に「ラノベの表紙だから」とかでなく、「そもそも男女で脳の構造の違う」のだと思います。

 別にラノベの挿絵師に限ったことではなく、男女の幼稚園児に絵を描かせてみてもだいたい結果は一緒です。

 男児の描く絵は背景がないか、せいぜい自動車の絵に道路が描いてある程度であることが多いです。
 また、男児は車一台だったり飛行機一台だったり、自分が強い関心を持つ一つのものを画面全体に勢いよく書きます。

 女児の描く絵は背景がお花畑だったり赤い屋根のおうちがあったり、空には太陽や雲など、様々なものが描かれていることが多いです。
 また、複数の人物や動物などを同時に描きます。

 何故そのような差があるのかは今のところ解明されていませんが、「これはラノベの挿絵に限った現象である」と考えるのは視野が狭いと思います。

あざらしさんの意見2012/01/22

 こんばんは、あざらしと申します。
 商業デザインを生業にしている者です。
 イラストに言及しなければ、本の装丁やロゴデザインというのも大枠では同じデザイン関係ですが、出版ではありませんので宮大工と船大工ぐらいの距離があると思って頂いた方が良いです。
 ですので、素人意見としてお読みください。

 ルーさんと煉火赤駆さんが、私と同意見を書かれているのですが、せっかくですのでちょっと視点を変えて書き込みいたします。

 ひと言で言ってしまうと、購入対象となる方によって変化させるのがデザインです。
 これは文面から、うっぴーさんも重々ご承知のことと読み取らせて頂きましたので、もう少し突っ込んで書きます。

 とどのつまり出版デザインも『臨機応変、創意工夫』というのが唯一の正解になってしまうのでしょうが、男性用商品と女性用商品について全般的なことに絞ります。
 以下、完璧に語ろうとするとページ数として書ききれませんので、意味重視で書かせて頂きます。

1)目的
2)情報量

 実際は、1)も2)も単独ではなく、同じ事に繋がるのですが、書き込み都合上わけさせて頂きました。

 1)目的は買って貰うことという、当たり前の話なのですが。
 これは何を元にするかというとマーケティングが存在します。

 マーケティングについては長くなるので割愛しますが、言葉にすると『買ってくれるだろう人に、より魅力的に訴求する(購買心理の研究)』という事です。

 世の中全ての人が購入してくれれば最高なのですが、そうもいかないので主力購買層が最も重要になります。
 少女向けラノベは主力購買層が『中高生の女の子』ですよね。
 年齢を入れると、とてつもなく長くなりますので大枠(男性・女性)とし、例を出します。

 アートネーチャー
アートネーチャー

 レディースアートネーチャー
レディースアートネーチャー
(2012年1月22日段階の両サイトを比較して記事を書いています)

 どっちもカツラメーカーの『アートネーチャー』です。
 いずれも毛髪を気にしている方が対象ですが、男性用と女性用で、かなり雰囲気が違うことがお解り頂けると思います。
 色々目につくと思いますが、男性用は『無料増毛体験』が、かなり目立つところに配置されています。
(ここに視線の動き性差やら色々と入るのですが、割愛)

 ある意味、男性がこのページを見ることにより、無料体験をしてもらうことがひとつの目的にもなっています。
 女性用はイメージが優先。

 そして、男性用の『無料増毛体験』は、誰でも間違いなく簡単に見つけられるようになっています。
 ですが、女性用はそうではありません。場所も目立ちませんし文字サイズも小さい。ですがこれで、探すと言うほどの感覚もなく、見つけるのが女性です。

 ここに男性と女性の購入するまでの行動パターンがあります。

 男性は、手に取らせる(体験させる)というのが商品訴求に重要になります。
 一方女性はというと、それよりも前の段階でイメージを膨らませるというアプローチを重視して訴求する必要が出てきます。

 傾向として、男性は手に取った品を買うことが多いですが、女性は手に取ったとしても購入に結びつきにくいというのがあります。
(当たり前ですが、例外は幾らでもありますし、商品価格によっても違います)

 代表例は、スーパーなんかに置いてある商品がそうですね。
 女性は手にとってから吟味します。
 男性は、手に取った時点でそれを購入する可能性が高くなります。
 要するに、男性に購入して貰うには、女性用商品よりも更に、手に取るという行動そのものの重要性が高くなります。
(なので、販売員が介在する商品は別です)

