ライトノベル作法研究所
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  4. 笑わせるためには信頼が必要公開日:2014/02/11

笑わせるためには信頼が必要

 人を笑わせるためには信頼が必要です。

 例えば、お笑い芸人が10年間同じネタを繰り返すとします。新人のときはまったくウケなかったのに、テレビに出るようになるとなぜか鉄板ネタに変化したりする……これは視聴者が「あの芸人はテレビによく出ているからおもしろいと思ってもいい人。安心して笑える」と思うからです(もちろん、ネタの完成度うんぬんの問題も大きく関わるのですが、これはあくまでも心理的な法則の話です)。

 笑いにはこの「信頼感」、「安心感」というものが非常に重要で、普通は何度も笑いのネタを見せることで相手に信頼感を持ってもらえるようにします。
 小説の場合も同様で、誰かを笑わせたいと思うなら、この「ネタを繰り返し見せる」作業が必要になります。
 つまり、一発めで笑わせるのではなく、三発め四発めで笑わせられるように繰り返せということですね。

 実際に、読者を笑わせることに特化した人気ラノベ、『バカとテストと召喚獣』( 2007年1月刊行)、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』 (2008/8/10)『生徒会の一存』(2008/1/19)、『ハイスクールD×D』(2008/9/20)などは、いくつもの小ネタを作中に大量に詰め込み、物量作戦で笑わせようとしています。

 どんなにギャグのセンスに恵まれた人でも、100%確実に人を笑わせるネタを作ることは不可能です。お笑い芸人のネタが滑ることがあるのと同様に、特定の読者にとっては、おもしろくない場合があります。
 そういった場合においても、短い会話文のボケツッコミやパロディを、テンポよく次々に繰り出すことによって、どれかが滑っても、どれかが受けることによって、リカバリーすることができます。
 大量のギャグを投入することによって、どれかがヒットして笑いを取ることができる訳です。

 小説を書いていると、滑ることを恐れて、ギャグを書くことを恐れてしまう心理が働きますが、おそれずにドンドン書いたほうが良いわけです。その方が腕も上がります。

 また、ラノベではアホな長文タイトルの作品も数多く刊行されています。『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』(2011/2/15刊行)、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(2011/3/18刊行)、『俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している』(2013/7/13刊行)などです。
 こういったタイトルは、「これは笑っても良い作品なんだ」という先入観を読者に与える効果を持っています。
 これによって、心理的に読者を笑いやすい状態にさせているのです。

 ネット小説でもツッコミどころや可笑しさのある長文タイトルの小説が人気となっています。2014年2月11日現在、最大手の小説投稿サイト『小説家なろう』の人気ランキング一位なのは、『無職転生 - 異世界行ったら本気だす -』です。
 タイトルの時点で、読者を笑いに引きこもうというサービス精神が出ています。プロローグは、主人公のダメなキャラを全面に押し出したギャグから始まっており、すぐに笑うことができます。ギャグ小説のお手本のような作品と言えるでしょう。

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