登場人物たちを単なる物語を構成するためのコマではなく、血の通った人間として描くためにはどうすれば良いでしょうか?
まず最初になすべき事は、登場人物の性格を考えることです。
以下に挙げた質問に答えてみてください。
これは登場人物の価値観、行動の方針に関することです。
キャラ設定において重要なのは、ストーリーにかかわる部分、行動の根幹となる性格についてです。
髪や目の色、服装、誕生日、血液型といった情報は、性格に関係してこない不必要なものなので、特に決める必要はありません。
次に、プロフィールを形成する以下の項目を埋めていきましょう。
有名な映画監督の澤井信一郎は、こう言っています。
「一本の映画のシナリオをつくるために、
主人公に対してはノート一冊分の履歴書を書かなくてはいけない」
つまり、そういうバックグランド作らなければ、物語の中でキャラクターは自由に、現実に存在するような人間として、動いていかないということなのです。
ただし、これを律儀に実践すると、たいていの人は設定を作り込んだだけで満足してしまって、そのキャラクターが魅力的かどうか考えることを忘れてしまうというデメリットがあります。
重要なのは、魅力的なキャラクターを創造することであり、その手段が目的化してしまっては、本末転倒と言えます。
登場人物の設定作りは、上記に挙げた部分を考えるだけで、まず十分です。
性格の次に重要なのは「長所と短所」に関する部分なので、設定を練り込むことが苦手な方は、これだけは決めておいてください。
設定を決めたら、次にそのキャラを主役にした短編小説を書いて、イメージを固めましょう。キャラクターは頭で考えただけでなく、実際に動かしてみないと、人物像が確固たるものになりません。
この際、もし魅力的なキャラクターにならないようでしたら、設定を最初から考え直してみる必要があります。
また、キャラの魅力が十分に発揮されない最大の理由は、そのキャラクターの価値観や欲望がわかりやすい形で表現されていないことです。そのようなキャラクターは共感しにくく、印象に残りません。
(キャラを主役にした短編小説を書く手法について、より詳しく知りたい方は、こちら)
ストーリーは忘れてしまっても、そのキャラクターだけは忘れない、というほどに印象的なキャラクターが良いキャラクターです。そのためには、キャラクターの欲望を極端な形で表現することがコツとなります。
例えば、人気作『スレイヤーズ』の主人公リナ=インバースは「悪人に人権はない」をモットーとし、盗賊狩りをして、彼らの金品を巻き上げて、魔法の道具を買うお金を得るというぶっ飛んだ性格をしています。
第一巻のあとがきでは、編集部がリナの個性的な性格を評価して、第1回ファンタジア長編小説大賞〈準入選〉受賞を果たしたと書いてあります。
ただ、異性の心を想像するのは大変なので、あなたが男性なら女性作家が描いた恋愛小説や少女漫画を、女性ならハードボイルド小説や少年漫画を読んで勉強することをオススメします。
男性と女性の価値観や考え方は大きく異なるので、これを理解しないまま描くとリアリティーのない人物像ができあがってしまいます。
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