 またどちらも写真がありますが、こちらも特徴的です。
 男性用商品なのに、女性が写真に写っています。
 ……あまり書くと、性差に敏感な方を煽りますのでこれぐらいで。
(西田敏行氏が推奨者でもあり訴求者でもありますが、プラス女性がセットになった方が効果的ということです)
 女性用は、それを使ったときのイメージが重要で、同時に多くの夢をセットで訴求する必要が出ます。

 何が云いたいかと申しますと、男性用は女性用よりも早い段階で手に取らせるという必要があります。
 『悩ませる』というのを無くすことが重要になります。

 また、本屋店頭では平積み商品が多数並んでいます。
 女性の傾向として、多くの品から情報を読み取って探していくという処理に、男性よりも長けています。
(あれです。冷蔵庫の中から目的の食材を見つけるのが男性よりも女性の方が得意という)
 ここらは『話を聞かない男、地図が読めない女』 というベストセラー書がありますし、ご存じかと思いますのでこれぐらいで。

 2)カラーリングそのものは長くなるので、割愛します。
 ここでは、1)とも関わるのですが、背景について。
 上記でも少々さわりを書きましたが、書店での平積みを考えてのことかと思われます。
(手に取った段階は当然として)

 『男性用は手に取らせることが勝負』、『女性用は手にとって貰ってからが勝負』といっても過言ではありません。

 少女ラノベの表紙を見て頂くとお解り頂けるように、タイトルロゴが小さいことが特徴です。
 女性用は、文字としてタイトルそのものを読みやすくしていますが、男性用は大きく同時に絵に近いですよね。
 男性用は、パッと見のインパクトが重要になります。

 これは商品パッケージと同じでしょうが、平積みになった商品と、目までの距離を考慮に入れてであるはずです。
(視野角に入ってくる商品点数)
 いや、女性は視力が良い、という意味じゃないんですが(笑)
 ですが、女性は眼はよいです。
 言葉にすると『女性は丹念に探してくれる』のです。

 そして、こちらの方が重要かと思いますがサブタイトルの存在。
 女性用はありますが、男性用はありません。

 例を出します。



 こちらのかゆみ止めの『デリケア』男性用と女性用(上が男性用、下が女性用)。
 女性用パッケージの方が、情報量が多いことがお解り頂けると思います。
 もう少し細かくすると、これはマーケティングでの購入時間帯が関わってくるのですが、

 端的に言うと『女性は男性より多くの言葉を欲する』(言葉=発声に限定しません)という点があります。

(余談ですが、男性が話す単語数はおおよそ一日2000~4000。女性は4000~9000だそうです。
 これに足りないとストレスを感じ、これをオーバーすると疲れます。
 面白いのは男性の「今日はいっぱい喋った」と女性の「今日はあまり喋ってない」が均衡している点ですね。デートで一日一緒の時は、男性は頑張って喋って丁度らしいです)

 と、さわりだけを書きましたが以上を踏まえて、続けさせて頂きます。

>おそらく、少女向けでは「夢」「華やかさ」の演出が必要であるため、背景に、花を描くことが多いのではないかと推測しています。

 推測されていることもあると思います。
 この点は完全に出版デザイン(装丁)の分野ですが感想を。
 まず挿絵そのものが、男女問わずイメージの補完ですよね。
(時として立場が逆転するというのもありますが^^;)

 女性はその『表紙絵から、ストーリーまでを思い描く』というイメージを大切にしているのではないでしょうか。
 ストーリーまで思い描くには、登場人物が必要です。

 必然、ワンカットで必要な人数が多くなりますし、背景によってムードを演出する必要が出てきます。
 この点は、未読ですがご紹介されている『贅沢な身の上 いざ、ときめきの桃園へ!』の背景が雰囲気の演出として良い例ではないかと思います。
 つまりは(表紙絵で物語りを掴む+帯やあらすじで物語を掴む)という、手に取った人により多くの言葉を与えることを目的にしているのではと思います。

>少年向けで、背景が無いのは、背景があることで表紙がごちゃごちゃして、肝心のヒロインが目立たなくなり、萌え効果が落ちるからだと考えられます。

 これはもちろんそうだと思います。
 あとは、男性の捜し物をするときの眼ですね。
 多くの品から選び取ることよりも、目標を見つけることに長けています。

 インパクトであり、物語を絵で語らせるのは小道具に頼る(銃・タスキ・チェンソー等)。
 手に取らせることが重要ですから、背景は白。
 これはご推察の通り、よりキャラクターを引き立てるためかと思います。

