ライトノベル作法研究所
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  4. 韓国のラノベ人気の謎に迫る公開日:2013/12/17

韓国のラノベ人気の謎に迫る。日本との違いとは?

 2009年10月にスタートした、韓国のラノベ・漫画専門Webマガジン『プリカ』の担当者の方に、韓国でなぜラノベが人気になったのか? どんなジャンルが人気なのか? 日本との違いは何なのか? インタビューさせていただきました。
 プリカは、韓国のラノベ作家、編集者、イラストレーターのインタビュー、韓国と日本のラノベレビューなどを掲載しています。
(回答は2013年12月11日段階のものです)

●質問
 韓国では日本産のラノベと、韓国産のラノベが発売されていますが、どのくらいの割合ですか?
●答え
 韓国のライトノベル市場は、日本の作品75%、韓国の作品25%程度です。韓国では、毎月約50〜60種のライトノベルが発売され、その中の30〜40種は日本のライトノベルです。日本で人気のある作品は、韓国でも同様に人気があります。

●質問2
 韓国ではどんなジャンルが人気がありますか? ファンタジーは西洋ファンタジーが人気ですか? それとも中華系の方が人気が高いですか?
●答え
 韓国のラノベにも学園モノ、ファンタジーが多いです。
 以前、韓国のライトノベルレーベルであるシードノベル(2007年7月25日創刊)とノベルルエンジン編集部とのインタビューの際は学園ラブコメディーが1位、ファンタジーが2位という回答をいただきました。しかし、韓国のライトノベル市場は、日本に比べて非常に小さいため、日本で発売されたSF、妖怪の話などはほとんど発売されていません。
 韓国で人気のファンタジーライトノベルはほとんど西洋ファンタジーです。
 2013年に韓国で最も売れた作品は、『ソードアート·オンライン』(日本で2009年4月10日刊行)です。
 この他に『ノーゲーム・ノーライフ』、『アクセルワールド』のような作品も人気があるので、韓国ではゲームと西洋のファンタジーが結合された作品が人気が高いと言えます。
(韓国はゲーム産業が盛んなゲーム大国です)

●質問
 ヒットした韓国産のライトノベルを日本に輸出しようという動きはありますか?
●答え
 もちろん、そのような動きが着実に進んでいます。
 『ハイスクールDxD』(2008年9月刊行)を韓国に発売した映像出版メディア(YOUNGSANG PUBLISHING MEDIA、INC)から発売された『モンス☆パニック』(韓国のラノベ新人賞・第2回ノベルエンジンライトノベル大賞2011年下半期の大賞受賞作)という作品は、フリーダムノベルというレーベルで、2013年5月24日、日本に正式に発売されました。
 
 『モンス☆パニック』は、韓国産ライトノベルで初めて日本に輸出された作品です。
 この作品は、東洋ファンタジーと西洋ファンタジーを融合した作品です。作品の背景にある「神天島」という島の名前と「異名」という名称の使用などは東洋ファンタジーの特性を示しています。

 韓国の空に現れた神天島。その神天島には『神秘』と呼ばれる、人間の想像が創りだしたと思われていた吸血鬼やキョンシー、スライム、ケンタウロスなどあらゆる妖怪、妖精、幻獣が住んでいた。その空に浮かんだ島にシンユシンは交換留学生として行くことになってしまった。平穏な高校生活を楽しみたかったチキンのユシンには耐えられない高校生活が始まるとすぐに戦争が始まった。
『モンス☆パニック』のあらすじ

●質問
 韓国でライトノベルがヒットした理由とは何でしょうか? 日本人と韓国人の物語に対する嗜好が似ているからでしょうか?
●答え
 そうだと思います。
 韓国は、政府の規制や著作権侵害の問題で、日本のような漫画やアニメの市場が成長していませんでした。韓国の作品は、ほとんどありませんでした。そこで、多くの日本のマンガやアニメが輸入されました。
 だから韓国人は日本の漫画やアニメに対する反感がほとんどありません。
 おそらくこのような理由から、ライトノベルがヒットすることができたと思います。

●質問
 韓国の女性にもボーイズラブは人気がありますか?
●答え
 もちろんです。
 BL作品も非常に活発に販売されており、これを好きな女性読者がいます。もちろん、日本のようにBL専門店があるほどの規模ではありませんが、いくつかの出版社を介してBL作品が着実に発売されています。

●質問
 日本と韓国の小説、ラノベ市場の大きな違いはなんでしょうか?
●答え
 ライトノベルではありませんが、韓国には武侠小説というジャンルがあります。
 この小説は、消費者に販売される形ではなく、レンタル店に専門的に発売された小説で、レンタル店配達率が95%程度になります。このような形態は、韓国ならではの特性であると思われます。
 また、韓国の読者は初版ライトノベルに敏感です。初版は再版と違って本に帯紙としおりが入ってるからです。

●質問
 コバルト文庫などの日本の少女向けレーベルも韓国語版が発売されていますか?
●答え
 韓国では、女性向けライトノベルはあまり人気がないので、コバルト文庫は、私はよくわかりません。
 韓国で女性のためのライトノベルレーベルは、アリスノーベルメイクイーン(MAY-Queen)ノーベル、ウィンクノーベル(Wink-Novel)ラッシュノーベル、B愛ノベルなどがあります。上記のレーベルで発売された作品では、代表作に「桜蘭高校ホスト部」、「彩雲国物語」、「マリア様がみてる」などがあります。

●質問
 韓国では、本が発売日に10%割引。発売から18ヶ月以上経った本は、中古本でなくても割引されるようになると聞いたのですが、本当でしょうか? これは読者にとって、とてもうれしいですね。
●答え
 これは本当です。
 韓国の場合、本の発売日から18ヶ月以内の図書は10%~20%割引された値段で買えることが特徴です。18ヶ月が経った時点からこういう規制が解けて、新しい本を100円で売っても法的には何の問題もありません。
 読者にとって確かにいいシステムですが、出版社や書店にとっては、とても不利な部分があります。
 読者は18ヶ月だけ我慢すれば半額で本を買えるから本を早く買おうとはしません。書店はもっとよい割引率で販売するオンライン書店との競争に押されて、韓国の書店街で本屋を探すのがどんどん難しくなっているというところが問題です。
 数年前から韓国の図書産業はずっと下落傾向にあって初版部数10,000部を超える図書はほとんどベルナール・ヴェルベール、村上春樹といった人気作家の小説であり、自己開発図書、受験書などが人気です。
 景気が厳しい中、本を読む人々が日々減っています。この点は悲しいことだと思います。

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