 同時に、萌え要素よりもストーリーが売りというラノベになるほど、表紙絵もキャラクターの後ろに背景が存在するケースが増えるような気もします。

 総括してズバッと傾向を書くと『女生と男性の、洋服購入にかける時間』だとか『スーパーに買い物に行ったときの時間(買い物という行為に満足できる時間)』これらの理由をお考え頂けると、ご理解頂きやすいかと思います。
 ご参考になりましたら幸いです。

トータスさんの意見2012/01/22

 私は、男であり、いい年をした大人である。

 それでも、面白そうであれば、どちらでも頓着せずに読む。
 丁度今、蔦王というモノを読んだ。

 読んだ理由=広告を見かけ、内容が面白そうだったから。
 実際=面白かった。今はこんななのかな、と思う事も・・・有った(個人的に一寸、嘆かわしいかな、とか思った)。

 男にとって、ヒーローの顔は子供の頃は気になったが、歳をとるにつれ、その顔は割とどうでも良くなった。
 それよりも、行動や言葉遣い(立ち回り)、その目から見えるモノ、その耳から聞こえるモノ、その場に居て体感する事の方が、重要になった。
 その雰囲気が楽しめる、という事が重要であって、顔は曖昧でかまわないような物なのではないだろうか?
 男は、(今の)自分を忘れ、それに成りきる事を、脳裏で楽しむタイプ(中に入り込む、役者になる)。

 逆に、女性は、客観性、劇場の様な、全体を楽しむタイプ(ドラマ、演劇)なのではないだろうか?
 そう考えると、全て見えないと気が済まない、全体が見えて、初めて楽しめる、そういったものなのではないだろうか?

 ココからは、独白です。気が向いたのなら、読んで見てください。
 長くなりますし、脱線しました。

 男女の差は、当人にしか、判らない。

 表紙は、読者の気を引く為、判り易くされていると思う。
 その為、男性に意識させる為、敢えて異性を前面に出す(その相手と共に行動しよう!)、誘う、そこしか見えなくなる。
 女性に意識させる為、雰囲気を前面に出す(判り易く、どういった物であるかを出す)、夢を見せる。

 心理的なモノも有るのだろうが、
 男は、相手しか、見えなくなる。
 女は、相手の周り、全体しか、見えなくなる。

男は目で惚れる。=見た目で惚れる事が多い。目に映るモノに惚れる。
女は耳で惚れる。=言葉で惚れる事が多い。耳に囁かれた気遣いに惚れる。
(漫画あまつきから抜粋)

 そう言った事も有るのだろうが、強ち外れとも言えないかなと思う。

 美女と野獣、海外では良く聞くし、見かけた。
 男は相手の容姿を誉めて、どれだけ、自分が相手を思っているかを言葉にする、対価を見せる。
 女は相手がどれだけ、自分というモノを認めているのかで、己の価値を測る。
 そのどちらかが釣り合った時、結ばれるようだ。

 それを考えると、とある美女が、質問したモノに、大企業のCEOが応えた答え。
 大資産家と結婚する方法は?
 答え=それだけの価値が有ると、言えるか。
 加齢と共に、減少するモノと、年々増大する資産、それらが釣り合うか、という答えだった。
 一時のデートを楽しむ分には、応じる。だが、結婚するには、それだけでは、対価たり得ない。

 男と女の価値観の違いが、浮き彫りになった。
 その後は知らないが、考え方の違いがハッキリしていた。

 何をもって、対価たり得るか。何をもって、魅力たり得るか。
 萌えをもって、憧れをもって、魅力たらしめる。
 その違いかな?

 男は質実剛健を好み。
 女は華美美麗を好む。 

 そんな事を思った。
 長々と纏まり無く、申し訳ない。
 思ったままに、考えるがままに書いたので、私個人の意見として見てください。

キャリーさんの意見2012/01/22

 「少女向け」の表紙について、当方♀読者なのでその立場から私見を少々。
(専門家ではないので言葉使いが変なのはご容赦下さい)

 基本的にライトノベルが「活字の少女マンガ」だからではないかと思います。

 少女マンガは「女の業」のごときナルシシズムとは切っても切れない関係にあります。
 背景に花があるのは少女マンガの当たり前過ぎて誰も言わない常識みたいなもので。
(イラストを書いている方も、たいがい少女マンガ家か周辺の人)

 「花をそえる」描写は対象を理想化するのに不可欠な要素です。

 少女マンガを耽読する人たちは、自分をヒロインに投影させますので、(感覚的に)花があればあるほど美化されている、賞賛されていると取ります。
 花はいくらあってもまったく邪魔になりません。

 ヒーローとヒロインは並んでいるけれど、ヒロインより目立っていないのが普通(鉄則)かと思います。
 この場合、ヒーローも花と同様ヒロインを美化する要素の一つみたいなものなんじゃないでしょうか。

「こんなに愛されちゃってる主人公=私で~す♪」という感覚です。
 男性にはおぞましいでしょうか?

 逆に男性からはそう見えるのかと、この蘭とても面白く感じました。

闇陰影暗死さんの意見2012/01/23

 本当に個人的な意見なんですが。
 自信はございません。

 女性は女主人公の顔も気になるんじゃないでしょうか。
 美男だけ、どんと描いてもどんな話かよくわかりませんし。美男だけだとBLと誤解されかねません。
 登場人物に女性がいることのアピールの可能性もあるかもしれません。

 失礼いたしました。

呉はさんの意見2012/01/23

 面白い話題なので、参加します。
 私は女なので、少女向けラノベの背景について語ってみます。私なりに思ったことです。

 まず背景の花やキラキラは、「こんなやついねーよ!」という……
 つまり、「実際にはいない」=「夢があるよ!」というラベルだと思います。

 異世界ファンタジーが流行っているのもそういう需要があるためなのでしょう。

 どうせ夢を見るのなら、思いきり逃避できる夢物語がいい。
 「これは、そういう物語ですよ」と提示しているのだと思います。

 あの花やキラキラは、そういう世界に誘う幻惑のようなものだと解釈をしています。幻ですね。

うっぴー(管理人)の意見2012/01/23

 どうもみなさん、ありがとうございます。
 そういえば、ヒット作の少年向けライトノベルで、背景が描き込まれている作品がありました。

『とある魔術の禁書目録』です。

 背景に、天使を思わせる羽根。
 これはヒロインの属性がシスターであること、彼女が空から降ってくることに関連しているのでしょう。

 この作品では、複数の登場人物が表紙に描かれることが多いです。
『とある魔術の禁書目録5巻』

 この作品は萌え重視ではないから、このような体裁になっているのでしょうか?
 空からシスターが降ってくる、一万人のクローン妹という設定は、萌えを感じさせますが、内容がシリアスで、ヒロインより主人公の上条当麻や一方通行のキャラが立っているから、彼らに焦点を合わせたいのかも知れません。

 また、少年向けライトノベルの表紙で常々、疑問に思っていたのが、なぜ、複数の美少女キャラを描かないのか? ということです。

 ギャルゲーのパッケージには、必ず複数の美少女キャラが描かれていると思います。
 美少女が複数いた方が、萌え効果が高まり購入に結びつきやすいのでは? と考えていました。

 このスレを読んでみて、おそらく、本屋とゲーム店の売り場での違い。
 パッケージの大きさの違いが関わっているのだと、気づきました。
 ラノベの場合は文庫本サイズで小さいので、遠くからでもキャラの顔が判別できるように、あえてヒロイン一人に絞っているのでしょう。
 ゲーム店では、ソフトの空のパッケージを一つ展示し、パッケージがよく見えるように、立てかけて置いてあることが普通です。これは平積みにされている本より目立つため、複数のキャラが描かれていてもOKなのではないでしょうか?

 また、ゲームの場合は、すべて攻略対象のキャラであったりするので、イラストですべてのヒロインを描いておかないと、内容を推測できないため、複数描かざるを得ないのだと思います。

雷さんの意見2012/01/23

 こんにちは、雷です。

> 少年向けライトノベルは、ヒロイン役の美少女キャラが一人で大きく描かれていることが特徴です。
> 一方少女向けライトノベルは、ヒロインと恋の相手となるヒーローがセットで描かれています。また、少年向けにはない背景の描込みがあるのが特徴です。

 個人的には、こういう考察をする場合、“逆の事例”を集めることも不可欠だと思っています。

 少年向けのライトノベルであっても、『バッカーノ!』や『デュラララ!』の一巻表紙は、“群像劇”というコンセプトを反映してか、主人公を含む複数の人物が描かれています。

 『されど罪人は竜と踊る』も、わりとハードな作風のためでしょうか、一巻表紙は主人公と相棒の二人組が描かれており、二巻以降も同様のようです。
 背景の描き込みはほとんどありません。
 内容も、主人公とヒロインの色っぽいシーンが所々にあるものの、やはりメインは、主人公と相棒の関わり合いと戦い、物語の背景にある陰謀です。

 『ソードアート・オンライン』の一巻表紙は、主人公とヒロインが描かれていますが、前面に出ているのはヒロインではなく、主人公です。二巻以降も、主人公が前面に出る表紙が多いようです。
 若干きらきらしています(笑)。

 これと正反対なのが『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』や『僕は友達が少ない』で、これらの作品の一巻表紙は、ヒロインが前面に出て、主人公はその後ろにいます。

 少女向けのライトノベルの場合、逆の事例は極端に少なくなるようです。

 ただ、わりと表紙が少女少女している『彩雲国物語』に対して、同一レーベルから出ている『少年陰陽師』は少年向けに近いように感じられます。
 背景は無く、主人公が前面に出て、その後ろに式神が配されています。
 まあ、『少年陰陽師』がまるきり少女向けかというと、そうでもないとは思いますけど。

 他には、『十二国記』の一巻表紙は女主人公が単独で描かれており、キラキラは無く、花も無く、背景は最低限のものです。
 どちらかというと、うっぴーさんが少年向けで例示された表紙に似ています。
 描かれている人物は服もぼろぼろで無表情、華やかさは微塵もありません(笑)。

 ちょっと興味深いのは、同じ作者の「悪霊シリーズ」の古い版の表紙は、きらきらと花があふれ(ちょっと気持ち悪くなるぐらい・笑)少女少女しているのに対して、リライト版や漫画本の表紙は、ホラーらしい絵が描かれていることです。
 一巻表紙絵は、キャラクターは小さく、全体に物語舞台となる建物が大きく描かれています。
 この絵に、少女向けっぽさは微塵も感じられません。

 どうやら時代が移るのに従って、表紙絵のコンセプトそのものが大きく転換したようです。

 しかし、それでも少女向けの表紙については、うっぴーさんのおっしゃるとおり、キラキラしてたり、花が散っていたり、ヒロインとヒーローが並んでいたり、背景がていねいに書き込まれていることが多いようですね。

 ちなみに『少年陰陽師』や『十二国記』は、一般向けに文庫化されていて、その表紙はキャラクターの描かれていない、たんなる風景だったり抽象画です。

 こうした表紙の絵の違いは「男性か女性か」という性別はもちろんのこと、それ以上に「子供か大人か」という、想定する読者の年齢層が大きく影響していそうです。

 本格的に統計をとったり、同一シリーズの版ごとの表紙を比較すると、けっこうおもしろいことになりそうですね。
 すごく苦労するでしょうけど(笑)。

空羽@スマホさんの意見2012/01/23

 こんにちは、はじめまして。
 いつもサイトを利用しています(^^)

 私の意見は、少女向けのラノベは読者が主人公に自分を当てはめるというより、主人公と相手のキャラクターとの絡みを楽しむことを目的としている気がします。
 要するにカップリング重視です。

 いや、もちろん主人公に自分を自己投影している人もいると思いますよ(^-^;)
 ただ男性より女性の方がカップリング好きな人が多い気がしたので

 的はずれな意見かもしれませんが、参考になったら嬉しいです。

逢雄さんの意見2012/01/24

 こんにちわ。
 いつもこのサイトを利用させていただいてます。
 逢雄です。

 本題ですが、私見でよろしければ、語らせていただきたい。
 今日、会社で目撃した光景ですが、社長や部長を含む男性陣は、仕事の手を止めて、雑談をしていました。
 しかし、パートのおばちゃん達は、きゃいきゃいお喋りをしながらも、テキパキと仕事を進めていきます。
 喋りながらほかのことも同時に出来るか、というのは性格もあるでしょうが、やはり女性のほうが、それは得意なように思えます。

 僕が思うのは、女性のほうが複数の物事をこなすのに強く、男性のほうが何かひとつに力を注げるのではないかということです。

 それを踏まえると、表紙のことも、推察が可能になりそうです。
 女性にとっては、ひとりだけの表紙というのは物足りなく、男性にとっては、背景にいろいろ描かれているのはおなかいっぱいなのではないかと。

 描きながら思いだしましたが、僕の父がドラゴンボールとワンピースを好きな漫画に挙げており、その理由が、画面がすっきりしているということでした。父は、男性の中でも男性寄りというか、何でハゲないのか不思議なタイプです。

 しかし、異世界ファンタジーや女性の主人公も描きたいので、少女向けのライトノベルで流行ってるなら、そっちで描いてみようかな、と迷いはじめてしまいました……。
 こういう気持ちは、言葉は悪いし差別的ですが、「女々しい」のでしょうか。

うっぴー(管理人)の意見2012/01/24

 どうもこんにちは。
 私は、個人の主観が集積されて客観を成す、社会を形成すると考えているので、正直な主観的意見というのは、貴重だと思っています。
 逢雄さん、

 女性向けの異世界ファンタジーというのは、男性向けの異世界ファンタジーとは大きく異なります。
 主人公がお姫様や政略結婚で別の国の王様に嫁ぐ、という展開になるので、宮廷絵巻や、国家の存続に関わる問題といったものが、ストーリーに出て来ます。

 男性向けだと、主人公が騎士などで、外敵と武力で戦う感じになりますが、女性向けだと、人気作「プリンセスハーツ」などでは、主人公の大公妃が、外国から仕掛けられた謀略に対して知力で対抗して、逆転するといった展開になります。
 軍師同士の駆け引き読み合い、謀略を仕掛けに来た相手と謁見の間では優雅に微笑み合っているけれど、水面下では相手の弱点を探ろうと、手駒を使って諜報活動を行ないます。
 また、人間関係も複雑で、夫の大公は反逆者の弟を地下牢に監禁しており、この弟がヒロインのことを好きになって、時には手助けしてくれるけれど、いつ裏切るかわからない。夫は本当は別の女性が好きだった上、その女性はヒロインとその一家を不幸に追い込んだ宿敵であることもあって、夫婦仲は最初は最悪な関係からスタートするなど、内容は、きらきらの表紙とは異なりどろどろしていたりします。
 でも最後は、綺麗に締めるというのが、作者の力量を感じさせます。

 女性向けの方が、文学性という点では上ではないかと思います。
 つまり、男性が描くには難易度が高い、ということです。

逢雄さんの意見2012/01/25

 丁寧なご説明と忠告、ありがとうございます。
 自分としては軽い気持ちでしたので、ひとまずやめておこうと思います。申し訳ない。
 僕が描こうとしているのは、うっぴー様のおっしゃる通り、騎士や戦士が武力で外敵と戦うようなものなので、やはり合わないようですね。

鳥ノ木さんの意見2012/01/25

 お久しぶりです、鳥ノ木です。
 行き詰ってきたのでお邪魔させて頂きました。

> ある女性からの受け売りですが、現在の少女向けラノベのヒットするヒロインの要素は「姫」「嫁(政略結婚)」「巫女」だそうです。
> すべて、異世界ファンタジーでないと、実現が難しい要素ですね。

 私は女性向けの小説を読むことはあまりありませんが、確かにそう思います。
 現に、小説サイトのランキング上位の女性向け作品の多くは、ちょっとしたファンタジー要素が含まれているものが多いように思います。
 もしかしたらそのような物語を書く人が多い傾向にあるのかもしれませんが。

> 少年向けライトノベルは、ヒロイン役の美少女キャラが一人で大きく描かれていることが特徴です。

 少女向けと少年向けでは、単純に主役の質が違うと思います。
 少年向けの作品の多くは性格や年齢、容姿が似たり寄ったりで、描く必要性があまりないように思います。

 逆に言えば、その他の作品とはちょっと違うぞ、という作品には主人公が書かれていることが多いように感じますね。

 最近ネット小説ばかり読んでいて、ラノベは表紙を流し見るだけになっているのでそんな兆候があるように見受けられます。
 そういった作品は、例えばありふれたような現代学園物なファンタジーではなかったりしたり。完全なファンタジー世界モノだったり、主人公が基から最強設定だったりして、そんなのが好きな私は手に取っちゃってますね。

 少女向けのことは女性がよく分かるように思いますが、上記の理由で少女向けのヒロインにはパターンがいくつかあり、そしてヒロインの容姿や背景から女性はヒロインの性格やストーリーを予想し、楽しめるからではと思います。

 テレビで特集を組まれていることもありますが、女性は男性とは違ってヒロインに理想や夢を求めることがあるように思います。

 女性歌手やモデルのファッションを真似ることで、自分がその人物に変わった気になるみたいなことでしょうか。少女時代の美脚とかもそうですかね。あんまり関係ないかもしれませんが。

 私の意見を簡単に単純に書きますと、女性作家さんは物語の中で描写する際、目の形や顎の形、鼻のとがり具合や髪形から性格を割り出して人物を描くことが多いです。逆に、男性作家は容姿には関係なしに性格は適当に付けているように思います。
 そうなってくると、表紙にヒロインやお相手の男性を描くのは大切なように思います。私見ですが、女性はどんな恋愛やストーリーが待つ話なのかがパッと見で分かると思いますので、インパクトがあるのではと。
 また、そのように顔の造形から性格を割り出すのは海外の作家さんが男女問わずによく書いているよな~と思います。原本は読んでいないので、翻訳家さんの腕かどうかは分かりませんが、海外ファンタジーが好きなので。

> 一方少女向けライトノベルは、ヒロインと恋の相手となるヒーローがセットで描かれています。また、少年向けにはない背景の描込みがあるのが特徴です。

 例に挙げられた作品のレビューを読んでみましたが、固有名詞が多く、人物名か国名かよく分からないので、感想が暗号のようで訳が分かりませんね。それほど夢中で感想を書いていると言うことなのでしょうけれど。

> 少年向けライトノベルの読者にとっては、男は不要、萌えを出せ。 というのは理解できます。

 そろそろ自重してほしいと思うのは、私が社会人になったからでしょうか。
 地元ではどこに会社の人がいるか分からないので、レジにはもう持っていけません。

> 少年向けで、背景が無いのは、背景があることで表紙がごちゃごちゃして、肝心のヒロインが目立たなくなり、萌え効果が落ちるからだと考えられます。

 文庫本で描けるところが少ないからヒロインだけと言うのもあるのかもしれませんね。
 大判サイズのコーナーに行くとそんな感じの描き方の本は少ないように見受けられますので。

 あと、数が出ているからそんなに表紙に時間かけている訳にはいかない、背景まで書き込むと金が余計にかかる、背景を描き込める力量の絵師さんがあまりいない……とかももしかしたらあるのかもしれませんが。まったく知らないので、適当ですが。
 しかし、存外少女向けも似たようなもので、登場人物をバシバシ描いて表紙を埋めて、花やキラキラは雰囲気重視な気がしなくもないような。
 では、失礼します。

アンモナイトさんの意見2012/01/28

 偏見満載な私見です。

 恋愛物に限れば、ですが、年頃の男性にとって「可愛い少女キャラ」は、それだけで花も実も兼ねているのだと思います。
「外見→食指が動く→ハッピー」
 購入動機はこれで十分なので余計な背景はいりません。

 「好みのタイプ」もそこそこ可愛くて露出度が高い格好ならそれほどうるさいことは言わないでしょう。
 それから男性は色の識別にやや弱く、形の識別には強いという都市伝説を聞いたことがあります。
 その点でもゴチャゴチャした背景は無用で、キャラとタイトルだけをでっかく配置した方がキャッチ効果が高いのではないでしょうか。

 一方年頃の女性にとっての「イケメンキャラ」は、花としてはやや弱く、実も兼ねていません。
(女子の場合「外見→食指が動く」という図式は男性ほど効果的に成立しないので)
 女子のハッピーには、以下の3要素が揃う必要があると思います。

  1. 「自己投影ができる、もしくは多少なりとも共感できるヒロイン」
  2. 「現在成功している、もしくは将来性の伺える美形パートナー」(2名以上もよし)
  3. 「ドラマティックな筋書」

 読む前にわかるわけない項目ばかりですが、だいたいヒロインの容姿は「嫌われないタイプ」、パートナーは「凛としたタイプ」に描かれることが多いと思います。
 そして「ドラマティックな筋書」を表すのが背景のあれこれではないかと思います。

 同じ恋愛物でも、一般小説だったりすると、白背景に女性が一人とか、抽象的なデザイン、シンプル配色だったりします。
 どちらにしても女性向けの恋愛小説で、イケメン一人のみが表紙になっているものはあまり見たことがありません。
 これは女性が見たとき、好みがうるさく、好みであっても知りたいことが知りにくく、ゆえに魅力を感じないからだと思います。
 もしこれでも買うとしたら「既知のお気に入りキャラ」か「問答無用の絵師買い・作者買い」くらいだと思います。

 しかし昔のコバルト文庫は、恋愛物でも本当にいろいろな表紙がありました。
 描かれるヒトやアイテムも、画風もタッチも多様で、絵師も知名度のある人もいれば、かなり妙な絵師もいました。
 現在の傾向は「時流」+「マーケティングの進化」の結果でしょうね。
 などと、あたりまえのことを言いながら失礼します。

ぱぱぱぱぱさんの意見2012/01/28

 美少年より美少女、美少女より軍服キャラが好きなぱぱぱぱぱです。
 あくまで推測になっちゃいますが、

女の子(友人談より抜粋)→異世界にトリップしたい! イケメンに会いたい! 特別なわたしになりたい! →『わたし』中心目線

男の子とぱぱぱぱぱ→とにかく美少女! かわいいは、正義! 美少女に囲まれたいが、全て遠き理想郷…→『美少女』中心目線

 ……の違いでは、ないかと。

 それに、男性の二次創作では、オリジナルキャラクターを作ることより、既存のキャラクター同士で会話させることが多い気がしますが、女性の二次創作(BL除く)は、オリジナルキャラクター、いわゆる夢主が出てくる夢小説が多い気がします。

ひより。さんの意見2012/02/04

 表紙に女性が一人しか描かれないのは純粋に『ラノベ一冊では女性一人分しか深く掘り下げれるキャパシティがないから』じゃないかな、と思います。

ギャルゲー:ラノベ数冊から十数冊分くらいの分量がある→幾人ものキャラクターを深く描ける→多くのキャラクターを作品全体として同時に押し出せる(売り出せる)→表紙(パッケージ)に女性が多く描かれる

ラノベ:分量が一冊分しかない(キャラを描くのに分量的制限がある)→多くのキャラクターをストーリー中で同時に深く追っていくのが難しい→一人のキャラクターに集中して、尖鋭化していく戦略が取られる→表紙も分かりやすく主要人物数人を描く

 といった具合でしょうか。
(主観な推測ですので、たぶん穴あき理論でしょうけど……)

 確かインデックスでも多くのキャラクターが描かれるSSでは、たくさんの人物が表紙に書かれていたように思います。

 少女小説の背景については、あまり読まないのでよく分かりませんが……なんとなく『男性と恋愛を楽しむ回路が違う』ことが原因じゃないかなとは思います。

 私見ですが、女友達との実体験を通じて、女性はどうも『心の揺らぎ』を大切にしてるんじゃないかなーと感じることがよくあります。恋愛において女性は『心が男性に揺らがされている状態』や『不安と安心のバランス』を望んでいるんじゃないかなーと思ったりします。それって『肉欲を求める』男性心理とは違いますよね。

 そのあたりを考えていけば、なにか分かることもあるんじゃないかな、と思いますが……、
 やっぱり読んだことのないものは分からないですね……。

うっぴー(管理人)の意見2012/03/05

 新城 カズマさんの著書『ライトノベル「超」入門 』 によると、ライトノベルのイラストにアニメ調の絵が使われだしたのは、1990年代初頭の『スレイヤーズ』の発売以後のようです。
 ライトノベルの元祖とされるスレイヤーズの大ヒット以後、ラノベ(少年向け)の出版点数が増加し、大量のイラストを短期間に用意するために、出版社はアニメ関係者に表紙イラストの制作を依頼しました。
 これによって、ラノベの表紙には、アニメ調のイラストが使われることが主流化したようです。

 少年向けライトノベルの表紙が、美少女一人が大きく描かれていて背景が無い、という状況になったのは、少女向けライトノベルに比べて、出版点数が圧倒的に多く、コスト削減と大量生産のため、というのも理由として挙げられそうです。簡略な絵の方が大量生産に向いているからです。

 少女向けライトノベルの表紙は少年向けと違って、アニメ調というより、少女漫画調のように見受けられます。少年向けのイラストは、線がくっきりしていて濃厚ですが、少女向けは繊細なタッチで描かれています。
 キャリーさんの意見にもあったように、少女向けライトノベルのイラストを描いているのが、少女漫画家かその周辺の人ならば、この差異は明確に説明できます。

 つまり、少年向けライトノベルの表紙は『アニメ』の影響を受けていて、少女向けの表紙は『少女漫画』の影響を受けているということです。

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